自分達が住んでいる街では、場所によっては数百メートルの標高差がある。そのため、同じような品種でも、開花には時間差がある。さて、市街地では、枝垂れ桜を除いて、風が吹くと花吹雪に対面するようになった。しかし、少し高い場所では、桜の花が訪れる人々を待っている。桐生川ダム(梅田湖)にて、4月11、12日。
ダム個と橋(梅田大橋)。周辺の山々では杉や檜などの人工林が多いが、ところどころに自然林が残っている。
自然林は、間もなく優しい緑に覆われるであろう。ダムの堰堤にて。
いつものことながら、ダム湖に架かる橋(梅田大橋)で西側を眺めてみる。スケールの大きな景色に気分が晴れ晴れとする。かつて、フランスからの来客を案内したときは、ウグイスの鳴き声が湖面を響き渡っていた。来客は響きが良い鳴き声に驚き喜んだ。
桜と上流への道路
桜の花は、目覚めの色彩感をまだ始まっていない背景に与えている。
ところで、謡曲「熊野(ゆや、女性)」に「雲かと見えて八重一重。咲く九重の花盛り、名におふ春の景色かな。名におふ春の景色かな。」との一節がある(宝生九郎、宝生流謡本、わんや書房、1967年)。当時、花と言えば桜の花を指していたとのことである。何時か、ダム湖の周辺で「雲かと見えての景色」に出会えるだろうか。
橋のたもとでは、優しい緑が春の始まりを告げている。
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今日は昨日とは異なって、雨の一日となっている。そして、明日も天候が良くないらしい。私は「晴登雨読(?)」派であるが、花の季節での雨にはブーイングを出したい。
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