雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

満月期に問題解決、新月期を待つ。(ASI533MC導入検証)

2023年05月05日 | 機材
前回記事に記載の通り、4/27のASI533MCカメラでの初のガイド撮影で
露光を開始するとオートガイド機能が停止するという深刻な現象が見つかりました。
オートガイドはステラショット2で行っているため
当初は負荷の増大によりステラショット2が一部の機能を停止したのでは?
とも考えて、アストロアーツにトラブル情報を上げたのですが
CMOSカメラのオートガイドにもステラショット2は対応しているとの事。

そこで、次に疑ったのがカメラを制御する配線経路の問題。
ASI533MCはカメラのUSB3コネクタに接続しているのですが、
途中の4ポートHUBやUSBケーブルはすべてUSB2仕様のものでした。
デジ一眼の撮影では問題が発生しなかったのですが、
新しいCMOSカメラではデータの輻輳が発生して
ステラショットが正常な動作ができなくなったのかも?
そこで配線経路のHUBやケーブルをすべてUSB3仕様のものに買い替える事も考えたのですが
1万円前後の出費となること、原因が別かもしれないことなどで迷った末に
既存の配線はそのままにして、CMOSカメラだけをUSB3ケーブルで接続することにしました。

トラブルが確認できた4日後(5/ 1)にはヨドバシカメラからこんなものが届いていました。 ↓
USB3.0 アクティブリピータケーブル10m サンワサプライ   ¥6,610
実は5mでも足りたのですが、なぜか10mの方が安かったので・・(不思議なこともあるもんだ)

あとは再びオートガイドの検証ができる夜を待つだけだったのですが、なんと翌日の5/2にその機会が訪れました。

満月に近い(月齢12)明るい月夜でありながらも、夜半前は雲がない。
検証するだけならこれでも十分。

配線系統の改善前・改善後です ↓
(注)余長処理で配線経路がわかりづらくなっています
*改善後は2経路で室内の趣味部屋のPCに接続します
*10mケーブルの半分(トグロ巻き)と中間リピータは室内のPCの後ろに

再検証となった5/2は明るい月が南中するのが21時過ぎ、薄明が終わると同時に検証開始。
検証対象に選んだのはおおぐま座の銀河コンビの片方M81

6千円以上もかけたギャンブル、なぜかうまくいきそうな予感。
そして期待通り ステラショット2によるオートガイドは何事もなかったかのように正常動作しました。

5分露光で22枚撮った中で、ガイドブレが少なかった15枚で画像処理したM81です。

 月明かりの中のM81
( 元画像の 50%に縮小 ほぼノートリミング )
(  上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 2 20:23’~22:14’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 300秒 × 15枚  Gain300 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影・オートガイド) ステライメージ9(画像処理)
*ダーク処理、フラット処理はまじめにやっています

普段なら絶対撮らない月明かりの空でしたが、予想以上に淡い腕がでてくれました。

撮影時の「只今撮影中」ショットです ↓
2023年 5月 2日 21時32分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×4枚 ISO1600 
ソフトフィルター KissDX(SEO-SP2) 三脚固定撮影
3月にデジ一眼で同じエリアを撮った時の「只今撮影中」ショットです ↓
2023年 3月15日 0時29分~ Tamron Zoom(fl17mm F2.8) 30秒×7枚 *他のデータは上と同じ

検証結果がうれしくて、その時 空を明るく照らしていた月も撮ってあげました。
 月齢12.4
( 元画像の おおよそ40%に縮小して掲載 )
( 地上からの見た目に合わせて 上が北になっています )
撮影DATA : 2023/ 5/ 2 22:51’~23:03’ Vixen VC200L (fl=1,800㎜)
露出 0.04秒 × 32枚 × 4モザイク Gain102 ASI533MC Pro(冷却-10°) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影) AviStack(コンポジット処理・ウェーブレット処理)

ライブビューでシンチレーション(大気のゆれ)が大きめだったので
エクステンダーでの拡大撮影はやめました。
ピクセルサイズの小さい533MCは月の撮影にも期待ができます。


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ゴールデンウィークまっさかりで孫たちも勢ぞろい。
連日ハードな一日が続いています。

新月期が待たれますが、すでに春の系外銀河シーズンは過ぎようとしています。
夏の星雲撮影用にR200SS用のフラット画像の作成が必要です。


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コメント (2)    この記事についてブログを書く
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2 コメント

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Unknown (せろお)
2023-05-06 07:39:32
記事と関係ないコメントですが失礼します。

最近、533MC Proを導入したのですが、輝星の回りにぐるっと四角いゴースト?が8個出るので困っています。
同じような現象は出ませんでしょうか?
こちらの鏡筒はRedCat51です。
Unknown (雲上(くもがみ))
2023-05-06 14:38:05
せろおさん こんにちは。
こちらは記事の通りまだ533MCのまともな画像は撮れてないのですが、
ステラショットによる導入補正のために撮った明るい星の画像で確認したところ、
言われるるようなゴーストはまったく確認できませんでした。
鏡筒も反射・屈折の違いがあるのでなんとも言えませんが、
ゴースト発生の要因がRedCat51にあるのか533MCにあるのか、切り分けができるといいのですが。

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