精神世界(アセンションについて)

このブログの内容は、色々なところから集めたもので、わたくしのメモであって、何度も読み返して見る為のものです。

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2008年01月25日 | Weblog
〇テロップ

  4年後。


〇立山の麓

  立山の美しい山並み。
  麓の過疎の村跡にいくつかのログハウスが点在している。
  まわりには、行き届いた田畑。稲穂が風になびき、野菜畑では、収穫を待つ野菜が色とりどり並んでいた。

  一番手前のログハウスのところに、『芸術村』という手作りの看板。
  そのログハウスから、3軒目の家が洋介の仕事場であった。


〇洋介の家の中

  山小屋のような雰囲気。ログハウス独特の丸太を積んだ壁から、ヒノキのいい香りが漂っている。
  リビングとダイニングを兼ねた部屋は質素であるが、使いやすそうに見えた。壁際にシンプルなキッチンセット。耳つきの木材で作られた素朴なテーブルに椅子。
  
  スタジオは防音壁できっちりと仕切られていた。
  回り階段を上がった屋根裏に部屋が二つ。スロープの天井はいかにも別荘という感じがして、訪れたものの心をワクワクさせた。

愛子「いい香り。自然の匂いって何て気持ちいいんでしょ」

ヒデト「ほんとに心地良いところですね」

  洋介、お茶を出しながら、

洋介「ああ、自然の中で暮らすことが、人間にとって最高の贅沢なんだろうな。それに、何も持たないってのが、気楽でいい」

  温かみのある手作りの湯飲みが三つ、テーブルの上に。

愛子「(触りながら)このお茶碗、もしかして、洋介さんのお手製?」

洋介「(頭を掻きながら)ばれた? でこぼこだもんなあ。この村の奥にある熊さんちの窯で焼いてもらった」

ヒデト「熊さん?」

洋介「熊谷さんっていうんだけど、熊さんって呼ぶのがぴったりなんだ。会えばわかるよ(笑)」

ヒデト「ここはいろんな芸術家が集まっているそうですね」

洋介「自称『芸術家』。音楽家、作家、画家、他に、彫刻家、陶芸家、染色家たちがいる。
  そうそう、有機農業など、理想的な農業を目指す農家も合わせて、今のところ、計、33軒」

愛子「ちょっとした共同体ですね」

  エヴァが愛子の足元でくつろいでいる。
  ときどき、声のするほうを見ては首を傾げている。

洋介「まだまだ増える予定だ。ここんとこ希望者が多くて」

ヒデト「食料品とか学校とかは?」

洋介「農産物は村がかりで、結構、自給自足できるほどまでになっている」

ヒデト「自給自足?」

洋介「途中で見なかったかい? どこの家も畑を持っていただろ? ある程度、自分たちの食べる野菜は自分たちで作っている。
  あと、米は、農繁期には、みんなが協力して生産している」

愛子「へえ~、すごい! 洋介さんも、田植えや稲刈り、するんだ」

洋介「もちろん! 自然の中で働くっていうのは、じつに気持ちがいい。
  作曲で行き詰っているときなんか、特にいい。農作業していると、思いがけず、ポロッとメロディが浮かんできたりしてね。作家や画家の人たちも同じようなことを言ってる」

愛子「私もやってみたい」

  一瞬、顔を見合わせるヒデトと洋介。

ヒデト「うん。やろう! 手伝わせてもらおう」

  ニッコリ微笑む愛子。エヴァも鼻を愛子のひざにすり寄せて同調している様子。

洋介「そうそう、さっきの続きだけど、農産物以外は、通販を利用したり、時には町のスーパーまで買いに行ってる。
  学校はね、去年までは、親が協力し合って、町まで送り迎えしていたけど、今は水野という人がつくった学校に通わせている。
  彼らは夫婦で、子どもたちを教えているんだ。いろいろあったみたいで、『真の教育』を目指してここにやって来た」

