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ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

◎公明党代表、日米ガイドライン再改定の越年、先送りに言及

2014年10月16日 08時11分56秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

 公明党の山口那津男代表は、きのう2014年10月15日(水)、日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの再改定について、

 「17~18本の法律が関わっていると言われ、それとガイドラインは密接な関係があり、整合的に矛盾のないようにつくっていく必要がある」

 「法体系を整えるのに少し時間がかかるので、年内という時期に必ずしもこだわらないで、その整合性を取る作業をしっかりやることが必要だ」

 と語りました。ラジオ日本番組での発言をきょう16日付公明新聞が詳報しました。

 先週10月8日(水)に発表されたガイドラインの中間報告は、7月1日の閣議決定の「新自衛権発動の3要件(武力行使の3要件)」の歯止めがまったくかかっていない状況があきらかになっており、今週10月12日のNHK日曜討論で、維新の党の片山虎之助さんが「まとまらないだろう」「止めるべきだ」、日本共産党の小池晃さんが「中止すべきだ」と交渉を止めるよう求めていました。これに対して、公明党議員は、ガイドライン合意前に安保法制の再整備の全体像を示すべきだとのスケジュール感を示していましたが、山口さんはガイドラインそのものの先送り、あるいは、中止も視野に入れて、踏み込んだ発言をしたと考えられます。

 山口さんは、自民党の村上誠一郎さん、民主党の岡田克也さん、維新の党の小野次郎さんらとともに、集団的自衛権の閣議決定による憲法解釈の変更(憲法解釈の再整理)に反対を唱える与野党4人組(東大法学部同級生)で、細川内閣の防衛政務次官をつとめる防衛族議員だけに、集団的自衛権に関する発言が注目されています。

 山口さんは「創価学会婦人部は集団的自衛権の行使容認に厳しい」との感想を、半年前に、民主党幹部に伝えています。

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「東大野球部は弱いけどルールを守るから応援してもらえる」衆各委員会で、自民党大臣の資質追及 民維連携

2014年10月15日 17時17分43秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

【衆議院内閣委員会 大臣所信に対する一般質疑 2014年10月15日(水)】
【衆・法務委員会 同 同日】
【衆・外務委員会 同 同日】
【衆・厚生労働委 同 同日】
【衆・農林水産委 同 同日】
【衆・国土交通委 同 同日】
【衆・財務金融委 大臣所信 同日】
【衆・経済産業委 大臣所信 同日】
【衆・地方創生に関する特別委 同日】

 地方創生2法案の法案審査に入る中、各常任委員会で大臣の資質が問われました。

 ターゲットを絞り、民主党内で連携したほか、前日の安保委で共闘した野党5党(民維み生社)の連携が始まりました。

 松島みどり法相(兼)特定秘密保護法施行担当大臣は、午前8時半の内閣委で、続投した民主党の近藤洋介筆頭理事から集中砲火。午前9時からの法務委では、副大臣が与党に答弁し、松島大臣は午前10時直前に法務委に入りました。

 参院側の江田五月元法相が傍聴席で見守る中、柚木道義さんは「先週、松島大臣の選挙区である墨田区、荒川区を歩いた」として、大量のうちわを提示。

 

 このように大量のうちわ。

 柚木さんは、国会は召集日だった先月29日日の荒川区議会決算委員会で、選挙管理委員会事務局長が「うちわだ」と答弁していたことをあかし、「法務大臣のシールを貼ってあるうちわもあった。法務大臣が法律を守らなくていいのなら、おまわりさんは困っちゃう」とただしました。

  立党16年の後発政党である、民主党が、おそらく地方議員などと立体的に大臣を追及するかたちになったのはほとんど初めてのことのように感じます。

  松島大臣は昼に内閣委に移り、午後1時から再び法務委に。階猛さんは、大臣出迎え事件について、聞き、官房長から、松島法相が初登庁の後、会館に戻り、もう一度初登庁した際に残業中の職員を出迎えたことを認め、松島さんも過去に副大臣を務めた経産省、国交省とやり方が違う役所があることを知った、という趣旨の答弁をしました。

 階さんは、「この後、質問する維新の党の井出庸生君と私は東大野球部の出身だ。東大野球部や弱いけれども、(六大学リーグで)やっていけるのは、弱いけれどルールを守るからだ。松島大臣は東大応援部(チアリーディング部)の創設メンバーだと聞く。しかし、松島さんは法務大臣としても特定秘密保護法担当大臣としてもルールを守らない。辞任してほしい」と語りました。

 維新の党の井出庸生さんは、「階さんの質問中に、大塚拓・法務政務官がずっと不規則発言をしていた。これ以上やるなら出て行ってほしい」と、初球から牽制しました。この後、松島さんの政治資金収支報告書を見ると、「討議資料」の支出先は、うちわメーカーであり、一般の印刷物などは取り扱っていないと指摘。松島さんはしどろもどろになりました。

 衆議院地方創生特別委員会では、民主党の小川淳也さんが、「私は18歳まで香川の高松で育って、東京に出てきて、その大きさに圧倒されて自治省に入った」と語り、「実は、維新の党の当委員会の理事の重徳和彦さんは私と自治省の同期だ」と語ると、オー、という声が上がりました。そんなに驚くことでもないような気がするのですが、霞が関を仰ぎ見る与党議員が多いのか。それはさておき、小川さんは「私と重徳さんのように、民主党と、維新の党の連携は始まっているんですよ」と語りました。こういった属性を明かした民・維連携が急速に始まっています。

 厚生労働委員会では、塩崎恭久厚労相が、老人ホーム口利き疑惑で民主党から集中砲火を浴びました。塩崎さんは「メールはなぜか週刊誌に売られて、週刊ポストに載っているが、私文書なので出さずに説明を尽くしたい」とし、「元秘書は今どうしているかまったく分からない」と答弁しました。ぜひ、世襲議員の大臣をしっかり追及してほしいところです。

【大塚高司・国土交通政務官が女性暴力事件を謝罪し、太田昭宏大臣は不問に付す】

 国土交通委員会では、自民党の大塚高司・国土交通大臣政務官の女性への暴力事件が取り上げられました。今国会から国交委員になった民主党の後藤祐一さんは、被害女性(告訴状取り下げ)のけがの状況をしめした写真を見せました。



 この写真ですが、質疑中に分かったのですが、被害女性が伊吹文明衆議院議長宛に送った手紙に入っていたそうです。なぜ、民主党議員が持っているかは分かりません。

 
[画像]女性のけがの状況を説明する、大塚高司・国土交通政務官=自民党、大阪8区、2014年10月15日、衆議院国土交通委員会。

 大塚さんは、昨年2013年8月、当該女性と口論になり、軽傷を負わせたことを認め、「プライぺーとなことで、不起訴となっているが、謝罪したい」と認めました。この後の問答で、昨年9月24日に大阪・帝国ホテルで女性に謝罪したとしました。この間、自民党議員から「プライベートな話だろ」「国土交通行政の質問をしろよ」「土砂災害の方が大事だよ」といった野次が飛び続けました。後藤さんが指摘した、事件の5日後にファミリーレストランで大塚さんとその妻が女性にあったところ、女性が睡眠薬を飲み、倒れたが救急車が到着したときには、秘書が大塚さんがいたことを隠したのではないか。代理人弁護士が、女性の雇い主に対して解雇しないようにしてほしいと働きかけたのではないか。この2点については、明確な答弁をしなかったため、次回以降に質問するとしました。

 太田昭宏大臣は、政務官人事について、問われ、「女性への暴力はすでに大塚政務官も反省しており、謝罪をし、職務に専念すると表明している」として、不問に付すことにしました。

 

 公明党では、昨日の安保委一般質疑で、佐藤茂樹さんがガイドライン(日米防衛協力のための指針)について、年内に、安保法制再整備の全体像の提示とともに、合意すべきだと、主張したのに対し、けさのラジオ日本番組で山口那津男代表が、ガイドライン・全体像とも越年すべし、と語った、という記事を読みました。私は山口プランに賛成です。ただ、公明党らしさがかなり変質してきたように感じます。衆・外務委では、長島昭久さんが、初の公明党出身の防衛省政務三役の石川博崇政務官(参)に質問しました。

 あすは参議院の各常任委員会で一般質疑。衆議院でも、新大臣の総務委、経済産業委、環境委と、殊勝な、財務金融委、文部科学委も一般質疑がひかえています。

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民主党、維新の党、みんなの党、生活の党、社民党が一致団結 防衛相の政治とカネ 衆・安全保障委

2014年10月14日 18時02分09秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[画像]民主党の津村啓介・衆議院安全保障委員会野党筆頭理事、2014年10月14日(火)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【衆議院安全保障委員会 2014年10月14日(火)】

 江渡聡徳・防衛大臣も資質問題が上がっています。

 これは、総務大臣届出政治資金管理団体「聡友会」で、選挙資金ではない「寄付金」が「江渡聡徳」さんに少なくとも450万円されていたものの、入閣直前の先月、「人件費」に訂正され、告示されたことで、予算委員会の基本的質疑では、人件費で仮領収書があるとしていました。

<なぜか衆安保委だけが、トップバッターで一般質疑の日程設定>

 経緯は分かりませんが、すべての常任委員会のトップを切って、きょう、安全保障委員会で、大臣所信表明演説に対する一般質疑がセットされました。

 まず自民党は武田良太さんが質問。内閣改造前は武田副大臣を政務官として支えた左藤章・新副大臣が「まず武田前大臣が・・・」と話すと、やじがとび、「あっ失礼しました。前副大臣が・・・すいません、昇格させてしまいまして・・・失礼しました」と答弁。まるで中選挙区55年体制自民党に先祖返りしたような、和やかなシーン。

 公明党の佐藤茂樹さんは、「安保法制、ガイドラインともに越年するのではないかという報道があるが、2プラス2で合意した年末という期限を守るべきだ」と問うと、江渡防衛相は「年末までにしっかりと見直しが終わるようにする」と答弁。佐藤さんは、重ねて、「7月1日の閣議決定を順守してアメリカはガイドラインを見直すべきだ」と語りました。佐藤さんがんばってほしいですが、公明党の論理構成はかなりいびつになってきて、苦しいですね。ところで、先週のエントリーで私が書いたように、やはり再改定ガイドラインから周辺事態を削除することが中間報告で完全に決まったわけではないことが、佐藤質問・江渡答弁から分かりました。ほとんどの報道で中間報告により周辺事態削除が決まったとされていますが、私は削除が決まったとは書いていないと主張しましたが、やはりただしったようです。もちろん、方向性としては、周辺事態削除の方向性で、戦後の歴史的転換点、ポイント・オブ・ノー・リターンに向かっていることに変わりありません。


[画像]公明党の佐藤茂樹・安保委理事。

 そして、ここから一変。

 今国会から、安全保障委員会野党筆頭理事になった、民主党の津村啓介さんが登場。

 冒頭の「聡友会」問題で、仮領収書が理事会に提出されていないと指摘。江渡大臣は、政治資金規正法での領収書保存期限が3年間なので、提出する必要がないと答弁。津村さんの質疑に、人件費には源泉徴収はしておらず、払った人は税務申告をしていると思う、と答弁しました。

 この件ついては、次の民主党ニュースの階猛さんの6日の衆予算委配布資料の1ページをみるとわかりよいようです。

 ここで、4点の要求のうち、2点が理事会に出ていないと津村筆頭理事は抗議。自民党の北村誠吾委員長、小野寺五典筆頭理事、新藤義孝理事らが応じないため、ここできっぱり。

