goo blog サービス終了のお知らせ 

ニュースサイト 宮崎信行の国会傍聴記

元日本経済新聞記者の政治ジャーナリスト宮崎信行が3党協議を現地で取材したり国会中継を見たりして雑報を書いています。

【高プロ】自民党は高プロをあきらめない、労働基準法14条改正法案は、第193回通常国会で廃案も骨太の方針2017で「高度プロフェッショナル法案成立」を書き加え【追記有】

2017年06月09日 23時59分19秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

(11日昼投稿で、9日付にバックデート)

●労働基準法第14条第1項など改正法案は、2年2か月経った今国会でも審議未了廃案へ

 労働基準法改正案「高度プロフェッショナル、残業代ゼロ法案」(189閣法69号)は一昨年の通常国会、昨年の通常国会に続いて、今国会でも延長幅にかかわらず、審議未了廃案となることが確実になりました。改正民法債権編成立で、現在、政府が提出してから最も時間がかかっている法案(2年2カ月)となりましたが、継続審査とはいえ、第47期衆議院で成立しないシナリオも出てきました。

【追記 16日午前11時半】

 衆議院厚生労働委員会は2017年6月16日、共反対、自公維賛成多数で「継続調査とする」ことを決めました。午後の本会議で了承。

【追記終わり】

 今次改正法案は、労基法第14条第1項が定める「専門的な知識、技術又は経験であって高度のものとして厚生労働大臣が定める基準に該当する専門的知識等を有する労働者」の定義規定そのものは変えずに、「基準」を変えるもの。

 「労働基準法第14条第1項の規定に基づき厚生労働大臣が定める基準」(平成15年10月22日厚生労働省告示356号)を変えるわけですが、これは「告示」であり、法律でも政令でも省令ですらなく、与党大臣1人のサインで決められる代物です。

 ご事情は分かりませんが、最近は弁護士で、法律事務所ではなく、損害保険会社の法務室社員に転じる人が多いようですが、弁護士、医師の会社員は確実に残業代ゼロになります。博士号を持っている人どころか、告示などの再改正で、大学の商学部を出て、入社後経理部に5年在籍した人まで、残業代ゼロになりかねない、かなりとんでもない改正法案です。

 蓮舫代表もこれを廃案見通しになったことを実績としてアピールすればいいのに、なかなか、そこまでの政治センスは無いようです。かくいう私も、幸か不幸か、全然話題にならないので、このところ「労働基準法第36条改正案」と表現を間違えていました。改め文を読んでみると、36条にも改正条項が入っているので、完全な間違いではありませんが、高プロの定義規定は第14条第1項第1号でした。

 法案の廃案見通しはいいのですが、ところが、政府与党自民党が「高プロ」をまったく諦めていないことが判明しました。

●高プロをあきらめない、政府自民党、骨太の方針2017に明記

 政府は、平成29年6月9日(金)に閣議決定した「骨太の方針こと経済財政運営と改革の基本方針2017」に、

 「意欲と能力のある労働者の自己実現の支援のため、高度プロフェッショナル制度の創設や企画業務型裁量労働制の見直しなどの法改正について、国会での早期成立を図る。」

 とPDF14ページ(紙8ページ)に入れました。

 この一文は、「2016」には入っていなかったようです。

 政府・与党自民党が法案成立をあきらめていないことをうかがわせるとともに、来年提出される「働き方改革・同一労働同一賃金をめぐる一括改正法案」にもぐりこませてくることになりそうです。民進党、共産党の闘いは続きます。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]退位特例法と衆新区割り法が成立、衆では厚労委が法案審議順で与野党最終せめぎあい

2017年06月09日 17時25分06秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 「宮崎信行の国会傍聴記」は私・宮崎信行が取材、執筆とも、すべて1人でやっています。

 今国会の重要法案「平成の天皇退位特例法」「2015年国勢調査衆議院新区割り法」が成立しました。一方、衆議院厚生労働委員会では自民党議員が「審議入りしていないが、一般質疑で精神保健福祉法案について質問する」と、法案審議入りのせめぎあいが続きました。

 すべては、来週の実質会期末週で、衆議院自民党の安倍晋三総裁や、二階俊博幹事長、公明党党首幹事長ら会期を延長するかどうかにすべてがかかってきました。正直、延長すれば、他の法案はほとんど成立することになります。

【参議院本会議】

 「日本ケニア投資協定」(193条約11号)が投票総数238で、共産党などが反対し、自公民維などの賛成多数で可決し、両院承認されました。

 「日本イスラエル投資協定」(193条約12号)は、投票総数238、賛成220、反対17で両院承認されました。

 「2015年国勢調査を反映した衆議院新区割りを画定する、平成6年政治改革関連法を改正する法律」(193閣法65号)は投票総数239、賛成221、反対18の賛成多数で可決し、成立しました。

 「平成の、天皇退位に関する皇室典範特例法」(193閣法66号)。登壇した、尾辻秀久・天皇退位等に関する皇室典範特例法案特別委員長は、審査報告をした後、「この際、一言も欧仕上げます。衆参正副議長、各会派の多大なご尽力があったことを申し添えます」と語りました。採決は、投票総数235、賛成235、反対0の全会一致で可決し、成立しました。

 「北朝鮮経済制裁の承認」(193承認4号)は投票総数237、賛成237、反対0の全会一致で両院承認されました。

 「厚生労働省設置法を改正して医務技監を設ける法律」(193閣法16号)。審査報告した厚生労働委員長は日本医師会組織内の、羽生田俊さんで、なかなか自民党の選挙・権力構造の強さを感じさせる体制だと感じました。採決は、投票総数239、賛成222、反対16で可決し、成立しました。6か月以内に施行。

 「改正廃棄物処理法」(193閣法62号)と「改正バーゼル法・特定有害廃棄物輸出入規制法」(193閣法63号)は一括して採決して、投票総数239、賛成239、反対0の全会一致で可決し、成立しました。この後、「環境省の福島再生環境事務所の設置の承認」(193承認2号)は投票総数239、賛成225、反対14の賛成多数で両院承認されました。報告した環境委員長は森雅子さん。4年前の国会の「特定秘密保護法案答弁担当大臣」の印象が強かったのですが、よく考えれば、元環境大臣ですね。

 「電子委任状促進法」(193閣法46号)は投票総数239、賛成235、反対4で可決し、成立しました。衆参とも、委員会は全会一致、本会議は賛成多数となりました。

 「住宅宿泊事業法」(193閣法61号)は投票総数238、賛成220、反対18で可決し、成立。なお、対をなす旅館業法改正案は今国会で成立しない公算が出てきています。

 この次は「日程第十二」ですが、伊達忠一議長は「日程第二」と話しましたが、別に手続きの正統性には関係ないでしょう。

 「畜産物価格安定法」(193閣法40号)も押しボタン式の採決で賛成多数で可決し、成立しました。

 この後、情報監視審査会長が年次報告書を報告する日程を追加したいと議長がはかり、承認されました。会長は、平成28年年次報告書について、「特定秘密保護法による改正国会法が定めた、各委員長から審査の要求は無かった」としました。そのうえで「情監審は、昨年9月と12月に、政府を呼んで、調査した」ほか、「平成27年年次報告書で指摘した、公になっていないものの、定義について議論した」「サードパーティールールについて議論した」「公開の会議がなかった」と語ったくだりでは、議席から「何もしてないじゃないか!」との野次が飛びました。私は4年前、特定秘密保護法は平成の治安維持法ではなくて逆に国家公務員側にとって刃(やいば)となるのではないかとしましたが、やはりそうなったな、と感じる昨今です。散会。

【衆議院厚生労働委員会】

○旅館業法改正案後回しで一般質疑、精神保健福祉法改正案の審議入りで与野党駆け引き、民進党は「おわり」示唆。

 前回議論した「旅館業法改正案」(193閣法50号)は議題になりませんでした。一般質疑となりました。自民党の高鳥修一さんは「きょうは一般質疑だが、まだ審議入りしていない「精神保健福祉法改正案」(193閣法34号参先議参修正)について質問したい」と語りました。一方、民進党の初鹿明博さんは「きょうの一般質疑が、今国会最後の質問になるかもしれない」と話しました。厚労委で、終盤の審議をめぐって最終攻防が続いているようです。これも、来週、会期の延長幅が決まったところで、与野党の攻防が最終局面に入っていくことになりそうです。

【参議院政治倫理の確立及び選挙制度改革に関する特別委員会】

 きのう衆を通過した、「公職選挙法を改正して、地方議員選挙のビラ(チラシ)を解禁する法案」(193衆法21号)が趣旨説明されました。質疑があり、その後、採決。全会一致で可決しました。来週の本会議で成立し、2年後の統一地方選前に施行。

【官報 平成29年2017年6月9日(金)】

 「改正地方自治法」が、平成29年6月9日法律54号として公布されました。第31次地方制度調査会の答申の法制化で、議選監査委員といわれる制度を、議会によっては廃止できるなどの内容です。国会では、議案番号193閣法55号として審査され、賛否は、民共社反対、自公維賛成と、割れました。平成32年4月1日(水)に施行する項目が中心。

 「改正港湾法」が、平成29年6月9日法律55号として公布されました。国会では193閣法60号。施行は1か月以内。昨年の熊本地震での港湾行政の混乱から、災害時に国土交通大臣が港湾管理者を代行できる法律。私は、この先、災害時以外にも広がるのかなと思いましたが、国会審議を聞くと、そこまでは考えていないようです。私は個人的には、平時から国が港湾管理をした方がよいのではないか、とかねがね思っていますので、時間があれば、執行状況にも中期的に、注目したいところです。

【参議院議院運営委員会】

 和気藹々と開かれました。

【衆議院環境委員会】

 一般質疑。まず、平将明委員長が、日光国立公園の視察について報告。質問に立った筆頭理事の民進党の福田昭夫さんが「先日は、私の地元の日光国立公園を視察していただき、ありがとうございました」と語り、栃木2区で現職大臣を破って、小選挙区で勝ち上がったしたたかさを垣間見せました。すでに閣法審査は衆参とも終えています。

【衆議院災害対策特別委員会】

 一般質疑がありました。

【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会】

 一般質疑がありました。

【参議院北朝鮮による拉致問題等に関する特別委員会】

 一般質疑。自民党の青山繁晴さんが質問したので、いつものように、傍聴人が大量に詰めかけていました。委員長は山谷えり子さんですが、途中で、同じ会派「自民党・こころ」になった、中山恭子さんが委員長を代行している場面があったようです。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

○「会期延長してしっかり議論したい」参議院第2会派、民進党の小川敏夫会長が第193回国会延長を容認する歴史的発言

2017年06月08日 20時35分38秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]小川敏夫さん、2015年8月4日の参議院本会議から、肩書は当時の名称、参議院インターネット審議中継から当日にスクリーンショット。

 小川敏夫「民進党・新緑風会会長」(民進党参議院議員会長)は、平成29年2017年6月8日(木)の定例記者会見で、

 「会期を延長してしっかり議論すればよろしい。それが参議院のやり方だ」と語り、

 第193回国会を6月18日(日)以降も延長することを、官邸・与党衆議院自民党が提案し、衆議院で議決することを容認しました。

民進党・小川敏夫参院議員会長定例記者会見 2017年6月8日

 小川さんは、冒頭発言ではなく、記者から質問に答える中で発言しました。

 小川さんは冒頭自ら、「共謀罪法案はより要件を詰めたい。十分な質疑を行いたい。そのなかで、しっかり予定を組みたい」と語りました。SIELDS(シールズ)=解散=の応援ももらって、昨夏、6人区で6位ながら当選した小川さん。野党でただ一人、死刑執行命令書にサインをした経験がある国会議員です。

 記者会見で小川さんは「(参議院法務委員会が開かれている参議院分館から参議院本館2階本会議場近くの控室まで)階段を走ってきたので、少しだけ息切れしてしまった」としながら、記者の質問に応じました。「(採決の前提というとらえ方が多い)参考人質疑の求めが与党から出てきた。参考人から話を聞くことはよいことだ」「(会期末に審議未了で)廃案でないなら十分な議論が必要だ」と語りました。

