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宮崎信行の国会傍聴記 ニュースサイト

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

原油高はバブルなので必ず安くなるはずだ

2007年11月12日 14時11分33秒 | その他

写真はガソリンスタンドの価格表示板=MSN産経ニュース

 原油高が心配ですが、原油はいずれ必ず安くなるという共通認識が必要だと思います。原油高はあくまでもバブルだということです。WTIも90ドル台前半に落ち着きつつあります。油断大敵ですが。

  毎日新聞3面の「クローズアップ2007」という記事がまとまっていて分かりやすかったので、ご紹介します。

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  ◇

毎日新聞 2007年11月22日 東京朝刊

クローズアップ2007:NY原油100ドル目前 産油国マネー、投資に

 原油価格の指標となるニューヨーク先物市場のWTI価格が20日、通常取引後の時間外で、1バレル=99・29ドルをつけ、100ドルの大台突破が目前に迫った。わずか10カ月でほぼ2倍になった急上昇ぶり。バブル状態ともいえる原油相場を操るオイルマネーの流れや実体経済への影響などを点検した。【瀬尾忠義、平地修、ロンドン藤好陽太郎】

 ◇「需給」超す急騰

 ロンドンで1戸10億円を超えるような超高級住宅の売れ行きがいい。米低所得者向け高金利住宅ローン(サブプライムローン)の焦げ付き問題の影響で、不動産市場全般が冷え込む中、超高級不動産だけは好調だ。支えているのは産油国のマネーである。「原油高騰で潤う中東やロシアの資産家が増えている」と英大手不動産会社の幹部。今年上半期に販売された超高級住宅の3分の2を中東・ロシアを中心とする外国人が買ったという。

 今月12日、世界最大の産油国、サウジアラビアのアルワリード王子がエアバスの最新超大型旅客機A380を個人で購入した。通常でも約350億円という同機のVIP仕様で「空飛ぶ宮殿」と呼ばれる豪華さだ。

 日本など石油消費国が原油高にあえぐ中、産油国の収入は増える一方だ。原油価格が1バレル=70ドル台に急伸した06年の産油国の輸出総額は約170兆円。そのほとんどが原油で、4年間で約3倍にも膨らんだ。

 自国内で使い切れない年間約70兆円の巨額マネーが国外に向かう。米国の高級衣料品店、バーニーズ・ニューヨークの買収で、「ユニクロ」のファーストリテイリングに競り勝ったのは産油国、アラブ首長国連邦の政府系投資会社だった。

 それでもまだ余る資金の一部は、ヘッジファンドなどを経由して原油や金といった商品市場に流入している。原油価格高騰でオイルマネーが再び原油市場に流入し、価格を押し上げ、自己増殖する構図が見える。

 特にサブプライム問題の深刻化で、株式相場が不安定になった夏以降、米株式市場から引き揚げた資金が加わり、原油価格の上昇は加速。9月に1バレル=80ドルを突破すると、わずか2カ月で100ドルの大台に迫った。

 原油価格高騰の根底には、世界的な需要の増大に対し、供給量が十分伸びない需給上の問題がある。しかし、今年1月半ばに50ドル程度だった価格が10カ月で2倍になるのを説明できる需給の逼迫(ひっぱく)は起きていない。急上昇をけん引するのは、オイルマネーを含む投資資金で、みずほ総合研究所の吉田健一郎シニアエコノミストは「需給バランスで適正と考えられる価格より40ドル程度上積みされている」と指摘する。

 ◇省エネ進み、耐える経済

 1バレル=100ドルが目前に迫っても、世界経済はパニックに陥っていない。30ドル台で推移した03年3月のイラク戦争開戦前、“恐怖のシナリオ”とささやかれたのは「中東全域に戦争が拡大し、原油が70~80ドルに高騰して世界経済に大打撃を与える」というものだった。その水準を大幅に超えているのに、世界経済は平静を保っている。

 その理由は「省エネルギー技術や代替エネルギーの開発などで、原油高騰に耐える力が付いたため」(永田安彦・日本エネルギー経済研究所研究主幹)。安価な製品を大量に世界市場へ供給する中国など新興国が、原油高騰でもインフレを起こりにくくする役割を果たしている側面もある。

 特に日本経済は第1次(73年10月~74年8月)、第2次(78年10月~82年4月)の2度の石油ショック体験を経て原油高に揺さぶられにくい構造へと転換した。第1次ショックの時は、便乗値上げなど社会的なパニックが起きたが、これを教訓に政府は原子力や天然ガスへの転換を進め、石油依存度を減らした。