 「退席します


[画像]追及する津村さん。

 この後、委員長らは、衆参ねじれが解消したとはいえ、大臣所信に対する一般質疑では異例の空回し。

 インターネット中継では分からなかったのですが、維新の党の足立康史(足立やすし)理事の質疑順になって、維新の党も欠席戦術をしていると分かってうれしかったです。

[画像]民主党、維新の党ら野党5党退席後も空回しを続ける、北村委員長、江渡大臣ら。

 午後4時58分、北村委員長は「民主党、維新の党、みんなの党、生活の党、社民党の5会派に出席いただけない」としたうえで、日本共産党の赤嶺政賢さんを指名。この委員会は常連の赤嶺さんは「自民党にこんなに拍手をもらった。ふだんからこのぐらい拍手をもらえればいいが」と語り、「自民党の小野寺理事らは円満な議会運営をしてほしい」と語りました。


[画像]必死に答弁する、江渡聡徳・防衛大臣。

 次世代の党の中丸啓さんも「冒頭一言申し上げたい。理事会が何度も開かれ、みんなが走り回った。今、野党は共産党の赤嶺委員と私の2人しかいない。円満に運営してほしい」と語ると、江渡大臣は「私の不徳のいたすところで、できる限りのことをしたい」と語りました。江渡大臣は、誰かから、なんかの指示でも受けているんでしょうか?なんだか、第1次安倍内閣の悲劇を思い返しそうです。

 伝統的にこの委員会は開催日数がとても少なく、楽な委員会なのですが、若くて初めての野党理事らの情熱で、第187臨時国会では、なにか忘れられないシーンが生まれる委員会になるかもしれません。

【参議院第1種常任委員会 同日】

 参議院の第1種常任委員会がすべて開かれ、新委員長のあいさつや、理事の選任、大臣の所信聴取がありました。すべて店開きが済みました。

 ただし、「宿舎(衆院規則)」、「うちわ(公選法)」、「マフラー(参院規則)」の3点セットの「資質」問題を国会で指摘された挙句、記者会見で「雑音」と表現し、4点セットになった、松島みどり法相の所信を聞く、参議院法務委員会(委員長=魚住裕一郎・参議院公明党会長)は3時間遅れとなりました。これに先立つ、午前10時からの参議院内閣委員会では、松島さんは特定秘密保護法施行担当大臣として所信を述べましたが、前置きとして、自身の発言を陳謝しました。午後1時になってようやく開かれた法務委員会では、まず、民主党の有田芳生・新筆頭理事が正式に就任。その後、松島法相は、午前より、大きく陳謝し、所信を述べました。きょうはここまで。ただ、あす以降の衆参の法務委、内閣委では当分追及が続きそうです。

【衆議院本会議 同日】
【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 今国会最初の法案審査入り。

 地方創生に関する2法案。

 まち・ひと・しごと創生法案(187閣法1号)と、

 地域再生法改正法案(187閣法2号)が、

 石破茂・地方創生担当相から趣旨説明されました。

 まあ、法律案をよく読む人というのはどれほどいるか分かりませんが、これほど「スカスカ」の法律案は珍しく、代表質問の中でも「理念法案とはいえ具体的でない」「内容がスカスカ」との演説がありました。

 本会議では、民主党の渡辺周ネクスト総務大臣が質問し、冒頭、「台風被害のお見舞い」と「まず午前の安全保障委員会で江渡大臣の聡友会の領収書問題について、不正常な運営がありました。言語道断であり、与党に対して猛省を求めます」と切り出しました。維新の党の小熊慎司さんも同様に切り出しました。

 大臣の資質追及は、塩崎恭久厚労相にもおよび、本会議の所管外大臣としては異例ですが、渡辺周さんは「厚労相の、地元の老人ホーム建設に関する(入閣前の)厚労省への口利き疑惑について聞きたい」としました。おそらく、この質疑の関係で議場内交渉が起きました。渡辺さんの質問後、伊吹文明議長が「周君!」と伊吹議長就任後の1年半野党側議運筆頭理事をつとめた、渡辺周さんを呼び出し、「私の議事整理権だが・・・」という声がマイクに入りました。この後、議場内交渉はきえ、速やかに首相、地方創生相、厚労相らが答弁。塩崎厚労相は本会議壇上から「地元の団体から頼まれて、ユニットリーダーという言葉の法令上の解釈を私の議員事務所が厚労省に問い合わせた、よくある日常の議員事務所の仕事である」という趣旨の答弁をし、「その後、私が把握し、松山市に対する連絡はしないよう指示したので、現在まで連絡したという事実はない。高度な倫理観で職務にまい進します」と答弁しました。とはいえ、問い合わせは認めました。

 地方創生に関しては、なかなか具体的な答弁はありませんでしたが、質問演説の中で、公明党の稲津久さんは「今年度補正予算案の編成を求めます」としました。みんなの党の佐藤正夫さんは「法案の18条に、本部長は官僚である内閣官房副長官補とあるが、反対だ。いつか来た道だ」と指摘しました。

 この後、第1委員室で、法案の趣旨説明がありましたが、いわゆる「お経読み」で、石破大臣はずいぶん早口で読み上げました。あす9時から法案審査が始まるとともに、衆議院の各常任委員会で一般質疑が行われます。

 いずれにせよ、野党共闘で、驕れる自民党をしっかりと監視する国会がスタートしました。多くの国民がのぞんでいたことです。

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2014年12月10日特定秘密保護法施行の政令が閣議決定を、菅官房長官が記者会見で発表せず 

2014年10月14日 10時15分14秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[画像]菅義偉・内閣官房長官、ニコニコ生放送からスクリーンショット。

 政府が平成26年2014年10月14日(火)の定例閣議で、

 「特定秘密保護法を2014年12月10日に施行する」とする政令を天皇陛下に公布するよう求める閣議決定をしたことを、

 午前9時52分から開いた、菅義偉内閣官房長官の記者会見で公表しませんでした。

 菅長官は、「閣議の概要について、お知らせします。一般案件17件を決定しました」としながらも、内容を語らず、首相の外遊について語りました。

 9時54分からの質疑応答で、TBS記者からの質問に答えて、閣議に先立つ、国家安全保障会議(NSC)の内容について聞かれました。ここで、冒頭のニコニコ生放送の中継スクリーンショットのように、菅長官は原稿を見つけられず、秘書官と思われる人物からペーパーを受け取りました。

 そのうえで、

 「特定秘密保護法の運用基準について整理をした」「隠蔽が無いようにする」「このことを今後とも徹底する」「国民の不安を払しょくしたい」と語りながら、

 12月10日施行だ、ということは、その後の質疑応答も含めて一度も情報発信せずに記者会見を終えました。

 今後の政治日程としては、11月30日(日)に国会が閉会。

 12月8日(月)の内閣府GDPに前後して消費税10%を閣議決定、10日(水)に特定秘密保護法施行、同月末までに、日米防衛協力のための指針(ガイドライン)の再改定終了という日程になります。

 菅さんの師匠である、梶山静六さんは、官房長官会見で、手元に資料の用意がない質問を受けた時に、秘書官からペーパーを受け取ることは無かったと思います。少なくとも、私が総理番非番で、官房長官会見に出ていた時に、ペーパーを受け取ったことは見た記憶がありません。そして、官房長官室に帰ってから、秘書官(内閣官房、大蔵省、外務省の3人)を烈火のごとく叱りつけたと言われています。 梶山さんは早く帰るし、金曜日には必ず地元に帰る(落選経験がある)、ので、秘書官は夕刻には帰宅する日も多かったようですが、官邸内ではそうとうの緊張感で仕事をしていました。そういう短時間でも、ピリピリした緊張感が、第2次安倍内閣にかけているのではないかとニコニコ生放送を見ながら感じました。

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今後の政治日程を更新しました 有料ブログ更新のごあんない

2014年10月13日 21時38分55秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

今後の政治日程「地方創生法案審議入り」を更新しました。



 

 

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ガイドライン、維・共「再改定中止」求める、自公間で日米合意と国内法制全体像の順序に齟齬 NHK日曜討論

2014年10月12日 10時09分21秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[写真]維新の党国会議員団政調会長の片山虎之助参議院議員、維新の党ウェブサイトから。

 2014年10月12日放送のNHK日曜討論は、前週水曜日に決まった日米防衛協力のための指針、いわゆるガイドラインの再改定の中間報告について議論されました。

 ガイドラインの議題の最後に、自民党と公明党で大きな齟齬がでました。

 安保法制の再整備法案の全体像が示されないまま、日米当局間でガイドラインが進むことへの批判に応じて、

 公明党の北側一雄さん

 「安保法制の全体像を示そう、とかねてから言っているわけです。それを示さないとガイドラインだって合意できないわけですから。だから、その骨格はガイドラインの合意前に当然示されるものだと理解をしております

 と語り、司会のNHK島田敏夫解説委員の「それは当然年内に示すということで」との問いに、「当然そうです」と答えました。

 ここでかぶさるように自民党の高村正彦さんが話し始め、「まさに同時並行的に(法案の)骨格を示すのとが、ガイドラインは同時並行的に進んでいます。それはガイドラインができるときに、国民のみなさまに骨格はこうなりますよ、ほとんど同時に示せる」と語りました。

 まとめますと、

 ・自民党はガイドラインと法案の骨格は「ほとんど同時に示せる」
 ・公明党はガイドラインと法案の骨格は「ガイドラインの合意前に当然示されるものだと理解している」

 と語りました。連立与党内に重大なスケジュール感の違いであり、これは極めて大きな齟齬といえます。

 ◇

 これに先立ち、番組では、維新の党国会議員団政調会長の参議院議員、片山虎之助さんは1巡目で、野党の立場から

 「おそらく最後まで決めないと思う。決めるとややこしいから」

 と語り、ガイドラインの再改定が日米で合意されないのではないかとの観測を示しました。仮に年内に合意する場合は臨時国会を延長して議論するよう求めました。

 日本共産党の政策委員長の参議院議員、小池晃さん

 「中止すべきだ」と続きました。

 周辺事態が削除され、平時と有事の切れ目ない対応が書き込まれるとの観測について、7月1日の閣議決定の与党協議会座長だった自民党の高村正彦さんは

 「ガイドラインに書かれた周辺事態とは、100回言っているが地理的概念ではない」

 と語りました。これを受けて片山さんは

 「周辺事態は、厳密に言えば、地理的概念ではないかもしれませんよ。でも、これのイメージは個別的自衛権と結びついて限定的なんですよ。どこまでもなんでもやれるっていうことではないんで。それを取っ払うことへの国民の不安がありますよ」とし、
 「ここで止めるというのもあり得ますよ。現行の防衛法制の中でみんな納得する範囲内でやらないと。それと周辺事態という言葉がなくなることへの不安もある。そこを政府は説明しないと(いけない)」

 と語りました。

 片山さんが 「集団的自衛権の範囲なんて決まらないでしょ、年内には

 と水を向けると、高村さんは「範囲というのがどういう意味か分からないが、(武力行使・新自衛権発動の)新3要件で歯止めがかかっている」と7月1日の閣議決定を強調しました。

 民主党の福山哲郎政調会長(元外務副大臣)は、今国会で領海警備法案を出したい意向を示しました。

 1997年現行ガイドライン改定時、高村正彦さんは閣僚経験ある外務政務次官として、小渕恵三外相を支えました。片山さんは、橋本龍太郎首相と官邸でよく会い、前年の小選挙区導入にともない国替えした橋本さんについて、「私は自民党岡山県連会長、総理は自民党岡山県連衆議院第4支部長、私の方が偉いの」 と記者団に語るなど、岡山県内の実力者として知事選やチボリ公園について議論しました。片山さんは知事にはなれませんでしたが後に初代総務大臣となり、現在は最年長参議院議員。その当時の首相の日程づくりの責任者が、同県出身の江田憲司政務秘書官で、現在の維新の党共同代表という舞台回し役となっています。 

