こつなぎの写真ノート

身近な自然の彩りを楽しみながら

今春でもっとも美しく撮れた花粉光環(2023年)

2023-04-07 | 
スギやヒノキの花粉を忌み嫌っているが、これらの花粉による大気光学現象「花粉光環」に、当方はレンズをたびたび向けている。 ある成書「嫌われものほど美しい(ナタリー・アンジェ著、相原真理子訳、草思社)」での思いに共感しているからだ。今年は「十年の一度」と言われているほど、多くのスギやヒノキの花粉が飛散している。そして、気象条件が整うと、思わずレンズを向けたくなるような花粉光環が現れている。
 
先月中旬、前日にかなり雨が降った朝、その時季にしては稀なほどの透明な青空に太陽が輝いた。そこで、待ってましたとばかりに、太陽を建物で隠す位置で太陽の方向にレンズを向けた。画像は露出(マニュアル)をマイナス側に設定して撮った結果である。
 

 

カメラのディスプレイに現れた光環の彩りは、これまでに撮った例にくらべて著しく鮮明であった。

 

 

 

 

このときは、サクラのつぼみがまだ開いていなかったが。

 

3月19日、桐生市にて。

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その後、何回か現れたが、光環の彩りは19日のときよりも淡いものであった。スギ花粉の飛散量が減り、ヒノキ花粉のそれが増えたためである。

3月20日

 

太陽光が雲で遮られたときに。花粉光環とともに彩りの濃い彩雲が現れた。

3月30日

 

4月1日にて

 

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♦ スギ花粉には球形の先端にパピラと呼ばれる突起があるので、飛散しているスギ花粉は同じ方向に並びやすい。そのため、回折による太陽光の分光(虹)は目立つようになる。一方、ヒノキ花粉では球形に突起がないので、分光による虹はスギ花粉においてよりも目立たなくなる(ウェザーニュース、2019年3月8日)。

♦ 我が国での森林面積は国土面積の62%である。スギ人工林の面積は森林面積の18%、ヒノキ人工林の面積は森林面積の10%を占めている(林野庁HP)。

♦ ニュース(朝日新聞 2023年4月6日、13版 総合4)から   ー 花粉症「ハクション議連」復活求める声 ー 「過去10年で最大量のスギ花粉の飛散が見込まれているなか、永田町では花粉症対策に取り組む機運がたかまっている。岸田文雄首相が関係閣僚会議の開催を明言し、自民党内ではかつての「ハクション議連」復活を求める声も上がり始めた。以下略 」

 

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光環の撮影では、光学ファインダーを用いないで見当を付けながら試行錯誤を重ねた。眼の損傷を避けるためである。

 

 



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4 コメント

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Unknown (空や花 )
2023-04-08 10:56:46
きれいですね。苦心の作を見せていただき、ありがとうございます。すごいです。
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花粉の科学と回折効果 (チョウキチ)
2023-04-08 11:43:04
知りませんでした。スギ花粉は並びやすく、ヒノキはそうでない。集合構造により光の反射が制御、強められ、はっきりした色合いになるのでしょうか。
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光環 (こつなぎ)
2023-04-08 19:23:04
空や花さん、こんばんは。
デジタルで記録するからこそ失敗を気にすることなく何回か撮ってみました。
温かいコメントありがとうございました。
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花粉の科学と回折効果 (こつなぎ)
2023-04-08 19:58:29
チョウキチさん、こんばんは。
当を得たコメントありがとうございます。
花粉の形のみならず大気中に含まれている水と花粉の集合体の形が配列の異方性に関係しているのではと思ったりしていますが、基本原理はいただきましたコメント「集合構造により光の反射が制御、強められ、はっきりした色合いになる」の通りであると思います。事実、ヒノキ花粉の飛散量が多いときはスギ花粉が多いときにくらべて、太陽がより広範囲で眩しいと当方は感じています。これは後者において太陽光がより散乱されることに起因すると思っています。
レスがこの程度になりましたことをお許し願います。
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