雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

続・撮影画像(ベイヤー配列)で見る、デジ一眼とCMOSカメラのちがい

2023年10月29日 | 機材
前々回の記事からの続きになります。

今回は撮影された生(RAW・ベイヤー配列)画像の輝度データを使って、
デジ一眼[EOS 6D] と CMOSカメラ[ASI533MC]の違いを調べてみます。
今回 検証に使う画像はさんかく座のM33銀河にしました。

前回同様 処理完了後の画像の紹介から(すでにブログ掲載済の画像ですが ・・)
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デジタル一眼 EOS 6D ↓
( 縦(タテ)構図のため北は右の方向になります )
撮影DATA : 2021/ 10/11 00:20’~ Vixen VC200L+レデユーサーHD(合成 fl= 1386mm F6.9)
露出 10分 × 8枚 + 2分 × 8枚  ISO 6400 LPS-D1 EOS6D (HKIR改造)
その他 撮影データおよび撮影時のブログ記事は → こちら

CMOSカメラ ASI533MC Pro ↓
撮影DATA : 2023/ 8/ 25 01:36’~ Vixen R200SS+コレクターPH (合成fl=760㎜ F3.8)
露出 180秒 × 39枚  Gain204 LPS-D1 ASI533MC Pro(冷却 -5°)
その他 撮影データおよび撮影時のブログ記事は → こちら

各画像の処理前の撮影画像(RAW・ベイヤー配列) から1枚を選び、同じ撮影個所の輝度レベルを比較しました。 ↓
(注1)533MCの輝度レベルはADコンバータ(14ビット)で得られた値をx4倍して16ビットで保存されているため、
ステライメージピクセル情報で得られたレベル値を1/4に戻して比較しています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
( その際に、保存されていた輝度レベルはすべて4の倍数であることが確認できました )・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(注2)EOS6Dの撮影画像のうち、2分露光の中から1枚を選んで比較しています。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
輝度レベルはADコンバータ(14ビット)のまま保存されているらしいので、そのまま使用しました。・・・・・
また533MCの画像範囲に合わせるため、トリミングおよび向きを合わせるため画像を回転しています。・・・・

とりあえずデジ一眼CMOSカメラの撮影画像の同じ星、同じ星雲・背景の輝度レベルを比較すれば
何かしら違いが見えてくるだろうと考えて始めたのですが、そう簡単ではないことがわかりました。
苦労の末に作成したグラフです。 ↓
ほとんど生のままで処理が行われていないと思われる533MCの輝度レベルを基準として横軸に、・・・・・・・
RAW(生)画像とは言え、画像の処理・加工が疑われるEOS 6Dの輝度レベルを縦軸にしてあります

どこが簡単でなかったかというと・・・
. 輝度レベルはステライメージピクセル情報(5×5ピクセルの範囲)の機能を使ったのですが、
ベイヤー配列(G・R・G・B)の画像のため、隣の画素の輝度レベルが大きく異なり・・・
クリックする場所が1画素違っただけで輝度レベル(25ピクセルの平均値)が変化する。
. 両者の特性を2本のグラフで比較しようにも 共通のパラメータが見つからない。・・・・・・・・

結局、上記のグラフ作成にあたっては
については、25ピクセルの平均値ではなく、最大値(Gの輝度レベル)とすることで安定。
については、533MCを基準の横軸とするという苦肉の策で対応。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

輝度レベルを測りなおしたりして1日以上かけて 作成したグラフですが、
それなりにデジ一眼とCMOSカメラで以下の違いをみることができます。

ちがい 最低の輝度レベル(背景の空の明るさに相当)EOS6Dでは2465と高く、
ちなみに533MCの同じ場所の背景の空のレベルは 374と低かった。・・

この原因のひとつとして考えられるのが、撮影時のカメラ温度の違いによるダークノイズ
ダーク減算 を行って再度測定したところ
EOS 6D・・・外気温+19.3℃ (冷却なし)    減算前 2465 ⇒減算後 389
533MC・・・冷却 -5℃・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 減算前 374 ⇒減算後 369
ダーク減算EOS6Dの背景レベルが533MCとほぼ同じになった!
背景レベルの差は、両カメラの温度差25度によるダークノイズが原因と断定。
苦労した割には平凡な(?)原因となりました


ちがい EOS6Dは 14ビットADコンバーター( Max16383レベル)のはずが・・・・・・
14000付近で頭打ちとなっている。・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ちなみに533MCでは飽和の始まった明るい星で最大値16383レベルとなっている。
この違いについては ・・・ わかりましぇ~ん!?

そもそも[ちがい]の原因が拍子抜けする結果だったことで
探求する気力がなくなってしまいました。


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尻切れトンボの記事になってすみません。
わたしはデジ一眼のRAW画像ではとんでもない事が行われているのでは?
という思い込みがあったものですから・・

11月の新月期は533MCのユニティーゲインに挑戦したいです。

ウォーキングの途中で見つけた野草です
” ノダケ ” という野草のようですが こんなにきれいな時期もあるんですね
(訂正)その後、これはセリ科の”シシウド”の仲間とわかりました


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