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野党全党、危険ドラッグ規制法案、衆議院に提出 野党だけ全党一致の法律案は第46期衆議院初【追記有】

2014年10月10日 16時55分32秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

 民主党、維新の党、次世代の党、みんなの党、日本共産党、生活の党、社民党、新党改革(参議院のみ)の野党全党は共同で「危険ドラッグ規制を強化する薬事法改正法案」(187衆法おそらく1号)を、2014年10月10日(金)提出しました。

 与党は加わらずに、野党だけで、野党全党が加わった法案共同提出は、第46期衆議院で初めて。

 危険ドラッグについては、安倍首相(自民党総裁)が3日の衆・予算委で「総理指示を出した後、関係省庁の連携で、販売店舗の3分の2を廃業に追い込んでおり、政府は現行法に基づき対処していくが、さらなる立法に向けて、良い案があればおうかがいしたい」と述べています。自民党でも議員立法が続いており、衆議院厚生労働委員会での修正協議が期待されます。

 法案提出には、昨秋の臨時国会で社会保障制度改革プログラム法の強行採決に反対した野党議員が多く加わった格好です。野党各党は、衆・厚労委員の半数は続投させて第187秋の臨時国会にのぞんでいます。

 法案が手に入りましたら、もう少し情報を更新するかもしれません。

【追記 2014年11月19日 午前10時50分】

 その後、与党の協力をえて、187衆法9号として、厚生労働委員長が提出。19日の参議院本会議では、投票総数238、賛成238、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

【追記おわり】

危険ドラッグの規制強化=野党が法案提出(時事通信) - goo ニュース

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第18回統一地方選は、平成27年(2015年)4月12日(日)前半戦26日(日)後半戦の特例法案提出【再追記有】

2014年10月10日 16時43分31秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

 政府は2014年(平成26年)10月10日(金)の定例閣議で、

 「第18回統一地方選前半戦を2015年(平成27年)4月12日(日)、
 後半戦を2015年4月26日(日)


 とする特例法案を決定し、衆議院に提出しました。

 このため、県知事選は2015年3月26日(木)告示になるため、この日がスタートになります。

【再追記 2014年11月19日午前10時50分】

 参議院本会議で投票総数239、賛成239、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

【再追記おわり】

 第18回にして、初めて東京都知事選挙が統一外になります。告示日の第一声を各党党首格がどこで上げるのか、告示前、告示後、開票特番とテレビ、新聞報道にとっては未知の領域の統一選になります。

 衆議院の特別委では自民党の山本拓委員長のもと妻の高市早苗総務大臣が答弁。参議院の特別委員長は野党・民主党の牧山弘恵さんですが、法案は全会一致で可決、成立し、施行すると考えられます。

 インターネット選挙運動が解禁されて初めての統一地方選になります。基本的に、「候補者でない有権者の電子メールによる投票依頼」は禁止ですが、それ以外はほとんどできます。ブログ、フェイスブック、Twitter、電話、スカイプ、ライン、ヤフーメッセンジャー、ファイスブックメッセージ、ツッイッターダイレクトメッセージで、候補者の具体的な固有名詞を明示して、投票を依頼することができます。足腰の強い候補者が順当に勝つ選挙になるでしょう。

【追記 2014年10月14日(火)午前8時半】

 法律案の全文が総務省ウェブサイトに載りましたので、全文コピペします。

[総務省ウェブサイトから全文引用はじめ] 

地方公共団体の議会の議員及び長の選挙期日等の臨時特例に関する法律

(選挙期日)

第一条平成二十七年三月一日から同年五月三十一日までの間に任期が満了することとなる地方公共団体

合を除き、同法第三十三条第一項の規定にかかわらず

の二第一項又は第三項(これらの規定を同条第四項において準用する場合を含む。)の規定により行う場

は、当該選挙を同年二月二十八日以前に行う場合及び公職選挙法(昭和二十五年法律第百号)第三十四条

(都道府県、市町村及び特別区に限る。以下同じ。)の議会の議員又は長の任期満了による選挙の期日

、都道府県及び地方自治法(昭和二十二年法律第六

十七号)第二百五十二条の十九第一項の指定都市(以下「指定都市」という。)の議会の議員及び長の選

う。)の議会の議員及び長の選挙にあっては同月二十六日とする。

挙にあっては平成二十七年四月十二日、指定都市以外の市、町村及び特別区(以下「市区町村」とい

2平成二十七年六月一日から同月十日までの間に任期が満了することとなる地方公共団体の議会の議員又

規定する期日とすることができる。この場合においては、当該選挙に関する事務を管理する選挙管理委員

は長の任期満了による選挙の期日は、公職選挙法第三十三条第一項の規定にかかわらず、それぞれ前項に会は、都道府県又は指定都市(以下「都道府県等」という。)の選挙管理委員会にあっては同年一月十一

日までに、市区町村の選挙管理委員会にあっては同月二十五日までに、その旨を告示しなければならな

い。

3統一地方選挙の対象の地方公共団体の議会の議員又は長(第一項の地方公共団体の議会の議員又は長で

二項(同条第四項において準用する場合を含む。)の

あって当該地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了による選挙について公職選挙法第三十四条の二第

規定による告示がなされていないもの及び前項前段

一項の規定により当該選挙を行うべき期間が平成二十七

了による選挙以外の選挙を行うべき事由が生じた場合において、同法第三十三条第二項又は第三十四条第

について同項後段の規定による告示がなされているものをいう。次項において同じ。)について、任期満

の地方公共団体の議会の議員又は長であって当該地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了による選挙

年四月一日以後にかかり、かつ、当該期間が次条

各号に掲げる選挙の区分に応じ当該各号に定める日前五日までに始まるときは、当該選挙を同年二月二十

かわらず、それぞれ第一項に規定する期日とする。

八日以前に行う場合を除き、当該選挙の期日は、同法第三十三条第二項又は第三十四条第一項の規定にか4統一地方選挙の対象の地方公共団体の議会の議員又は長以外の地方公共団体の議会の議員又は長(当該

挙を行うべき事由が生じた場合(同法第百十七条

条第四項において準用する場合を含む。)の規定による告示がなされているものを除く。)について、選

地方公共団体の議会の議員又は長の任期満了による選挙について、公職選挙法第三十四条の二第二項(同

の規定により選挙を行うべき事由が生じた場合を除

(告示の期日)

する。

は、同法第三十三条第二項又は第三十四条第一項の規定にかかわらず、それぞれ第一項に規定する期日と

る日前十日までに始まるときは、当該選挙を同年二月二十八日以前に行う場合を除き、当該選挙の期日

成二十七年四月一日以後にかかり、かつ、当該期間が次条各号に掲げる選挙の区分に応じ当該各号に定め

く。)において、同法第三十三条第二項又は第三十四条第一項の規定により当該選挙を行うべき期間が平

第二条前条の規定により行われる選挙の期日は、公職選挙法第三十三条第五項又は第三十四条第六項の規

定にかかわらず、次の各号に掲げる選挙の区分に応じ、当該各号に定める日に告示しなければならない。

一都道府県知事の選挙平成二十七年三月二十六日二指定都市の長の選挙平成二十七年三月二十九日

三都道府県等の議会の議員の選挙平成二十七年四月三日

四指定都市以外の市及び特別区の議会の議員及び長の選挙平成二十七年四月十九日

五町村の議会の議員及び長の選挙平成二十七年四月二十一日

(同一の地方公共団体における任期満了選挙の同時選挙の取扱い)

第三条公職選挙法第三十四条の二の規定は、地方公共団体の議会の議員の任期及び当該地方公共団体の長

(同時選挙)

い。

の任期がいずれも平成二十七年三月一日から同年五月三十一日までの間に満了する場合には、適用しな

第四条第一条の規定により行われる都道府県の議会の議員の選挙及び都道府県知事の選挙又は市町村若し

第一項の規定により同時に行う。

くは特別区の議会の議員の選挙及び市町村若しくは特別区の長の選挙は、それぞれ公職選挙法第百十九条

2第一条の規定により行われる指定都市の議会の議員又は長の選挙及び当該指定都市の区域を包括する都道府県の議会の議員又は長の選挙は、公職選挙法第百十九条第二項の規定により同時に行う。

3前二項の規定は、地方公共団体の議会の議員及び長の選挙に係る電磁的記録式投票機を用いて行う投票

(重複立候補の禁止)

二章の規定を適用しないこととされる選挙については、適用しない。

方法等の特例に関する法律(平成十三年法律第百四十七号)第十四条第一項の規定により公職選挙法第十

第五条第一条の規定により平成二十七年四月十二日に行われる選挙において公職の候補者となった者は、

当該選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)の全部又は一部を含む区域について、同条の規

定により同月二十六日に行われる選挙又は公職選挙法第三十三条の二第二項(同条第七項の規定により読

若しくは補欠選挙における公職の候補者となることができない。

み替えて適用される場合を含む。)の規定により同日に行われる衆議院議員若しくは参議院議員の再選挙

2前項の規定により公職の候補者となることができない者は、公職選挙法第六十八条第一項第二号(同法

八十六条第九項第三号、第八十六条の二第七項第二号(同法第八十六条の三第二項において読み替えて準

第四十六条の二第二項の規定により読み替えて適用される場合を含む。)、第六十八条第三項第二号、第(寄附等の禁止期間)

により公職の候補者となることができない者とみなす。

用する場合を含む。)及び第八十六条の四第九項の規定の適用については、同法第八十七条第一項の規定

第六条第一条第一項又は第二項の規定により行われる選挙について、公職選挙法第百九十九条の二及び第

百九十九条の五の規定を適用する場合には、同法第百九十九条の二第一項に規定する期間及び同法第百九

る。

項又は第二項の規定によるそれぞれの選挙の期日前九十日に当たる日から当該選挙の期日までの間とす

十九条の五第一項から第三項までに規定する一定期間とは、同条第四項の規定にかかわらず、第一条第一

第七条前条の規定は、次に掲げる市区町村の議会の議員又は長の任期満了による選挙については、適用し

ない。

平成二十七年三月一日から同月三十日までの間に任期が満了することとなる市区町村の議会の議員又

は長の任期満了による選挙

二平成二十七年三月三十一日から同年五月三十一日までの間に任期が満了することとなる市区町村の議会の議員の任期満了による選挙(市区町村であって、当該市区町村の議会の議員の任期満了の日前九十

該市区町村の議会の議員の任期満了の日前九十一日に

了の日の前日までの間に当該市区町村の議会の議員の任期満了の日があるもの(市区町村であって、当

満了の日が同年六月一日以後の日であり、かつ、当該任期満了の日前九十日に当たる日から当該任期満

一日に当たる日又は同年一月二十五日のいずれか早い日において現に在職する当該市区町村の長の任期

当たる日又は同年一月二十五日のいずれか早い日

れているものを除く。)の議会の議員の任期満了による選挙に限る。)

