看護学生の時、初めて病院での看取りを体験しました。
春休みに実習をさせてもらった、山梨県の巨摩という地域の病院でした。
見渡す限りの桃の木で、桃色一色、遠くに富士山が見える、のどかなところでした。
学校ではできない、夜間の実習(見学体験)をさせてもらえるというので、興奮と緊張。
「今日あの人逝くから。。」というような、確信のあるベテランナースの言葉に、びっくり。
その通りになりました。(ベテランの予想は間違いないのです)
私は、ただただ、小さくなっていたような気がする。
驚いたのは、ベテランナースが、6~7個ものゆで卵を持参され、休憩室のテーブルの上に、どんと置かれたこと。
「体力つけとかなきゃ」というようなことを言って、「学生さんも」とか、言ってすすめてくれた。
えっこんな時に?? 私は、とても食べられないと思ったが、食べたのかもしれない。
プロのたくましさを垣間見た気がした。
もちろん、看取りは厳粛。
私は、アンビュー(人工呼吸をするマスク)をさせてもらったと思う。
そういう体験をさせてあげようと、わざわざ声をかけてくれたのだった。
看護師って、熱い心と、クールな頭と、エネルギーあふれる身体が必要です。