大して宣伝も見かけないのに、ヒットしていて 評価も高い『おくりびと』を観に行きました。
10/1にライバルのシネコンがオープンするので、会員に限り格安(1800→1200)キャンペーンで入れる駅前のシネコンの券売には長蛇の列・・・。悪い予感は当たっていて、その大半は「おくりびと」目当ての大人ばかり。結局 ”ポニョ”と同じぐらい混んでいて、凄い人出でした。
今回の舞台は山形。邦画は東北(福島が東北かは微妙ですが)でロケするとヒットするのか、憶えているだけでも「スウィングガールズ」「フラガール」があります。個人的には東北弁のテンポが暖かいのと、”厳しい冬”から”光が溢れる春”への劇的な風景の変化が、ストーリーとマッチしやすいのでは??と そうぞうします(勝手にこれらを東北3部作にまとめました)。
もちろん 山形ロケもタップリあり、おいしいモノも沢山出てきます。脇を固める 山崎努さんは、伊丹映画でもそうですが、 高価なグルメをマナーそっちのけでクチャクチャ食べるのが上手く、空腹で見るのはお薦めしません。
ところでなんで評価が高いのかですが、観に来ている人の大半は身近な人の死を知っており(客は中高齢が大半)実体験で裏打ちされているため、映画に嘘がないと実感で分かるからではないでしょうか?(僕はそう思います)
特に 今回の舞台となる納棺のときは、大半が葬儀前で悲しみに暮れる遺族が、着の身着のままで駆けつけている様子を、実に上手く描いているため、「あーそうだ、こんな感じだ」と客の中で実感できていくのを肌で感じました。結構すすり泣きも聞こえ、涙腺が弱い方は ハンカチが必要のようです。
とにかく今年の3本にはいるほどの作品ですので、興味のある方はお早めに。