において、当該市区町村の長の任期満了による選挙について第一条第二項後段の規定による告示がなさ

三平成二十七年三月三十一日から同年五月三十一日までの間に任期が満了することとなる市区町村の長

任期満了の日前九十一日に当たる日又は同年一月二十五日のいずれか早い日において、当該市区町村の

前日までの間に当該市区町村の長の任期満了の日があるもの(市区町村であって、当該市区町村の長の

が同年六月一日以後の日であり、かつ、当該任期満了の日前九十日に当たる日から当該任期満了の日の

は同年一月二十五日のいずれか早い日において現に在職する当該市区町村の議会の議員の任期満了の日

の任期満了による選挙(市区町村であって、当該市区町村の長の任期満了の日前九十一日に当たる日又く。)の長の任期満了による選挙に限る。)

議会の議員の任期満了による選挙について第一条第二項後段の規定による告示がなされているものを除

2前項(第二号に係る部分に限る。)の規定は、都道府県等の議会の議員の任期満了による選挙について

(政令への委任)

るものとする。

準用する。この場合において、同号中「同年一月二十五日」とあるのは、「同年一月十一日」と読み替え

第八条この法律に定めるもののほか、この法律の施行に関し必要な事項は、政令で定める。

この法律は、公布の日から施行する。

理由

全国多数の地方公共団体の議会の議員又は長の任期が平成二十七年三月、四月又は五月中に満了すること

となる実情に鑑み、国民の地方選挙に対する関心を高めるとともに、これらの選挙の円滑かつ効率的な執行

る。これが、この法律案を提出する理由である。

を図るため、これらの選挙の期日を統一するとともに、これに伴う公職選挙法の特例を定める等の必要がある。これが、この法律案を提出する理由である。

[全文引用おわり] 

【追記おわり】 

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衆議院の常任委員会で所信表明始まる 松島さんは、特定秘密保護法施行で法務委だけでなく内閣委でも

2014年10月10日 13時23分07秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[画像]衆議院内閣委員会で所信を述べる、特定秘密保護法施行担当で法相の松島みどりさん。衆議院インターネット審議中継、2014年10月10日からスクリーンショット=このエントリ内の他の画像も同様。

【衆議院厚生労働委員会 平成26年2014年10月10日(金)】
【衆議院法務委員会 同日】
【衆議院内閣委員会 同日】
【衆議院外務委員会 同日】
【衆議院文部科学委員会 同日】
【衆議院国土交通委員会 同日】
【衆議院環境委員会 同日】

 衆議院の常任委員会で、大臣の所信表明演説や、副大臣・政務官らのあいさつがありました。これに対する一般質疑は来週(水)から始まります。

 対決色の強い、厚生労働委員会では自民党の上川陽子委員長が就任あいさつ。2つ前の任期で、公文書管理法の担当大臣をやった後に、内閣委で与野党を調整して法律の整備に貢献しているので、「与野党修正有る委員会運営」に期待したいところです。

 先月3日の内閣改造ですでに明らかになっているところですが、厚労省政務三役は、塩崎恭久大臣、山本香苗副大臣(参議院公明党)、永岡桂子副大臣、橋本岳政務官、高階恵美子政務官(参議院)ということで、5人中3人が女性ということで、女性が倍以上で、ソフトなイメージになりました。また、高階さんは2010年の参院選で、組織に異論がある中、野党の自民党公認で初当選した人なので、支えた人も含めて、与党の厚労省の政務官就任はよかったと、私も思います。


[画像]上川陽子・衆議院厚生労働委員長。

[画像]厚生労働省の5人いる政務三役のうち、女性3人、山本香苗副大臣、永岡桂子副大臣、高階恵美子政務官。

 初入閣の松島みどり法相ら法務省政務三役は改造内閣で、特定秘密保護法の担当の兼ねたため、3人全員が法務委と内閣委の両方で、所信・あいさつをしました。

 法務委で、松島大臣が原稿を読み上げながらも、まず自らの10年前の刑法改正に政府外議員として議員立法にあたった話から始めたのが少しだけ気になりました。

 松島法相にはきょうの時点で、「宿舎問題」「団扇公選法違反問題」「えりまき参議院規則違反問題」の3点セットが浮上しており、衆参の法務委、内閣委両方で大臣の資質を問われる中、特定秘密保護法の答弁にあたることになりそうです。団扇問題では、仮に2世議員だったら、ああいう対応や答弁はしていないと思います。宿舎問題というのは、実はイギリス、フランスなどの議院内閣制の国では、首都の区分借家が多いという欧州の特性ともあいまり、たびたび浮上するんですが、家賃の安いアパートに引っ越してことが収まることもあります。警備の都合ということは、警察庁・警視庁の都合があるかもしれず、まさに特定秘密保護法施行前後の秋の臨時国会ということになりました。野党の攻め方も問われそうです。

 それと、特定秘密保護法担当の葉梨康弘・法務副大臣(兼)内閣府副大臣は、警察官僚出身で、お父さん(葉梨信行元自治大臣)が国家公安委員長のころには、外務省インドネシア大使館出向だったようですが、国際機密情報にも詳しいんだろうと考えます。ぜひ、国民の側に立った仕事をしてほしいです。

 内閣委では、順に、菅義偉さん、山谷えり子さん、松島みどりさん、山口俊一さん、有村治子さん、甘利明さんの6大臣。加藤勝信さん、世耕弘成さんの2副長官。赤澤亮正さん、平将明さん、西村康稔さん、葉梨康弘さん、越智隆雄さんの5副大臣。小泉進次郎さん、大塚拓さんの2政務官が所信・あいさつをしました。ただ意外に30分間で委員会が終わりました。こういう手際の良さは自民党らしいです。

 望月義夫環境相も初入閣として所信表明しました。

 江渡聡徳防衛相(兼)安保法制再整備相は「まず、衆議院安全保障委員長時代にお世話になったことを御礼したい」としたうえで、日本をとりまく安全保障環境について「グレーゾーンの事態が増大しており、より悪化した事態になる可能性もある」と切り出し、今後の法整備の展開に道を開きました。

  下村博文文科相は、「奨学金の有利子から無利子へのシフトを加速したい」と語りました。

 太田昭宏国交大臣は、閉会中に災害が多発したことから、再任としては異例の長い所信表明となりました。

 逆に、岸田文雄外相はとても短い所信となりました。今国会で、衆海賊テロ特別委員会が廃止されましたが、衆外務委のほかに、衆安保委、参外交防衛委、両院の沖縄北方特別委員会、両院の拉致問題特別委、参院だけのODA特別委員会の8つの委員会に出ないといけません。外務委では、中山泰秀副大臣が「2人いる副大臣の中で私が主にこの委員会での答弁をつとめます」、薗浦健太郎政務官が「3人いる外務政務官のなかで、私が主にこの委員会での答弁をつとめます」と、他省政務三役にはないあいさつをしました。中山さん、薗浦さんはこの後の、衆議院安全保障委員会でも同じ発言をしました。

 これで、初入閣の各省に限れば、西川公也農相が出席する衆・農林水産委員会だけ設定されていないことになります。

tag (宮崎信行)

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衆議院地方創生に関する特別委員会が設置され、鳩山邦夫さんが委員長に

2014年10月09日 13時29分08秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[画像]鳩山邦夫・衆議院地方創生特別委員長、2014年10月9日(木)、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

【衆議院本会議 2014年10月9日(木)】

 伊吹文明議長が、特別委員会設置の件について、議場に提案しました。

 地方創生に関する特別委員会、40名を設置することが(全会一致ではなく)多数決で決まりました。

【衆議院地方創生に関する特別委員会 同日】

 すみやかに第1委員室で、地方創生に関する特別委員会が開かれました。

 委員長には、自民党の鳩山邦夫さんが推挙され、選挙を省略して、就任しました。

 鳩山委員長は理事に、自民党の後藤茂之さん、新藤義孝さん、土屋正忠さん、宮越光寛さん、義家弘之さん、民主党の渡辺周さん、維新の党の重徳和彦さん、公明党の石田祝稔さんが就任しました。

 このうち、鳩山委員長、新藤理事は総務大臣経験者で、後藤理事、重徳理事は旧自治官僚ということになります。石破茂・地方創生担当大臣のお父さんも元自治事務次官ということになります。

 来週にも、石破茂・地方創生担当大臣から、「まち・ひと・しごと創生法案」(187閣法1号)「地域再生法の一部を改正する法律案」(187閣法2号)の趣旨説明を聞いて、審議することになります。ただ、この2法案は、とても短い骨組みだけ、言い方は悪いですが「スカスカ」の法律案なので、質疑者もかなり提案型の質問をしないといけないかもしれません。それはそれで秋の臨時国会らしいものになればいいと考えます。

【衆議院災害対策に関する特別委員会 同日】

 梶山弘志委員長のもと、御嶽山火山噴火の犠牲者への黙祷から始まりました。

 続いて、内閣府の、山谷えり子災害対策担当大臣や、赤澤亮正・国土強靭化担当副大臣、西村康稔・災害対策担当大臣から所信聴取しました。

 山谷大臣は、所信の中で、「御嶽山火山の事前の避難情報が遅かったのではないかとの批判があることについて、十分に検証していきたい」との趣旨を明言しました。所信説明の後、御嶽山噴火の状況について説明しました。

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◎日米防衛協力のための指針(ガイドライン)中間報告発表、「グローバルな同盟」へ「自衛隊の活動を拡大」

2014年10月08日 19時13分13秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会


 日本防衛省の黒江防衛政策局長、外務省の北米局長、米国防総省のシェア国防次官補、ラッセル国務次官補は2014年10月8日(水)、日本東京都内で、日米同盟に関する、「防衛協力小委員会(SDC)」を開き、「日米防衛協力のための指針」いわゆるガイドラインの見直しに関する中間報告を合意、すでに防衛省ウェブサイトで全文発表されました。

【「集団的自衛権行使容認の政府の憲法解釈の再整理の閣議決定で「自衛隊の活動の拡大」】

 この中で、7月1日の自公の集団的自衛権行使容認の憲法解釈の再整理の閣議決定について、「切れ目のない安全保障法制の整備のための2014年7月1日の日本政府の閣議決定は、日本国憲法に従った自衛隊の活動の拡大を視野に入れている。指針の見直しは、この閣議決定の内容を適切に反映し、同盟を強化し、抑止力を強化する

 としており、日米外交・防衛当局「2プラス2」が、閣議決定が日米同盟の強化が目的だったことを、如実に示しました。

 中間報告では、再改定ガイドラインの文章、そのもののたたき台は示されたわけではありません。ただ、方向性はハッキリ見えてきました。

 まず、「周辺事態」という言葉が削除されるかどうか、ということについて言及はありませんでしたが、いずれにせよ、「周辺事態」という文言は出てきませんし、文脈から言って、当然最終のとりまとめでは削除されるとみられます。

 きょうの中間報告文は

 「指針の見直しは、日米両国の戦略的な目標及び利益と完全に一致し、アジア太平洋及これを越えた地域の利益となる」

 「日本に対する武力攻撃を伴わないときでも、日本の平和と安全を確保するために迅速で力強い対応が必要となる場合もある

 「日米両政府は、日米同盟のグローバルな性質を反映するため、協力の範囲を拡大する。」 

 「 
新たに発生する国際的な脅威は、日本の平和と安全に対し深刻かつ即時の影響をもたらし得る」

 「
日米両政府は、より平和で安定した国際的な安全保障環境を醸成するため、様々な分野において二国間協力を強化する

 との文言がちりばめられ、自衛隊の活動範囲の地域の拡大は確実。

 1997年ガイドラインは「極東有事」というキーワードを削除し、「地理的概念ではなく性質による周辺事態」にかわり、実際に、日本自衛隊は、イラク戦争中のイラク共和国領内(非戦闘地域)や周辺海域で活動するようになりました。これが再改定ガイドラインで、地球の裏側も含めたグローバル(地球全体)が対象地域になるのは確実です。

