瀬戸内海に浮かぶ厳島(いつくしま・宮島)には、世界文化遺産に登録された厳島神社がある。
海に浮かんでいる様に見える大鳥居は、特に圧巻だ。
この島は古代から神が住む島として、島全体が祟められてきた。
厳島の名称も「神をいつく(斎)」つまり神に仕えると言う所からきている。
その為、人が住んではいけない、田畑を作ってはいけない、木を伐採してはいけない、と言った数々のタブーが存在していた。
また、神社の背後にそびえる弥山(みせん)も神域とされている。
これも神がいるとされる霊山に、しばしば付けられる名前だ。
そんな霊威に満ちた場所だからか、厳島では「宮島の七不思議」「弥山の七不思議」など、いくつもの伝承が語り継がれている。
しかし、これが単なる伝説とばかりは言いきれないのだ。
科学では説明出来ない様な、謎の現象が実際に起きている。
その一つが、不消霊火堂(きえずのれいかどう)にある「消えずの火」である。
これは弥山で修行をしていた弘法大師(空海)が、護摩焚きを行った時の火で、それ以来一度も消えた事がないと言う。
それが事実なら1200年以上燃え続けている事になる。
消えずの火の上に茶釜が掛かっているが、中の水も決して沸騰しないらしい。
消えずの火で沸かしたお湯は万病に効くと言われる。
そのほか、1月6日の夜だけ海上に奇妙な燈火が現れると言った、怪現象も目撃されている。
厳島神社には、人智を超えた何かの力が働いているのかも知れない。