【元日経新聞記者】宮崎信行の国会傍聴記

政治ジャーナリスト宮崎信行、50代はドンドン書いていきます。

【12/3】あの特定秘密保護法採決阻止の十重二十重の国民の夜は夢幻のごとく、国会まったく無風で閉会へ

2020年12月03日 20時48分51秒 | 第203回臨時国会(2020年10月下旬)菅首相初答弁
[写真]特定秘密保護法の廃案をめざして十重二十重に国民が取り囲んだ2014年の冬の夜の国会議事堂=この写真の撮影月は同年2月=、宮崎信行撮影。

 1998年3月に1週間だけ政治部官邸記者クラブで席を並べた日経新聞経済部長がクビになったようです。元同僚のクビを週刊文春で知れるのは幸せな人生かもしれませんが、「さわやかなイケメンでそういうことをしそうにない人」という当時24歳の私の人物観はかわいらしいものだったかな。同郷の集まりをしていたようなので、派閥争いもあったのかもしれません。

 「日英FTA」と農水の2本目の法案も委員会審査を終了し、あすで、第203回臨時国会は事実上幕を閉じます。土曜郵便配達の廃止など一度やったら後戻りできない法律もありましたが、種苗法や自由貿易とも反対派の法案の読み込みが浅かったこともあり、まったく無風となりました。2014年冬の特定秘密保護法採決阻止の十重二十重の「左翼に見えない有権者」と、2015年夏の平和安全法制阻止の「シールズとそれを背後で支えるママとオジサンたち」は遠い昔のこと。夢幻のごとくなり。

【参議院外交防衛委員会 令和2年2020年12月3日(木)】

 参議院第一種常任委員会は、臨時国会最後の定例日として異例のわずか3委員会の開催にとどまりました。

 「日英EPA承認案」(203条約1号)は、きょう初めて対政府質疑がありました。そのまま参考人質疑もなく、採決。共産党反対、自民党、公明党、立憲民主党などの賛成多数で、承認すべきだと決まりました。

【参議院農林水産委員会 同日】

 「特定水産動植物等の国内流通の適正化等に関する法律案」(203閣法4号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。答弁が不安定ではないかと与党内が懸念した野上農相が切り抜けました。同委員会にしては異例の第一委員会室で開催。吉川貴盛元農相が大臣室で、広島・鶏卵の株式会社アキタフーズ社長から現金を受け取った事件が発覚。農水省マターでは、500万円の贈賄というのは、鶏卵の株式会社でないと見返りがなさそうですが、自民党本部、農林族、二階派、同党北海道連が吉川さんだけ切り捨てておしまい、は許されません。

【参議院厚生労働委員会 同日】

 「労働者協同組合法案」(203衆法26号)が全会一致で可決すべきだと決まりました。

【衆議院憲法審査会 同日】

 「日本国憲法改正手続きのための国民投票法改正案」(196衆法4号)の質疑や議員間自由討論があり、散会しました。

【衆議院原子力問題調査特別委員会 同日】

 一般質疑がありました。

【衆議院第四控室 同日】

 野党の理事が記者会見。衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会と、衆議院北朝鮮による拉致問題に関する特別委員会が、茂木外相の時間がとれないなどの理由で、所信的あいさつに対する一般質疑ができなかった、と批判しました。沖・北は、橋本行革前は、総理府の沖縄開発庁長官兼北海道開発庁長官という大臣が一人いたわけで、振興に関する議論の場がいるかもしれません。橋本行革で、沖縄は内閣府、北海道は国交省の所管になったことも、悪い流れにつながったかもしれません。外相がはりつく特別委員会が多いという問題意識は与野党が共有すべきです。

【衆議院情報監視審査会 同日】

 特定秘密保護法による文書の指定状況について政府から説明を受けて、審議しました。

【衆議院議院運営委員会理事会 同日】
 
 あす最後の本会議。

●なお、きょう木曜日は定例日でしたが、衆議院本会議はありませんでした。

【野党幹事長・国対委員長会談 同日】

 あす午前9時に、会期延長の申し入れをします。

●あすの国会

 衆議院本会議で会期延長に関する野党の演説があると思われます。コロナで漠然とした不安が国民を襲っているだけに、野党も最後だけは気合を見せてほしいところ。「生殖補助医療の民法特例法案」(203参法13号)の採決になりますが、いろいろ勉強したら非常によい法案だと思うようになりました。参議院憲法審査会では、林芳正会長の不信任決議案が提出され、否決されるはこび。官邸で菅首相が記者会見の予定。

 会期末は、あさっての、2020年12月5日(土)です。

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