 参議院では、1961年の国会で、重宗雄三参議院自民党会長が、首相をつとめる池田勇人自民党総裁(衆)から「公選法改正案を成立させてほしい。そのためなら、産業特会改正案が廃案になってもいい」と要求。重宗会長が千葉信・参議院社会党議員会長に働きかけ総裁の提案を応諾。しかし、自民党幹事長(衆)に話をつけていなかったことから、池田総裁が両院議員総会で謝罪させられる事態となりました。この後の総理総裁は、参議院自民党に閣僚ポストを割り振り、会長が人選するなどして影響力を大きくします。

 参議院社会党も、日教組組合員が、会期末の委員会で、大量に傍聴して、組織内議員を発奮させました。このため、現在になっても、比例選出の日教組組織内、神本美恵子さんと那谷屋正義さんが最終盤の深夜の解任決議案の討論などに登壇することが目立ちます。そして、今世紀になってから、副議長室の主は、半数近くが日教組組織内議員です。また、今日にいたるまえ、「参議院国会対策委員長会談」が、自民党と民進党の2党だけなのも、その流れです。

 1989年に、参議院の過半数を失い、1998年に参議院民主党が第2会派として躍進したことで、逆に、自民党内での参議院の力は強まりました。これが、2016年参院選で、衆参単独過半数の27年ぶりの回復と、その直後に、首相腹心の橋本聖子さんを会長にすえたことで大きな変化があり、今国会を迎えました。

 一方、参議院民主党・民進党は、初代の菅野会長以降に、日教組組織内を中心に、旧総評系議員が引き続き会長を独占。その後、江田五月会長(親は社会党幹部)らを経て、郡司彰会長(労組出身だが、民主党初当選)が就任。

 その後、はじめて労働組合と縁がない小川敏夫会長が就任したことできょうの歴史的発言となったようです。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]森裕子さんが欠席→審議拒否戦術に出るも広がらず、玄葉光一郎衆決算委員長が昭和19年度朝鮮総督府特会「問い合わせに応じられるよう備えろ」戦後は終わらず

2017年06月08日 17時27分12秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]希望の会(自由党)の森裕子(森ゆう子)さん=赤丸部分=の欠席戦術で空転する、参議院農林水産委員会、2017年6月8日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショットし、赤丸部分は筆者・宮崎信行が加筆。

 参議院で審議が進む「共謀罪」廃案のために、欠席戦術をしてほしいとの声がSNSで寄せられているようですが、残念ながら、希望の会・自由党の森裕子さんが欠席戦術にでたものの、他の野党には広がず。淡々と審議が進みました。

 衆議院本会議では、民進党・岡田系の、玄葉光一郎・衆議院決算行政監視委員長が「昭和19年度の朝鮮総督府特別会計も今後の債務債権関係の問い合わせに応じられるようにすべきだ」「異次元の金融緩和の出口をみすえて引き当てるべきだ」「決算審査は4年分まとめてではなく、次からは毎年度するようにすべきだ」という、委員会の決議や確認事項を、「報告」しました。いつも、後始末や尻ぬぐいは、私たち岡田系がやっているような気もしますが、100年後に評価されれば、それでいいでしょう。

 平成元年1989年の、おたかさんブームとリクルート失策にともない生まれた、衆参ねじれで、自民党単独過半数の参議院カーボンコピーに戻って、平成は幕を閉じることになりました。

【参議院農林水産委員会】

●森さん1人欠席戦術も広がらず法案可決。

 この委員会には昨夏の1人区で勝った舟山康江さんらが在籍。今国会では、希望の会・自由党の森裕子さんが、質疑をめぐって、他の委員から「ちゃんと時間を守りなさいよ!」などと罵声を浴びることが目立っています。きょうは、森裕子さんが、畜産関係で、加計学園の獣医師特区について質問。森さんは、内閣府審議官に対して、今治市課長代理との具体的な面接日時を追及しましたが、答弁では逃げられました。この後、質問の途中で森さんが退席し、欠席戦術に出ました。渡辺猛之委員長(自民党)は休憩を宣言。20分後に、「理事会で合意した質問時間が来ましたので、質問は終局したことにします」と語り、政府参考人らがやれやれ、と帰りました。

 委員会の議題は、「畜産物価格安定化法案」(193閣法40号)は、共産党の紙智子さんらが強く批判してきました。討論では、民進党と共産党が反対討論。ここで、委員長がもう一度ストップし、理事が森さんを呼びに行きました。その後、森さんが出席しないため、委員長はやむを得ないとして採決。民進党、共産党が反対、自民党、公明党、維新の賛成多数で可決すべしとしました。同時間帯には、希望の会・自由党所属の他の議員は委員会に出席していました。自民党衆参単独過半数体制で、欠席戦術を参野党が避けていることが浮き彫りになりました。

【衆議院本会議】

 火曜日は開かれませんでしたので、6日ぶりの開催です。

 「ホームレス自立支援法を10年延長する法案」(193衆法19号)は全会一致で可決し、参に送られました。時限立法を、平成39年8月6日まで延ばす超党派の議員立法です。

●玄葉光一郎さん、朝鮮総督府特別会計の債権債務関係は問い合わせに応じられるようにすべきだ、終わらない戦後。

 この後、玄葉光一郎決算行政監視委員長が登壇。月曜日にテレビ入りでしめくくり質疑をした後に採決した議案を報告しました。「昭和19年度朝鮮総督府特別会計決算」「昭和20年度朝鮮総督府特別会計決算」「平成26年度決算」「平成27年度決算」。そして、平成26年度ないし27年度の国有財産の現在額や無償貸し付け状況の総計算書の承認案です。

[画像]玄葉光一郎衆議院決算行政監視委員長、2017年6月8日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 玄葉さんは政府に対して、「日銀の量的緩和の出口で長期金利が上昇したり、準備預金が増えて金融機関の収益が減るかもしれないから、政府は引き当てておくべきだ」とした委員会決議を報告。「朝鮮総督府決算は、債権債務関係の今後の問い合わせに対応できるよう備えておくべきだ」と語りました。朝鮮総督府特会は解散して一般会計に繰り入れても政府と個人らの債権債務関係は続く。我が国は朝鮮半島で戦争したわけではありませんが、戦後処理は終わらないことを感じさせました。玄葉さんは「なお、今国会で平成24年度から27年度までの4年分の決算を並行して審議することになったが、次回からは1年ごとに審議するよう努力すべきだ」と、「与野党が確認しているのでご報告する」と、委員長の審査結果報告を締めくくりました。

 採決の結果、議案はすべて賛成多数で承認・是認されました。決算なので、衆のみで議了(参は昨日議了)。

 この後、「青少年インターネット利用環境整備法の改正案」(193衆法 号)が採決。内閣委員会では全会一致でしたが、本会議では起立多数で可決し、参議院に送られました

 「地方議員選挙のビラ(チラシ)配布を解禁する公職選挙法改正案」(193衆法 号)は、発声による投票となり、委員会と同じく、全会一致で本会議でも可決し、参議院に送られました。印刷会社は大喜びかもしれませんが、くれぐれも貴重な税金を無駄にしないように、私としてはすべての地方議員選挙候補者に強く釘をさしたいところです。

 「農業収入保険法案」(193閣法58号衆修正)は、共反対、自公民維賛成多数で修正可決し、参に送られました。会期延長をめぐる政治判断の材料の一つになりそうです。

 「強制性交等罪などを設けて性犯罪の量刑を引き上げる、刑法改正案」(193閣法47号衆修正)は、全会一致で修正議決し、参議院に送られました。自公民共維の5党修正は、今国会では初めてではないかと思います。

【参議院法務委員会】

 「共謀罪法案」(193閣法64号衆修正)が審議されました。「弁護士ドットコム」会長の元栄太一郎さんは質問の冒頭で「世界中でテロが多発している。被害者にお見舞い申し上げます。日本は卑劣なテロを許さない!」としました。元栄さんは民法改正案の審議でも冒頭から「早く採決すべきだ」と語っており、法律家というよりも企業家として優秀な方なんだろうと思わせました。別に批判的に書いているわけではありません。

 最終盤国会最大の対決委員会となり、理事や委員には、西田昌司さん、小川敏夫さん、福山哲郎さんという顔ぶれとなってきました。福山さんは、秋野公造委員長に対して「委員会が動いている間は委員長は中立公平にふるまうべきだ」とさとしました。委員を出していない、希望の会から、福島みずほさんが、委員外質疑を許され、質疑しました。法案審査は次回も続きます。

【参議院内閣委員会】

 「国家戦略特区法及び構造改革特区法改正案」(193閣法54号)が審議され、次回も続けることになりました。

【参議院厚生労働委員会】

 「医務技監を新設する、厚生労働省設置法改正案」(193閣法16号)共反対、自公民維賛成多数で可決しました。これは成立済みの改正介護保険法と、参で審議順が入れ替わり、後回しにされていました。

 その後、「児童福祉法を改正して児相と家裁の連係を強化する法案」(193閣法48号)が審議入りしました。大事な法案ですから、会期内にぎりぎり成立すると予測されます。

【参議院国土交通委員会】

●民泊新法「年180日未満」は「1泊2日が1日おきで実質年360日」との懸念がでるも、可決し、あす成立へ。

 「住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)の審査。観光庁が所管する住宅に客を泊める民泊について、「年180日未満」と規制されているものの、この計算方法だと、1泊2日を1日おきに営業した場合、年360日営業していることになるのではないかとの懸念が出ました。これを受けて、質疑終局後に、希望の会・自由党が「年90日未満にする」との修正案を提出。採決では、希望の会の修正案は広がらず、否決。政府原案は、共反対、自公民維などの賛成多数で可決しました。

【参議院環境委員会】

●環境省の福島地方環境事務所の設置、あす承認。

 「廃棄物処理法改正案」(193閣法62号)と「バーゼル法・特定有害廃棄物輸出入規制法改正案」(193閣法63号)「環境省福島地方環境事務所を設置することの承認案」(193承認2号)。かなり長い審議を経て、質疑を終局しました。この3つの議案は必ずしも関係性が高いとは思いませんが、衆参とも一括して審議しました。採決では、193閣法62号と193閣法63号が全会一致で可決。193承認2号は、共反対、自公民維賛成多数で承認すべしと決まりました。


【参議院総務委員会】

 「電子委任状促進法案」(193閣法46号)が全会一致で可決しました。あす成立のはこびで、総務省の今国会提出法案はすべて成立へ。

【参議院外交防衛委員会】

 「日本ケニア投資協定」(193条約11号)と「日本イスラエル投資協定」(193条約12号)が採決され、承認すべしとなりました。賛否は193条約11号が全会一致、193条約12号が共産党と沖縄の風が反対し、自公民維が賛成しました。

 きょうはこのまま散会しました。条約の承認案件はあと2本ありますが、衆からは全会一致で送られており、次回に審議入りし、当初会期内に議了するはこび。

【参議院経済産業委員会】

 「北朝鮮経済制裁の承認案」(193承認4号)が全会一致で承認されました。あす成立すれば、経産関連はすべて終わりました。

【参議院財政金融委員会】

 法案はすべて終わっており、日銀に対する一般質疑がありました。来年4月よりも前に、国会同意人事が衆参に提出されるはこびで、嵐の前の静けさです。

●参議院文教科学委員会は開催されませんでした。団体の要望を受けた議員連盟による議員立法がありますが、特区をめぐる一般的な質問で、理事懇談会で与野党の牽制が続いているようです。

【衆議院憲法審査会】

 「日本国憲法と基本法制」として第1章天皇がテーマになりました。すでに自民党が単独で年内に改憲案をまとめる日程感が固まっていますが、各党が発言。中谷元さんが「次回からも(衆憲法審は)このように議論してほしい」と述べました。

【衆議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会】

 13日(火)午前9時に参考人質疑をすることを決めました。この背景には、特別委員長には公用車などがあてがわれており、その存在意義を強調する思惑もあるわけです。ただ、前世紀と違って、東京用の自家用車を持つ議員は激減していますし、衆では野党への委員長ポストの配分も少ないですから、私は、理解します。

