森本博氏さんの 「とりたちとの田舎ぐらし」 その3
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/3c/20/510943c6955f33fd48788b32eaccfd1b.jpg)
田舎って、どんな田舎にくらしているの
ニワトリたちの運動場とにわとり小屋は山の中腹、丘の上にある。美辞麗句を冗談で綴れば、風光明媚、春夏秋冬四季折々の風が心地よく、時に暑く、また時に寒く厳しく吹き渡る。
山の地下水が流れ竹の葉がそよぎ、オオルリがさえずる。藪椿が咲き、メジロが美声を奏でる。間奏には、ホオジロやスズメ、カエルの鳴き声。秋から冬にかけては、特に真っ白な羽色の大小の渡り鳥の群れが谷間の奥へと飛んで行く、あるいは空高く渡って行く姿が見られる。
夜空の星々の輝きは抜群だが、人工衛星やジェット機のピカピカは艶消しと言える。が、これも移る世の定めか。
人情豊かであるが難を言えば病人が多い。病名は「働き病」。「本病」だと本人の皆さんはおっしゃる。
「たまにはインターバルをとりましょう」と声がけをすると、ご近所の老婦人の皆さんが全員集合してくださる。場所は栴檀(センダン)の大木の陰であったり、冬はビニールハウスの中のサロンであったりする。
住所はと言えば、土佐の国は高知県香美郡(現在は香南市)香我美町下分1567。電話をくださってもたいていは返事がない。苦情が来るがしかたがない。野外の仕事をしているからである。では携帯電話はというと、プツプツ切れる。電波のロケーションがよくないからである。
NTTの担当に来てもらって容態を申し上げたら、室内用アンテナというのを二個貸し出してくださったが用をはたさない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/6a/1d/514c7ed773c3deafad962b6017455876.jpg)
ここでの特徴は
太陽の光
なんといっても、さんさんと降り注ぐすてきな陽射し。朝は遥か東の山の端から金色の光が差し始め、夕方は田園の西の山に傾いていく。昼間はといえば、頭上の青空を時間をかけてゆっくりと西に向かって移動する。
ときどきは、南側のモウソウの竹林の枝々がサラサラと昼時の音楽を奏でることもある。
11時には、あと一時間でお昼ですよというお知らせのサイレンが鳴る。その音でニワトリのエサやりの心構えが生まれてくる。
風
春・夏・秋・冬、それぞれの季節の風を思う存分受ける。雪が舞っている吹きさらしの北風の中でさえも、ニワトリたちは元気に遊んでいる。夏はさすがに直射日光が暑過ぎる。そこで、ブルーシートで陽よけの天井をつくってやる。トリたちは例外なくその下に集まる。
水
卵の75%は水分であるといわれている。うまい酒もその地域の独特のよい水によって醸造される。我が家ではすべて、保健所の検査に合格している山の地下水による井戸水を使用している。
エサ
ここが最大のポイント
1、ふつうよく言われる添加物は、いっさい使用しない。それは、成長ホルモン剤・抗生物質、何か知らないけれども、特別仕様の栄養素。例えば、黄身着色剤そのほかいろいろあるらしい。あまり言うと、企業さまへの営業妨害になってしまってはいけないので、口を慎んでおこう。
そのかわりに、自家製手作り飼料にしている。米ヌカ・大豆のオカラ・カキ殻・野菜くず・そば粉(製粉時の細かな殻も一緒)・タカキビ粉(入手できる時)。
(トラストみらい第4号 2005.7.1 社団法人生態系トラスト協会 発行より転載)
森本博氏 さんの記事
森本博氏さんは、小学校の校長先生をしながら、高知県環境教育研究会の初代会長を務められました。
社団法人生態系トラスト協会の副会長、高知県子ども会連合会専門員。
定年退職後、古い農家に移住して「百姓道」の追求を始めました。
「地域活性化につなげる森本農園の循環型生活システム」「古民家の保全と再生(土蔵~囲炉裏)」などなど、今後が楽しみです。
香南市香我美町下分1567番地
電話: 090-1565-7878(森本博氏さん)