【日程感示さず、法制化・予算化義務付けがなく、日米両政府の世論ソフトランディング模索か】
 
 中間報告には、最終的なガイドラインとりまとめを12月末とするといったスケジュール感は一切示されていません。

 「
指針及びその下で行われる取組は、いずれの政府にも立法上、予算上又は行政上の措置をとることを義務付けるものではなく、また、指針は、いずれの政府にも法的権利又は義務を生じさせるものではない

 と明記。1997年日米ガイドラインが1999年日本周辺事態法になったように、予算化、法制化の義務はないと強調がありました。とらえようによっては、第188通常国会の2015年5月が予想されていた、安全保障法制の再整備法案の提出が、さらにずれ込むこともありうる、ともとらえれる文章です。厳しい立場に置かれている公明党への配慮ともとらえられます。アメリカ・オバマ政権の中間選挙に向けた政権基盤の脆弱性もあるかもしれません。来月4日のアメリカ中間選挙でオバマ与党の政権基盤が回復することになると、また見通しも変わってきます。

【武器弾薬の提供の拡大は明言無し】

 現行ガイドラインで、後方地域支援としての補給活動は武器・弾薬を「除く」と明記があることについては、これは「周辺事態」を削除する方向性なので、きょうの中間報告分には特段の記述はありませんでした。ただ、「後方支援」と「防衛装備の協力」は強調されています。当たり前のこととはいえ、「武器弾薬を除く」が削除されると、際限なく提供し続けなければならないので、最終とりまとめに向け、引き続き注視します。

【宇宙空間とサイバー空間防衛は詳しく書き込みへ、これは歓迎したい】 

 中間報告の最後には「見直し後の指針は、宇宙及びサイバー空間における協力を記述する」と書き込まれました。これはぜひどんどんやってほしいところです。ただ、「テロ」、「海賊」という言葉は直接入っていません。1997年ガイドラインからの改定ですので、宇宙、サイバーだけでなく、テロ(未然の防止含む)、海賊、そして、島嶼。この5点に関しては、しっかりと日本を守るための記述を期待したいところです。

(関連エントリー2014年9月2日(火)付◎海江田内閣での日米ガイドラインやり直し「マニフェストに入れるのは難しい」集団的自衛権【追記有】



中間報告の全文は以下のとおりです。


[防衛省ウェブサイトから全文引用はじめ]

1
日米防衛協力のための指針の見直しに関する中間報告
Ⅰ.序文
2013年10月3日に東京で開催された「2+2」日米安全保障協議委員会(S
CC)会合において、日米両国の閣僚は、複雑な地域環境と変化する世界における、
より力強い同盟のための戦略的な構想を明らかにした。閣僚は、日本の安全に対す
る同盟の揺るぎない決意を再確認し、アジア太平洋地域における平和と安全の維持
のために日米両国が果たす不可欠な役割を再確認した。閣僚はまた、同盟がアジア
太平洋及びこれを越えた地域に対して前向きに貢献し続ける国際的な協力の基盤で
あることを認めた。より広範なパートナーシップのためのこの戦略的な構想は、能
力の強化とより大きな責任の共有を必要としており、閣僚は、1997年の日米防
衛協力のための指針の見直しを求めた。
指針の見直しは、日米両国の戦略的な目標及び利益と完全に一致し、アジア太平
洋及びこれを越えた地域の利益となる。米国にとって、指針の見直しは、米国政府
全体としてのアジア太平洋地域へのリバランスと整合する。日本にとって、指針の
見直しは、その領域と国民を守るための取組及び国際協調主義に基づく「積極的平
和主義」に対応する。切れ目のない安全保障法制の整備のための2014年7月1
日の日本政府の閣議決定は、日本国憲法に従った自衛隊の活動の拡大を視野に入れ
ている。指針の見直しは、この閣議決定の内容を適切に反映し、同盟を強化し、抑
止力を強化する。見直し後の指針はまた、日米両国が、国際の平和と安全に対し、
より広く寄与することを可能とする。
(1)見直しプロセスの内容
2013年10月3日のSCC会合において、日米両国の閣僚は、防衛協力小委
員会(SDC)に対し、日本を取り巻く変化する安全保障環境に対処するため、1
997年の指針の変更に関する勧告を作成するよう指示した。議論は、自衛隊及び
米軍各々の適切な役割及び任務を検討するための運用レベルの協議から、防衛協力
に焦点を当てた政策レベルの対話にまで及んでいる。
(2)中間報告の概観
SDCは、見直しについての国内外の理解を促進するため、SCCの指示の下で実
施されてきた作業を要約し、この中間報告を発出する。今後の更なる作業の結果、修
正や追加があり得る。
この中間報告は、見直し後の指針についての枠組み及び目的を明確にかつ透明性を
もって示すためのものである。準備作業の過程で、日米両政府は、次の事項の重要性
について共通認識に達した。
・ 切れ目のない、実効的な、政府全体にわたる同盟内の調整
・ 日本の安全が損なわれることを防ぐための措置をとること
・ より平和で安定した国際的な安全保障環境を醸成するための日米協力の強化
・ 同盟の文脈での宇宙及びサイバー空間における協力
・ 適時かつ実効的な相互支援
この中間報告は、いずれの政府にも法的権利又は義務を生じさせるものではない。
Ⅱ.指針及び日米防衛協力の目的
SDCは、新たに発生している、及び将来の安全保障上の課題によって、よりバラ
ンスのとれた、より実効的な同盟が必要となっていることを認識し、平時から緊急事
態までのいかなる状況においても日本の平和と安全を確保するとともに、アジア太平
洋及びこれを越えた地域が安定し、平和で繁栄したものとなるよう、相互の能力及び
相互運用性の強化に基づく日米両国の適切な役割及び任務について議論を行ってき
た。
将来の日米防衛協力は次の事項を強調する。
・ 切れ目のない、力強い、柔軟かつ実効的な日米共同の対応
・ 日米同盟のグローバルな性質
・ 地域の他のパートナーとの協力
・ 日米両政府の国家安全保障政策間の相乗効果
・ 政府一体となっての同盟としての取組
将来を見据え、見直し後の指針は、日米両国の役割及び任務並びに協力及び調整の
在り方についての一般的な大枠及び政策的な方向性を更新する。指針はまた、平和と
安全を促進し、あり得べき紛争を抑止する。これにより、指針は日米安全保障体制に
ついての国内外の理解を促進する。

Ⅲ.基本的な前提及び考え方
見直し後の指針及びその下で行われる取組は、次の基本的な前提及び考え方に従う。
 日米安全保障条約及びその関連取極に基づく権利及び義務並びに日米同盟関
係の基本的な枠組みは変更されない。
 日米両国の全ての行為は、紛争の平和的解決及び主権平等を含む国際法の基本
原則並びに国際連合憲章を始めとする関連する国際約束に合致するものであ
る。
 日米両国の全ての行為は、各々の憲法及びその時々において適用のある国内法
令並びに国家安全保障政策の基本的な方針に従って行われる。日本の行為は、
専守防衛、非核三原則等の日本の基本的な方針に従って行われる。3
 指針及びその下で行われる取組は、いずれの政府にも立法上、予算上又は行政
上の措置をとることを義務付けるものではなく、また、指針は、いずれの政府
にも法的権利又は義務を生じさせるものではない。しかしながら、日米協力の
ための実効的な態勢の構築が指針及びその下で行われる取組の目標であるこ
とから、日米両政府が、各々の判断に従い、このような努力の結果を各々の具
体的な政策や措置に適切な形で反映することが期待される。
Ⅳ.強化された同盟内の調整
日米両政府は、日本の平和と安全に影響を及ぼす状況、地域の及びグローバルな安
定を脅かす状況、又は同盟の対応を必要とする可能性があるその他の状況に対処する
ため、全ての関係機関の関与を得る、切れ目のない、実効的な政府全体にわたる同盟
内の調整を確保する。このため、日米両政府は、同盟内の調整の枠組みを改善し、適
時の情報共有並びに政策面及び運用面の調整を可能とする。
日米両政府は、各々の政府の全ての関係機関の関与を確保する、強化された計画検
討のメカニズムを通じ、日本の平和と安全に関連する共同の計画検討を強化する。
Ⅴ.日本の平和及び安全の切れ目のない確保
現在の安全保障環境の下で、持続する、及び新たに発生する国際的な脅威は、日本
の平和と安全に対し深刻かつ即時の影響をもたらし得る。また、日本に対する武力攻
撃を伴わないときでも、日本の平和と安全を確保するために迅速で力強い対応が必要
となる場合もある。このような複雑な安全保障環境に鑑み、日米両政府は、平時から
緊急事態までのいかなる段階においても、切れ目のない形で、日本の安全が損なわれ
ることを防ぐための措置をとる。見直し後の指針に記述されるそれらの措置は、次の
ものを含み得るが、これに限定されない。
・ 情報収集、警戒監視及び偵察
・ 訓練・演習
・ 施設・区域の使用
・ 後方支援
・ アセット(装備品等)の防護
・ 防空及びミサイル防衛
・ 施設・区域の防護
・ 捜索・救難
・ 経済制裁の実効性を確保するための活動
・ 非戦闘員を退避させるための活動
・ 避難民への対応のための措置
・ 海洋安全保障4
日本に対する武力攻撃の場合、日本は、当該攻撃を主体的に排除する。米国は、適
切な場合の打撃作戦を含め、協力を行う。
見直し後の指針は、日本に対する武力攻撃を伴う状況及び、日本と密接な関係にあ
る国に対する武力攻撃が発生し、日本国憲法の下、2014年7月1日の日本政府の
閣議決定の内容に従って日本の武力の行使が許容される場合における日米両政府間
の協力について詳述する。
東日本大震災への対応から得られた教訓に鑑み、見直し後の指針は、日本における
大規模災害の場合についての日米両政府間の協力について記述する。
Ⅵ.地域の及びグローバルな平和と安全のための協力
地域の及びグローバルな変化する安全保障環境の影響を認識し、日米両政府は、日
米同盟のグローバルな性質を反映するため、協力の範囲を拡大する。日米両政府は、
より平和で安定した国際的な安全保障環境を醸成するため、様々な分野において二国
間協力を強化する。二国間協力をより実効的なものとするため、日米両政府は、地域
の同盟国やパートナーとの三か国間及び多国間の安全保障及び防衛協力を推進する。
見直し後の指針は、国際法と国際的に受け入れられた規範に基づいて安全保障及び防
衛協力を推進するための日米両政府の協力の在り方を示す。当該協力の対象分野は、
次のものを含み得るが、これに限定されない。
・ 平和維持活動
・ 国際的な人道支援・災害救援
・ 海洋安全保障
・ 能力構築
・ 情報収集、警戒監視及び偵察
・ 後方支援
・ 非戦闘員を退避させるための活動
Ⅶ.新たな戦略的領域における日米共同の対応
近年、宇宙及びサイバー空間の利用及びこれらへの自由なアクセスを妨げ得るリス
クが拡散し、より深刻になっている。日米両政府は、これらの新たに発生している安
全保障上の課題に切れ目なく、実効的かつ適時に対処することによって、宇宙及びサ
イバー空間の安定及び安全を強化する決意を共有する。特に、自衛隊及び米軍は、そ
れらの任務を達成するために依存している重要インフラのサイバーセキュリティを
改善することを含め、宇宙及びサイバー空間の安全かつ安定的な利用を確保するため
の政府一体となっての取組に寄与しつつ、関連する宇宙アセット並びに各々のネット
ワーク及びシステムの抗たん性を確保するよう取り組む。5
見直し後の指針は、宇宙及びサイバー空間における協力を記述する。宇宙に関する
協力は、宇宙の安全かつ安定的な利用を妨げかねない行動や事象及び宇宙における抗
たん性を構築するための協力方法に関する情報共有を含む。サイバー空間に関する協
力は、平時から緊急事態までのサイバー脅威及び脆弱性についての情報共有並びに任
務保証のためのサイバーセキュリティの強化を含む。
Ⅷ.日米共同の取組
日米両政府は、様々な分野における緊密な協議を実施し、双方が関心を有する国際
情勢についての情報共有を強化し、意見交換を継続する。日米両政府はまた、次のも
のを含み得るが、これに限定されない分野の安全保障及び防衛協力を強化し、発展さ
せ続ける。
・ 防衛装備・技術協力
・ 情報保全
・ 教育・研究交流
Ⅸ.見直しのための手順
見直し後の指針は、将来の指針の見直し及び更新のための手順を記述する。
(了)

