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real SR

引越しいたします。

ゴルゴ13inウルムチ Pinhead shoot

2005-12-30 23:42:21 | 国際・政治

現代新疆ウイグル自治区をテーマにしたコミックなどがないかと折々に探すのですが、やっぱり少ない。いままで、マスターキートン、EDEN、なんてところがありました。と思ってたら来ましたよ。
天下の「ゴルゴ13」
2002年8月に発表されたようです。

http://www.bigcomics.shogakukan.co.jp/golgo13/magazine/mag_top.html

Golgo13_150
新疆ウイグル自治区、中心都市ウルムチ――――中国――――

ウルムチ駅、大勢の漢族が列車を降りてくる、それを見て不快感を表すウイグル人たち。
そして、その中にまじってあの男が・・・・
ズガガーン と突然の爆発!
自動小銃?を持った公安?(武警?)が「くそっ、またイスラムのテロか!」
「あやしいやつは撃ち殺せっ」
ここで状況説明そのなかで
「シルクロードを通じてアラブ商人により栄えたイスラム国家は19世紀に清朝に征服されて新疆省となった。」(すごく大雑把で且つ間違いもまじっているのでは!!!)

舞台は移ってある村の学校建設風景、地元の期待と人望を集めるウイグル人エリートが自ら汗を流して学校建設を手伝う。ありがたがるウイグル人たち。
(セリフが江戸時代の日本の村人みたいである。)

なぜかバザールで養蜂業者をさがすゴルゴ。

また、学校建設現場、やたら威張り散らす地方幹部。
「先日、ウルムチ駅で刑事がイスラム過激派に爆殺された!」
「共産党を否定する教派の暗躍がこれ以上目に余るならば、唯一のウイグル人教育部員アッシジに責任を負わすからな!」
怒りを現すウイグル人たちをなだめるアッシジ
「コーランに書かれているとおり、弾圧を耐えるのです!」
しかし、夫を中国軍に殺された女性ハーディアは信じない。

彼女は養蜂業者だった。そこへあの男が、「養蜂箱を売ってほしい。」

教育部、ウイグル人の陳情を受け付ける教育部幹部アッシジ。
漢民族中心の教育の強化を愁うウイグル人たち、「教育部の方針を変えるようにいってください。」「わかりました。共産党の人たちもわかってくれますよ。」

ところが、彼の正体は・・・・・・

こういう書き出しである。

今発売中なので、みなさん購入して突っ込みをいれてあげてください。(笑)

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EDEN It's an Uighurs' Real World!

2005-10-25 23:49:08 | 国際・政治
いや、ずっと更新サボっててすみません。
一連の動きの中で知ったのですが、こんなコミックがあるとは知りませんでした。
以前に新疆ウイグルを取り上げた作品としてマスターキートンを紹介しましたが、それ以上の出来です。
http://blog.goo.ne.jp/kokkok2014/d/20050524
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=truthofsilkro-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4063143252&fc1=000000&=1&lc1=0000ff&bc1=000000&&#108;&#116;1=_blank&IS2=1&bg1=ffffff&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>

EDEN REFERENCE
http://www.k-en.net/eden/index.html

とにかく手にとって見られることをお勧めします
ここから先はネタばれ含む

時は21世紀後半、世界は,「地球連邦政府の樹立」を目標とした新帝国主義連邦の原父(プロパテール)連邦という大きな枠組みの中にあった。そういう中でも中国の体制は変わっていないらしい。そして新疆ウイグル自治区で油田ジャック事件が勃発した!

ハイジャックのリーダー マリハン・イサクが世界に向けたメッセージから言葉を引こう。

「世界中のみなさん。私たち、ウイグル人は長い間自分の国を持てませんでした。」
「同じように国を持てずに迫害を受けてきた人々は世界中にいます。」
「クルド バスク ケルト ロマ アイヌ チベット アフリカ、インドネシアの少数民族」

「今 ウイグル族は『中華人民共和国』という枠の中にいます。しかし少なくとも私は『中国人』にはなれません。」
 
「私たちには私たちの言葉や食べもの、信仰や芸術、つまり文化があるからです。」

「自分たちの文化を守る為に国家が必要なのだ。そういう考え方があります。」

「しかし、一つの国家が統一される過程で多くの少数民族の文化がが失われてきました。」

182pより
油田を脱出したマリハンと日本人傭兵ケンジ

「気楽なものだな 日本人は」

「他人の不幸をネタにスリルを楽しみにこんな砂漠までくるのだから。」

「北京政府はウイグル語での教育を認めていない。大学へ進みたければ『北京語』を身につけ将来は中国の為に働かねばならない。」

「それはつまり『中国人』になれということだ。」

「日本政府もかつて同じことをやった。アイヌ人やウチナーに日本語を強要して同化をはかり彼らの文化と言語を破壊した。覇権主義者のやり方は今でも同じだ。」

「貴様は何のために戦っているのだ!答えろ!」

ケンジ「俺は戦士になりたかった。」

遠藤浩輝先生 あなた最高!