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田舎って、どんな田舎にくらしているの
ニワトリたちの運動場とにわとり小屋は山の中腹、丘の上にある。美辞麗句を冗談で綴れば、風光明媚、春夏秋冬四季折々の風が心地よく、時に暑く、また時に寒く厳しく吹き渡る。
山の地下水が流れ竹の葉がそよぎ、オオルリがさえずる。藪椿が咲き、メジロが美声を奏でる。間奏には、ホオジロやスズメ、カエルの鳴き声。秋から冬にかけては、特に真っ白な羽色の大小の渡り鳥の群れが谷間の奥へと飛んで行く、あるいは空高く渡って行く姿が見られる。
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夜空の星々の輝きは抜群だが、人工衛星やジェット機のピカピカは艶消しと言える。が、これも移る世の定めか。
人情豊かであるが難を言えば病人が多い。病名は「働き病」。「本病」だと本人の皆さんはおっしゃる。
「たまにはインターバルをとりましょう」と声がけをすると、ご近所の老婦人の皆さんが全員集合してくださる。場所は栴檀(センダン)の大木の陰であったり、冬はビニールハウスの中のサロンであったりする。
住所はと言えば、土佐の国は高知県香美郡(現在は香南市)香我美町下分1567。電話をくださってもたいていは返事がない。苦情が来るがしかたがない。野外の仕事をしているからである。では携帯電話はというと、プツプツ切れる。電波のロケーションがよくないからである。
NTTの担当に来てもらって容態を申し上げたら、室内用アンテナというのを二個貸し出してくださったが用をはたさない。
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ここでの特徴は
太陽の光
なんといっても、さんさんと降り注ぐすてきな陽射し。朝は遥か東の山の端から金色の光が差し始め、夕方は田園の西の山に傾いていく。昼間はといえば、頭上の青空を時間をかけてゆっくりと西に向かって移動する。
ときどきは、南側のモウソウの竹林の枝々がサラサラと昼時の音楽を奏でることもある。
11時には、あと一時間でお昼ですよというお知らせのサイレンが鳴る。その音でニワトリのエサやりの心構えが生まれてくる。
風
春・夏・秋・冬、それぞれの季節の風を思う存分受ける。雪が舞っている吹きさらしの北風の中でさえも、ニワトリたちは元気に遊んでいる。夏はさすがに直射日光が暑過ぎる。そこで、ブルーシートで陽よけの天井をつくってやる。トリたちは例外なくその下に集まる。
水
卵の75%は水分であるといわれている。うまい酒もその地域の独特のよい水によって醸造される。我が家ではすべて、保健所の検査に合格している山の地下水による井戸水を使用している。
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エサ
ここが最大のポイント
1、ふつうよく言われる添加物は、いっさい使用しない。それは、成長ホルモン剤・抗生物質、何か知らないけれども、特別仕様の栄養素。例えば、黄身着色剤そのほかいろいろあるらしい。あまり言うと、企業さまへの営業妨害になってしまってはいけないので、口を慎んでおこう。
そのかわりに、自家製手作り飼料にしている。米ヌカ・大豆のオカラ・カキ殻・野菜くず・そば粉(製粉時の細かな殻も一緒)・タカキビ粉(入手できる時)。
(トラストみらい第4号 2005.7.1 社団法人生態系トラスト協会 発行より転載)
森本博氏 さんの記事
森本博氏さんは、小学校の校長先生をしながら、高知県環境教育研究会の初代会長を務められました。
社団法人生態系トラスト協会の副会長、高知県子ども会連合会専門員。
定年退職後、古い農家に移住して「百姓道」の追求を始めました。
「地域活性化につなげる森本農園の循環型生活システム」「古民家の保全と再生(土蔵~囲炉裏)」などなど、今後が楽しみです。
香南市香我美町下分1567番地
電話: 090-1565-7878(森本博氏さん)