【衆議院議院運営委員会】

 本会議前に開かれました。今週の理事会では、沖縄の正装「かりゆし」を着るときは、委員会同様に本会議でも、ジャケットを着用しなくていいことが決まりました。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]衆議院委員会店じまいへ、自公民共維が修正し性犯罪法案全会一致、農業収入保険も修正議決、「フィルタリング」「地方議員ビラ」議員立法、参でも新区割り、退位の最優先2法案が委員会通過

2017年06月07日 17時34分18秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[写真]国会議事堂、2017年5月、筆者・宮崎信行撮影。

 「退位」「区割り」「性犯罪」「農業保険」「日印原子力協定」などにめどが立ちました。第193回通常国会の主要な議案は、すべて衆議院委員会を通過しました。仮に延長がなければ、野党の希望通り、「労基法」「水道法」「精神保健福祉法」は成立せず、廃案になりそうです。

●性犯罪「強制性交等罪」刑法改正案は、5党修正「3年後の見直し」で可決。

【衆議院法務委員会】


 「強姦罪など性犯罪の罰則の量刑を上げ、強制性交等罪とする、刑法改正案」(193閣法47号)
。質疑の後、現在の体制で、衆参ともに、登壇会派(本会議に登壇することが許されている会派)である主要5会派、自民党、公明党、民進党、共産党、維新の5党が共同で修正案を提出。この修正案が全会一致で可決し、政府案を「修正すべし」と決めました。次の本会議で、可決し参へ。延長しないでも、16日(金)に成立する見通しとなりました。修正の内容は3年後の見直し規定を付則に追加するもの。公布から20日後に施行。2004年の付帯決議からくすぶっていた議題でしたが、動き出すと、あっという間でした。

 これで、今国会最大の対決委員会となった、衆議院法務委員会はほぼ店じまいとなりました。とはいえ、「ひらがな商法」「人事訴訟法」が残っていますので、大きな改正審議はこれからも続きそうです。

●議員立法「青少年インターネット環境整備法改正案」が起草され、可決。

【衆議院内閣委員会 平成29年2017年6月7日(水)】


 「青少年インターネット環境整備法改正案」(193衆法 号)が、委員長から起草され、全会一致で可決しました。内容は、有害なインターネット情報の閲覧をできないようにする、フィルタリング機能を高めるために、スマホ携帯販売者に対して、青少年かどうか確認したり、説明したりする義務を高める内容のようです。1年以内の政令で定める日に施行。参側で特区法改正案を審議しているため、実質的な会期末の16日(金)までに衆参両院で可決して成立する、とは確定的には見通せません。きょうの委員会の審査報告は、次の衆議院本会議でされ、可決し、参に送られると思います。

 これに先立ち、一般質疑があり、加計学園特区などについて、民進党の宮崎岳志さんらが質問。次の予定はなく、散会しました。今国会はこれで店じまいかもしれません。

●議員立法「地方議員選挙のビラ解禁法案」が起草され、可決。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正特別委員会】

 「地方議員選挙で、ビラ(チラシ)配布を解禁する、公職選挙法改正案」(193衆法 号)が委員長から起草されました。質疑の後、採決され、全会一致で可決しました。今国会で成立するとみられます。施行日は、平成31年3月1日(金)と書き込まれており、2019年4月の統一地方選からということになりそうです。ある一定の人口で1万6000枚といった条件も条文として入りました。

●農業収入保険法案は4党修正で可決、減反政策歴史的転換へ、ただし成立しない公算も。

【衆議院農林水産委員会】
 
 「農業災害保険法を改正して収入保険を設ける法案」(193閣法58号)が、修正議決すべし、と決まりました。農水委には多いパターンですが、政府原案を審議したうえで、自民党の宮越光寛・元農林水産副大臣が主導して、自公民維の4党修正案が提出され、それが共反対、自公民維賛成多数で可決されました。政府原案は農家が青色申告をし、保険料を納めると、今の農業災害共済に加えて、収入の変動の調整額も、JA口座に振り込まれるしくみ。これに伴い、コメの減反(生産数量目標)政策は完全に終わります。全農業者の3割が対象になるようです。4党修正案は、政府がJAに対して情報提供をするよう求めるなどの内容のようです。次の本会議で可決し、参に送付。会期内に参での審議が入りきらない可能性もあります。施行日は平成30年4月1日(日)となります。

●衆新区割り、参委員会も通過。

【参議院政治倫理の確立及び選挙制度に関する特別委員会】

 「2015年国勢調査を反映した、衆議院289選挙区区割り法案」(193閣法65号)が共反対、自公民維賛成多数で可決しました。次の本会議で成立し、公布日から1か月後に施行。第48回衆議院議員総選挙の過半数は233議席となり、安倍自民党か、蓮舫民進党か、どちらを首相にするのか、天下分け目の関が原となります。

●平成の、今上天皇退位特例法案が参委員会も通過。

【参議院天皇の退位等に関する皇室典範特例法案特別委員会】

 前回互選された尾辻秀久特別委員長のもと、伊達忠一議長、郡司彰副議長が陪席。第1委員会室からNHK中継されました。この委員会の実質審議は、きょう1日だけ、という珍しい特別委員会の先例となりそうです。

 「天皇の退位等に関する皇室典範特例法案」(193閣法66号)が全会一致で可決しました。次の本会議が成立し、3年以内に施行し、平成の今上天皇陛下、明仁さまがご退位され、現在の東宮、皇太子徳仁親王殿下が、天皇陛下に即位します。維新の片山虎之助さんは「退位式はやるのか」と問い、官房長官は検討するとしました。自由党の森ゆうこさんは「統一会派希望の会として質問するが、自由党と社民党の立場が違う」と語り、採決のときは、退席していたようでした。沖縄の風の伊波洋一さんは、沖縄の声をつたえました。民進党は、野田・蓮舫グループ「花斉会」の長浜博行さんが、質疑、付帯決議などおいしい所を総取りしました。

●民泊新法の審議が続き、労基法、精神保健福祉法、水道法は審議未了廃案(秋に継続)の公算高まる。

【衆議院厚生労働委員会】


 民泊新法2本のうち、厚生省所管分である、「旅館業法改正案」(193閣法50号)の質疑。採決は次回以降に持ち越し。仮に延長がなければ、継続の労基法改正案、参先議の精神保健福祉法改正案、水道法改正案が廃案(秋に継続)となる公算が極めて高くなりました。

【参議院本会議】

 まず、「法務委員長秋野公造君を解任する決議案」が議題となり、投票総数240、賛成73、反対167で否決されました。法務委員会あす再開の見通し。
 
 「平成27年度決算」が報告され、是認されました。安倍晋三首相・麻生太郎副総理(財務大臣)が同席し、安倍首相が是正を約束しました。採決は、決算の是認が、240、151、89。内閣に対する警告決議が240、240.0の全会一致。国有財産計算書が240、151、89。そして国有財産の無償貸し付け状況計算書が240、賛成169、反対71。これに先立つ討論では、民進党の磯崎哲史さんが商工中金の不祥事の報告書をひもとき「一人が異を唱えれば止まったのに、誰も意を唱えなかった」「同質な職場で同調を要求された」というような文言を紹介。国の決算との関係は分からないのですが、総理の前で、その思いは伝わりました。

●日印原子力協定、両院承認、核実験時の停止を委員会決議。

 「日印原子力協定の承認」(193条約3号)は、投票総数238、賛成151、反対82で両院承認されました。委員長は「未臨界核実験実施時には停止する」とした「強く求める決議」を報告しました。

 「改正医療法」(193閣法57号)は、投票総数240、賛成240、反対0の全会一致で可決し、成立しました。1年以内に施行。衆議院の審議段階で、フラップ(資金力に勝る当事者が高額な訴訟を起こすことをちらつかせて言論を弾圧する行為)が入る歴史的な場面もありました。

 「改正中小企業信用保証法」(193閣法31号)は投票総数239、賛成221、反対18の賛成多数で可決し、成立しました。1年以内に施行。

【参議院政府開発援助等に関する特別委員会】

 ジェトロなどへの一般質疑がありました。

【参議院議院運営委員会】

 議長応接室で開かれました。インターネット中継はありませんが、議事録は、後で公開されます。実際にはこれに先立ち、同じフロアにある、議院運営委員会専用の理事会室で行っている事会で決まっており、議運委はそれを追認する場です。このため、理事はベテラン・中堅で、委員は新人という構成をする会派が通例となっています。

【参議院情報監視審査会】

 議長応接室で開かれました。いわゆるシールドルーム(携帯電話などの通信が物理的にできないようにした部屋)ではないと思うのですが、何らかのリフォームがあったのかもしれません。審議の内容は、後で、議事録が公開されます。

【官報】

 改正化審法が公布されました。国会では192閣法52号として参議院先議で議論されました。改正する法律、の番号は平成29年6月7日法律53号。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

篠原孝さん「農業の収入保険は悪くない」と容認「共済がもっと大事」としつつ「兼業でコンバインを買って農地を守る人」配慮求め「未来投資会議の金丸座長らには分からない」

2017年06月07日 14時18分28秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 2005年の第44回衆院選で民主党(岡田克也代表)が掲げたマニフェスト(政権公約)の「農業者戸別所得補償(農家直接支払い)」の考案者として知られる、民進党の篠原孝・元農林水産副大臣は、平成29年2017年6月7日(水)の衆議院農林水産委員会で、

 「農業収入保険は、悪くない」と語り、審議中の農業保険法案(193閣法58号)を容認するかまえを見せました。

 篠原さんは「農業者戸別所得補償の方がよい」としながらも、「牛豚肉農家へのマルキン(赤字の9割まで補填)、野菜の価格安定制度がある」とし、米(コメ)でも、収穫量や、概算金相場などにもとづく、毎秋の収入変動を、積み立てた保険料で調整する同法案の趣旨に理解を示しました。

 そのうえで、災害に対応した共済と、収入保険が併存する制度になるが、共済の方が相対的に大事な制度だと農水省経営局長に問いましたが、局長は「一言で言えない」と答弁を避けました。篠原さんは「農家の子が、工場や役所やJAで働いている兼業農家がコンバインを買う。経営者に言わせると、100年経っても回収できない。しかし、そうやって農地を守っていることへの配慮が必要だ」としました。農政改革の主導権を握る、官邸内の規制改革チーム未来投資会議などの金丸恭平座長らに農政が分かるわけないとの姿勢を示し、農水省の発奮をうながしました。

 私としては、農業者戸別所得補償は、税金を原資とする一般税源で、繰り越さない原則の一般会計で、年1兆円以上になりますから、2017年の日本ではとても無理だと考えます。

 調べたら、倉石忠雄さんの4度目の農相、若林正俊さんの初の農相は74歳の時のようで、篠原さんなら6年後になりますから、2023年辺りには、政権交代もして、篠原農相、あるいは篠原首相でもいいですから、ぜひ実現していきたいところだと思います。

 法案は篠原さんの質問後に採決。共産党が反対し、自民党、公明党、民進党、維新が賛成しました。政府原案ではなく、自公民維が話し合い、共同で修正案を出し、「政府はJAなどに情報を提供すること」などを求めました。このため、採決は、「修正すべし」となりました。昨夏以来の衆参自民党単独過半数時代になってから、自公民維の4党修正はこれが2度目の珍事。民進党が農業者戸別所得補償からの転換への理解を求めているとも解釈できます。ただ、参議院に送った後、委員会定例日が2回しかないことから、参議院で継続審議となり、今国会中には成立しないかもしれません。施行日は、来年、2018年、平成30年4月1日(日)。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]大幅延長は無い見通し、共謀罪をめぐり参議院法務委員長解任決議案、性犯罪法案は審議入り

2017年06月06日 17時33分57秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[写真]参議院の本会議や予算、決算、議院運営、財政金融各委員会が開かれる「本館」(左)と、法務委員会、厚生労働委員会などほとんどの委員会・調査会が開かれる「分館」(右)、2017年5月、筆者宮崎信行撮影。

