食道がんと闘う自然爺の活動

自然の中での暮らしに憧れ、自作の山小屋を起点に自然と戯れていたが、平成21年10月、食道・胃がんが見つかり手術。

『回顧録、煙草との決別』

2013年01月27日 17時29分35秒 | 回顧録

うっとおしい管は最初に鼻の酸素が取られ、尿管などと日に日に管が減る度に、快

適さを取り戻していった。こうなるとお茶でもいいから自分の口から飲みたいし、何か

食べ物を食べてみたいとの思いが強くなっていった。特に、コーラをグビグビと言わ

せながら飲み干すなんてことが出来たら最高だろうなと強く思いをはせた。

この頃には煙草や酒の呪縛は解かれていたらしく、『退院したら、まず一服してから、

禁煙か減煙について検討しよう』は検討材料から外れて、議題にも並ばなくなってい

た。ならばグビグビと飲むものはコーラではなくビールであるはずなのに、何故かそ

れもそうではない。

『おい、どうしたんだ。煙草も酒も止めてしまう気か。それでいいのか?』

こんな悪魔の囁きさえ聞こえなくなっていた。

禁煙の最初は『アーあ、今日でXX日目か』なんて指折り数えていたのに、徐々に

『もう、XX日も経ったのか、折角ここまできたのだから・・・吸い始めるのはもったいな

いな』に変わり、遂には先述の様に変わり果てている。過去、減煙に何度か取り組み

一度もまともな成績を上げたことはない。禁煙などという崇高な目標を立てようなんて、

おこがましくて出来るはずなどなかった。

今回の騒動の前にニコチネルパッチを貼り、あわよくば禁煙に持ち込めればなんて

思い、ある程度の成果をあげたものの禁煙には程遠かった。私なりに煙草を減らす

努力をしたはずなのに、病院で何もしていないのに禁煙を可能にしてしまった。禁煙

に成功or不成功よりも『煙草を吸いたい』という欲望が全くなくなったのだ。

入院当初に思っていた『退院したら一服して・・・・』を仮に実行していたら、きっと咽て

ゴホゴホとなり、『こんなんじゃ、煙草なんか吸えないな』となっていたかもしれない。


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