こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

月山を望む、山形市にて、2015年4月下旬

2015-04-29 | 山を眺める

気象条件が良いと、冠雪の月山(1984 m)が山形市からよく見える。広い田園の彼方に優美な山容の雪山を望む景色は、遠来の私達にとって感動的なプレゼントである。画像において、左側は月山、右側は葉山(はさん、1462 m)である。両山は山岳信仰の対象であり、花の山である。花の季節に、これらの山に登ってみたいと思いながら、私達はこの景色をしばらく眺めていた。

 


カシミール3Dによる展望図

 

月山のクローズアップ。穏やか形に見える山体にもかかわらず、この山には何か近づき難いような雰囲気が感じられる。

かつて、私達は突然の激しい雷雨に襲われ、山頂への道を諦めたことを思い出す。

山座同定(カシミール3D)


 

月山では多い所で30 mも雪が積もるとのこと。山全体が雪を被っているように見えるのことは当然であろう。

 

ところで、この日のスポット(農道)で振り返ると、蔵王連山が聳えていた。







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月山と葉山、4月26日午前9時半頃。 案内図、2011年7月下旬。

再現像・画像のアップロード、2017年9月下旬。


桜がある景色、山寺(立石寺)付近にて、2015年4月下旬

2015-04-28 | 公園・庭園

先週土曜日に山寺(立石寺、山形市)で撮った画像から


何時かは桜の季節に山寺を訪れてみたいと、私達は思っていた。今年も昨年と同様に、春の余寒は長めであったが、先週末から夏日との表現が気象情報に出てくるようになった。

今年は桜前線の北上が例年にくらべて早まっているようである。実際、山寺でもソメイヨシノは終盤となっていた。しかし、ヤエザクラ(八重桜)の花は唖然とするほど美しかった。




五大堂は岩壁の上に建てられている。

 

午後の斜めからの日差しを浴びている八重桜と草の緑との対比が、私達にとって印象的であった。


 

八重桜が花吹雪になると、どのような場面が現れるであろうか。奥の背景は山寺である。

 

山寺眺望図。左側は五大堂であり、右側(岩壁の上)は釈迦堂である。

 


昨年のことであったが、芭蕉堂の茶席で、亭主役の方が桜の季節での山寺の魅力を静かに語った。




山寺とJR仙山線。鉄橋や電車が山寺の雰囲気に合っている。



 

雪の多い冬を経てきた桜の花の色は、自分達が住んでいる街で見るものよりも一段と濃い。この後、私達は930段の階段で五大堂に向かった。


4月25日午後、立石寺付近にて。

 


フデリンドウの小さな群生地、2015年4月

2015-04-24 | 

フデリンドウ(筆竜胆)は日当たりのよい山や野に生える2年草である。私はこの花に出会うと、芭蕉の句「山路来て なにやらゆかし すみれ草」を思い出す。こんなところで花を開いていたのかとのような感慨を覚えるからだ。そして、安堵感をもつ。かつて、近所の尾根道でフデリンドウが花を開くと、数日以内にその姿が消えてしまうことがたびたびあった。


さて、昨日、フデリンドウの小さな群生地のようになっている場所があることに気づいた。そこでは、草刈りをしたらフデリンドウが芽を出し増えてきたとのことである。

 

 

 

 

 

ハルリンドウとは異なって、このリンドウでの根上葉は小さくロゼット状にならない。

 

 

 

 

 

フデリンドウとの名は蕾の形が筆先を思わせることによるとされている(山渓ハンディ図鑑 山に咲く花、2013年)。しかし、このような由来は説得力に乏しいような気がする。蕾の形は、他の種類(リンドウ)のものも、私には同じように見えるからである。

 

ところで、雑草で覆われている箇所にはフデリンドウは生えていなかった。草丈が高い雑草に囲まれると、光合成に必要な太陽光がフデリンドウ(草丈5-10 cm)に十分には届かないのであろう。

 

昨年、鳴神山で何年か振りに一株のリンドウを見かけた(2014年5月中旬)。そして、カッコソウ、ヤマブキソウ、アカヤシオなどの花付きが昨年はよかった。

 

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撮影: 4月23日午後、群馬県桐生市にて。

 


水面に映える春の彩り、桐生川ダムにて、2015年4月

2015-04-22 | 桐生川・紅葉{桐生川)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

山に囲まれた自分達の街では、山肌を覆う季節の彩りがごく自然に視界に入ってくる。そして、ダム湖の水面に映える春の彩りも自然界が自分達に与えてくれる美しいプレゼントになる。ダム湖を囲む落葉樹林が枯木色から萌葱色や緑色に変わるとき、水面での映り込みは魅力に満ちた対象として撮り手にアピールするこの日も、私は撮影ポイントを探しながらダム湖の周辺を散策した。


4月下旬午前9時頃。EOS 6D、EF 70-200 mm F4L、RAW、Lightroom 5(現像ではシャープネスをマイナス側に設定した)。


 

 