ヒデト「ふうん。芸術家だけじゃないんだ」

洋介「いや、シュタイナーは、教師は『芸術家』でなければならない、と言ってる」

  ヒデト、ぽかんとしている。

洋介「まあ、いい(笑)。ところで」

  愛子、洋介の言葉を継いで、

愛子「そうそう、ワークショップはどこでやるの?」

洋介「村の真ん中に集会所がある。学校の隣。先月できたばかりさ。オレたちが初めて使うことになる」

ヒデト「何人くらい集まるんですか?」

洋介「たしか、オレたち合わせて15人。いや、一人、特別参加があるから、16人だ」

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〇集会所の中

  30畳くらいの部屋は中央の天井が屋根の形に沿って高くなっている。高窓から透明感のある青い空が見えていた。
  一部、板敷きになっており、ピアノが置いてある。

  畳の床に車座になって座っている参加者たち。
  中にはヴァイオリンやフルート、胡弓のケースを携えているものもいる。

  エヴァは愛子の後ろにぴったり寄り添っていた。
  洋介がおもむろに立ち上がる。

洋介「え~、みなさん。本日はお忙しい中、ご出席くださいましてありがとうございます」

  洋介、ていねいに頭を下げる。
  みんなも同じように頭を下げた。

洋介「1回目は北海道、2回目は沖縄。3回目はようやく、ここ立山で開催されることになりました。ご覧の通り、ここはできたばかりの集会所です。
  この場所が、みなさんの愛の波動で高められ、村の中心の場として、よりいっそうの役割を果たすことができるようになることを期待します」

  洋介のあいさつの言葉に、みんなの拍手。


〇集会所の外

  集会所の周りから、学校、そして、村全体が映し出される。

  音楽イン。

ヒデトのN[毎年、春と秋にそのワークショップは開かれることになっていた。
  先日、洋介に、『全国から、同じ使命を持つワンダラーが集まってくる。ヒデト、君も是非、来ないか? もちろん、愛子も来る』と、誘われた。
  全国から、同じ使命を持つワンダラーが集まって来る。僕の胸は高鳴っていた」

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2008年01月25日 | Weblog
〇集会所

  音楽。参加者の出身の地方の特色に合わせて変化させる。
  
  沖縄から来たという島袋という若者が、ヒデトに囁いた。

島袋「まさか、こんなところで、マイケル・オーウェンに会えるなんて思わなかったね」

ヒデト「(小さな声で)あのマイケル・オーウェン?」

島袋「そう、モーツァルトの再来といわれている、あのマイケル」

  
  洋介がニッコリ微笑みながら、

洋介「みなさん、今日は特別にマイケルさんにおいでいただくことができました」

  みんなの割れるような拍手。

洋介「マイケルさんは3年前に来日し、全国各地のワンダラーと交流されていましたが、来月、アメリカに帰られるそうです。
  忙しい中、特別に来ていただくことができました。これから、みなさんに、とっておきの話をしてくださいます」

  みんなは顔を見合わせながら、嬉しそうに頷いている。頬を染めて、少し興奮しているものもいた。

マイケル「(日本語で)みなさん、こんにちは。マイケルです。何人かの人たちには、すでにお目にかかっていますが――よろしくお願い致します」

  日本人のように丁寧なお辞儀をするマイケル。
  青い瞳、広い額、聡明な顔立ち。顎に栗色の髭をたくわえている。
  ベージュのコーデュロイのジャケット、ノーネクタイのシャツにジーンズという格好は若者たちに親近感を与えていた。 

マイケル「本日、特別に参加させていただきましたのは、是非、みなさんにお伝えしなくてはならない、『向こうからのメッセージ』があるからです」

  みんなシーンと静まりかえっている。

  音楽イン。モーツァルトのメロディが静かに流れる。

マイケル「宇宙からのメッセージです」

  ゴクリとつばを飲み込むもの、目を丸くして緊張しているもの。
  みんなマイケルの言葉を一言も聞き漏らすまいと、真剣に耳を傾けている。

マイケル「最近、天界の指導者たちのよって、重要な会議が何度も開かれています。テーマは『愛と英知のウェブ』です」

  場内に一瞬さざめきが起こった。 

ヒデト「(小さな声で)愛と英知のウェブ――」と思わずつぶやいた。

  愛子も同時につぶやいていた。

  マイケルは無理もないという顔をして、少しの間、沈黙している。


マイケル「会議の内容は次の通りです。
  現在の地球は、あまりにも愛と英知のバランスが崩れています。
  地球を正しく導くには、愛という縦糸に英知という横糸を通して織らなくてはなりません。縦糸がしっかりしてこそ、美しい布ができるのです。
  ですから、この会議では、現在の、科学のグループに偏りがちだった指導から、芸術、特に音楽のグループに重点を置いて指導することに決定したのです」

