かつての日本は家電製品、自動車を主としてそれにまつわる素材、新開発された基本的な部品などを輸出していた。
各分野に於ける技術は他国を寄せ付けない先端技術を持ち、追従を許さないことを謳歌していた。電機メーカーは白
物家電から最先端技術を誇るコンピュータまで扱い、ネットワーク、プロバイダー、携帯電話など更に裾野は広がり、何
に力を入れ、どんな方向に向かおうとしているのか分からなくなった。
時が経つに連れて経済発展した国の白物家電やパソコンなどの普及率は高くなり、やがて頭打ちになると機能を高め
て価格を上げるか、リプレース・マーケットでしかないから大きな魅力はなくなる。ならばと、発展途上国に輸出しようとす
れば発展途上国には高過ぎて普及には至らない。そのままだと白物家電は衰退してしまうことになる。
そこで発展途上国に普及させるため発展途上国に技術移転して精算・販売すれば低価格の製品が出来るから商売と
して成り立つ。白物家電に端を発しパソコンですらIBMがPC部門を中国のレノボに売り渡してしまい、今やPCではかつ
てのIBMになろうとしている。これに関連してPC通信に関する機器、ネットワーク技術、携帯電話など広い分野で世界
進出を果たしている。
一方、日本は白物家電を始めPCでもあのソニーが撤退を決め、他社でもスマホも然り、プロバイダー経営からも撤退
のニュースが流れている。中国は生産して輸出して利益を上げている。日本は撤退を繰り返している。
更に中国はこれから手掛けていないものを生産、販売の沢山の可能性を持っている。
経営のスリム化は必要なものであろう。しかしメインとしてきたものからも撤退することは、売るものがない企業として残る
ことでもある。日本の電気メーカーに共通することだが現時点で、各企業が世界に名だたる製品を幾つ持っているのか、
考えてみても思いつくものがないのは寂しいことだ。それでも日本が強みとしているものはまだ沢山あり、暫くはそれで食
いつなぐことは出来そうである。
少し話が飛躍するが、こんな国力低下とも言える状況が続けば、食料の50%近くを外国から輸入している日本は、ガソリン
が高騰してきたと言っている内に、食料品も途轍もない価格の時代を迎えることになるかもしれない。
基礎技術の研究に国が本気でテコ入れしないと、Japan as No.1はお伽話のような古い昔話になってしまいそうだ。
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