 第193回通常国会は、大幅な延長はなく閉会する見通しとなりました。7月2日の都議選後、二大政党の党首選も予定されておらず、9月頃内閣改造。とくだんの補正予算案編成の動きもなく。衆院側で選挙が強い人は、この夏は、視察「など」で海外にでも行こうという予定を立て始めているでしょう。ただ、嵐の前の静けさで、ある日突然、内外局面が混乱する気配があります。

【衆議院法務委員会 平成29年2017年6月6日(火)】

 「性犯罪等の量刑を引き上げ強制性交等罪などを設ける、刑法改正案」(193閣法47号)が金田法相から趣旨説明されました。理事会では、与党が次回の7時間コース審議、野党が参考人質疑を要求。この法案ですが、「私たち女性は110年待った」という煽り方をしている人がありますが、あくまでも量刑の見直しで、法定刑の上限を引き上げる内容。レイプに会った男性が「待った」というのはあり得ますが、基本的には、採決までにいたれば、ほぼ全会一致に近い意思をとなるんだろうと思います。成立した場合、公布から20日後に施行。

【参議院法務委員会】

 前日、秋野公造法務委員長が、共謀罪法案の審議のために、職権で委員会を設定。けさから理事会で協議しましたが、折り合わず、やむなく、民進党が委員長解任決議案を、本会議に提出しました。あすの本会議で審議されます。きょうの委員会は昼前後にとりやめとなりました。

【参議院内閣委員会】

 これまで「特区法改正案」と書いてきましたが、きょうから、「国家戦略特区法及び構造改革特区法改正案」(193閣法54号)と表記することにします。質疑があり、次回も質疑することになりました。

【参議院総務委員会】

 一般質疑の後、「電子委任状促進法案」(193閣法46号)が趣旨説明されました。閣法としては最後の議案になります。

【参議院外交防衛委員会】
 
「日印原子力協定の承認案」(193条約3号)が、民進党・共産党・維新・沖縄の風の反対、自民党・公明党の賛成多数で、「承認すべし」となりました。この後、特に、全会派でまとめた案文を、民進党の大野元裕さんが朗読。「インドが未臨界核実験をしたら、条約第14条にもとづき、速やかに核協力を止めるよう、政府に強く求める」としました。与党も加わって、「強く」求めるという決議が採択されました。

 この後、「日本ケニア投資協定の承認案」(193条約11号)、「日本イスラエル投資協定の承認案」(193条約12号)の2本が、岸田外相から趣旨説明されました。この2本は、衆議院段階で共産党が反対しています。質疑は次回。定例日は残り3回。

 このほか、衆議院では上記2本と一括審議された「日本スロバキア社会保障協定」(193条約13号)「日本チェコ社会保障協定」(193条約14号)は、審議入りせず。ただ、衆議院では全会一致でしたので、会期内に承認されるとみられます。

●参議院財政金融委員会は開かれませんでした。
●参議院文教科学委員会は開かれず。衆側から議員立法が1本回ってきていますが、きょうはありませんでした。

【参議院厚生労働委員会】

 「医療法など一括改正法案」(193閣法57号)の質疑があり、全会一致で可決すべし、となりました。。

 この後、一般質疑。

 最後に、「厚労省設置法を改正して、医務技監を設ける法案」(193閣法16号)が趣旨説明されました。大臣によると「iPSなどゲノム医療などの発展により」医務技監が必要だとのことで、そう言われればそうなのかもしれないな、という感じです。

 ところで、一般質疑の中で、厚労省がブラック企業ではないかとの指摘がありました。橋本岳副大臣が「質問主意書が多い」などとしました。たしかにそうだと思います。厚労省は純増が必要です。ただ、次官級ポストを1つ新設する法案の審議入りという流れは、なかなか深い気がします。雇用維持のうえ、政権交代してシンプル化が一番良いと思うんですがね。

【参議院農林水産委員会】

 「畜産物価格安定法改正案」(193閣法40号)の参考人質疑だけがありました。

【参議院経済産業委員会】

 「信用保証法改正案」(193閣法31号)が共反対、自公民維賛成多数で可決しました

【参議院国土交通委員会】

 「住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)とは趣旨説明され、ただちに与野党とも質疑しました。

【参議院環境委員会】

 「廃棄物処理法改正案」(193閣法62号)、「バーゼル法改正案」(193閣法63号)、「環境省福島地方環境事務所の承認案」(193承認2号)の参考人質疑がありました。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

共謀罪、創価学会員に23時間の考える時間、参議院法務委員長解任決議案提出、あす採決へ

2017年06月06日 16時10分33秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 参議院民進党の真山勇一さんらは、平成29年2017年午前10時29分、参議院法務委員長解任決議案を提出しました。

 共謀罪法案の審議のため、野党の了解をえず、同日午前10時に委員会を設定。理事会で抗議しましたが、強行の姿勢を崩さず。やむを得ず、解任決議案を出しました。

 公明党は1965年から、52年間にわたり、法務委員長を独占。

 この理由について、公明党本部広報課(党職員)は、数年ぶりに私の取材電話に居留守しないで、回答。3年に1回の各派協議会で、継続してほしいと言っているからではないか、と誠実に答えてくれました。同党は、5年前の、消費税増税をめぐる小沢一郎衆議院議員率いる「国民の生活が第一の乱」のあおりで、総務委員長がころがりこみ、常任委員長2名体制が5年続いています。ですから、前回も、まず法務委員長は「継続」と言っているのではないか、参議院内では、ということが公明党本部の公式見解のようです。

 先日も書きましたが、公明党立党者で創価学会第三代会長の池田大作先生は、「共産党弾圧のための治安維持法は、戦争末期において、拡大解釈され、弾圧法と化した」(「人間革命」第1章「黎明」)と書いています。今、公明党は「共謀罪法案はテロ等準備罪法案であり、治安維持法と違う」と絶叫しています。

 解任決議案は、あす7日(水)午前10時から審議されると思います。

 なお、法務委員には、長く参議院をリードしてきた二大政党、民進党・新緑風会の小川敏夫参議院議員会長も常連として名を連ねています。小川さんは死刑を執行した元法務大臣で、東京都選出。

 公明党が東京都議会を重視するのは、23区内で、平和会館などの礼拝所への固定資産税課税を牽制するため、財務副大臣をもっているのは、財務(お布施)が非課税、まあそれは当たり前の話ですが、所得税・贈与税などの牽制とみられます。

 正直、23時間、創価学会員が考えたところで、歴史も、日本も、学会も、参議院も何も変わりませんが、まあ、それでも考えてみてはどうでしょうか。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]玄葉光一郎委員長「待機児童の定義統一を」決算、民共維反対、自公賛成で是認、衆参とも決算フィニッシュ

2017年06月05日 18時34分50秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

【写真】6月上旬の昼下がりの汐見坂(向かって前が官邸、右が衆議院)、2015年、筆者・宮崎信行撮影。

【衆議院決算行政監視委員会 平成29年2017年6月5日(月)】


 「平成26年度決算」「平成27年度決算」「昭和19年度朝鮮総督府特別会計」「昭和20年度朝鮮総督府特別会計」が採決され、民共維反対、自公賛成多数で是認されました。各年度の国有財産無償貸し付け状況報告書は、民維反対、自公共賛成多数で是認されました。後者はおそらく国立大学法人などの関係もあってでしょうが、共産党は毎回賛成しています。次(あす?)の本会議で、玄葉光一郎委員長が報告し、是認されるはこび。

 玄葉委員長は議決案を提案。(1)財政健全化には行財政の透明化が必要だ(2)日銀の金融緩和の出口をみすえて債券の引き当てを増やすべきだ(3)会計検査院が見つけた、預金保険機構の多額の利益剰余金を活用すべきだ(4)待機児童の定義を統一すべきだ(5)公文書管理の質の向上を図るべきだーーなどとしました。

 朝鮮総督府特会は、財務省に記録がなく、「政府の銀行」である日銀の出納簿から決算案を作成しました。玄葉委員長は「朝鮮総督府特会の是認で、旧外地特会の決算が終わり、一般会計化されたが、今後も債権債務関係に応じられるよう管理すべきだ」。昭和19年度ないし20年度朝鮮総督府特会により旧外地特会の決算が終わったからといって、今後も債権債務関係を管理し続けるよう求めて、終わらない戦後を感じさせました。

 これに先立ち、総括質疑があり、NHK国会中継されました。安倍首相は「民進党は国家戦略特区と構造改革特区の違いが分かっていないのではないか」と挑発しました。民進党の篠原豪さんは「公文書管理法第8条の4にもとづき、安倍首相は6月1日からの財務省データー更新を止めさせるべきだ」と要求しました。

 次の本会議で院として是認するはこび。

【参議院決算委員会】

 「平成27年度決算」や「同年度国有財産増減計算書」などが民共反対、自公賛成多数で是認されました。国有財産無償貸し付け状況計算書は、民反対、自公共社賛成で是認。内閣に対する警告決議と措置要求決議は全会一致で決まりました。

 警告決議は、会計検査院が意見として付けた、内閣官房・内閣府が組織統廃合の間に台帳の備品が行方不明になっていることについてがイの一番になりました。案文は、岡田広委員長が理事会でとりまとめて、朗読し、全会一致で採択されました。

 委員会は、検査院に、中心市街地活性化策と東京オリパラ事業を検査するよう要求して散会しました。

 これに先立ち、しめくくり総括質疑がありました。テレビ入り。自民党トップバッターの山田宏参議院議員は、堕ちも堕ちたりの無残な姿。特区について、山本順三議院運営委員長の名前をあげて、「今治市は、(バブル期の)1980年代から大学を誘致していた」「(文部省官房長を更迭された)加戸前知事は、文科省について、後輩は情けないと言っていた」と正当化。続いて、歯医者によく通った方が良いと総理にうながし、特定検診の項目に入れるよう要求。尖閣諸島の天気予報はちゃんと発表しているのに、気象庁長官と総理に、尖閣地方を抜き出して、発表しろ、(不法な占領を要求し現在は実効支配できていない)中国が国内で放送しているなどと支離滅裂な主張を繰り返しました。ご事情はあるんでしょうが、24年前の都議選から衆院選にかけての、日本新党・松下政経塾1期生、山田宏都議の輝きを知っているだけに、人間ここまで堕ちるのだな、と暗澹たる思いでした。区長時代に愛人がいた、との報道があります。区長って愛人かかえるほどの収入があるわけないですよね。

 自民党の朝日健太郎さんは、東京オリパラについて質問しました。

 次の本会議で院として是認するはこび。

 衆参とも、スピーディー。玄葉、岡田両委員長、お疲れ様でした!