  ゆっくりと、みんなの顔を見渡すマイケル。

マイケル「いいですか、みなさん。
  この数百年の間、天界から多くのアトランティスの魂が送り込まれ、地球は科学的には充分に発展してきました。
  ところが、人間は、またもや物質ばかりを発展させることに夢中になってしまい、進化の過程で道を誤っています。
  今にも破滅寸前です。
  人類は懲りることもなく、また、アトランティスの失敗を繰り返そうとしているのです。
  そこで、バランスをとるために、この半世紀の間、ムーの魂をどんどん送り込んでいます。愛と思いやりに満ちた地球を取り戻すためにです。
  私たちワンダラーも彼らを助けるために自らやって来ました。
  そして今、機が熟したというか、地球の危機を目前にして、天界から次々メッセージが送られているのです。
  それが『愛と英知のウェブ』なんです」

  あちこちから、ため息がもれた。

  岩手から来た青年がおずおずと手を上げた。

杉谷「あのう、科学をここまで発展させたのは、人間にとってよくなかったのですか?」

  何人かが頷いた。同じ疑問を持っているようだった。

マイケル「(ニッコリ笑いながら)いいえ、それは必要な過程だったのです。
  人間が物質的に豊かになろうと努めてきた数世紀間は、次の段階に進むための土台作りだったからです。
  つまり、人類は意識の変化を遂げるために、一つずつ学んで進化する必要があったのです。
  物質的な需要が完全に充たされると、人々は精神的なものに関心を持ち始めます。今がそのときです。
  ドゥー ユー アンダースタンド?」

  一同、頷き合う。

マイケル「今、人間は、世俗的な安心感や経済的な安定を追求しているうちに、完全に自分を見失っています。
  自然を征服し、自分の生活をより快適にすることだけに集中してきたからです。
『人生とは、他人に勝ち、地球を搾取する事』だという思い込み。
  この脅迫的な衝動が、地球の自然を汚染し、破壊寸前にまで追い込んでしまいました」

  マイケルはいかにも悲しげに、フーッとため息をついた。

  愛子が小さな声で歌い出した。いつもの言葉のない歌だった。

  マイケルは元気を取り戻していった。
  マイケルの話のB・Gとして、愛子は静かに歌い続ける。 

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2008年01月25日 | Weblog
マイケル「みなさん、『愛』とは何だと思いますか?」

  みんな口々に「思いやり」「優しさ」などと答える。

  マイケルは微笑みながら頷いている。

マイケル「そうですね。実は、『愛』とは頭で考えるものでも、道徳的な教えでもないのです。
  それは、宇宙につながった時の基盤となる感情なのです。
  そう、宇宙のエネルギー、つまり、神のエネルギーとつながった時の状態を言います。
  ドゥ ユー アンダースタンド?」

  マイケルは興奮すると、英語を発した。

マイケル「ところが、人間の体や心から『恐れ』を取り去らないかぎり、このエネルギーとつながることは難しいのです。
  しかし、宗教によらず、難しい哲学を使わず、この『恐れ』を『愛』に変えることが、実は可能なんです」

  一同、驚いた顔。

ヒデト「もしかしたら、それが僕たちの使命!?」

  思わず声を出すヒデト。
  みんながヒデトを見る。
  愛子、そっと頷きながら、歌い続ける。
  マイケル、嬉しそうに、ヒデトを見てウインクする。

マイケル「イエース グッド。大自然が、何億年も前から歌ってきた歌を、『歌い』『聴く』ことなのです。
  万物にも、地球にも優しい『音楽』こそが、まさにそれなんです。
  ここ数年で、地球は『音楽マジック』の時代に入ったと言えるでしょう」

洋介「音楽マジック?」

  胡弓を携えてきた若い女性が感嘆した声で言った。中国人のようだった。

チャン「太古の人間が、ファイヤーを囲み、踊り、歌って、宇宙とつながったというあの感覚を、再び人間は取り戻すことができるのですか?」

  マイケルは満足そうに頷いている。
  北海道から来たアイヌの若者が静かに口を開いた。

白滝「人が人を支配する時代が、ようやく終わるのですね。次の時代、人間はどんな関係を築くのでしょうか?」

マイケル「いい質問だ。これから、数世紀の間に、生きる手段である物質は誰でも自由に手に入れられるようになります。
  だが、人々は贅沢にも怠け者にもならない。
  そして、人が人を支配するのではなく、人々がお互いに他の人の最上のものを引き出そうと努力する方法を、全人類は身につけるようになるのです』

  出雲から来た女性が小さく叫んだ。

神楽「『イマジン』の世界!?」

マイケル「イエース、グッド。その通り。欲張る人も飢える人もいない、人類はみな兄弟。そんな世界が実現するのです」

  みんな微笑み合っている。肩をたたき合って喜んでいるものもいる。