雲の上には宇宙(そら)

 雪国越後にて、30年ぶりに天体写真に再チャレンジ!

十夜目の実戦検証 ASI533MC(その1)上弦過ぎの月

2023年09月27日 | 機材
前回記事「九夜撮ってわかった事 わからない事 [ASI533 MC]」に書いたように
533MC Proでこれまでに撮った画像の検証を始めたのですが、
ほとんどが同じ光学系(鏡筒)および同じGainで撮っており
検証用画像の不足を感じていました。

そんな24日の夜、上弦過ぎた月が真夜中まで沈まず、
おまけに予報では日がかわった2時ころには西から雲が押し寄せるという悪条件でしたが、
検証用の画像なら なにかしら撮れるだろうと7週間ぶりに自宅裏口に機材を設営しました。
幸いなことに 雲がやってきたのは予報より遅い3時過ぎ
おかげで貴重な検証用画像を撮ることができました。

今回は早い時間帯に撮った上弦過ぎの月の検証画像を使って
Gain設定が 明るい月の撮影に どんな影響を与えるのかを検証してみます。

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は手持ちカメラでも撮影できるきわめて明るい天体ですが、
天体写真として見栄え良く見せるのは大変難しいと感じています。
その理由は 月自体が色味に乏しい事(ほぼグレー)のほかに、
ごく微細なクレータの影や 欠け際を除けば 輝度が高い方に偏っており
画像処理で輝度の差を拡大すると明るい光条などが白くつぶれてしまったり、
逆に欠け際の部分が黒くつぶれたりします。
そこで 、白つぶれ 黒つぶれが発生しないように処理すると
こんどはメリハリのない眠たい画像になってしまいます。
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今回は検証用ということでGain ~Gain450まで50きざみで10段階。
各8枚づつ撮影してRegiStax6でスタックを行った画像です。
( 画像クリックで縮小なし画像で見れます )
Gain102は何かとお勧めされるユニティーゲインですが、その意味をまだよく理解できていません
( ユニティゲイン値はCMOSカメラの機種により異なり ASI533MCでは102となっています )

同じような明るさの撮影画像が得られるよう露光時間を変えているのですが、
Gain0はGain450の300倍近い露光時間となりました


撮影にあたって留意したのは
露光オーバーで飽和する部分が多くならない露光時間 で撮影する事
かつ 極端な露光不足も避ける事 ということで
画像内の 明るい部分の飽和(輝度最大)が始まる露光時間 で撮影しました。
(かなりファジーですが・・)

デジ一眼のISO感度設定と違ってCMOSカメラGainはやっかいですが、
導入時 室内で実施した「Gainと画像の輝度」の検証結果が約に立ちました。
過去記事 「ASI 533MC Pro 導入検証(その3) Gainってなに? 露光時間は?」 2023_4_18 より

(注)Gain設定がきれいな50刻みになっていないのは、ステラショット2のゲイン設定方法が原因です。
得られる画像に大きな差はでないと思うが、ストレスがちょっとたまるので 直接キィー入力でも設定できるよう改善してほしい


以上をふまえて処理したこの夜の 月齢9.4の月です。
( スタックした画像に少しだけシャープ処理をかけただけの画像 )
撮影DATA : 2023/ 9/ 24 20:35’ Vixen R200SS(コレクターPH) (合成fl=760㎜)
露出0.007秒(1/143秒相当) × 16枚 Gain102 ASI533MC Pro(冷却なし) タカハシ EM-200 Temma2M  
ステラショット2(導入・撮影) ステライメージ9(画像読込・保存) RegiStax6(コンポジット)

いつもなら月の静止画撮影は長焦点のVC200L鏡筒にエクステンダーをつけて拡大・分割モザイク撮影するのですが、
今回はこの後の星雲・銀河の検証撮影も考えて短焦点のR200SSでの撮影で、
これまでの約1/20の画素数での画像で 解像度の点ではものたらない月になっています。


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本来ならば検証画像の掲載にあわせて、検証結果のコメントも記載すべきですが、
この夜だけで4タイトルの検証撮影をおこなっており、
まずは得られた検証画像を先にお見せする事を優先しました。


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