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]刑法改正案と旅館業法審議入り、退位特例法案衆通過、閣法成立率「94%」(筆者試算)ペースか

2017年06月02日 18時38分30秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[写真]27年ぶりの衆参単独過半数の自民党で、ある意味最強の政治家ともいえる、橋本聖子・参議院自民党会長(パネル)、2017年5月の参議院特別参観での参議院自民党の展示から、筆者・宮崎信行撮影。

 懸案だった退位特例法案が衆院を通過。刑法改正案と旅館業法改正案が衆議院で審議入りしました。筆者の試算では、今国会の新規内閣提出法案の成立率は、会期を延長しないでも94%前後か、それ以上になる見通し。退位法案の流れを見ても、育ちの悪い人々は、歴史を作ろうとするけど、歴史を学ばないのだな、と感じます。民進党の「提案」の成立率は0%の見通し。

【衆議院本会議 平成29年2017年6月2日(金)】

 日程第一の「電子委任状促進法案」(193閣法46号)。委員会では「全会一致」でしたが、本会議では起立多数で可決し、参議院に送られました。

 日程第二の「天皇退位特例法案」(193閣法66号)。これも委員会は全会一致でしたが、本会議では賛成多数で可決し、参送付。

 なお、日程第一と日程第二は議長の発議で審議順が入れ替わりました。

 この後、「刑法改正案」(193閣法47号)が金田法相が「明治40年以来、基本的に構成要件が変わっていない性犯罪の処罰規定を変える」と趣旨説明しました。代表質問で、元TBS政治部記者・ワシントン支局長の山口敬之・フリージャーナリストが「詩織さん」を睡眠ないし酩酊中に強姦した疑いがあり、逮捕状がでながらも、安倍官邸幹部だった警視庁刑事部長の判断で執行されなかったとされる疑惑について、松本国家公安委員長は「性犯罪は専門性が高く、捜査幹部が指導している。警視庁も告訴を受理し、捜査し、検察庁に省ルを送ったが、適正な捜査がされた」と答弁しました。個別の事案について、本会議で答弁したうえで、さらに刑事部長の意向が反映された、という異例の答弁でした。

【参議院本会議】

 「改正港湾法」は投票総数236、賛成222、反対14の賛成多数で可決し、成立しました。1か月以内に施行。

 「改正地方自治法」は投票総数235、賛成162、反対73の賛成多数で可決し、成立しました。議選監査委員を無くすことも選択肢となる、第31次地方制度調査会の報告書の法制化で、2019年4月1日(水)までに順次施行。

 これに先立ち、「住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)が石井啓一国土交通大臣から趣旨説明されました。「森友」の関係もあるかと思いましたが、自民党も代表質問に立ちました。

 散会前に、3つの調査会の中間報告がありました。「国際経済・外交に関する調査会の中間報告」、「国民生活・経済に関する調査会の中間報告」、「資源エネルギーに関する調査会の中間報告」。このうち1つの調査会では、会長ではない理事が登壇しましたが、その会長は今週の水曜日には、調査会に出ていました。

【衆議院厚生労働委員会】

 「ホームレス自立支援法を10年間延長する法案」(193衆法 号)が、丹羽秀樹委員長から起草され、全会一致で可決しました。「29年8月6日まで」を「39年8月6日まで」10年延長します。公布日に施行。

 「旅館業法改正案」(193閣法50号)が趣旨説明されました。衛生面などの規制を強化して、国交省の住宅宿泊事業法案とあわせて「民泊新法」を構成することになります。

 これに先立ち、一般質疑が7時間コースでありました。民進党の初鹿明博さんは「AV会社の社長が個人輸入の経口避妊薬ピルを個人輸入して、未成年女性2人に飲ませた。もちろん善意だったわけだが」「ホームレスとなった親子は、収入がある日はラブホテルで、収入が無い日はラブホテルの駐車場で暮した」と会期末らしい初鹿節を連発。5年前の延長国会の「真実の会」を見るようでした。

【衆議院法務委員会】

 一般質疑があり、本会議前に散会しました。次回は、6日(火)9時半からで、ここで刑法改正案が審議入りするとみられます。

【参議院沖縄及び北方問題に関する特別委員会】

 一般質疑がありました。

【官報】

 法律が11本公布されました。今国会の制定法律は50本となりました。筆者の試算では、今後提出される議員立法も含めて、会期を延長しなくても、制定法律は65号を超えると思います。きょねんの第190回通常国会の74本よりはかなり減ります。政権交代から5回目の通常国会となったことと、自民党が衆参単独過半数をとったことから、秋以降も、「束ね法案」が減る傾向がでるのではないか、と推測しています。

 きょう公布された法律。

 「防衛省設置法及び財政法を改正する法律」(国会審議での議案番号は193閣法26号)は、平成29年6月2日法律42号。きょうから来年3月にかけて順次施行。
 
 「改正国民生活センター法」(193閣法39号)は平成29年法律43号は、ことし10月1日(日)施行。

 「民法債権編改正法」(189閣法63号及び64号)は、平成29年6月2日法律44号及び平成29年6月2日法律45号として公布されました。公布の日から起算して3年以内の政令で定める日に施行しますので、2020年6月2日午前0時よりも前に施行します。

 「不動産特定事業法を改正してクラウドファンディングを規制する法律」(193閣法44号参先議)は、法律46号。6か月以内に施行。

 「改正企業立地促進・地域牽引企業法」(193閣法30号)は法律47号。3か月以内に施行。

 「農村地域工業等導入促進法を改正して商業サービス業を対象に加える改正法律」(193閣法29号)は、法律48号。2か月以内に施行。
 「改正銀行法」(193閣法38号)はフィンテックを促進するもので、平成29年法律49号。1年以内に施行。

 「通訳案内士法及び旅行業法を改正する法律」(193閣法59号衆修正)は、法律50号。きょうから9か月以内の日に、各々の政令で施行。
 「改正種の保存法」(193閣法33号)は、平成29年法律51号。1年以内に施行。
 「改正介護保険法」(193閣法15号)は、平成29年6月2日法律52号で、ことし8月1日(火)から施行。

 条約が5本公布されました。国会承認を求めたものは、すべて全会一致で承認されました。

「NPAFC北太平洋漁業委員会の特権及び免除に関する日本国政府と北太平洋漁業委員会との間の協定」は平成29年6月2日条約13号。
 「IPU万国郵便連合憲章の第九追加議定書」は条約14号。
 「万国郵便連合一般規則の第一追加議定書」は条約15号。
 「万国郵便条約」は条約16号。
 「郵便送金業務に関する約定」は平成29年6月2日条約第17号です。「約定(やくじょう)」というタイトルの国際約束は珍しいですね。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]衆区割り法案が本会議通過、退位特例法案が委員会通過で、衆議院は今週で閉幕モードへ

2017年06月01日 19時47分05秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]テレビ入り衆・議運委向けに模様替えした、第一委員室、2017年6月1日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 良くも悪くも、本会議・委員会がノンストップの、第193回通常国会。きょうは、衆参とも特に集中した日でした。ただ、「退位」も「区割り」も今週通過することになり、衆院は店じまいモードになります。私が把握する限り、5本以上の議員立法が予定されていますが、山を越しました。

【衆議院議院運営委員会 平成29年2017年6月1日(木)】

 「平成の明仁天皇陛下の退位特例法案」(193閣法66号)が趣旨説明されました。質疑の後、共産党が修正案を提出。採決では修正案は共のみ賛成で否決。政府原案は、全会一致で可決しました。今国会で成立。

 自民党は、政調会を中心に調整しており、総務会などで反発が出たようです。質疑に立った、茂木敏充会長に対して、菅義偉・内閣官房長官は「公布から3年以内の政令で定める日に施行するが、政令を決定する前には、首相はあらかじめ皇室会議に諮る」と明言しました。上皇には、侍従長、侍従次長を別に置くとしました。民進党は、蓮舫代表・野田佳彦幹事長の派閥「花斉会」メンバーが衆参とも調整しました。

 このもようは、いつもの、「サロン(議長応接室)」ではなく、第一委員室で開かれ、NHK、衆議院インターネット中継されました。これについて、岡田系の、安住淳さんは先月17日の定例記者会見で、自ら議運委員長らに働きかけて実現するはこびとなったことを明らかにしました。

【衆議院本会議】

 「民泊新法こと住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)は、共反対、自公民賛成多数で可決し、参議院に送付。

 「北朝鮮経済制裁の承認案」は全会一致で承認され、参へ。

 「衆議院小選挙区区割りを2015年国勢調査にもとづき改定する、平成6年政治改革法改正案」(193閣法65号)は共反対、自公民賛成多数で可決し、参送付。今国会で成立。

 「児童福祉法を改正して児相と家裁の連係を強める法案」(193閣法48号)は全会一致で可決し、参へ。施行日の規定は「公布から1か月以内」で、今国会で、参でも議了し、成立するとみられます。

【衆議院総務委員会】

 「電子委任状の普及の促進に関する法案」(193閣法46号)。民進党の小川淳也さんは「これで政府提出法案は最後になる」と高市早苗総務相をねぎらいました。共産党の梅村さえこさんは「法案を読んでみたが、マイナンバーという文字が出てこないように思える」と質問すると、高市さん(総務大臣兼マイナンバー担当大臣)は、「対面交付が基本であり、マイナンバーカードが必ず要する手続きは少ない」としました。採決は全会一致で「可決すべし」と決まりました。

【衆議院農林水産委員会】

 既に別エントリーにも書きましたが、2014年法律の付則にもとづく、「農業災害補償法を改正して農業保険法とする法案」(193閣法58号)が実質審議入りし、次回6日(火)に参考人質疑をすることにして、散会しました。

 栃木自民党は、前の選挙で、2区で、現職農相が小選挙区で落選(比例復活)するハプニングがありました。まあ、戦後の農政の歴史を知っていれば、不思議でもなんでもないのですが、3区では、東京から落下傘の自民党、簗和生さんが、渡辺喜美さん(現維新参議院議員)をやぶって、2期目の当選をしました。簗さんは「青色申告を前提にした収入保険を新設するこの法案が成立したら、来年4月施行になるから、税、JA、農業委員会での準備を急いでほしい」としました。

【衆議院憲法審査会】

 日本国憲法と基本法制、とくに新しい権利について2回目(?)の審査。参考人として、情報公開クリアリングハウスの三木由希子理事長が登場し「知る権利と情報公開法令」などの意見を述べました。次回の日程は未定のまま散会しました。遅々として進まないので、安倍さんの「年内に自民党案」の気持ちは共感します。

【衆議院原子力問題調査特別委員会】

 一般質疑がありました。原子力規制委員会、東京電力株式会社とも幹部がまもなく交代しますが、原発問題は終わりません。

【参議院内閣委員会】

 政局案件となった、「特区法改正案」(193閣法54号)が山本幸三・内閣府特命担当大臣から趣旨説明されました。そのまま、質疑に入りました。ちなみに、今次改正法案は、酒税法特区として、日本酒の規制緩和が入っていますが、たまたま、今日は改正酒税法でビールが値上げ、というニュースも話題になっていました。

 桜井充さんは別エントリーに書いた通り、与党・自民党内ですら事前審査されていないらしい実態を浮き彫りにしました。桜井さんは郵政民営化法案では、自民党が一時は事前審査ではじこうとしたとして、「竹中平蔵や八代尚宏ごときが決めた特区がなぜそのまま通るのか」、国家戦略特別区域諮問会議の有識者議員である「竹中平蔵のどこが有識者だ」と痛快に批判しました。次回も質疑は続きます。

【参議院総務委員会】

 「地方自治法改正案」(193閣法55号)は第31次地方制度調査会の答申の法制化で、質疑は2巡目。

 初代総務大臣で、最年長参議院議員の片山虎之助さんは「最近火事が多くないか?流行しているのか?」と問うと、消防庁は「前年から4%増えている」と答弁。「自警団の組織化はできたかが、運用が大事だ」と釘をさしながら、「この法案には賛成だ」としました。法案の中身については、地方独立行政法人について、職員の勤務条件などの懸念が出ました。

【参議院法務委員会】

 最大の対立法案となった「共謀罪法案」(193閣法64号衆修正)。参考人質疑についてですが、まずきょうの冒頭に委員長が図り、全会一致で議決。そこですぐに、教授、弁護士らが参考人として着席し、質疑がありました。午後の部は、法相、外相、国家公安委員長の3大臣が並んでの審査。別エントリーに書きましたが、自民党政調法務部会長の、古川俊治さんが法案の書き方について懸念を示しました。次回も質疑は続きます。

【参議院外交防衛委員会】

 「日印原子力協定の承認案」(193条約3号)は、意外と話題になりませんが、きょうの質疑だけでなく、次回も審査することにして、散会しました。

●参議院財政金融委員会はありませんでした。常連の大門実起史さんは国土交通委員会にさしかえで登場しました。

●参議院文教科学委員会もありませんでした。

【参議院厚生労働委員会】

 「医療法等包括改正法案」(193閣法57号)の審査。自民党は、日本臨床衛生検査技師会会長として、同組織で初めて全国比例で当選した、宮島喜文さんが質問。この後も、薬剤師、医師ら、ステークホルダーが登場しながら、ある意味、参議院らしい審査がされました。質疑は一巡で、次回も継続。

【参議院農林水産委員会】

 まず、一般質疑がありました。

 この後、「畜産物価格安定化法改正案」(193閣法40号)が山本有二農相から趣旨説明。次回6日(火)に参考人質疑をすることを決めて、散会しました。上述の衆の農業収入保険法改正法案は間に合うのでしょうか?

