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ジャンボタニシ

2010-12-30 | HN:自然大好き人間

出典:県内席巻するジャンボタニシ


コンクリート壁面に産み付けられたジャンボタニシの卵塊=丸亀市内のため池(4日撮影)


コンクリート壁面に産み付けられたジャンボタニシの卵塊


中南米原産の淡水巻き貝で学名はスクミリンゴガイ通称ジャンボタニシ。田植え直後の若苗やレンコンを食害し、・・・


ジャンボタニシの成貝(上)。大きな貝は6センチを超える


 


団地の近くを散策していると、


水田に植えられた苗が根付いて、活きおい良く生長しています。


中には、苗を植えてすぐにジャンボタニシの被害に会って苗のないところも見られます。


用水路のコンクリート壁や苗に産み付けられたジャンボタニシの毒々しいピンクの卵が異様に目に付くこともあります。


お百姓さんが困っているジャンボタニシの生態を調べてみました。


 


出典:スクミリンゴガイ(通称ジャンボタニシ)のホームページ


日本では1981年に台湾から長崎県と和歌山県に貝が導入されました。導入当初はこの貝の養殖用の種苗生産や食用のための販路もあったようで、1983年には全国で35都道府県、計500ヶ所もの養殖場ができました。


  ところが、野生化した貝が稲を加害し始めたため、1984年に農水省が有害動物に指定し、海外からの輸入を禁止しました。また、食用としての需要も伸びない中で、沖縄県で採集されたこの貝から、人体にも寄生する広東住血線虫が発見され、国内での養殖業は完全に廃れました。


生態



スクミリンゴガイの卵塊は、水上の植物などに産み付けられます。長さ数cmほどで、大きな貝ほど大きな卵塊を産む傾向があります。卵塊は濃いピンク色で、中に直径2mm程度の卵が数十~千個ほど含まれています。このピンク色は、遠くから見ても大変目立つうえに、卵には苦みのある物質が含まれているため、捕食者に対する警戒色だと考えられています。



  •  孵化までの期間は温度によっても異なりますが、25℃の場合は約2週間です。・・・

稲を食害中のスクミリンゴガイ     水田の稲に産み付けられたスクミリンゴガイの卵塊   


稲を食害中のスクミリンゴガイ        水田の稲に産み付けられた


                          スクミリンゴガイの卵塊


食性


スクミリンゴガイは何でもよく食べますが、植物質の餌を主としてとっています。柔らかい草を好み、苗がごく小さいうちを除いて、稲はそれほど好まないようです。水田で稲の苗を食べてしまうのは、水田に他の食べ物が少ないからだと思われます。また、動物質の餌も好み、野外で魚の死体に群がって摂食していることもよく見かけます。


 稲の被害量は、貝の密度や大きさ、稲の大きさ、水深(移植栽培の場合)や浸水時間(直播の場合)などの影響を受けます。被害量は、貝の密度や大きさ、浸水時間が増すにつれて増加します。一方、稲が大きくなると、食害される苗数が格段に少なくなります。また水深が浅い(およそ水深4cm以下)と、被害があまり生じません(小澤ら, 1988)。これらの情報をもとに、移植直播栽培での被害回避対策が立てられています。


 


天敵


原産地の南米では、タカやワニ、カメなどが盛んにリンゴガイ類を捕食しているようです。一方移入先のアジアでは、あまり有効な天敵は見つかっていませんでした。しかし、日本の河川や池などに生息する多くの動物が、スクミリンゴガイを捕食することが分かりました(図:河川、池等での対策の天敵表)。多くの魚やゲンゴロウ・ヤゴ・カニ・エビなどが小さな貝を食べ、モクズガニ・コイ・カメ類・アイガモ・ドブネズミなどは、殻高20mmを越える貝も食べます。



  •  現在の水田の中には、これらの天敵はほとんど生息しません。これが、スクミが水田内で爆発的に増殖する理由です。昔のように多数の動物が池や水路に生息し、自由に水田と行き来するようになれば、スクミリンゴガイの密度も低下するかも知れません。

スクミリンゴガイを捕食するカラス


スクミリンゴガイを捕食するカラス


スクミリンゴガイはなぜ水上に卵塊を産む 


 


スクミリンゴガイ(ジャンボタニシ)の防除対策について教えてください。(奈良県農業情報・相談センター)


〈被害〉移植後2~3週間以内の幼苗を食害し水深の深い場所では欠株にしてしまいます。
〈生態〉
水路・水田で生育し、土中で越冬します。
ピンク色の卵塊を水路壁や稲・雑草の茎葉に産み付けます。
卵期間は10日から40日弱であり生まれると水中に入り約2ヶ月で成熟します。
〈防除対策のポイント〉発生が見られた水田では2月頃に石灰窒素20kg/10a散布後2回以上耕耘し寒気にさらして越冬密度をさげます。
田植直後の幼苗や深水ほど被害を受けやすいので中苗移植または水深1cm以下の浅水管理をします。
産み付けられた卵塊は1週間おきに払い落とします。卵塊がピンク色の場合は水中に払い落とすだけで死滅します。
水口に2mm目合い以下の金網を張って水路からの侵入を防ぎます。
〈薬剤防除〉
以下の薬剤に食害防止効果があるので田植え後2から3日以後に施用します。
キタジンP粒剤3~5kg/10a
パダン粒剤4 4kg/10a
(卵を直接防除する薬剤はありません)


 


 


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