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米国務次官補、岡田克也さんにガイドライン中間報告で事前説明か 自民党副総裁元外相や公明党副代表らと

2014年10月08日 19時11分19秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

 来日中のラッセル国務次官補は、2014年10月8日(水)午前、民主党の岡田克也代表代行(元外相)を、自民党副総裁の高村正彦元外相、公明党副代表の北側一雄さんらを個別に招待したうえで、同時に会いました。

 この中で、この日夕刻に発表した「日米防衛協力のための指針」いわゆるガイドラインの再改定に向けた中間報告について事前に説明した可能性があります。ラッセルさんはおととい、ソウルで、韓国外相にも事前説明しています。

 岡田さんが実際に、事前の説明を受けたり、何か意見を言ったりしたのかは現時点では不明。

 ◎日米防衛協力のための指針(ガイドライン)中間報告発表、「グローバルな同盟」へ「自衛隊の活動を拡大」

 

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「放射性廃棄物の中間貯蔵施設30年後に福島県外移転法案」 雄平さんの思いを必ず届けろ!【追記有り】

2014年10月07日 08時41分08秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[写真]佐藤雄平福島県知事をねぎらう北澤俊美防衛大臣、2011年3月24日、=当ブログ内エントリーにある時事通信さん配信写真の再掲示=

 政府は先週2014年10月3日(金)の定例閣議で、「日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案」(187閣法5号)を決定し、衆議院に提出しました。

 当ブログは、法律案を、その後の国会傍聴記などで書きやすいことなどを見通したタイトルに適宜かえさせていただいており、この法案(法律案)は、

 「中間貯蔵・環境安全事業株式会社法案」(187閣法5号)とします。正式名称などを見たい方は、衆議院(や参議院)が付けている議案番号「187閣法5号」をグーグルなど検索してもらえれば、正式名称が分かると考えます。

 この法律案について全文読みましたが、環境省ウェブサイトの「概要」は、良心的な概要ですので、そちらをごらんいただきたいと思います。

 この中で、東京電力福島第一原子力発電所の爆発事故にともない放出した放射能により汚染された草など、土壌や廃棄物の処理について、

 「国は、中間貯蔵開始後30年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずる

 と書き込まれました。

 これは、内閣改造直前に、福島県の佐藤雄平知事、渡辺利綱大熊町長、伊澤史朗双葉町長が官邸で、自民党の安倍晋三首相、石原伸晃環境相(当時)、根本匠復興相(同)、井上信治環境副大臣(同)らと合意したことを受けて、法案に書き込まれました。

2014年9月1日付首相官邸内記事参照、下の写真も

 

 「必要な措置を講じる」という書き込み方ですが、この法案のまま今国会で成立すれば天皇陛下が公布するのですから、当然にして、所管官庁官僚や、与党議員は措置を講じて、福島県外で最終処分するのでしょう。もちろん「30年以内」と「以内」だからと言っても、1年、2年で県外最終処分場を決めて処分できるものではないんだろうと思います。国外といっても、代わりに多額のお金が日本から出てしまいます。しかし、福島再生のためには県外最終処分は必ずしなければなりません。

 30年間というのは、1世代。

 30年後には、公布された陛下も、雄平さんも、この世にはいらっしゃらないでしょう。しかし、シュメール二大発明である「文字」と「車輪」を私たちはもっています。必ずこの法案を成立させ、法律を執行することが「福島再生」であり、「日本再生」になるのでしょう。

 佐藤知事の任期は11月10日(月)までということですが、優秀な後継者を育ててきているので、必ずしもその日までに成立しなくてもいいのかもしれません。

 ただ、身命を賭して国難に耐えた、雄平さんの妥協の芸術である政治テクニックによる、「雄平法」が1世代後も永続ある国家として誠実に施行すれば、「フクシマ」はまた、「福島」に戻るでしょう。

 ところで、2014年10月6日(月)の民主党代表定例記者会見で、海江田万里代表は、福島県知事選について、「応援のリクエストがない」ことを明らかにしていますので、そのことは、情報として、申し添えておきます。

【追記 2014年11月19日 午前11時】

 「日本環境安全株式会社法を改めて中間貯蔵・環境安全事業株式会社にする法律案」(187閣法5号)は、2014年11月19日(水)の参議院本会議で採決され、
投票総数239、賛成211、反対28の賛成多数で可決し、成立しました。

 内堀雅雄・福島県知事が30年後の県外処理をみすえながら、中間貯蔵をすすめてほしいです。

【追記おわり】

 [環境省ウェブサイトから引用はじめ]
平成26年10月3日

日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案の閣議決定について (お知らせ)

「日本環境安全事業株式会社法の一部を改正する法律案」が本日10月3日(金)に閣議決定されましたので、お知らせします。本法律案は第187回国会に提出する予定です。

1.法改正の背景

 福島の復興のため、放射性物質に汚染された大量の土壌や廃棄物を最終処分するまでの間、国の責任において、安全に集中的に貯蔵・管理する中間貯蔵が不可欠です。

 今後、中間貯蔵施設への搬入を開始するに当たっては、地元の皆様の申入事項等に応えつつ、中間貯蔵を確実かつ適正に実施するため、法律において中間貯蔵施設に関する国の責務を規定し、その中核として「中間貯蔵開始後三十年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずる」旨を明記するとともに、専門性を有し、国と一体となって事業を支援する組織が中間貯蔵に係る事業を行えるようにする必要があります。

2.法律案の概要

(1)内容

イ 会社の名称、法律の題名

 会社の名称を「中間貯蔵・環境安全事業株式会社」に変更する。

 法律の題名を「中間貯蔵・環境安全事業株式会社法」に変更する。

ロ 国の責務

 国は、中間貯蔵施設を整備し、その安全を確保する。

 国は、中間貯蔵施設の周辺の地域の住民その他の関係者の理解と協力を得るために必要な措置を講ずる。

 国は、中間貯蔵開始後30年以内に、福島県外で最終処分を完了するために必要な措置を講ずる。      等

ハ 事業の範囲

会社は、国、県、県内の市町村その他の者の委託を受けて中間貯蔵に係る事業等を行う。

※ 引き続き、PCB廃棄物処理事業等も行う。

ニ 株式の政府保有、政府出資、課税の特例

 会社の発行済株式の総数保有と規定(現行法上は、過半数保有と規定。現時点では総数保有。)

 政府の追加出資

 追加出資に伴う資本金の増加の登記に係る登録免許税の非課税措置

(2)施行期日

  公布の日から起算して2月を超えない範囲内において政令で定める日

 [おわり]
tag (宮崎信行)

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枝野幸男幹事長「ホルムズが死活的利益なら満州と同じ」(1)集団的自衛権(2)アベノミクス(3)労働法制

2014年10月04日 15時57分26秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

[写真]枝野幸男・民主党幹事長、2014年10月3日の衆議院予算委員会、民主党ニュースから。

【2014年10月4日(金)衆議院予算委員会 基本的質疑(補正予算案の提出はなく予算の実施状況の国政調査)】

 今週月曜日から国会が再開し、密度の濃い日程で、きのう金曜日まで議論がありました。

 (1)経済政策(アベノミクスと称される3本の矢、消費税増税の可否)、

 (2)女性の活躍および、それを含む労働法制(長時間労働の提出済みの労働者派遣法改正法案、女性や子どもの貧困)

 (3)集団的自衛権

 の3点が与野党含めて3本柱という印象です。3分野ともかなり広い意味での関連法案が今国会に出ますので、法案審査と一般質疑を組み合わせることで、骨太の議論はできそうな気配です。任期が事実上折り返した衆議院では、実力ある者がより立体的でより短期的かつ長期的な議事録を残せるような気配を感じつつあります。

 事実上任期が折り返した第187臨時国会では、衆議院予算委員長に、大島理森・元自民党国会対策委員長、与党側筆頭理事が入閣待機組とされる森山裕さん、野党側筆頭理事は民主党の前原誠司ネクスト財務相になりました。前原さんはガソリン国会(第167~168回国会)時の(次席)理事以来。

 枝野幸男・民主党幹事長は、集団的自衛権をめぐる議論の中で、安倍晋三首相(自民党総裁)が「ホルムズ海峡は石油を他国に依存するわが国の死活的利益の生命線」という趣旨の答弁を繰り返す中で、「それは満州国のようだ」とするどくツッコミました。

 調べてみましたら、二国間条約「日満議定書」(1932年9月15日条約)のなかには、「日本国政府および満州国政府は(略)満州国領域内において日本国また日本国臣民が従来の日支間の条約・協定その他のとりきめおよび公私の契約により有する一切の権利利益を確認尊重すべし」と書いてあり、80年前に松岡洋右外相が言っていたようなことを安倍さんは言っているんだな、と感じました。

 8月4日の閉会中審査の成果があったようです。山井和則ネクスト厚労大臣の質問に安倍首相が答弁。「本年7月に緊急対策を各省に総理指示をだし、それから2か月間で、各省庁が連携し、販売店舗の3分の2を廃業または休業に追い込んだ」と明かしました。やはり国会がとりあげ、総理が各省に総理指示をだし、各省が連携するとスピードがあるということで、現行憲法の統治機構のお手本を見せてもらった思いです。山井さんが、「民主党はこの2か月間、危険ドラッグ禁止法案を用意してきていて、他党と提出する準備がある」と語ると、安倍さんは「立法に向けて柔軟性のある良い案があればおうかがいしたい」と述べ、民主党案に政府自民党が柔軟に対応する考えを示唆しました。

 山井さんは、提出済みの労働者派遣法が成立・施行(法案では来年4月1日)すると、「派遣労働者は増えるのか、減るのか」と繰り返し問うと、安倍首相は「派遣労働者が増えるか減るかはそのときの経済状況次第だ」と答弁しました。この答弁には次の質問者の枝野さんもさらに問いました。

 辻元清美さんは、集団的自衛権の行使容認を含む安保法制の再整備について質問。現行1997ガイドライン(日米防衛協力のための指針)に書き込まれた「非戦闘員退避行動を日米で訓練したのは、通称「コブラゴールド」演習の1回だけではないか」という趣旨の質問をしました。まず安倍さんは1997ガイドラインにあり、1999周辺事態法で落ちていることを踏まえて、「正確に言うと、アメリカ軍はやりますが義務にすると困る」という現状にあることを明かしました。訓練について、江渡聡徳・防衛相(安全保障法制の再整備担当大臣を兼務)は、「自衛隊と米軍で非戦闘員の退避の訓練を行ってきた。米軍との(合計3か国以上の)多国間訓練で行ってきており、朝鮮半島有事のときにもできるよう、報道されて表に出ているコブラゴールド演習以外は、ここでは答弁をするのはさしひかえさえていただきたいと思います」と答弁。