 とはいえ、原材料費の上昇分を簡単に販売価格に上乗せできない中小・零細企業の経営は深刻化する。原油高騰の影響は徐々に出てきそうだ。

 ◇明らかにバブル--シティグループアナリスト、ティム・エバンス氏

 ここ数日の原油急騰は大幅なドル安が最も大きな原因だ。ただ、長期的に見ると、現在の原油高は明らかにバブルだ。1月から1年もたたないうち倍近くに上昇しているのは異常だ。この間、供給面で大きな不安はなく、需要にも大きな変化はなかった。極端に政治的緊張の高まった地域もない。つまり、現実の需給バランスから切り離されたところで市場が回っている。原油先物市場はバブルなので、どこまで上がるかは誰にも分からない。ただ、はっきりしているのはバブルはいずれ、はじけるということだ。

 ◇家計負担、増す一方

 「第3次石油ショック」が起きていないとはいえ、家計への負担はじわじわと増している。

 本番を迎える冬に、家計を直撃するのが灯油の高騰だ。19日現在の全国店頭平均価格は18リットル当たり1616円で、前週から11円上昇した。原油からつくられる灯油など石油製品の価格は来月、さらに1リットル当たり5円近く上昇する可能性がある。

 レギュラーガソリンも最高値を更新し、1リットル=150円を突破。買い物や通勤などにマイカーを利用する人たちの負担は重くなる一方だ。来月3日には都内のタクシー料金も値上がりする。航空会社は燃料の高騰分を国際線の運賃に上乗せしており、ビジネスマンの出張や海外旅行に影響が出ている。

 原油高はプラスチック製品全般や、製造過程で重油を多く使う紙類の価格も押し上げる。ティッシュペーパーなどの日用品の価格が上がっているほか、包装資材の高騰は相次ぐ食品値上げの一因にもなっている。来年1月には電気とガスの値上げも予定されており、光熱費の上昇も生活を圧迫しそうだ。

 ◆原油高で値上がりしたもの◆

ガソリン

灯油

航空機運賃

ティッシュペーパー

トイレットペーパー

ラップ

学習ノート

各種加工食品

クリーニング代

公衆浴場

--------------

東京のタクシー運賃(12月)

電気       (来年1月)

ガス       ( 〃 )

【追記2008-1-19】
 このエントリには連日たくさんの方々からアクセスをいただいており、原油高の深刻さを感じています。2008年1月の最新情勢をまとめましたので、次のエントリもご覧になってください。

【数字のない経済ニュース】(1)日経平均安、小麦高、大豆高
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【追記おわり】

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「ブラマン?」かと思ったが、なんとか収束(きょうのところは)

2007年11月12日 13時54分02秒 | 経済

 初めてのケータイからの書き込みです。
  日経平均が後場寄り付きでも下がっています。為替、原油と動きが変ですね。グーリンスパンが先月、「ブラックマンデー前夜に似てる」と言っていたのが気になります。

【追記2007-11-12 15:30】

 帰宅して、各種指標をみました。日経平均の終値は1万5000円台を回復、円高は1ドル=110円に戻ってきているようです。なんとかTOKYO市場の混乱は限定的に収まっているようです。アジア株も急落しました。

 あと2時間ほどするとロンドン、7時間ほどするとニューヨークも動き出します。今週は市場に目が離せない5日間となりそうです。

 とくにニューヨーク・マーカンタイル取引所(NYMEX=ナイメックス)のWTI(西テキサス州産軽質油)の指標が1バレル=100ドル越えが今週ある可能性があります。これは日本人の生活に直結しますから何とかこらえて欲しいものです。

 円高・株安に関しては、町村官房長官が午前の記者会見で

 「(円高は)輸出産業には厳しいが、日本全体として見れば忌むべきこと
  ではない」

 「あまり急激な株価の低下は政府としても非常に関心は持っている。
  政府全体の信任を得る努力をしたい」

 と発言しました(日経夕刊2面・3版)。
 まさにその通りなので、有言実行、その発言通りに取り組んでください。

 いずれにしろ、情報と金融のグローバリゼーションは行き着くとこまで来ている感じがしますので、世界経済と連動した動きが我々のもとにもやってきそうです。

 クリスマス・年越しも近いです。

 経済の動きについても、民放TVをはじめとするクズ情報に振り回されず、本質をしっかり見極めましょうではありませんか。

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解散はいつ? 山岡賢次の3つの読み 【山岡壮八譲り?】

2007年11月12日 10時21分48秒 | 第45回衆院選(2009年8月)政権交代

(写真は山岡賢次公式ウェブサイトから)
 土曜日付の産経のまとめ記事の中から特に面白かった部分を引用します。(部分的に改変させて頂きました)

