「SGLT2阻害剤に関するアホ記事」というメールです。
「糖尿病患者は生きるためには炭水化物を食べなければいけない。しかし糖尿病患者が炭水化物を摂取すると高血糖になる。それなら尿中ブドウ糖排泄を促進する薬を飲ませればいい」という発想は,「アルコール性肝硬変の患者は生きるためには酒を摂取しなければいけない。しかし,アルコール性肝硬変患者が酒を飲むと肝機能が悪化する。それなら,アルコールを尿中に排泄する薬を飲ませて酒を飲ませればいい」というのと同じです。この論理のどこがおかしいかに気が付かなくても,立派な糖尿病内科の教授になれるのです。
2014年05月01日 09:17
新しい糖尿病治療の経口薬として、6種類のSGLT2阻害薬が発売される予定です。このSGLT2阻害薬は腎臓に作用します。ブドウ糖は、腎尿細管と呼ばれるところで再吸収される際、SGLT2と呼ばれる糖輸送担体の孔を通過します。SGLT2阻害薬は、この糖輸送の再吸収をブロックするので、ブドウ糖は、そのまま再吸収されずに体外に排出され、血糖値を低下させます。炭水化物摂取を減らすことと同じ作用がありますので、1日約400kcalの体外排出による体重減少効果が期待できます。また、この糖輸送担体は、ブドウ糖とナトリウムを一緒に通過させる性質を持っていますので、この糖輸送担体の働きを薬でストップさせますと、ナトリウムまでも排泄促進するため、塩分制限と似た作用により、血圧を下げる効果も併せ持っています。
新井医師も言っています。この薬を使うと血圧が下がる。納得です。