台南・ダイアリー

台湾の台南市で3年、新竹市で2年駐在して、色々な所へ行ったり美味しいものを食べたりしました。

突然の訃報

2005年09月29日 | その他



( 今回の内容は台南とは、全く関係ない私的なものだ )


昨晩、
四つ年上の従兄弟が、健康上の理由から突然他界した。

最近は、あまり会う機会がなかったが、
子供の頃から行き来のあった親戚で、
日本では同じ横浜市内に住んでいた。

結婚というものをしないまま、壮年になっていたが、
高度の教育を受け、社会的にも相当な高い位置にいて、
なにより、とても人当たりのよい温厚な人物だった。
( 子供には、特に良く好かれた )

今年の正月には、
やはり横浜市内に住んでいる姉の家に、
亡くなった従兄弟や、オレの家族が集まって食事をしたが、
その時は、特に変わった所は無かったそうで、
オレにとっても、
びっくりするような突然の死だった。





死因は、食道の静脈瘤破裂によるもので、
普段からよく酒を飲んでいたし、
仕事もかなりハードだったようで
肝臓が弱って、静脈瘤ができやすくなっていたらしい。

先週の金曜日までは普通に会社勤めをしていたが、
日曜の朝に、友人と約束していたゴルフに来なかった。
不審に思ったその友人が家まで行って、
意識がないまま倒れていた従兄弟を、発見してくれたそうだ。

オレもそうだが、
単身赴任だったり、独身だったりして一人で暮らしている男は、
ストレスや、過労や、酒のせいで体の異変をおこしても、
それがたまたま休日だと、
自分が倒れたあと 人に気づいてもらうまでに、
かなりの時間がかかってしまう。





以前会って食事をした時、
従兄弟がオレに、会社での話をしたことがある。

夜泣きをする赤ん坊のせいで、
若い奥さんが、夜中にヒステリーを起こしてしまい、
会社に遅刻してきた部下の話だ。

そして従兄弟は、

「 すごく深刻に、遅刻の理由を説明するんだが、
  その話はボクには、ピンと来ない分野なんだよなー、
  ハハハハハ。 」

と、長身の体を少し曲げながら快活に笑った。

そのときオレは、

この従兄弟が、
家庭をもった者の、思いがけない苦しい一面も
そういう苦しさが想像できないという、
自分の少し淋しい一人暮らしも、
どちらも、ただの軽い話題として扱えるような、
そんな、こだわりのない境地で暮らしているんだろうな。

と、そう感じたものだ。



小学校の夏休み、田舎の祖母の家で、
自転車に二人乗りして川へ釣りに行ったときのことなど、
他にも、色々沢山の、
生前の従兄弟の様子が、次々と頭に浮かんでくるんだが、

どういった回想も全て、最後には

「 何故、こんな急に。- 」
「 早すぎる。 」

という、同じ思いにだけ行き当たってしまうような
そんな突然の訃報だった。


そして、
遠く離れて、通夜にも葬儀にも参加できないオレは、
前には、ただ自分自身の胃炎の為にやっていた禁酒を、
今度は、
突然逝ってしまった、本当に好人物だった従兄弟への追悼の意味で、
今日また、始めることにした。















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6 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (miyoko)
2005-09-30 19:52:14
昨年、私の大好きな先輩が胃がんで亡ったとき、わたしもすごくショックでした。人生って本当にいつなにがあるのかわかりません。いつも明るくて、私のことすごくかわいがってくれていました。あの先輩からたくさんのものを学びました。今でも、思い出すだけで涙が止まりせん。だから、私は先輩の分まで生きたいです。楽しいこともつらいことも精一杯感じで、先輩にも伝わるように、頑張って生きます。
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奇遇です・・・ (taka)
2005-10-02 04:22:25
こんばんわ

私も昨日義理の兄の通夜、告別式に参列して台南に戻ってきたばかりでした。27日の早朝に連絡を貰い、28日から日本に帰っていました。義理の兄は私より1歳年下で46歳でした。癌を患っていて、一度退院して再発後の入院のことでした。しかし直接の死因は癌ではなく肺に傷が入ってそこから出血し、血が止まらなくなってそれが原因で亡くなってしまいました。癌の症状は消えていたというのに・・・

その日のお昼までは元気で明日は何を食べたいなどと楽しく話していたそうです。

突然の死は家族を含めて多くの人に悲しみをもたらします。彼の息子は今年20歳なのですが、今回会った途端に「叔父さん礼服のネクタイの結び方を教えて下さい」と言いました。親父の葬式のときに自分で初めてネクタイを締めるというのは悲しすぎます。涙をこらえてできるだけ優しく教えたつもりです。

すみません、私もまだ悲しさが癒えません。個人的な話で恐縮です。
返信する
Unknown (間抜けな旅行者)
2005-10-02 04:22:52
お久しぶりです。