 民主党の山岡賢次国対委員長は国対会議で「延長国会は衆院解散を念頭に置く」と強調、年内解散と1月解散の2つのケースを挙げ、臨戦態勢の必要性を強調した。

 山岡氏はさらに、代議士会で年内解散の際の投票日を「1月20日」、1月解散の場合には「2月17日2月24日」との見立てを披露。
 同僚議員らに「こういうシミュレーションを念頭に置いてほしい。全員が一丸となって戦えば決して怖くない」と呼びかけた。

 ◇

 3つの案があるのですが、そこから解散日を逆算して、政治空白を考えると、3案ともうなずけます。さすがは山岡壮八の子。

 民主党国対委員長の山岡賢次さんの義父は超大河小説『徳川家康』の作者、山岡壮八です。講談社の文庫でなんと全26巻!私は横山光輝が描いたマンガで読みました。こちらだと文庫8冊。みっちり詰まったマンガだから、それでもしんどかったけど、面白かったですね。

 『徳川家康』は文藝春秋が「21世紀に残したい日本の歴史小説」というような題でやった読者アンケートで7位に入っていましたね。
 1位はいうまでもなく司馬さんの『坂の上の雲』でした。

 山岡壮八は歴史を再現しましたが、山岡賢次は歴史を作る――かっこいい親子ですねえ。まあ山岡壮八も忠実に再現しているというわけでもなく、部分的に歴史を作っていたような気もしますが。

 政治家のブログ、ホームーページ、メールマガジンを「巡回」してみましたが、今国会は議事堂の内外で大荒れ。下血した議員もいるようです。

 きついでしょうが、歴史の分水嶺。踏ん張りどころではないでしょうか。

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谷垣政調会長、「予算編成越年しないように」強調

2007年11月12日 09時35分35秒 | 第168臨時会(2007年9月~1月)法案の嵐作戦

(写真は谷垣禎一公式ウェブ)

自民・谷垣氏「予算編成がガタガタしないように」(日経=共同)

 自民党の谷垣禎一政調会長は11日、大阪市内で講演し、年末の来年度予算案編成について「政治の混乱で12月末にできないと経済に響く。米国も少し景気が後退しており、予算編成がガタガタしないよう政治のかじ取りが大事だ」と述べ、越年は避けるべきだとの認識を示した。〔共同〕(23:26)

 ◇

 政府・与党の政策責任者である谷垣さんが、平成20年度予算政府案の「越年は避けるべきだ」と言ったことは翻せば「国会の会期延長などで越年の可能性が出てきてまずいなあ」という心境でしょう。

 ただ、解散権は福田首相にありますから、自民党大幹部の谷垣さんもきょうの時点では解散がいつあるか知らないと思います。

 この発言は大阪市長選挙の自民党・公明党推薦現職の応援で出た言葉です。大阪市長選は自民・公明推薦の現職が厳しい闘いを強いられていると世論調査に基づく報道がされています。民主党推薦・新人の元民放ニュースアナウンサーがわずかにリードしていて、現職と共産新人と無所属新人が追っているとの情勢分析が報道されています。

 政府・与党としてしっかり予算をつくって、「来年度予算も福田内閣で執行させてください!」というアピールでしょう。

【関連エントリ】
通常国会の焦点早くも? 道路特定財源の特措法 自民党の谷垣政調会長、強硬姿勢示唆(10/20)

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 【ところで】
 「谷垣さんは官僚出身」という誤解があまりにも多いようですね。谷垣さんは東大法学部卒ですが、役所勤め経験はないんですね。司法試験に合格し、弁護士をやってたんです。地元京都の代議士だったお父さんが亡くなったので、急きょ、補欠選挙に出て初当選しました。

 宮沢喜一首相以来、東大法学部卒の首相が出ていないので、霞が関には谷垣待望論があるようです。10年ほど前に文藝春秋がやった「官僚が選ぶ未来の首相」みたいなアンケート企画で1位になったことがあります。まあ、「官僚らしい」証拠でもあるんですけどね。

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