普段、とても冷静な人でも、ずっと能面の様に同じ表情を保つのは至難の業だ。
人間なら誰しも一瞬隙が出て、本当の感情が現れるものだ。
これを精神分析学的に「微表情」と呼ぶ。
たとえば、ウソをついた直後、つい舌で唇を舐めてしまう、不安な時は頻繁に髪を触り、恥ずかしい思いをした時はおでこを触ってしまう。
これらは見分けが着きやすい例だ。
誰もが、自分の行動を振り返って「ああ、確かに!」と思い当たるだろう。
さらに、片方の口角だけが一瞬上がる(軽蔑)、眉間に皺ができる(怒り)など、よほど経験を積まねば見逃してしまうレベルのものもあるが、この「ほんの少しの変化」ほど、相手の真意が無意識に漏れ出たものだといえる。