【参議院経済産業委員会】

 「中小企業信用保証法改正案」(193閣法31号)の参考人質疑。全国信用金庫連合会専務理事らが出席しました。

【参議院国土交通委員会】

 「港湾法改正案」(193閣法60号)。

 政権交代ある政治のおかげで、民進党の羽田雄一郎さんが、後輩国土交通大臣の石井さんに質問。平成28年熊本地震のさいの、国と市の調整についてたずねました。逐条審査的だったので、どういう経緯か分かりませんが、さしかえで登場した共産党の大門さんは質問通告が重なったようでした。私は「災害時の国の代行」がそのうち、国が港湾管理者になるのではないかと思っていましたが、質疑では、どうもそういう懸念は要らないような印象を持ちました。

 採決は、共産党反対、自民党、公明党、民進党、維新、希望の会、無所属クラブの賛成多数で可決しました。

●参議院環境委員会はありませんでした。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自民党法務部会長も「テロ等準備罪(共謀罪)法案」運用に懸念、現第3条第1項を略すな、現第2条第1項「団体」と新第6条の2「テロリズム集団その他の組織的な犯罪集団」どう違うのか?

2017年06月01日 14時52分09秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

 自民党法務部会長の古川俊治さんが、共謀罪法案に懸念を示しました。

 自民党法務部会長ですので、「テロ等準備罪法案、組織犯罪処罰法改正案」(193閣法64号衆修正)と書きますが、平成29年2017年6月1日(木)の参議院法務委員会で古川さんが登場。「参議院では、適応するときの基準とする審議を参議院ではしたい」としました。

 古川さんは医師兼弁護士の大秀才ですが、野党時には質問時間切れを「菅総理のせいだ」と語ったり、厚生労働委員会での筆頭理事だったのに、なぜか西田昌司さんに代わったりと、異色の議員です。

 きょうは、古川さんは組織犯罪処罰法の現行第3条第1項と新第6条の2。それと、現行第2条第1項と、新第6条第1項について、法案などの書き方がおかしいと指摘しました。これは、私も前々から思っていたことなので、単独の記事にさせていただきます。

 まず分かりやすい方からで、現行第2条第1項と、改正法案の新第6条第1項について。

 古川さんは、現行法

「「団体」とは、共同の目的を有する多数人の継続的結合体であって、その目的又は意思を実現する行為の全部又は一部が組織(指揮命令に基づき、あらかじめ定められた任務の分担に従って構成員が一体として行動する人の結合体

 に、改正法案が成立した場合に、溶け込む、

 新第6条の2
 「テロリズム集団その他の組織的犯罪 集団団体のうち、その結合関係の基礎としての共同の目的が別表第三に掲げる罪を 実行することにあるものをいう。次項において同じ。)の団体」

 の「団体」とはどう違うのかをただしました。これには、林真琴・法務省刑事局長も、過去の経緯を話しながらも、たどたどしい答弁。ひょっとすると、林局長は、公明党が「テロリズム」の文言を無理に加えたから分かりにくくなったのだ、と心中で思っていたかも。


 そして、これは前々から私も思っていた、法務省作成の資料類で、現行第3条第1項(組織的な犯罪等)を略したうえで、新第6条の2にかる、現行別表第3と新別表第4が、どうして別々にあるのか、というところです。これに関する当該部分のコピペで、この記事は終わりますが、県警のお巡りさんが、この法律を読みこなさると思いますか?

 現行第3条第1項=国会提出の資料類では「略」とかかれている=で、改正法案が仮に成立しても継続する。

「(組織的な殺人等)第三条  次の各号に掲げる罪に当たる行為が、団体の活動(団体の意思決定に基づく行為であって、その効果又はこれによる利益が当該団体に帰属するものをいう。以下同じ。)として、当該罪に当たる行為を実行するための組織により行われたときは、その罪を犯した者は、当該各号に定める刑に処する。

一  刑法 (明治四十年法律第四十五号)第九十六条 (封印等破棄)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
二  刑法第九十六条の二 (強制執行妨害目的財産損壊等)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
三  刑法第九十六条の三 (強制執行行為妨害等)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
四  刑法第九十六条の四 (強制執行関係売却妨害)の罪 五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金又はこれらの併科
五  刑法第百八十六条第一項 (常習賭博)の罪 五年以下の懲役
六  刑法第百八十六条第二項 (賭博場開張等図利)の罪 三月以上七年以下の懲役
七  刑法第百九十九条 (殺人)の罪 死刑又は無期若しくは六年以上の懲役
八  刑法第二百二十条 (逮捕及び監禁)の罪 三月以上十年以下の懲役
九  刑法第二百二十三条第一項 又は第二項 (強要)の罪 五年以下の懲役
十  刑法第二百二十五条の二 (身の代金目的略取等)の罪 無期又は五年以上の懲役
十一  刑法第二百三十三条 (信用毀損及び業務妨害)の罪 五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
十二  刑法第二百三十四条 (威力業務妨害)の罪 五年以下の懲役又は五十万円以下の罰金
十三  刑法第二百四十六条 (詐欺)の罪 一年以上の有期懲役
十四  刑法第二百四十九条 (恐喝)の罪 一年以上の有期懲役
十五  刑法第二百六十条 前段(建造物等損壊)の罪 七年以下の懲役」

 改正法案で、上の現行法に追加されることになる、新・第6条の2、そして、現行・別表第3、新・別表第4は次の通り。

第六条の二(略)その 計画をした者のいずれかによりその計画に基づき資金又は物品の手配、関係場所の下 見その他の計画をした犯罪を実行するための準備行為が行われたときは、当該各号に 定める刑に処する。ただし、実行に着手する前に自首した者は、その刑を減軽し、又 は免除する。 一 別表第四に掲げる罪のうち、死刑又は無期若しくは長期十年を超える懲役若しく は禁錮の刑が定められているもの 五年以下の懲役又は禁錮 二 別表第四に掲げる罪のうち、長期四年以上十年以下の懲役又は禁錮の刑が定めら れているもの 二年以下の懲役又は禁錮


