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ニュースサイト宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が衆参両院と提出予定法案を網羅して書いています。

【12/25】意外にも維新後の長州に武士道ん見たり、安倍晋三前首相が議運で説明、公職選挙法違反を認識して領収書亡失届で不記載は確定的だけど、明治維新で武士道は変質

2020年12月25日 16時22分20秒 | 政権交代ある二大政党政治の完成をめざして
[写真]安倍前首相、3年前の2017年、宮崎信行撮影。

 明治維新後の長州に、武士道があったようてす。

 前日、安倍事務所で「筆頭秘書」と呼ばれた配川さんが、過去4年分の政治資金規正法違反で略式起訴され、100万円の罰金刑を受けて、即日納付しました。安倍晋三さんは不起訴。刑事としては終わりました。告発した弁護士らは検察審査会をめざすようです。

 安倍さんは前日午後6時から記者会見。衆参の議院運営委員会理事会を開き、きょうの委員会の開催を決めました。

【衆議院議院運営委員会 きょう令和2年2020年12月25日(金)】
【参議院議院運営委員会 同日】

 安倍晋三さんから前首相としての答弁の訂正を求める発言がありました。

 これに対して1時間程度の質疑がありました。

 黒岩宇洋さんや、宮本徹さんは、桜を見る会前夜祭で、参加者から会費5000円徴収したあとでも、平均3000円が安倍晋三後援会から補填されていたとする試算を示しました。辻元清美さんは、領収書亡失届が添付されていたのに、今週、過去の分が修正されたことを指摘。配川秘書からが会費収入とホテルへの支出の総額を正確に帳簿に記載していたからできたと指摘しました。

 政治資金規正法第16条は、政治団体には、会計帳簿を要旨公表から4年間保存することを義務付けています。また、省令である政治資金規正法施行規則
の第6条は会計帳簿とは、収入簿、支出簿、運用簿の3つだとしています。これについて、辻元さんの「裏帳簿」という表現は間違っていますが、提出してい欲しい、と安倍さんに求めました。

 公職選挙法第139条は飲食物の提供の禁止を定めています。選挙運動の始期は公示日とは変わりませんから、山口県外でも、3000円分の飲食物提供は明確に公選法違反だという認識が配川秘書にあったのは間違いありません。報道では、参加者は、旅行代理店に交通費と宿泊費を7万ないし8万円払っています。それに上乗せして、前夜祭で会費5000円を徴収するので、それ以上の負担を山口4区の有権者に負担を求めるわけにはいかないとの考えが配川秘書らにあったのは間違いありません。そのため、収入と支出の双方を、政治資金収支報告書に記載しなかったということでしょう。なぜ、「晋和会」ではなく「安倍晋三後援会」にしたかはよく分かりませんが、たいして重要な話ではありません。

 ですから、配川秘書が政治資金規正法に違反した過去4年分(県選管分の公表期間終了のため)の虚偽記載2000万円分の形式主義での重罪性に基づき、100万円という巨額の罰金が科せられ、配川さんは公選法違反により、山口4区の支持者に被害が及ぶのを守り切ったことになります。私としても、楽しみに着物を持って、1人7万円以上払って上京し、おそらく3000円分の飲食物を提供されたという認識もあまりないでしょうから、出席者全員への聴取が必要となる公選法違反での捜査を見送ったのは、やむを得ないと考えます。

 なので、当ブログが13年前に紹介した記事のように、安倍晋太郎さんが一度目の自民党総裁選で存在感を発揮し、バブル期に大量に政治資金を集金したものの、二度目の総裁選の直前に若くして他界。安倍洋子さんが、17億円もの溜まり金を、「安倍晋三後援会」に衣替えしたうえで、全秘書を解雇。安倍晋三さんが17億円を持ち初当選し、配川秘書らを新しく迎えて体制を整え、河村・林系を取り込みながら、小選挙区基盤を盤石にして、総理総裁になっていく、安倍洋子さんの策略が、最後の最後まで効果を示した、ということになるでしょう。

 正直、これでフィナーレだと考えます。

 今夜、なんらかのメディアからコメントを求められたら、疑惑はむしろ深まったと来年に続けるかもしれませんが、当ブログとしては話はこれ以上広がらないと考えます。

 忠義の城代家老。

 安倍さんと仲が良かった松岡利勝農相は、「なんとか還元水」とうまく説明責任(アカウンタビリティー=会計能力と翻訳する方が正しい)を果たせず、自殺。一方、世襲議員の安倍さんは17億円を継承して、首相となり、晋三さんになってからの「筆頭秘書」が公選法違反を完全に逃れたうえで、罰金のみ。

 松岡さんが認識を誤った「事務所費」という言葉は、いまだに政規法に残ったままです。与野党とも世襲議員や、そのベテラン秘書は、公選法、政規法がややこしい方が、参入障壁となってその選挙区内外での基盤が盤石となり、政界での影響力を保てる。菅首相・二階幹事長・森山国対委員長の非世襲トリオにシンパシーを感じる自民党議員も多いでしょうが、世襲議員は本人が無自覚な面も含めて、安泰で、人脈も英語もうまく、当面は安定飛行を続けていくでしょう。

 こういう構図は、頭で考えても無駄。私は、公選法・政規法・政党助成法に詳しくなった方が、永田町での影響力を保てると若いころから考えて、一時期徹底的に勉強しました。現役のある政党の党首も、震える声で私に携帯電話で善処策を求めてきたこともあります。それが誰かはインターネット上には一つも書いてありませんが。

 過去7年間のうち、裁判所が昨日認定した「4回で700万円補填」というのは、絶妙なずれっぷりで、立憲民主党連続当選議員にはそもそもその原資が足りない、というのが正直なところでしょう。

 政権交代しかないんだと思います。

このエントリーの本文記事は以上です。
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インターネット版官報

Ⓒ2020年、宮崎信行 Miyazaki Nobuyuki
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