 これについて、辻元さんは、朝鮮半島有事の非戦闘員退避行動を描いたパネルを使って総理が記者会見する前後で、防衛省の情報提供の態度が変わったとして、「訓練があるならその名前を日時の資料を委員会に提出してほしい」と語りました。辻元さんの疑念は、1度しか訓練していないのではないか、というところにあるようで、今後明らかになってほしいところです。

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日豪EPA(日本オーストラリア経済連携協定)の国内実施法案提出へ 関税審議会が財務省に答申

2014年10月02日 21時59分24秒 | 第187臨時国会2014年地方創生国会

 
 日豪EPA(日本とオーストラリアの経済連携協定)が閉会中の2014年7月8日(火)に署名されましたが、条約の承認に加えて、条約実施にともなう国内法律整備法案が第187回臨時国会にも提出される見通しになりました。

 法案名は「関税暫定措置法改正案」と「日豪経済連携協定に基づく申告原産品の情報提供法案」。

 17年前の橋本龍太郎首相(自民党総裁)とハワード首相(保守党代表)による文書の取り交わしから始まった日豪EPAですが、豪州産牛肉が日本に浸透しもはや「オージービーフ」という言葉もあえて使わないほど日常生活に浸透したことしになって突如妥結して驚きました。(外務省の経緯のまとめ記事→http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/fta/j_australia/index.html)

 その背景には、日米のバイを中心とした環太平洋マルチのTPP交渉に関する何らかの露払い(あるいは先延ばし策)や集団的自衛権による日豪物品役務相互協定から安全保障条約を長期的に見越したパラダイム、防衛装備品の移転などが考えられますが、同国も隣国です。いずれにせよ、米国産牛肉の輸入が一時中断から再開した現在もオージービーフが安く安定して日本の食品スーパーに提供されている日常をみても、日豪貿易はWin-Winの関係、戦略的互恵関係だと考えます。

 この日豪EPA(日豪経済連携協定)の発効に向けて必要な国内法整備について、きのう2014年10月1日(水)、財務省の「関税・外国為替等審議会」(伊藤隆敏会長)が麻生大臣に「経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結に対応した関税率等の改正についての答申」を出しました。

 内容としては
 (1)オーストラリア産牛肉の輸入が激増して国内産牛肉を圧迫しないよう、輸入量に制限をかける「セーフガード」
 (2)原産国表示を明らかにするための書類の5年保存の規制
 (3)(関税がない)飼料用小麦が(関税がある)食料用小麦に転用されないように、承認済み工場などの検査をする

 こういったことについて、国内での実施法律の整備が必要になるようです。

 あまり詳しくないので、答申全文を下にコピペします。財務省のウェブサイトのまとめ記事には、概要も載っています(http://www.mof.go.jp/about_mof/councils/customs_foreign_exchange/sub-of_customs/report/kana20141001.htm) 

 ただ、自由貿易推進論者の私としても、国内法整備というのはなかなか大変なもんなんだな、という感想を持ちました。

 関税定率法改正法案などの日豪EPA国内実施関連法案は今国会、第187秋の臨時国会で提出されることになりそうです。

[財務省ウェブサイト内「
経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定の締結に対応した関税率等の改正についての答申」関税・外国為替等審議会から全文引用はじめ]

- 1 - 

(別紙)
Ⅰ.日豪経済連携協定について
経済上の連携に関する日本国とオーストラリアとの間の協定(仮称)(以下「日豪
経済連携協定」という。)は、本年 7 月 8 日に署名された。オーストラリアは、我
が国にとって第 4位の貿易相手国(これまでの二国間経済連携協定相手国の中では
第 1 位)であり、日豪経済連携協定は、我が国にとって初めての先進国かつ主要貿
易相手国との経済連携協定といえる。
また、我が国における最初の経済連携協定である日シンガポール協定が発効し
てから 10 年以上が経過し、現在 13 本の経済連携協定が発効している中、協定で
定められた特恵税率の適用に関する原産地手続等についても、一定の定着が進ん
でいるところである。
こうした状況の下、日豪経済連携協定では、これまで我が国が締結してきた経
済連携協定にはない、以下のような新たな制度が導入されている。
1.原産地手続の「自己申告制度」の導入
経済連携協定締約国からの貨物の輸入に対し当該協定で定められた特恵税率
を適用するためには、当該輸入貨物が経済連携協定締約国の原産品である必要が
ある。
これまで我が国が締結してきた経済連携協定では、輸出締約国の公的機関(商
工会議所等)が発給する第三者原産地証明書を輸入国税関に提出することにより
当該輸入貨物が締約国原産品であることを証明する制度(第三者証明制度)が採
用されていた。
一方、アメリカ、カナダ等の先進国の自由貿易協定においては、特恵税率の適
用において、輸入者等が自ら輸入貨物の締約国原産性を申告する制度(自己申告
制度)が広く導入されている。今般の日豪経済連携協定の相手国であるオースト
ラリアにおいても、これまでアメリカ、チリ、マレーシア、韓国との自由貿易協
定において自己申告制度が導入されている。
この自己申告制度は、特恵税率適用のために原産地証明書を取得する手間が省
け、輸出入関係者の手続が簡素となり、貿易円滑化に資するという大きな利点が
ある。
今般の日豪経済連携協定においては、輸出入を行う事業者等が自己申告制度と
第三者証明制度を選択的に利用できるようにすることで、原産地手続の利便性が
向上するとの考えから、自己申告制度が我が国の締結する経済連携協定として初- 2 -
めて導入されることとなった。
2.牛肉に係る特別セーフガード措置の導入
日豪経済連携協定においては、牛肉の関税引下げに伴いオーストラリア産牛肉
の輸入数量が同協定で定められた一定の数量を超えた場合、関税率を現行水準
(38.5%)に戻す特定の農産品に係る特別セーフガード措置が、我が国が締結する
経済連携協定において初めて導入された。これにより、関税引下げによる国内消
費者の便益の向上と、我が国にとってのセンシティブ品目である牛肉についての
必要な国内産業保護との適切な調和が図られることとなった。
3.飼料用に限定した麦の関税撤廃
また、日豪経済連携協定では、同様に我が国のセンシティブ品目である麦(大
麦・小麦)についても、飼料用に限定し、関税が撤廃された。また、厳格な用途
確認が必要であるため、関税が撤廃される麦は「税関当局の監督の下で飼料の原
料として使用するもの」に限定された。
日豪経済連携協定の締結のためには、上記のような新たな制度を中心に、以下
のとおり国内法令を整備する必要があると考える。
(参考) 経済連携協定の締結と国内法整備について
関税法第 3 条は「輸入貨物(信書を除く。)には、この法律及び関税定率法その他関
税に関する法律により、関税を課する。ただし、条約中に関税について特別の規定が
あるときは、当該規定による」と規定している。このため、経済連携協定に規定する
特恵税率やその適用のための原産地基準等は、別途の国内法上の規定を設けることな
く関税法第 3条ただし書の規定に基づき当該経済連携協定の規定を適用することとし
ている。
他方において、協定を適切に実施するための手続を明確にする必要がある場合や、
協定の義務を国内法化して実施することが協定上予定されているような場合等には、
国内法を整備することとなる。
- 3 -
Ⅱ. 個別の法令整備項目について
1.原産地手続
(1)輸入締約国としての対応
① 輸入貨物の原産性の事後確認手続及び原産性を満たさない場合の措置
日豪経済連携協定において、輸入締約国の税関当局は、輸入される産品が
締約国原産品であるか否かを決定するため、輸入通関時の審査に加え、輸入
の許可後に
・ 輸入者に対する貨物の原産性を示す情報の要請
・ 輸出締約国の権限ある機関又は輸出締約国税関に対する第三者原産
地証明書及び原産品申告書の有効性の確認の要請
・ 輸出者や生産者に対する貨物の原産性を示す情報の要請
・ 輸出者や生産者の施設に対する原産性の確認のための訪問の実施
を行うこと(事後確認)ができることとされており、また、この事後確認にお
いて貨物が原産性を満たさないと認められる場合等に特恵税率の適用を否
認することができることとされている。
これまでに我が国が締結している経済連携協定においても、日豪経済連携
協定と同様に、事後確認に係る手続及び特恵税率の適用を否認することがで
きる要件に関する規定が設けられており、これらの事後確認手続等について
は、関税法第 3 条ただし書の規定に基づき、それぞれの経済連携協定の規定
が適用されると考えられてきたところである。
日豪経済連携協定において採用された自己申告制度においては、輸出締約
国の発給機関による貨物の原産性に係る事前審査手続を不要とし、輸入締約
国の税関当局が事後確認を行うことにより、適正な特恵税率の適用の確保を
図ることとなるため、事後確認の位置付けがこれまでより重要なものとなる。
また、この事後確認において貨物が原産性を満たさないと認められる場合
及び日豪経済連携協定に規定する手続要件が満たされない場合(オーストラ
リアの政府当局が日本の税関当局の訪問の要請について回答を行わない場
合や輸出者又は生産者が十分な情報を提供しない場合等)には、それらを理
由として、特恵税率の適用を否認することとなる。
このような事後確認手続等による結果が、輸入者等の権利・義務に与える
影響を踏まえると、自己申告制度における輸入通関手続を明確化し、輸入者
等の予測可能性の向上を図る観点からも、事後確認手続を関税関係法令にお
いて規定するとともに、原産性を満たさないと認められる場合及び手続要件
が満たされない場合に特恵税率の適用を否認されることがあることを新た- 4 -
に関税関係法令において規定することが適当と考える。
また、上記のとおり、過去我が国が締結している経済連携協定にも事後確
認手続等に関する規定が含まれていることから、当該事後確認手続等に関す
る関税関連法令の規定は、日豪経済連携協定だけでなく、我が国が締結して
いるすべての経済連携協定を対象とする一般的な規定とすることが適当と
考える。
② 輸入申告時の原産品申告書等提出
日豪経済連携協定において、特恵税率適用のためには、
・ 原産品申告書 及び
・ (適当な場合には)当該産品が締約国原産品であることを示す他の証