従兄弟の方のご冥福をお祈りいたします。

まだまだご活躍できたはずなので、大変残念ですね。



今回の記事を見て私も独身なので、独身だと倒れてもすぐに対応できないスクもあるんだなぁ・・・と思いました。



専門的なことは詳細には知らないのですが、食道静脈瘤ができていたと言う事は肝硬変だったと思います。つまり自覚症状が出た時は取り返しのつかなくなっている臓器である肝臓は、既に回復の余地のない最終段階に至っていたようです。



飲酒量が多かったと言う事ですから、健康診断では血液検査では肝酵素上昇(特にγGTP)→超音波画像診断で脂肪肝→アルコール性肝炎(血液検査)→肝硬変の順で長期間に渡って肝臓の異常および重症化が指摘されていたと思われます。そうだとすれば、肝臓病への意識付けが不十分だったために、ご本人にとっても、また周囲・社会にとっても重要な命を失ってしまった事になります。



実は健康診断で異常を発見しても,その後患者さんへの治療の意識付けが十分に出来ていない事が、いま日本では問題視されています。



tadaさんも再度禁酒されること、ご自愛ください。もっとも医師から禁酒を指示されない限りは、1日に純アルコール30g程度までならOKのはずですよ。禁酒自体がストレスになる方もいますし、アルコール自体がストレス解消手段にもなるので、量を守れば完全禁酒の必要はないようです。



私自身も8月末の健康診断で飲酒過多が原因と思われる脂質代謝異常で要治療、胃炎で経過観察1年後再検査とされました。(この分野は専門なので)脂質検査値に驚いて1ヶ月間まじめに生活習慣の改善をしました。食事に気をつけ、禁酒し、さらに通勤の往復で歩く距離を増やしました。

1ヵ月後に再検査して正常値に復帰して以来、友人とは飲むことは再開しましたが、一人で毎晩飲む事は止めました。医師からは節酒程度でよいと(教科書どおりに)アドバイスを受けています。



健康診断直前は1日平均60g程度だったアルコール消費量も、今は15g程度になっていると思います。

ビール2Lを週2回の飲んだ場合の1日のアルコール消費量が約30gになります。



禁酒から節酒に移行する際には目安としてお使いください。



長々と記載してしまい申し訳ありませんでした。

いつも素晴らしい記事をありがとうございます。
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miyoko さんへ (kool_tada)
2005-10-18 01:13:58
miyoko さん、



コメントありがとうございます。

そして、返事が遅くてすみません。

こういうことなので、色々考えるとあまりぱっぱっとものを書くことができなかったものですから。

今はお酒をやめていますが、また飲めるようになったら、京膳さんにも寄らせていただきます。



料理長や皆さんにもよろしくお伝えください。

それでは失礼いたします。
返信する
taka さんへ (kool_tada)
2005-10-18 01:28:00
taka さん、



コメントありがとうございます。

こちらの反応が遅くてすみません。

この件に関して、色々書くような感じになかなかなれなかったもんですから。

人間、何時死ぬか判らない 

- と言っても、40代やそこらで死んでしまうのは、本人も周りのものにとっても、全く納得のいくものではありません。

そういう意味では、私にとっては大好きな酒が、今度のことで少なからずカタキになりました。



そういうことで、49日に日限を切って酒を飲むのをやめていますので、当分このBLOGもお酒を飲む場所の紹介をしないか、したとしても本人は飲まないで(人の話を参考にして)書くことだけになりそうです。



まぁ、食い物の話題とかだけでも、なるべく面白く書いていきますので、

また、お時間が御有りのときにはぜひお越しください。

では、失礼致します。

返信する
間抜けな旅行者 さんへ (kool_tada)
2005-10-18 01:44:33
間抜けな旅行者 さん、



毎度毎度、この呼び名で書くのは気が引けます。

コメントありがとうございます。

それで、他の方にも同じことを書いたのですが、反応が遅くて申し訳ありません。



ご指摘のとおり、従兄弟の問題は肝硬変でした。

以前にすでに足の静脈瘤が破裂したことがありまして、警鐘になっていたはずでしたが、色々な事情が飲酒を控えさせることに繋がらなかったようです。



私自身のことになると、肝臓に関する血液検査の諸数値はあまり問題なくて、いつも真っ先に胃が調子が悪くなる傾向があります。

そういうことで今の所は特に、自分自身の健康上の問題は無いのですが、taka さんのコメントへのお応えのなかでも書いた様に、従兄弟の49日が過ぎるまでは少なくとも、酒類を口にすることは控えようと決めています。(親戚の死に対して何かをした -という自己満足に過ぎないとは思いますが)



いつもとても参考になる情報ありがとうございます。

また、お時間がおありの時には、是非このBLOGにもお越しください。



では、失礼致します。
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