ウイグル族とウイグル人 杉山正明教授

2005-09-02 23:22:01 | 国際・政治
モンゴル史の研究の権威、NHKのテレビシリーズ「大モンゴル」の監修者でもあり、司馬遼太郎賞も受賞している杉山正明京都大学大学院教授の「遊牧民から見た世界史」という書物がある。
最近まで、野蛮、非文明的といわれてきたモンゴル系、トルコ系などの遊牧民が世界史の中で重要な働きをしてきたと言うこれまでの常識とは違った歴史観で注目されている。
その遊牧民はもともと、国家も国境も越えた存在であったと言う話の中で、中国やウイグルについてまとめられている記述がある。特にウイグル(回鶻)という言葉は高校の世界史の中でも唐の時代の遊牧王国やその後西遷した西ウイグルでしか出現しない。そこで、古代のウイグル=現在のウイグル族であるという正確とはいえない認識が広まっていると言えよう。(尤も相反するはずの中国の公的な歴史記述と、ウイグル独立派の主張でもウイグル族は古代ウイグルの直系としてあつかわれているのだが)
ウイグルを定義する中でわかりやすい説明だと思うので引用しておきます。

テュルク系のウイグルは、8世紀に遊牧連合国家として出現し、13・14世紀にはモンゴル世界帝国の政権に入りこみ、むしろその中枢に位置した独特の歴史存在であった。しかし、モンゴル帝国の解体後は、政治・社会集団としての統合を失った。トゥルファン盆地一帯のウイグル人たちの主力は、西からのムスリムの波に飲み込まれたほか、わずかに明代モンゴルに属する一小集団や、甘粛の涼州における高昌王家の末裔たち、敦煌周辺のテュルク語を話す仏教徒集団、さらにはカザフ高原やイラン方面における遊牧集団名として、かすかな残骸だけが伝わった。要するに、歴史上の存在としてのウイグルは、ほぼ消滅した。
 ところが、現在の中華人民共和国には、新疆ウイグル自治区があり、ウイグルの名で括られる人々がいる。それは、日本を代表するテュルク語歴史文献・中央アジア史研究者の濱田正美が述べるように、1935年、東トルキスタン方面にいるテュルク系の言語を話すさまざまな人々が、小異を超えた大同団結と政治上の主張の為、「民族」の名として政治決議によって採択したのがウイグルであった。もちろん、歴史上の輝かしいウイグルの記憶が、採用の根底にはある。
 現在のウイグルの人々の体内に、かつてのウイグルたちの血がいくらかでも流れていないとは言い切れない。しかし、ほぼ六百年のときをへだてる両者に、直接の系譜関係はもとめがたい。20世紀における「民族自決」の波が、「民族アイデンティティ」としての共通名称を必要させた結果として「ウイグル」の名が突如現れたのである。


「中国台頭」で有名な津上俊哉さんのブログで同じ本についてコメントがありました。シンクロにシティー。


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書籍紹介 黒木亮 シルクロードの滑走路

2005-06-11 23:43:09 | 国際・政治
文藝春秋社から、国際金融小説の大家として知られている、黒木亮さんの「シルクロードの滑走路」という小説がでたそうです。なんでもキルギスが舞台で旧社会主義国での事業のむずかしさを描いているとか。黒木さんの実体験に基づいていることが月刊文藝春秋の巻頭コラムに書いてありました。読んでなくてすいません。
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</iframe>


月刊現代6月号佐藤優×福田和也対談、ウイグルも話題

2005-05-02 23:52:49 | 国際・政治
gendai200506

あの外務省分析官で鈴木宗男氏の事件で逮捕された、「国家の罠」の佐藤優氏が文芸評論家の福田和也氏と
月刊誌「現代」6月号で対談をしている。
5月24日追記 慈燕堂さんのブログで内容紹介されています。(感謝)
「瀬戸際の日本外交、国益、情報、ナショナリズムとは何か。」
これがまた興味深い。各方面から絶賛されている「国家の罠、外務省のラスプーチンと呼ばれて」であるが、リンクを拝受している梶ピエール先生のブログ
でも高い評価を受けている。
内容については念仏の鉄さんのブログにおまかせする。また、各新聞の書評はこちら

日露関係が専門であった、佐藤氏であるがこの対談では対中国関係にも多く話題がさかれている。福田氏が社会主義市場経済が無茶な制度であるから中国にそのひずみがいつか出てくるといったのに対して、佐藤氏は半分賛成で半分反対であるとし、ゲルナーのナショナリズム論に基づくと、中国は産業社会になろうとしているゆえにそのナショナリズムが勃興する。そしてそれゆえ、チベットやウイグルなどと摩擦が生じてくるという。

また、佐藤氏はロシア専門家であるがゆえにどうしても中国を西からみると「新疆ウイグル」が大変気になるというのだ。そして佐藤氏は「日本には戦前から新疆研究の蓄積があり、これを現実の政策に使う体制を整えるべきだ」と断言している。
当ブログにとって大変興味ある発言だ。これも彼が外務省「地政学派」である所以だろう。また、先のキルギス「チューリップ革命」の折、中国軍の軍事介入も考えられたという、すごい情報も話題になっていた。とにかく新疆ウォッチャーにとっても必見の対談であると思う。また、同じ号にはあの平野聡氏が寄稿しているのも見逃せない。