を、輸入国税関に提出することが必要とされている。
この協定の規定を受け、輸入申告時における提出書類に原産品申告書を
追加することが必要であるとともに、適正かつ迅速な通関を可能とする観
点から、当該輸入貨物が原産品申告書の記載通り原産性を満たしているこ
とを説明するための必要最小限の資料の提出を輸入申告時に求めることに
ついて、関税関係法令において規定することが適当と考える。
(2)輸出締約国としての対応
① オーストラリアの税関当局に対する情報提供等
日豪経済連携協定において、両締約国は、第三者原産地証明書及び原産品
申告書に関する情報を事後確認するために相互に支援することとされてお
り、また、上記Ⅱ.1 .(1)①のとおり、輸入締約国の税関当局は、輸入
される産品が締約国原産品であるか否かを決定するため、輸出締約国の権限
を与えられた機関又は輸出締約国の税関当局に対し、第三者原産地証明書及
び原産品申告書の有効性に関する情報提供を要請することができることと
されている。
この規定に基づき、オーストラリアの税関当局から我が国に情報提供要請
があった場合に、財務大臣が必要な情報をオーストラリア税関当局に提供す
るための規定を法令上設けることが必要と考える。
また、日豪経済連携協定において、相手国に提供される情報は協定実施
のために必要な範囲に限られることや、公共の利益や正当な商業上の利益
等を害するような秘密情報の相手国への提供までは求められないこととさ- 5 -
れていること等を踏まえ、オーストラリアの税関当局から情報提供の要請
を受けた場合であっても、
・ 我が国が提供する情報が目的外に使用されるおそれがあるとき
・ 当該情報提供により我が国の利益を害するおそれがあるとき
・ 当該情報に輸出者又は生産者の秘密を害するおそれのある情報が含
まれており、当該情報をオーストラリア側に提供することについてそ
の者の同意がないとき
等には、財務大臣は、オーストラリア側からの要請に応じないことができ
る旨、法令において規定することが適当と考える。
② 税関職員による資料の提出の求め及び質問検査
オーストラリアの税関当局から貨物の原産性確認のために求められた情
報を我が国税関として適切に収集できるよう、原産品申告書を作成した、又
は原産品申告書の基礎となる書面を作成した輸出者又は生産者に対し、財務
大臣(税関職員)が資料の提出の求めや質問検査をすることができる権限を
新たに付与するとともに、当該資料提出要請や質問検査に正当な理由がなく
応じなかった者に対する罰則を科すること等について、新たに法令において
規定することが適当と考える。
③ 関係省庁との協力
上記の情報提供等にあたっては、我が国及び我が国事業者等への影響等に
鑑み、貿易政策や産業政策を司る関係官庁との緊密な連携を図ることが望ま
しい。
このため、
・ 上記①の情報の提供の際には、財務大臣は経済産業大臣とあらかじ
め協議し、同意を得ること
・ 上記②の質問検査に経済産業省の職員が立ち会うことができること
等について、新たに法令において規定することが適当と考える。
④ 書類の保存
日豪経済連携協定において、原産品申告書等を作成した輸出者又は生産者
は、当該原産品申告書等に係る貨物が締約国原産品であることを示すために
必要なすべての記録を 5 年間保存することとされている。
この協定の規定を受け、オーストラリアにおいて特恵税率の適用を申請し- 6 -
た貨物の輸出者又は生産者のうち、原産品申告書等を作成した輸出者又は生
産者が、輸出された貨物が日本の原産品であることを明らかにするための書
類を 5 年間保存することについて、新たに法令において規定することが必要
と考える。
⑤ 虚偽の原産品申告書等を交付した輸出者又は生産者に対する措置等
日豪経済連携協定において、両締約国は、自国の法令に従って、誤りのあ
る又は虚偽の第三者原産地証明書又は原産品申告書等が使用され、又は送付
されることを防止するための適切な措置を定めることとされている。
この協定の規定を受け、自己申告制度の適正な実施を確保するため、虚偽
の原産品申告書等を交付した者に罰則を科することについて、新たに法令に
おいて規定することが適当と考える。
(3)その他
日豪経済連携協定においては、第三者証明制度と自己申告制度とが併存す
ることに伴い、次の関税関係法令の規定の整備が必要と考える。
・ 第三者原産地証明書を利用して日豪経済連携協定に基づく特恵税率の
適用を受けようとする者が輸入申告をする際に提出することとされて
いる書類に、同協定に基づく第三者原産地証明書を追加。
・ いわゆるAEO制度に基づく特例申告貨物について、当該譲許の便益
の適用を受けようとする特例輸入者が保存することとされている書類
に、同協定に基づく原産品申告書及びその他の資料を追加。
以上のような法令面の整備のほか、今後の我が国における自己申告制度の
実務的な運用に当たっては、自己申告制度導入の目的や、諸外国における自
己申告制度の運用の実態等に鑑み、制度の適正な執行の観点及び貿易手続の
簡素化・効率化の観点の双方に十分配慮することが適当と考える。
また、自己申告制度は我が国にとって新たな制度の導入となることから、
関係者等への新制度の丁寧な周知や、我が国事業者等に対するオーストラリ
ア税関による事後確認に関する我が国事業者等への支援にも十分配慮するこ
とが適当と考える。
- 7 -
2.牛肉に係る特別セーフガード措置
(1)牛肉に係る特別セーフガード適用手続の新設
日豪経済連携協定において、オーストラリア産牛肉の関税引下げに伴い、
その輸入数量が協定で定められた一定の数量(注)を超えた場合、関税率を現
行水準(38.5%)に戻す特別セーフガード措置が規定された。物品を特定し協定
の締約相手国からの輸入数量を基準に発動を行う特別セーフガード措置は、
経済連携協定としては今回初めて導入されるため、同措置発動のための具体
的な輸入数量の算出方法等、具体的な適用手続に係る規定が国内法に存在し
ない。
したがって、特別セーフガード措置の発動に係る規定とともに、輸入数量
算出に使用する統計の指定や、オーストラリア産牛肉の輸入実績の告示等、
具体的な適用手続を関税暫定措置法(以下「暫定法」という。)上に新たに規
定することが必要と考える。
(注) 協定発効 10 年目までの、各年の具体的な数量を協定で規定。
生鮮等牛肉:初年度 13 万トンから、10 年目に 14.5 万トンまで、毎年段階的に増加。
冷凍牛肉 :初年度 19.5 万トンから、10 年目に 21 万トンまで、毎年段階的に増加。
(2)既存の生鮮等牛肉及び冷凍牛肉に係る関税の緊急措置との調整
オーストラリア産牛肉については、暫定法第 7 条の 5 に規定する既存の全
世界向けの関税の緊急措置(注 1)(以下「緊急措置」という。)を適用しないこ
とが協定上規定されている。
現行の制度を維持した場合、オーストラリア産牛肉の輸入増加が原因とな
って緊急措置を発動することとなれば、日豪経済連携協定の適用を受けて輸
入されたオーストラリア産牛肉は税率引上げの対象とならず、その他の国の
みが、税率引上げの影響を受けることとなる。このような取扱いを解消する
ため、オーストラリア産牛肉を除いた輸入数量(注 2)が基準となる水準を超え
ることを緊急措置の発動条件とすることが適当と考える。
なお、上記のみを条件とした場合、全世界からの輸入数量は増加していな
いにもかかわらず緊急措置が発動され、消費者等に対して不必要な負担を与
える可能性がある。このため、全世界からの輸入数量が基準となる水準を超
えることという条件についても、緊急措置の発動条件として維持しておくこ
とが適当と考える。
(注 1) 全世界からの生鮮等牛肉又は冷凍牛肉の累計輸入数量が、基準となる一定の水
準(対前年度比 117%)を超えた場合、暫定税率(38.5%)によりWTOでの譲許税- 8 -
率(50%)より低い水準まで引き下げている実行税率を、譲許水準まで戻す措置で
ある。
現行制度では、緊急措置の発動条件を、累計輸入数量が前年度の輸入実績又は
米国におけるBSE発生前の水準である平成 14 年度及び平成 15 年度の平均値の
いずれか大きい方と比べて基準となる水準を超えることとする特例措置を設け
ている。
なお、緊急措置は、暫定税率に係る措置と一体として設けられたものであり、
本特例措置を含め暫定税率と一体的に年度改正において検討を行うことが適当
である。
(注 2) 経済連携協定に基づく関税割当(日メキシコ経済連携協定及び日チリ経済連携
協定)の適用を受けた牛肉の輸入数量も除く。
3.飼料用麦の関税撤廃に伴う措置
(1)麦が飼料の原料として使用するものであることを担保する措置(承認工場制
度)の新設
日豪経済連携協定において、オーストラリア産の麦のうち、税関当局の監督
の下で飼料の原料として使用するものについては関税が撤廃されることから、
税関において、麦が飼料用に使用されたことの確認等を行うための制度が必要
となる。麦は、これまで政府による輸入(いわゆる国家貿易)により一元的な管
理が行われてきたことや、制度の利用が見込まれる製造工場の大部分が既に関
税定率法第 13 条の飼料用とうもろこし等を扱う承認工場となっていることか
ら、制度を利用する事業者の利便の観点等を踏まえ、同法に規定する承認工場
制度(注)と同様の制度を、暫定法上に新たに設けることが適当と考える。
(注) 関税定率法の規定により、特定の原料品を輸入して、法律で定められた製品を製
造した場合に、当該原料品の関税を減免税する制度。税関長の承認を受けた工場に
おいて、一定期間内に当該製品を製造すること等が必要とされる。また、帳簿の備
付や製品製造後の税関への届出等が必要とされる。税関職員による当該製品や帳簿
書類の検査等が行われることにより、原料品が特定の製品製造に使用されたことが
確認される。
(2)既存の特別緊急関税制度(Special Safeguard:SSG)との調整
オーストラリア産飼料用麦については、暫定法第 7 条の 3 及び第 7 条の 4 に
規定する数量ベースSSG及び価格ベースSSG(注 1)を適用しないことが協
定上規定されている。 - 9 -
現行の制度を維持した場合、日豪経済連携協定の適用を受けて輸入されたオ
ーストラリア産飼料用麦の輸入増加が原因となって数量ベースSSGを発動
することとなれば、オーストラリア産飼料用麦は税率引上げの対象とならず、
その他の麦のみが税率引上げの影響を受けることとなる。このような取扱いを
解消するため、オーストラリア産飼料用麦を除いた輸入数量が、輸入基準数量
(注 2)を超えることを数量ベースSSG発動の可否を判断するための条件とす
ることが適当と考える。
なお、上記のみを条件とした場合、全世界からの輸入数量は増加していない
にもかかわらず数量ベースSSGが発動され、消費者等に対して不必要な負担
を与える可能性がある。このため、全世界からの輸入数量が輸入基準数量を超
えることという条件についても、数量ベースSSG発動の可否を判断するため
の条件として維持しておくことが適当と考える。
(注 1) 数量ベースSSGは、輸入数量が輸入基準数量を超えた場合に関税率を引き上
げるものである。価格ベースSSGは、個別の輸入申告毎に、課税価格が一定の
水準を下回った場合に関税率を引き上げるものであり、個別の価格ベースSSG
の発動は、他の輸入申告に影響を与えないため、オーストラリア産飼料用麦の関
税撤廃に伴う数量ベースSSGのような調整は不要。
(注 2) 輸入基準数量は、過去 3 年間の平均輸入数量を基に過去 3 年間の国内消費に対
する輸入割合や国内消費の変動量を勘案して算出される。
4.その他
(1)特定の用途に供することを要件として関税の譲許をした物品
日豪経済連携協定において、高糖度粗糖(精製用)、ナチュラルチーズ(プロ
セスチーズ原料用・シュレッドチーズ原料用)等については、特定の用途に供
することを要件として特恵税率を適用することとされていることから、関税暫
定措置法施行令における特定用途向け特恵税率適用に係る当該物品の指定等、
所要の規定整備を行うことが必要と考える。
(2)一定の数量を限度として関税の譲許をした物品
日豪経済連携協定において、麦芽、オレンジジュース等については、一定の
数量を限度として協定で定められた特恵税率を適用する経済連携協定に基づ
く関税割当制度を導入することとされていることから、経済連携協定に基づく
関税割当制度に関する政令における当該物品の指定等、所要の規定整備を行う
ことが必要と考える。 - 10 -
また、これらの物品の中には、各輸入者への割当数量が、当該輸入者による
国産品の使用量に応じた一定数量を超えないことを条件としているものがあ
ることから、制度の適正な運用のため、関税割当制度の所管官庁と物資所管官
庁との適切な連携が可能となるような仕組みを設けることが適当と考える。

[全文引用おわり] 

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