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京の辻から   - 心ころころ好日

名残りを惜しみ、余韻をとどめつつ…

 芝木好子が描く世界に魅せられて

2013年05月23日 | こんなところ訪ねて
この5月初め、私はやっとのことで滋賀県近江八幡市長命寺町にある長命寺を訪れることができました。
琵琶湖に突き出た長命寺山にある西国三十三所第三十一番札所は、808段の階段で有名です。101段を残して、途中まで車で行くこともできます。長命寺のすぐ近くを何度も車で走っているのに、長い階段を上った山の上にあるということが、ずっと参拝への意欲を失わせていました。

それがどういうわけか思い立つやすぐに腰を上げたのですから、あら不思議。 …と言っても、姿なき声にビビッとくる時を待つばかりだったのです。

『群青の湖』(芝木好子著)を読み終えて、その読後感が無性に気持ちを長命寺に向けたのです。
主人公・瑞子(みずこ)が嫁いだ近江八幡の旧家には、病床につく義兄の玲がいました。重篤で家を離れ、湖が見たくて長命寺で療養していたのでした。
気むずかしくなった彼を見舞い、言葉を交わす中で、病人が日々見つめる琵琶湖の夕暮れ。そこに一瞬にして訪れる闇のすごさを教えられたのです。

そんな長命寺、訪ねてみたくてたまらなくなっていたのでした。ふくらはぎが痛くて痛くて、歩行困難になったことは4日にお話ししました。
先日は、湖北の飯浦の地から長命寺山の山容までもがうっすらと認められたのでした。
感動続きのような5月です。
コメント (8)
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