鳴神山で咲く花から、2015年4月

2015-04-20 | 鳴神山と周辺

前記事の続きとして、鳴神山で先週土曜日に撮った花の画像から

アカヤシオの色付きが濃くなり始めると、鳴神山は花の山として面目躍如たる存在になる。

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アカヤシオと赤城山(仁田山岳の展望台にて)(アカヤシオが大木になることを期待する)

 

アカヤシオの花と蟻(アリ)(桐生岳にて)

 

両者は共生関係にあるだろう。花は蜜でアリを呼び入れる。そして、アリは受粉の仲立ち役となる。

 

花は開いたばかりなのであろう。花弁の瑞々しい質感が花の魅力を高めている(仁田山岳にて)。

 

仁田山岳や仁田山岳と椚田峠の間では、柔らかい色の花が咲く。アカヤシオの花言葉の一つは「柔らかい視線」である。

 

アカヤシオ以外の花から

木漏れ日を受けているシロバナエンレイソウ(白花延齢草、シュロソウ科エンレイソウ属の多年草)



フタバアオイの蕾

このものは徳川家の紋章として知られている。加茂神社の葵祭りにも用いられるので。カモアオイ(加茂葵)との別名がある。

鳴神山では、フタバアオイとルイヨウボタン(類葉牡丹)が増えつつある。

 

アケボノスミレ(曙菫)。しっかりとした花柄が地面から立っている。そして、花は咲いているが葉は全く見えない。

このアケボノスミレはスミレのアカヤシオ・バージョンである(私見)。

 

フイリフモトスミレ(斑入り麓菫)。小さなスミレであるが、このものは山椒は小粒でぴりりと辛いことを思わせる。

 

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このときは、コツナギ橋口、椚田峠、山頂の経路を往復した。ツナギ橋口から椚田峠までは、沢沿いの杉林の展望がないルートである。

来月になると、このルートでは何種類かの花(移植地でのカッコウソウなど)に出会える。

 

 

 

ルート沿いにて、2011年3月11日での落石(杉が落下を食い止めている)。道は岩を支えている杉の左側である。



ここで右上(山側)を見上げると。私
(小心者)はこの箇所を早足に通過する。

 


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4月18日、EOS 6D、EF 17-40 mm F4L、手持ち撮影、RAW、Aperture 3.5 (現像ソフト)。

 

 


アカヤシオの花、鳴神山にて、2015年4月

2015-04-18 | 鳴神山と周辺

ヤシオツツジの一種であるアカヤシオが、標高1,000m程度の山で花を開く頃になった。画像は本日撮った鳴神山(群馬県桐生市、980 m)の花である。4月18日12-14時。

 

山頂(桐生岳)でシンボル的存在となっているアカヤシオ。遠景は男体山を中心とする日光連山である。

(大部分の登山者が去った後に撮影した)


この株での花。開花の進み具合にはバラツキが大きい。最奥の背景に、日光白根山(左、かなり霞んでいる雪山)を入れてみた。

 

そして、蕾の一部は先日の嵐の影響を受けている。


 

桐生岳で東方向を眺める。

 

日差しを浴びているアカヤシオの花から。花は葉の展開に先がけて開く。花は枝先に1個、雄しべ10本、そして雌しべ(1本)である。

 

桐生岳で見る仁田山岳(もう一つの山頂))でのアカヤシオの花色。今日の時点で、色づきは濃くない。

 

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桐生岳では開花が進んでいるいるが、仁田山から椚田峠に至るルートでは、蕾がまだ開いていないものも多い。

 


山城跡(桐生城)の桜、城山(柄杓山)、2015年4月

2015-04-16 | 

市内の山(城山、じょうやま、361 m)には山城の跡(桐生城)がある。ちなみに、「山城跡」や「山城跡 桜」でGoogleで検索すると、この山城跡が上位でヒットする。さて、今年も、山城跡の桜がよく咲いた。数年前、この桜はほんとど咲かなかったことがある。そのときは、人々の間で原因についてさまざまな噂が立った。ともかく、桜の時季、城山は市街地から目立つ存在である。

 

山城跡は桜の花で覆われている(南側からの眺め)(ここでの開花は、市街地にくらべて一週間以上遅れる)。

 

この景色は市街地から目立つ存在であるが、自分なりのビューポイントで眺めてみる(東側から)。

 

山城跡は640本のソメイヨシノが植えられているとのことである(群馬県桐生市の案内から)。

 

西側の離れた位置からは、桜の色付きと常緑樹や新葉のそれとを対比できる。

 

雨の日に眺めるのも一興かと思ったが、霧の立ち上り具合が今ひとつであった。

 

以上の画像:4月14、15日(朝)撮影。なお、15日午後は激しい雷雨となった。

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城山(361 m)は柄杓山(ひしゃくやま)とも呼ばれている。山城(桐生城)は1350年に桐生国領によって築かれたと言われている。増田宏著「山紫水明 桐生の山」(みやま文庫、2015年)には、この城の歴史、規模、そして周辺の山々などが、分かり易く解説されている。

 

背景でもっとも高い山は鳴神山(980 m)である。

 

