鳩山内閣最初の予算の年度内成立が確定した後、最初の休日にあたる3月6日(土)の夜、政府筋が「7月の前後に必ず内閣改造がある」と述べたと時事通信が伝えています。
解散がなければ、向こう3年半、民主党が衆院で単独過半数を保つ続けます。だから、内閣支持率の下落に右往左往すべきではありません。
問題は「民主党支持率」と「自民党支持率」です。
二大政党の先輩、イギリスで問題になるのは、いつも政党支持率です。そのうえで、「次の総選挙をたたかううえでブラウン首相(党首)は適当か?」という設問があって、“内閣支持率”という発想はないのではないかと思います。
政党支持率、もっと細かく言えば、「次の国政選挙で比例はどの政党に入れますか?」が大事です。
内閣支持率がアップするのは、予算の成立を除けば、内閣改造しかありません。過去には「小泉訪朝」で支持率が10%アップしましたが、もう政治とマスコミの裏は見透かされていますから、「サプライズ」「外交」で支持率回復は厳しいし、国民が民主党に求めていることはそれとは反対の政治です。
内閣改造の目玉となるのは、小沢一郎さんの入閣でしょう。とくに、自ら販売農家としてコメを農協に出荷している「小沢農相」は、地方での民主党支持を再び盛り上げることができます。農相なら危機管理対応はないし、後半国会でも大きな法案はありませんから、カラダも楽でしょう。農林水産省のお役人というのは、国会対策は上手いのですが、他省庁と比べると、あまりできがよくないように思います。その辺を小沢さんの剛腕でイチから立て直し、農業者戸別所得補償を根付かせてほしいと思います。
また、過去に経験のある、国家公安委員長もいいと思いますが、防災担当大臣は危機管理担当なので外した方がいいでしょう。
無任所の副総理という手もあります。あるいは、インドネシアのユドヨノ大統領が就任直前までやっていた、「調整大臣」として、官房長官とは違った遊軍として、内閣をまとめるのも良いのではないでしょうか。
そして、参院選ではSP(警護官)を引き連れて、演説する。私は15年間にわたり野党支持者でしたからあまり分からないのですが、与党支持者の方に聞くと、大臣の応援演説というのはSPらお付きの人が演説の内容以上に印象に残るようです。
後任の幹事長には参院選シフトということで、石井一選対委員長や佐藤泰介財務委員長が兼務するという案や、歴代代表5人の中で幹事長経験のない2人(菅直人さん、前原誠司さん)などが候補として挙げられるでしょう。
【追記 2010年3月9日】
菅直人さんは2000年から2002年に鳩山由紀夫執行部で幹事長を務めていました。コメント欄で指摘をいただき、気付きました。訂正します。【追記おわり】
時事ドットコム:参院選前にも内閣改造=政府筋
政府筋は6日夜、当面の政局に関して「7月の前後に必ず内閣改造がある」と述べ、鳩山由紀夫首相が夏の参院選前にも内閣改造に踏み切るとの見方を示した。
鳩山内閣の支持率は、首相自身や小沢一郎民主党幹事長の政治資金問題が響いて下落に歯止めが掛からず、政府・民主党内では参院選への危機感が強まっている。政府筋の発言は、首相が改造により人心一新を印象付け、態勢を立て直した上で参院選に臨むこともあり得るとの考えを示したものだ。
このほど(3月5日)に第33回日本アカデミー賞が開かれ、『劔岳 点の記』(『剣岳 点の記』)が6部門を受賞しました。
映画ファンで知られる岡田克也さんが謎の文化人から、「剣岳はぜひ見た方がいい。創価学会の池田大作先生も絶賛している」とすすめられ、映画館で鑑賞し、「面白かった」と語りました。私はそれを聞いて、政権交代後に映画館で見ましたが、映像・ストーリーともすばらしい作品でした
高校生のころから、漠然と「公の仕事」に興味を持ってきた岡田さんが、地図をつくるという「公の仕事」のために、命を懸けた明治公務員の群像に感動したのは想像に難くない。また木村大作監督をはじめとする撮影スタッフそのものも、まさに日本映画史に残る「公の仕事」をしたと思います。「撮影賞」(木村大作監督)は当然です。すでにDVDのレンタルが始まっているほか、各地の映画館も巡回しているようですから、ぜひ、映像だけでもご覧になることをオススメします。
もう一つ、僕は『沈まぬ太陽』も見ました。助演男優賞は『剣岳』で、香川照之さんになりましたが、香川さんの『沈まぬ太陽』の演技も、「ディスクロージャーを怠った日航の悲惨な結末」を表現したすばらしいものでした。主演男優賞は、『沈まぬ太陽』で渡辺謙さんでしたが、『剣岳』の浅野忠信さんと、僕の中で、同時受賞という感じがしますね。
ちなみに、『沈まぬ太陽』の第2部で、渡辺謙さんが石坂浩二さん演じる会長(カネボウの伊藤淳二さんがモデル)と元旦の一番機の離陸を見送るシーンで、飛行機の映像がやたらとちゃっちかったのですが、これは日航が撮影を拒否したので、やむを得ずCGにしたとのこと。後で知って納得しました。これも含めて、ご覧になると面白いでしょう。
なお、『沈まぬ太陽』の第1部、第2部の冒頭に出てくる「たかりジャーナリスト」は日経新聞産業部で編集委員などを務めた記者がモデルです。元社員の一人として、このような人物がジャーナリストを名乗っていることを遺憾に思いますし、自分はそのようなたかりジャーナリストではないし、将来も絶対にそのようなことがないようにしたいと思います。
邦画というと、宮崎アニメ頼りが長かったのですが、実写映画も復活してきたことを感じさせた2009年でした。大したものです。欲を言えば、「絵がきれい」な監督、例えば行定勲監督らが良い脚本に出会って、配給会社もじっくりとお金と時間を投入することを望みたいと思います。
「株式会社日本航空」の長年の妨害にかかわらず、製作・公開にこぎ着けた角川歴彦さんに作品賞がいったのは、当然かと。邦画ではありませんが、『孫文 百年先を見た男』も面白かったですよ、角川は最近がんばってますね。
ところで、岡田さんは外相就任後、ほとんど映画館に行けなくなったし、DVDもあまり見ていないようです。時々は映画でリフレッシュしてほしいですね。北欧の首相なんかは、夫婦で気軽に映画に出かけるライフスタイルをしていると聞きます。
日本の主要産業のひとつである、コンテンツ産業もなかなか有望です。
日航は沈んでも、日本(Japan)は沈まない。
作品賞は「沈まぬ太陽」=「剱岳」が6冠-日本アカデミー賞(時事通信) - goo ニュース
第33回日本アカデミー賞の授賞式が5日、東京都内で行われ、「沈まぬ太陽」が最優秀作品賞に輝いた。カメラマンの木村大作氏の初監督作として話題となった「剱岳 点の記」は監督賞など6部門で受賞した。その他の最優秀各賞は次の通り。(敬称略)
▽主演男優=渡辺謙(沈まぬ太陽)▽主演女優=松たか子(ヴィヨンの妻~桜桃とタンポポ~)▽助演男優=香川照之(剱岳)▽助演女優=余貴美子(ディア・ドクター)▽脚本=西川美和(ディア・ドクター)▽音楽=池辺晋一郎(剱岳)▽撮影=木村大作(剱岳)▽照明=川辺隆之(剱岳)▽美術=種田陽平・矢内京子(ヴィヨンの妻)▽録音=石寺健一(剱岳)▽編集=新井孝夫(沈まぬ太陽)▽アニメーション作品=サマーウォーズ▽外国映画=グラン・トリノ。