伊勢崎市議会議員 多田稔(ただ みのる)の明日へのブログ

行政経営、地方政治、そのほか人生にプラスの楽しいこと eメールアドレスkucctada@mail.goo.ne.jp

市原市 市民による事務事業の総点検(環境・文化財・財政・地産地消)

2016-08-11 19:24:41 | 事業仕分け 住民協議会 構想日本
昨日のブログの続き。
今回は、午後の点検作業について報告します。


<環境関連啓発事務> 1班

5枚の説明シートを一括で審議
・エコフェアいちはらに関する事務(委託) 4,068千円
・環境施策の広報に関する事務 750千円
・化学物質に関する事務 750千円
・自然啓発事業     1,434千円(委託)
・環境学習に関する事務 6,036千円

市民点検員の意見
・このボリュームと内容は、市民が点検するのは難しい。職員内部で点検して、
 市民にはもっと判定しやすい事業をまわしてほしい。

(多田コメント)
・このままの形で資料を投げかけられても、
 市民にとってはボリュームがありすぎるとともに、
 複数の事業内容を一括で議論するのは難しいとと感じました。
 市民に諮る前にもう少し整理した方がよかったと思います。



<文化財に係る郷土愛の醸成に関する事業> 2班 4,653千円

内容
・見学会、講演会を開催
・近年の講演会は城郭や国分寺をテーマにしている
・文化財の説明版、案内板を設置
・駅とショッピングセンターに文化財のポスターを掲示

課題
・見学会や講演会を開いても、歴史が好きで来る層はきまっていて、
 そのほかの市民に広がらない。

市の説明
・昔ここに国分寺があった。学校教育と結びつけると、大きな視野や時間軸、
 ロマンが得られる、社会科教諭の研修会を実施したことがある。
・歴史好きの市民の中でも中核のコア層の人たちに、
 こども文化財教室の先生役をしてもらっている。

(多田コメント)
・歴史が好きで熱心に勉強さらた方々が先生役になって、市民が市民に
 歴史や文化を教え、伝えることはとても素晴らしいと思います。
 何から何まで税金で行うよりも、自立した市民活動の姿だと思います。
 市民活動や生涯学習の理想的な姿だと思います。



<財政白書作成事務> 2班 2,282千円

内容
財政白書を作成し市役所内に配布、ホームページに掲載、販売(年数冊)
・職員が政策形成時にデータを参照する
・その他、いちはらの財政、財政便覧をHPに掲載

(多田コメント)
・冊子として作成していますが、25、26年度の販売実績はゼロ、27年度は8冊。
 ホームページで見て、ダウンロードもできるなら、冊子はなくてもよいと思います。
普通会計貸借対照表を拝見したところ、聞いてみたい部分がありました。




<地産地消推進事業> 3班 8,321千円

内容
・園芸まつり、フルーツフェスティバル等の補助
・農林業まつりを主催
・直売所活性化補助
・地産地消推進協力店の登録

点検を終えた感想
市民
・意見言えてよかった。
・これからも市民参加の取組みを続けてください。
・今までどういう過程で行政の事業ができるのか分からなかったが一端が分かった。
 これからも市民との距離をどんどん縮めていただいて市原市をよくして欲しい。
・事業を良くするのは係長の仕事。課長は課を超えて最適の仕事をして、
 部長は部を超えてより効率的な仕事をしてください。

コーディネーター 
・行政は農業を保護するのでなく、産地間で競争して消費者に選んでもらう舞台を
 整えるのが行政の役割。税金による杖(補助金)を与えると自力で歩けなくなる。
・市原市には前向きな市民点検員がいる。
 厳しい目のチェックと、優しい目の応援を広めてください。

課長 
・自分の視野の狭さを感じた。市を超えた広い視野が必要。
 農産物直売所利用者の意見を直接聞けて良かった。頂いた意見は参考になった。
 長く続ける間に目的がぼやけていた。


(多田コメント)
・複数の会場を移動して聴いていましたので、最後の感想は聞きましたが、
 議論のやり取りは聞き逃しました。
・課長さんの感想から推量すると、目的がぼやけて
 漫然とした取り組みとなっていたようです。

(地産地消に関する多田の私的見解)
行政が「地産地消」を過度に振興するのは私は反対です。
コーディネーターが指摘されたように、補助金頼りの体質になってしまうと
産業として、事業者として自分の稼ぎで自立できなくなってしまいます。
市営農業法人ではないのですから、事業者は自立が基本です。

もし、すべての自治体が厳格に地産地消を実施したらどうなるでしょう。
「住民や食品業者は地元の食材を使いなさい」ということに
全国的になってしまったら、農業は自立できません。
なぜなら、他の自治体へ販売できなくなってしまうから。
地域内の自給自足程度の生産量では、産業として農業は成り立たないはず。
やはり、コーディネーターさんがおっしゃるように、
産地間競争で選んでもらえるように舞台を整えるのが行政の役割だと
私も思います。



<埋蔵文化財活用事業> 1班 7,725千円

・講座を7回開催 476人
・夏休み子ども体験講座を3回開催 165人
・見学会、遺跡発表会を開催 363人

(多田コメント)
多くの市民に文化財の大切さを知ってほしいということなので、
介護教室の事業でも指摘しましたが、小中学校社会科の授業を
活用するのがよいと思いました。



<午後の点検を終えた市民点検員の感想>(1班)

・市民でありながら、税金がどのように使われているのかよく知らなかったので、
 よい機会でした。
・取り上げる事業をもっと選別して、まず職員自身が点検し、重大な案件は市民参加。
・何時も窓口でお世話になっているので恩返ししたいと思い参加したが、
 難しすぎて質問されて答えられなかったが、機会があったらまた参加したい。

コーディネーター
・行政はPRが下手。仕事の中身や重要性を市民に分かりやすく伝える努力必要。


(多田コメント)
市原市さんに限らず、一般的に「行政はPRが下手」と言われます。
では、なぜ下手なのか?

 それは事業の何をPRすべきか自分自身でよくわかってないから?
 もしかすると、そもそも事業の目的、ミッションがあいまいだから?
こんな疑問が浮かびました。

市原市さんのことでなく、一般論として、
行政職員の皆さんにとっては、毎日変わり映えのしない仕事かもしれませんが、

・引き継いだ仕事を続けることが自己目的化していないか?
・今行っている仕事のすべてが本当に必要か?

時代の変化に合わせ仕事を見直し続けるには、
絶えずこんな自問自答することが必要と思います。

行政の仕事が前例踏襲に陥り、
旧態依然とした価値観や組織文化になってしまうと、
行政が地域発展のボトルネックになってしまいます。

市原市さんの、市民による事務事業総点検を
見学させてもらい大変勉強になりました。
自治体の仕事は共通するものが多いので、自分のところを振り返り
考えさせられることが多かったです。

この取り組みに対して、参加された市原市民の皆さんからは、
前向きで肯定的な意見が多かったです。
素晴らしい取り組みだと思います。

公開で行ったことで、注目され、
批判的な意見も寄せられるかもしれませんが、
でもそれは市原市さんが、もっと良くなっていくための
助言ですので、肯定的に受け止めてください。

風通しを良くして、開かれた行政にしていくことが、
市民参加が進み、住民自治の理想に近づく第一歩だと思います。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 市原市 市民による事務事業... | トップ | 空き家の道路側 除草が完了... »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

事業仕分け 住民協議会 構想日本」カテゴリの最新記事