城山でながめると。背景は市街地(中心部)である。

 

これらの画像は、2010年4月撮影。


映り込みを求めて、桐生川ダム、2015年4月

2015-04-14 | 桐生川・紅葉{桐生川)

目覚めて戸外を眺めると、近く山々で霧が立ち上っている。今日はこのような雨の朝で一日が始まった。ややこしい調べごとをしているうちに、私は何となく静かな空間に向かいたくなった。行き先はいつものスポットである。

日曜日はヤマメが放流されたために、桐生川には多くの釣り人が見られたが、今日は釣り人も少なかった。ダム湖に着いたとき、空模様は小雨が降る無風状態となっていたそして、さざ波がほとんど立っていない水面には、静かな映り込みがあった。

     

一瞬、鏡面(水面)はどこにあるのだろうかと凝視したくなった。

 

水面には、偏光フィルターを使って眺めたかのように太陽光の反射がない。天候のためである。

 

 

雨で濡れている桜とゆっくりと立ち上る霧は、この映り込みにふさわしい風景である。

 

 

 

 

対岸での映り込み

 

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橋に移動して、対岸や近くの新芽に焦点を合わせてみた。

雨が強く降り始めたので映り込みは消えてしまったが、上流の山々で霧が立ち上り始めた。

 

滑らかな部分とさざ波が立っている部分、水面には境目が生じていた。

 

 

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ダムの上流地点にて(渓流沿いで咲いている桜から)。

 

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4月14日、小雨、桐生川ダム(梅田湖)の西岸と梅田大橋にて、円偏光フィルター不使用。

 


桐生川ダム(梅田湖)での桜、2015年4月

2015-04-13 | 桐生川・紅葉{桐生川)

自分達が住んでいる街では、場所によっては数百メートルの標高差がある。そのため、同じような品種でも、開花には時間差がある。さて、市街地では、枝垂れ桜を除いて、風が吹くと花吹雪に対面するようになった。しかし、少し高い場所では、桜の花が訪れる人々を待っている。桐生川ダム(梅田湖)にて、4月11、12日。


 ダム個と橋(梅田大橋)。周辺の山々では杉や檜などの人工林が多いが、ところどころに自然林が残っている。

自然林は、間もなく優しい緑に覆われるであろう。ダムの堰堤にて。

 

いつものことながら、ダム湖に架かる橋(梅田大橋)で西側を眺めてみる。スケールの大きな景色に気分が晴れ晴れとする。かつて、フランスからの来客を案内したときは、ウグイスの鳴き声が湖面を響き渡っていた。来客は響きが良い鳴き声に驚き喜んだ。


桜と上流への道路


桜の花は、目覚めの色彩感をまだ始まっていない背景に与えている。

 

 

 

ところで、謡曲「熊野(ゆや、女性)」に「雲かと見えて八重一重。咲く九重の花盛り、名におふ春の景色かな。名におふ春の景色かな。」との一節がある(宝生九郎、宝生流謡本、わんや書房、1967年)。当時、花と言えば桜の花を指していたとのことである。何時か、ダム湖の周辺で「雲かと見えての景色」に出会えるだろうか。


 

 

 

橋のたもとでは、優しい緑が春の始まりを告げている。

 

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今日は昨日とは異なって、雨の一日となっている。そして、明日も天候が良くないらしい。私は「晴登雨読(?)」派であるが、花の季節での雨にはブーイングを出したい。

 


しだれ桜、大学のキャンパスにて、2015年4月

2015-04-11 | 公園・庭園

市内の大学(国立大学法人)では、キャンパスを囲んでいるソメイヨシノの花が終盤になると、しだれ桜の花が盛りのときを迎える。

今年の花から(4月11日、群馬県桐生市)

 

 

建物の外壁に映る雲がゆっくりと動いている。そして、桜の隣では他の花木が蕾を開こうとしている。

ビルが建ち並ぶキャンパスで、枝垂れ桜は心和む存在である。

 

 

太い幹から吹き出ている小枝で、八重の瑞々しい花が開いている。桜の強い生命力を感じせられる。

 

 

 小枝での花の美しさと優しさに惹かれて。


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キャンパスの池の周辺に植えられているヤエベニシダレは、水面まで枝垂れて見応えのある花を開いている。桜はある財団(OB)から寄贈されたものである。そして、京都の造園家、佐野籐右衛門氏に、品種の選定を依頼したと言われている。


 

池には長い歴史の面影がある。池がどの位の人数の若者に見つめられ、思い出の存在となっているだろうか。

 

花と蕾の彩り






キャンパスの歴史を知る古木は、桜の美しさと存在をサポートしている。自戒の意を込めて。

 


 

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昨年に撮った画像から(2014年4月中旬)


 奥の木造の建物は創立当時(100年前)のものである。

この建物はNHKの連続テレビ小説「アンと花子」や「純情きらり」に登場している。


桜とカエデの花

 

 

 

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明日は「しだれ桜を観る会」が開かれる。この会には、毎年3,000名以上の市民などが参加すると聞く。