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引越しいたします。

新シルクロード 天山南路 ラピスラズリの輝き

2005-05-18 23:56:26 | テレビ番組
eliotさんのブログで早くから解説もされていたが、先の日曜日に放送された新シルクロードはまったく期待はしていなかった。ところがである。放送はNHK、GJ!まさに、してやったり!というものであった。

内容はこうである。天山山脈の南を走る天山南路、その中ほどにオアシス都市クチャがある。ウイグル人の中でも白人系と見られる人々が今でも多いクチャは七世紀まで栄えた亀茲王国の都であった。亀茲王国は古来インドより仏教が伝来して繁栄した王国であった。その王子として生まれたクマラジーヴァ(鳩摩羅什)は幼くして政治的に翻弄されることを避けさせられて、僧として修行をし、大乗の論師としてその名声はとどろいた。
その修行をした場所がキジル千仏洞とされている。この千仏洞の群青色のラピスラズリをふんだんに使用した天上界はタクラマカンの秘法とも呼ばれる見事なものである。クマラジーヴァの時代、五胡十六国時代小国亀茲は漢族王朝と遊牧民匈奴とのせめぎあいの中、微妙な外交戦略をとらなければならなかった。当時の漢族王朝前秦はクマラジーヴァの名声を伝え聞き、その招聘を期して将軍呂光に亀茲国を攻略せしめた。クマラジーヴァは拉致され無知な呂光に、破戒僧に転落させられてしまう。
そしてその後、軟禁、幽閉生活が続くがその中で漢語を学び多くの経典を翻訳することになる。

http://www.icho.gr.jp/siryo/higan/higan05_23.htm

クマラジーヴァの苦悩、破戒は今日のウイグル人の苦悩の姿におきかえることができる。共産主義国において政冶、行政に参加することはイスラムを棄教することに他ならない。多くは国家にとって奉仕することもアッラーの為だと言い聞かせるが、割り切れない思いがあるだろう。
多くの無知な漢族移入民、盲流たちが我が物顔にこの土地を闊歩することによりの疎外感、怒りはクマラジーヴァの感じた屈辱にもたとえることが可能だ。
そして、青
現在ではウイグル語では空という意味であるキュック(kok)
往時は金銀と同価値であったと言うアフガン原産の染料、ラピスラズリにあらわされる。古来、イスラム教伝来以前から、天を崇拝してきたウイグル人は青を聖なる色としてきたのである。
天に対する信仰の中には、太陽や月や星に対する信仰も含んでいた。太陽は月と星の間にいるとされ、その姿はまさにキジル千仏洞の壁画に書かれていたのである。
http://www.nhk.or.jp/silkroad/digital/05/05.html
そしてその形