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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

鳩山首相、5月に普天間移設決まらなければ「総辞職」辞さずを示唆か

2010年03月07日 02時44分44秒 | 第174常会(2010年1~6月)空転政治主導

 気になる発言が予算の年度内成立が決まった3月6日(土)にありましたので、書きとめておきました。

 自民党の大島理森幹事長が、米海兵隊普天間飛行場の移転先が、鳩山由紀夫首相が自ら区切った「5月末まで」に決着しない場合は、退陣(内閣総辞職)するよう求めました。これについて、鳩山首相は視察先で記者団に答え、「一つ一つの政策の実現に向けては覚悟を持って臨む」と述べました。

 政界用語で、首相が「重大な決意」と語った場合には衆院解散を意味すると解されます。「覚悟を持って臨む」という政界用語はありません。

 大辞林では、「覚悟」について①危険な状態や好ましくない結果を予想し、それに対応できるよう心構えをすること、⑤観念すること、あきらめること--とあります。

 広辞苑にも「⑤あきらめること。観念すること。」とあります。

 「覚悟を持って臨む」という総理の発言は、「普天間移設の結果が思わしくなかった場合は、5月下旬以降に退陣(内閣総辞職)する」と受け取れる重大な発言です。いずれにしろ、この政治シナリオが、鳩山さんの頭にある、ということは確実だと思います。また、総理の発言は日々ぶれますが、箴言汗の如し、この発言だけはぶれて取り消すわけにはいきません。

 ちなみに3年に1回の参院選。その前の通常国会中の4月・5月では、2001年4月に森喜朗内閣が退陣して、小泉純一郎首相が就き、与党・自民党が逆転勝利。一方、野党・民主党も2004年5月に菅直人代表が「年金未納疑惑」で退陣し、岡田克也代表に代わり、党勢を立て直して第一党となりました。

 つまり、2000年代の10年間3回参院選があったわけですが、そのうちの2回は4月・5月に党首交代劇があり、その政党が2勝0敗しています。この成功体験は、2010年前半の政局の最大のキーポイントです。

 また、時事通信によると、「参院選前に内閣改造があると政府筋が語った」とあります。読売の「政府筋」と時事の「政府筋」は同一人物だと思います。土日に観測気球を上げて世論をみるというのは与党の常套手段です。民主党も政府内外とも全員野球で、さまざまな観測気球を上げながら、結果として総理を助ける方向性に持っていって欲しいと思います。

 それと、支持率回復をねらって、成果が見込めないままの、首相訪朝・訪露などのサプライズ外交に走ることはやめてもらいたいと思います。「普天間基地がグアム全面移転決定」などの一発逆転ホームランを期待しています。   

普天間5月決着「覚悟を持って」と首相 : 政治 : YOMIURI ONLINE(読売新聞)

 鳩山首相は6日午後、沖縄の米軍普天間飛行場の移設問題が5月末までに決着しない場合、退陣を求める声が自民党から出ていることに関連し、「一つ一つの政策の実現に向けては覚悟を持って臨む。当たり前の話だ」と語った。

 首相は退陣するかどうかは明言しなかったが、政府筋は6日夜、「あれだけおっしゃっているのだから、決まらなければ辞めるしかない」と述べた。5月末までに決着しなければ、政府・与党からも退陣を求める声が出る可能性があり、首相は窮地に追い込まれそうだ。

 この問題では、自民党の大島幹事長が6日午前、那覇市での党沖縄県連大会で、「移設先と沖縄県民、米国の了解を得る三つの方程式を解くのはかなり困難だ。(解決)できなかったら即刻退陣してもらおう」と述べた。

 これを受け、首相は視察先の東京都大田区で記者団に、「その覚悟があるか」と問われ、「国民への約束を守るために全力を尽くすのが新政権の基本的な方針だ。以前の内閣では、公約は守らなくても大したことはないと言った。そういう政治が国民に鉄槌を食らわされた」と5月決着に全力を尽くす姿勢を強調したうえで、「覚悟を持って臨む」と語った。

 政府筋は6日夜、「決まらなければ辞めるしかない。参院選も持たない。覚悟は覚悟だ」と述べた。

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