新別表第三

別表第三(第六条の二関係) 一 第三条(組織的な殺人等)、第九条第一項から第三項まで(不法収益等による法 人等の事業経営の支配を目的とする行為)、第十条第一項(犯罪収益等隠匿)又は 第十一条(犯罪収益等収受)の罪 二イ 刑法第七十七条第一項(内乱)の罪(同項第三号に係る部分を除く。)又は同 法第七十九条(内乱等幇 ほう 助)の罪(同項の罪(同項第三号に係る部分に限る。) 及び同法第七十七条第二項の罪に係るものを除く。) ロ 刑法第八十一条(外患誘致)又は第八十二条(外患援助)の罪 ハ 刑法第百六条(騒乱)の罪(同条第三号に係る部分を除く。) ニ 刑法第百八条(現住建造物等放火)、第百九条第一項(非現住建造物等放火) 若しくは第百十条第一項(建造物等以外放火)の罪又は同法第百十七条第一項 (激発物破裂)の罪(同法第百八条、第百九条第一項又は第百十条第一項の例に より処断すべきものに限る。) ホ 刑法第百十九条(現住建造物等浸害)又は第百二十条(非現住建造物等浸害) の罪 ヘ 刑法第百二十五条(往来危険)又は第百二十六条第一項若しくは第二項(汽車 転覆等)の罪 ト 刑法第百三十六条(あへん煙輸入等)、第百三十七条(あへん煙吸食器具輸入 等)又は第百三十九条第二項(あへん煙吸食のための場所提供)の罪 チ 刑法第百四十三条(水道汚染)、第百四十六条前段(水道毒物等混入)又は第 百四十七条(水道損壊及び閉塞)の罪 リ 刑法第百四十八条(通貨偽造及び行使等)又は第百四十九条(外国通貨偽造及 び行使等)の罪 ヌ 刑法第百五十五条第一項(有印公文書偽造)若しくは第二項(有印公文書変 造)の罪、同法第百五十六条(有印虚偽公文書作成等)の罪(同法第百五十五条 第一項又は第二項の例により処断すべきものに限る。)若しくは同法第百五十七 条第一項(公正証書原本不実記載等)の罪若しくはこれらの罪に係る同法第百五 十八条第一項(偽造公文書行使等)の罪、同法第百五十九条第一項(有印私文書 偽造)若しくは第二項(有印私文書変造)の罪若しくはこれらの罪に係る同法第 百六十一条第一項(偽造私文書等行使)の罪又は同法第百六十一条の二第一項か ら第三項まで(電磁的記録不正作出及び供用)の罪 ル 刑法第百六十二条(有価証券偽造等)又は第百六十三条第一項(偽造有価証券 行使等)の罪 ヲ 刑法第百六十三条の二(支払用カード電磁的記録不正作出等)又は第百六十三 条の三(不正電磁的記録カード所持)の罪 ワ 刑法第百六十五条(公印偽造及び不正使用等)の罪 カ 刑法第百七十六条から第百七十八条まで(強制わいせつ、強制性交等、準強制 わいせつ及び準強制性交等)の罪 ヨ 刑法第百九十一条(墳墓発掘死体損壊等)の罪 タ 刑法第百九十七条第一項前段(収賄)若しくは第二項(事前収賄)、第百九十 七条の二から第百九十七条の四まで(第三者供賄、加重収賄及び事後収賄、あっ せん収賄)又は第百九十八条(贈賄)の罪 レ 刑法第二百四条(傷害)の罪 ソ 刑法第二百二十四条(未成年者略取及び誘拐)、第二百二十五条(営利目的等 略取及び誘拐)、第二百二十六条(所在国外移送目的略取及び誘拐)、第二百二 十六条の二第一項、第四項若しくは第五項(人身売買)、第二百二十六条の三 (被略取者等所在国外移送)又は第二百二十七条第一項、第三項若しくは第四項 (被略取者引渡し等)の罪 ツ 刑法第二百三十四条の二第一項(電子計算機損壊等業務妨害)の罪 ネ 刑法第二百三十五条から第二百三十六条まで(窃盗、不動産侵奪、強盗)、第 二百三十八条(事後強盗)又は第二百三十九条(昏 こん 酔強盗)の罪 ナ 刑法第二百四十六条の二から第二百四十八条まで(電子計算機使用詐欺、背任、 準詐欺)の罪 ラ 刑法第二百五十二条(横領)の罪 ム 刑法第二百五十六条第二項(盗品有償譲受け等)の罪 三 爆発物取締罰則(明治十七年太政官布告第三十二号)第一条(爆発物の使用)又 は第三条、第五条若しくは第六条(爆発物の製造等)の罪 四 外国において流通する貨幣紙幣銀行券証券偽造変造及び模造に関する法律(明治 三十八年法律第六十六号)第一条(偽造等)、第二条(偽造外国流通貨幣等の輸 入)又は第三条第一項(偽造外国流通貨幣等の行使等)の罪 五 印紙犯罪処罰法(明治四十二年法律第三十九号)第一条(偽造等)又は第二条第 一項(偽造印紙等の使用等)の罪 六 海底電信線保護万国連合条約罰則(大正五年法律第二十号)第一条第一項(海底 電信線の損壊)の罪 七 労働基準法(昭和二十二年法律第四十九号)第百十七条(強制労働)の罪 八 職業安定法(昭和二十二年法律第百四十一号)第六十三条(暴行等による職業紹 介等)の罪 九 児童福祉法第六十条第一項(児童淫行)の罪又は同条第二項(児童の引渡し及び 支配)の罪(同法第三十四条第一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限 る。) 十 郵便法(昭和二十二年法律第百六十五号)第八十五条第一項(切手類の偽造等) の罪 十一 金融商品取引法第百九十七条(虚偽有価証券届出書等の提出等)又は第百九十 七条の二(内部者取引等)の罪 十二 大麻取締法(昭和二十三年法律第百二十四号)第二十四条第一項(大麻の栽培 等)、第二十四条の二第一項(大麻の所持等)又は第二十四条の三第一項(大麻の 使用等)の罪 十三 船員職業安定法(昭和二十三年法律第百三十号)第百十一条(暴行等による船 員職業紹介等)の罪 十四 競馬法(昭和二十三年法律第百五十八号)第三十条(無資格競馬等)の罪 十五 自転車競技法(昭和二十三年法律第二百九号)第五十六条(無資格自転車競走 等)の罪 十六 外国為替及び外国貿易法(昭和二十四年法律第二百二十八号)第六十九条の六 第一項若しくは第二項(国際的な平和及び安全の維持を妨げることとなる無許可取 引等)又は第六十九条の七第一項(特定技術提供目的の無許可取引等)の罪 十七 電波法(昭和二十五年法律第百三十一号)第百八条の二第一項(電気通信業務 等の用に供する無線局の無線設備の損壊等)の罪 十八 小型自動車競走法(昭和二十五年法律第二百八号)第六十一条(無資格小型自 動車競走等)の罪 十九 文化財保護法(昭和二十五年法律第二百十四号)第百九十三条(重要文化財の 無許可輸出)、第百九十五条第一項(重要文化財の損壊等)又は第百九十六条第一 項(史跡名勝天然記念物の滅失等)の罪 二十 地方税法(昭和二十五年法律第二百二十六号)第百四十四条の三十三第一項 (軽油等の不正製造)又は第百四十四条の四十一第一項から第三項まで若しくは第 五項(軽油引取税に係る脱税)の罪 二十一 商品先物取引法第三百五十六条(商品市場における取引等に関する風説の流 布等)の罪 二十二 道路運送法(昭和二十六年法律第百八十三号)第百条第一項(自動車道にお ける自動車往来危険)又は第百一条第一項(事業用自動車の転覆等)の罪 二十三 投資信託及び投資法人に関する法律第二百三十六条第四項(投資主の権利の 行使に関する利益の受供与等についての威迫行為)の罪 二十四 モーターボート競走法(昭和二十六年法律第二百四十二号)第六十五条(無 資格モーターボート競走等)の罪 二十五 森林法(昭和二十六年法律第二百四十九号)第百九十八条(保安林の区域内 における森林窃盗)、第二百一条第二項(森林窃盗の贓 ぞう 物の運搬等)又は第二百二 条第一項(他人の森林への放火)の罪 二十六 覚せい 、、 剤取締法第四十一条第一項(覚醒剤の輸入等)、第四十一条の二第一 項若しくは第二項(覚醒剤の所持等)、第四十一条の三第一項若しくは第二項(覚 醒剤の使用等)又は第四十一条の四第一項(管理外覚醒剤の施用等)の罪 二十七 出入国管理及び難民認定法第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不 法上陸)若しくは第五号(不法残留)若しくは第二項(不法在留)の罪(正犯によ り犯されたものを除く。)、同法第七十三条の三第一項から第三項まで(在留カー ド偽造等)、第七十三条の四(偽造在留カード等所持)、第七十四条第一項(集団 密航者を不法入国させる行為等)、第七十四条の二(集団密航者の輸送)若しくは 第七十四条の四第一項(集団密航者の収受等)の罪、同法第七十四条の六(不法入 国等援助)の罪(同法第七十条第一項第一号又は第二号に規定する行為に係るもの に限る。)又は同法第七十四条の六の二第一項第一号(難民旅行証明書等の不正受 交付)若しくは第二号(偽造外国旅券等の所持等)若しくは第二項(営利目的の難 民旅行証明書等の不正受交付等)若しくは第七十四条の八第一項若しくは第二項 (不法入国者等の蔵匿等)の罪 二十八 旅券法第二十三条第一項(旅券等の不正受交付等)の罪 二十九 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく 施設及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑 事特別法(昭和二十七年法律第百三十八号)第五条(軍用物の損壊等)の罪 三十 麻薬及び向精神薬取締法(昭和二十八年法律第十四号)第六十四条第一項(ジ アセチルモルヒネ等の輸入等)、第六十四条の二第一項若しくは第二項(ジアセチ ルモルヒネ等の製剤等)、第六十四条の三第一項若しくは第二項(ジアセチルモル ヒネ等の施用等)、第六十五条第一項若しくは第二項(ジアセチルモルヒネ等以外 の麻薬の輸入等)、第六十六条第一項(ジアセチルモルヒネ等以外の麻薬の製剤 等)、第六十六条の二第一項(麻薬の施用等)、第六十六条の三第一項(向精神薬 の輸入等)又は第六十六条の四第二項(営利目的の向精神薬の譲渡等)の罪 三十一 有線電気通信法(昭和二十八年法律第九十六号)第十三条第一項(有線電気 通信設備の損壊等)の罪 三十二 武器等製造法第三十一条第一項(銃砲の無許可製造)若しくは第三十一条の 二第一項(銃砲弾の無許可製造)の罪又は同法第三十一条の三第四号(猟銃等の無 許可製造)の罪(猟銃の製造に係るものに限る。) 三十三 ガス事業法(昭和二十九年法律第五十一号)第百九十二条第一項(ガス工作 物の損壊等)の罪 三十四 関税法(昭和二十九年法律第六十一号)第百八条の四第一項若しくは第二項 (輸出してはならない貨物の輸出)、第百九条第一項若しくは第二項(輸入しては ならない貨物の輸入)、第百九条の二第一項若しくは第二項(輸入してはならない 貨物の保税地域への蔵置等)、第百十条第一項若しくは第二項(偽りにより関税を 免れる行為等)、第百十一条第一項若しくは第二項(無許可輸出等)又は第百十二 条第一項(輸出してはならない貨物の運搬等)の罪 三十五 あへん法(昭和二十九年法律第七十一号)第五十一条第一項若しくは第二項 (けしの栽培等)又は第五十二条第一項(あへんの譲渡し等)の罪 三十六 自衛隊法(昭和二十九年法律第百六十五号)第百二十一条(自衛隊の所有す る武器等の損壊等)の罪 三十七 出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律第五条(高金利等)、 第五条の二第一項(高保証料)、第五条の三(保証料がある場合の高金利等)又は 第八条第一項若しくは第二項(業として行う著しい高金利の脱法行為等)の罪 三十八 補助金等に係る予算の執行の適正化に関する法律第二十九条(不正の手段に よる補助金等の受交付等)の罪 三十九 売春防止法第八条第一項(対償の収受等)、第十一条第二項(業として行う 場所の提供)、第十二条(売春をさせる業)又は第十三条(資金等の提供)の罪 四十 高速自動車国道法(昭和三十二年法律第七十九号)第二十六条第一項(高速自 動車国道の損壊等)の罪 四十一 水道法(昭和三十二年法律第百七十七号)第五十一条第一項(水道施設の損 壊等)の罪 四十二 銃砲刀剣類所持等取締法第三十一条第二項若しくは第三項(拳銃等の発射)、 第三十一条の二第一項(拳銃等の輸入)、第三十一条の三第三項若しくは第四項 (拳銃等の所持等)、第三十一条の四第一項若しくは第二項(拳銃等の譲渡し等)、 第三十一条の六(偽りの方法により拳銃等の所持の許可を受ける行為)、第三十一 条の七第一項(拳銃実包の輸入)、第三十一条の八(拳銃実包の所持)、第三十一 条の九第一項(拳銃実包の譲渡し等)、第三十一条の十一第一項(猟銃の所持等) 又は第三十一条の十三(拳銃等の輸入に係る資金等の提供)の罪 四十三 下水道法(昭和三十三年法律第七十九号)第四十四条第一項(公共下水道の 施設の損壊等)の罪 四十四 特許法(昭和三十四年法律第百二十一号)第百九十六条又は第百九十六条の 二(特許権等の侵害)の罪 四十五 実用新案法(昭和三十四年法律第百二十三号)第五十六条(実用新案権等の 侵害)の罪 四十六 意匠法(昭和三十四年法律第百二十五号)第六十九条又は第六十九条の二 (意匠権等の侵害)の罪 四十七 商標法(昭和三十四年法律第百二十七号)第七十八条又は第七十八条の二 (商標権等の侵害)の罪 四十八 道路交通法(昭和三十五年法律第百五号)第百十五条(不正な信号機の操作 等)の罪 四十九 医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律第八十 三条の九(業として行う指定薬物の製造等)の罪 五十 新幹線鉄道における列車運行の安全を妨げる行為の処罰に関する特例法(昭和 三十九年法律第百十一号)第二条第一項(自動列車制御設備の損壊等)の罪 五十一 電気事業法(昭和三十九年法律第百七十号)第百十五条第一項(電気工作物 の損壊等)の罪 五十二 所得税法(昭和四十年法律第三十三号)第二百三十八条第一項若しくは第三 項若しくは第二百三十九条第一項(偽りにより所得税を免れる行為等)又は第二百 四十条第一項(所得税の不納付)の罪 五十三 法人税法(昭和四十年法律第三十四号)第百五十九条第一項又は第三項(偽 りにより法人税を免れる行為等)の罪 五十四 公海に関する条約の実施に伴う海底電線等の損壊行為の処罰に関する法律 (昭和四十三年法律第百二号)第一条第一項(海底電線の損壊)又は第二条第一項 (海底パイプライン等の損壊)の罪 五十五 著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第百十九条第一項又は第二項(著 作権等の侵害等)の罪 五十六 航空機の強取等の処罰に関する法律(昭和四十五年法律第六十八号)第一条 第一項(航空機の強取等)又は第四条(航空機の運航阻害)の罪 五十七 廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和四十五年法律第百三十七号)第二 十五条第一項(無許可廃棄物処理業等)の罪 五十八 火炎びんの使用等の処罰に関する法律(昭和四十七年法律第十七号)第二条 第一項(火炎びんの使用)の罪 五十九 熱供給事業法(昭和四十七年法律第八十八号)第三十四条第一項(熱供給施 設の損壊等)の罪 六十 航空の危険を生じさせる行為等の処罰に関する法律(昭和四十九年法律第八十 七号)第一条(航空危険)、第二条第一項(航行中の航空機を墜落させる行為等)、 第三条第一項(業務中の航空機の破壊等)又は第四条(業務中の航空機内への爆発 物等の持込み)の罪 六十一 人質による強要行為等の処罰に関する法律第一条第一項若しくは第二項(人 質による強要等)又は第二条(加重人質強要)の罪 六十二 細菌兵器(生物兵器)及び毒素兵器の開発、生産及び貯蔵の禁止並びに廃棄 に関する条約等の実施に関する法律(昭和五十七年法律第六十一号)第九条第一項 (生物兵器等の使用)若しくは第二項(生物剤等の発散)又は第十条第一項(生物 兵器等の製造)若しくは第二項(生物兵器等の所持等)の罪 六十三 貸金業法(昭和五十八年法律第三十二号)第四十七条(無登録営業等)の罪 六十四 労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律第 五十八条(有害業務目的の労働者派遣)の罪 六十五 流通食品への毒物の混入等の防止等に関する特別措置法(昭和六十二年法律 第百三号)第九条第一項(流通食品への毒物の混入等)の罪 六十六 消費税法(昭和六十三年法律第百八号)第六十四条第一項又は第四項(偽り により消費税を免れる行為等)の罪 六十七 日本国との平和条約に基づき日本の国籍を離脱した者等の出入国管理に関す る特例法第二十六条第一項から第三項まで(特別永住者証明書の偽造等)又は第二 十七条(偽造特別永住者証明書等の所持)の罪 六十八 麻薬特例法第六条第一項(薬物犯罪収益等隠匿)又は第七条(薬物犯罪収益 等収受)の罪 六十九 絶滅のおそれのある野生動植物の種の保存に関する法律(平成四年法律第七 十五号)第五十七条の二(国内希少野生動植物種等の生きている個体の捕獲等)の 罪 七十 不正競争防止法第二十一条第一項から第三項まで(営業秘密の不正取得等)の 罪 七十一 化学兵器の禁止及び特定物質の規制等に関する法律(平成七年法律第六十五 号)第三十八条第一項(化学兵器の使用)若しくは第二項(毒性物質等の発散)又 は第三十九条第一項から第三項まで(化学兵器の製造等)の罪 七十二 サリン等による人身被害の防止に関する法律第五条第一項(サリン等の発 散)又は第六条第一項(サリン等の製造等)の罪 七十三 保険業法第三百三十一条第四項(株主等の権利の行使に関する利益の受供与 等についての威迫行為)の罪 七十四 臓器の移植に関する法律(平成九年法律第百四号)第二十条第一項(臓器売 買等)の罪 七十五 スポーツ振興投票の実施等に関する法律(平成十年法律第六十三号)第三十 二条(無資格スポーツ振興投票)の罪 七十六 種苗法(平成十年法律第八十三号)第六十七条(育成者権等の侵害)の罪 七十七 資産の流動化に関する法律第三百十一条第六項(社員等の権利等の行使に関 する利益の受供与等についての威迫行為)の罪 七十八 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(平成十年法律第 百十四号)第六十七条第一項(一種病原体等の発散)、第六十八条第一項若しくは 第二項(一種病原体等の輸入)、第六十九条第一項(一種病原体等の所持等)又は 第七十条(二種病原体等の輸入)の罪 七十九 対人地雷の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律(平成十年法律第百十 六号)第二十二条第一項(対人地雷の製造)又は第二十三条(対人地雷の所持)の 罪 八十 児童買春、児童ポルノに係る行為等の規制及び処罰並びに児童の保護等に関す る法律(平成十一年法律第五十二号)第五条第一項(児童買春周旋)、第六条第一 項(児童買春勧誘)又は第七条第六項から第八項まで(児童ポルノ等の不特定又は 多数の者に対する提供等)の罪 八十一 民事再生法第二百五十五条(詐欺再生)又は第二百五十六条(特定の債権者 に対する担保の供与等)の罪 八十二 公衆等脅迫目的の犯罪行為のための資金等の提供等の処罰に関する法律第二 条第一項(公衆等脅迫目的の犯罪行為を実行しようとする者による資金等を提供さ せる行為)又は第三条第一項から第三項まで若しくは第四条第一項(公衆等脅迫目 的の犯罪行為を実行しようとする者以外の者による資金等の提供等)の罪 八十三 電子署名等に係る地方公共団体情報システム機構の認証業務に関する法律 (平成十四年法律第百五十三号)第七十三条第一項(不実の署名用電子証明書等を 発行させる行為)の罪 八十四 会社更生法第二百六十六条(詐欺更生)又は第二百六十七条(特定の債権者 等に対する担保の供与等)の罪 八十五 破産法第二百六十五条(詐欺破産)又は第二百六十六条(特定の債権者に対 する担保の供与等)の罪 八十六 会社法第九百六十三条から第九百六十六条まで(会社財産を危うくする行為、 虚偽文書行使等、預合い、株式の超過発行)、第九百六十八条(株主等の権利の行 使に関する贈収賄)又は第九百七十条第四項(株主等の権利の行使に関する利益の 受供与等についての威迫行為)の罪 八十七 放射線を発散させて人の生命等に危険を生じさせる行為等の処罰に関する法 律第三条第一項(放射線の発散等)、第四条第一項(原子核分裂等装置の製造)、 第五条第一項若しくは第二項(原子核分裂等装置の所持等)、第六条第一項(特定 核燃料物質の輸出入)、第七条(放射性物質等の使用の告知による脅迫)又は第八 条(特定核燃料物質の窃取等の告知による強要)の罪 八十八 海賊行為の処罰及び海賊行為への対処に関する法律第三条第一項又は第三項 (海賊行為)の罪 八十九 クラスター弾等の製造の禁止及び所持の規制等に関する法律(平成二十一年 法律第八十五号)第二十一条第一項(クラスター弾等の製造)又は第二十二条(ク ラスター弾等の所持)の罪 九十 平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所 の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法 (平成二十三年法律第百十号)第六十条第一項(汚染廃棄物等の投棄等)の罪

