
[画像]参議院本会議、2017年1月20日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。
自民党が衆参で単独過半数を持つ通常国会が、平成では初めて召集されました。
前回は、昭和63年(1988年)12月9日に、竹下登先生の副署で召集詔書が公布された、第114回通常国会。この国会の自民党の議席占有率が、衆議院59・4%。参議院56・9%。この後の参院選で自民党は43・2%になったのですから、ずいぶん盛大に負けたことになります。それと同時に、天皇崩御平成時代の幕開けと同時に、これだけ激しい変化を生じさせる、選挙による国政にたいして、恐ろしさと責任を感じます。
竹下首相の施政方針演説の日はすでに平成時代となっており、竹下首相は「昭和天皇の崩御の悲しみを乗り越えていかねばならない。平成には内外での平和の恒久的な確保と美しい地球を後世に残すことが私たちに与えられた最大の使命だ」と与野党に語りかけました。それからの平成時代。たしかに竹下先生の言ったとおり、内外の平和と美しい地球はおおむね、守られました。プラザ合意と消費税法による経済停滞と、平和と地球は二律背反の関係にあるかもしれません。
きょうの安倍首相の演説は、天皇、日米首脳会談と竹下演説と同じ構成でした。
【衆議院本会議第2ラウンド 平成29年2017年1月20日(金)】
【参議院本会議第2ラウンド】
政府4演説がありました。
安倍晋三首相は施政方針演説で前置きをせず、「まずはじめに天皇陛下のご公務の負担軽減について」語りました。この後、日米同盟。沖縄の基地軽減負担について、民主党政権での「最低でも県外」と比較して、
「威勢よく言葉を並べても、現実は一ミリも動かない。必要なのは実行だ。結果を出すことだ」としました。
先の臨時国会を念頭において、
「言論の府である国会でプラカードを掲げても、何も生まれない」と語りました。
今回は私は、「提出予定法案件名・要旨調」と「施政方針演説」が同じプロセスでつくられた同じプログラム(法案提出の手順表)であることに気づきました。きょうの首相の発言にもとづき、各省庁から法案がプログラムに沿って提出されることになり、その多くが成立するはこびとなります。安倍首相は、共謀罪と働き方改革について言及しましたが、「法案を出す」とは言いませんでした。首相は、憲法審査会に言及し、「必要なのは実行だ」「プラカード批判」とからめて、すべての国会議員が議論すべきだと促しました。ただ、「安倍さんの改憲発議プログラム」は、あいかわらず、私には読めないままでした。
岸田外相が外交演説し、日米ACSAの承認案(192条約2号)を「国会で御承認いただけるよう丁寧に説明する」と語りました。
麻生財務相は、平成28年度第3次補正予算案と平成29年度予算案をあわせて、財政演説しました。きょう提出の両案では、今年度の一般会計が最終補正後100・22兆円、来年度は当初97・45兆円となります。私が見たら、空港整備特別会計(予算コード15024)で、債務負担行為が1年延長され、49億円がついています。おそらく「ゼロ国債」と呼ぶ国交省による業者の端境期解消の経営支援だと思いますが、補正審議で議題になってほしいところです。防衛省の定員は平成29年度26・8万人で、今年度より88名「減員」です。
石原経財相が経済演説をしました。
政府4演説の後、衆では笹川博義さんが動議を出し、「23日(月)午後1時から国務大臣に対する代表質問をすることとし、散会すること」を全会一致で議決しました。参では、午後4時50分に、伊達忠一議長がはかり、「後日にゆずる」ことにして散会しました。「金曜召集で施政方針をすると、参散会は午後5時前後になる」という日程感も、きょう知りました。
民進党の蓮舫代表は晴れ着で出席。ただ、衆参とも着物姿の人は、インターネットで見る限り、例年の通常国会召集日より心なしか少ないように感じました。京都選出の谷垣禎一自民党議員も長期欠席中です。
【参議院本会議第1ラウンド 平成29年2017年1月20日(金)】
議席の指定。委員長の交代はなく、特別委も同じ構成のまま7特別委が全会一致で設置されました。
【衆議院本会議第1ラウンド】
議席の指定。前の会と同じ9特別委員会が設置されました。なお、「地方創生に関する特別委員会」だけは採決となり、自公民などの賛成多数で設置が決まりました。
【参議院の各特別委員会】
【衆議院の各特別委員会】
すべて、前の会の委員長が互選されました。 その後、理事を指名して、散会しました。
【衆議院議院運営委員会】
【参議院議院運営委員会】
本会議をめぐるやりとり。
【開会式】
大島理森衆議院議長が主宰し、天皇陛下(明仁さま)が出席して、行われました。
この記事の本文は以上です。
(C)2017 宮崎信行 Nobuyuki Miyazaki
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