新別表第四

別表第四(第六条の二関係) 一 別表第三に掲げる罪(次に掲げる罪を除く。) イ 第十一条(犯罪収益等収受)の罪 ロ 刑法第七十七条第一項(内乱)の罪(同項第三号に係る部分を除く。)並びに 同法第八十一条(外患誘致)、第八十二条(外患援助)及び第百九十八条(贈 賄)の罪 ハ 爆発物取締罰則第一条(爆発物の使用)の罪 ニ 児童福祉法第六十条第二項(児童の引渡し及び支配)の罪(同法第三十四条第 一項第七号又は第九号の違反行為に係るものに限る。) ホ 出入国管理及び難民認定法第七十条第一項第一号(不法入国)、第二号(不法 上陸)及び第五号(不法残留)並びに第二項(不法在留)の罪(正犯により犯さ れたものを除く。)、同法第七十四条の二第一項(集団密航者の輸送)の罪、同 法第七十四条の六(不法入国等援助)の罪(同法第七十条第一項第一号又は第二 号に規定する行為に係るものに限る。)並びに同法第七十四条の六の二第一項第 一号(難民旅行証明書等の不正受交付)及び第二号(偽造外国旅券等の所持等) 並びに第七十四条の八第一項(不法入国者等の蔵匿等)の罪 ヘ 麻薬特例法第七条(薬物犯罪収益等収受)の罪 二 第七条(組織的な犯罪に係る犯人蔵匿等)の罪(同条第一項第一号から第三号ま でに掲げる者に係るものに限る。)又は第七条の二第二項(証人等買収)の罪 三イ 刑法第九十八条(加重逃走)、第九十九条(被拘禁者奪取)又は第百条第二項 (逃走援助)の罪 ロ 刑法第百六十九条(偽証)の罪 四 爆発物取締罰則第九条(爆発物の使用、製造等の犯人の蔵匿等)の罪 五 日本国とアメリカ合衆国との間の相互協力及び安全保障条約第六条に基づく施設 及び区域並びに日本国における合衆国軍隊の地位に関する協定の実施に伴う刑事特 別法第四条第一項(偽証)の罪 六 国際刑事裁判所に対する協力等に関する法律(平成十九年法律第三十七号)第五 十六条(組織的な犯罪に係る証拠隠滅等)又は第五十七条第一項(偽証)の罪

このエントリー記事の本文は以上です。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

農業収入保険創設の農業保険法案が実質審議入り「大規模農家が有利」「複式簿記での青色申告啓発」

2017年06月01日 13時33分42秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[写真]農林水産省、東京都千代田区霞が関、2017年5月、筆者・宮崎信行撮影。

 災害だけでなく、収入の増減を保険する、「農業災害保障法を改正して、農業保険法にする法案」(193閣法58号)が、衆議院農林水産委員会で、平成29年2017年6月1日(木)、実質審議入りしました。

 きょうは自民党から野党まで審議一巡。次回は6日(火)に参考人質疑をすることにしています。

 質疑では公明党の稲津久さんが「大規模農家や複合経営者には有利で、農業の規模拡大につながる」との見通しを示しました。

 民進党の小山展弘さんは「料率は1%と聞いている。営農継続の意思を確認するというが、どのようにやるのか」と山本有二農相に問いました。

 与党・自民党の簗和生さんは、「複式簿記方式での、青色申告で税を申告、納付することが前提になる。JAや農業委員会はどうかかわるのか」と問うと、農林水産省経営局長は「JAや、農業委員会にも、パンフレットを配っており、青色申告の啓発や相談に乗ってほしい」としました。簗さんは「支払い見込み額を事前に示さないと、つなぎ融資を受けられないかもしれない」とし、税申告の時期と、出荷の時期のタイムラグに配慮するよう求めました。

 与党議員からは、「来年4月1日施行(の予定)でタイトな日程なので、準備を急いでほしい」としました。

 70年間続いた米の生産数量目標(減反)政策は、「米価審議会方式」「総合農政」を経て、2010年の民進党政権時から、「農業者戸別所得補償」になりました。その後、2013年からは自民党政権により「経営所得安定対策」となりました。

 今回は、財政難もあり、税のみでなく、保険料も徴収することで、災害だけでなく、需給による米価の変動などにも対応することになりました。

 この法案は、野党・民進党が、2014年に初めて提出した農業者戸別所得補償法案の、1か月以上にわたる、閣法「経営所得安定対策法」との審議の、最終局面に、自民党によって、修正された附帯でプログラムされたものです。

 3年前、2014年通常国会の法律の附則でプログラム

は次の通りです。

法律の附則から引用はじめ]

農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案


 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案に対する修正案
 農業の担い手に対する経営安定のための交付金の交付に関する法律の一部を改正する法律案の一部を次のように修正する。
 附則に次の一条を加える。
 (収入変動に対する総合的な施策の検討)
第六条 政府は、この法律の施行後三年を目途として、農産物に係る収入の著しい変動が農業者の農業経営に及ぼす影響を緩和するための総合的な施策の在り方について、農業災害補償法(昭和二十二年法律第百八十五号)の規定による共済事業の在り方を含めて検討を加え、その結果に基づいて必要な法制上の措置を講ずるものとする。

[引用おわり]

 このプログラムに沿って、実際に、2017年国会に法案が出てきたことになります。

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

「竹中平蔵のどこが有識者だ」国家戦略特区は、与党・自民党の事前審査も無しか、桜井充さん「自民党も官僚も気の毒」

2017年06月01日 12時44分50秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]桜井充さん、2017年6月1日、参議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 昨夏、減員1人区で議席を守った、民進党の桜井充(櫻井充)元政調会長は、平成29年2017年6月1日(木)の参議院内閣委員会で、

 「竹中平蔵のどこが有識者だ?」と、国家戦略特区諮問会議の在り方を批判しました。

 山本幸三・国家戦略特区担当大臣は、「人物の評価はしない」と答弁しました。

 議題は、「特区法改正案(国家戦略特区法及び構造改革特区法改正法案)」(193閣法54号)。

 桜井さんは、党内プロジェクトチーム共同座長をつとめる、学校法人加計学園による、岡山理科大学獣医学部特区(愛媛県今治市)について質問。桜井さんは「与党・自民党内の事前審査はあったのか」と問うと、山本大臣は「文部科学省がしているのではないか」として、不明だとしました。この件に関しては、文科省の事務次官経験者や高等教育局関係者が、事前に「無理だ」として内閣府に振った、との文書が関心事となっています。

 桜井さんは「自民党も、官僚もかわいそうだ」と、官邸・特区諮問会議を批判しました。

 桜井さんは「与党の事前審査もせず、竹中平蔵や、八代尚宏ごときが決めたことだ。竹中平蔵が推進した郵政民営化は、与党・自民党が事前審査で(一度は)止めたでしょう。第一、竹中平蔵は、人材派遣会社(パソナ)の経営者だ」として、労働、農業改革を進める特区全体を批判しました。

 山本大臣が「竹中さんは有識者議員として、諮問会議に参加している」と答弁すると、桜井さんは「竹中平蔵のどこが有識者だ?」と問いました。

 ◇

 ところで、きょうは、当ブログ内の、特区(国家戦略特区及び構造改革特区)に関するエントリーへのアクセスが増えています。

 もともとは、私が勤めていた株式会社日本経済新聞社が、2002年ごろから、最初の特区で、容積率緩和特区として、東京都庁指定の、大手町1丁目地区都市再生特区、D-1街区として、経団連・JA・日経で、30階建ての高層ビルを建てたことから、「皇居周辺の天皇陛下のお空を売るな」「貸借対照表の土地1000億円の評価は高過ぎ」と考えていて、ずっと問題意識を持ってきました。

 その後、あす公布される改正民法について、その前段階で、「公証人が喫茶店でも外国人経営者の新法人登記の公証をできる特区」というニッチな特区が入ったことで、「融資の連帯保証の公正証書(手数料1万1000円)」の特区として、各銀行の窓口に「箱男」のように公証人が常在する特区へ広がるのではないか、との懸念を表明しました。この辺のいろいろな問題意識が、この6月に重なってきたため、関心が集まっているようです。とにかく、関連エントリーのリンクを張りますが、何年の国会に提出された法案なのかは留意してください。

国家戦略特区法改正案、今国会に再提出へ 「公証人特区」は「民法連帯保証改正法案」とのかねあいで削除を

2015年01月28日 06時10分21秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

民法債権編抜本改悪法案ついに提出さる 連帯保証の公正証書化にひそむ安倍官邸公証人特区の深い罠
2015年03月31日 23時59分05秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

特区法改正案、今国会に再提出「公証人特区」「地域限定保育士」「公園内の保育所」
2015年04月03日 23時59分13秒 | 第189回通常国会2015年安保国会

特区法改正案、第193回通常国会提出へ 国家戦略特別区域諮問会議で首相が言及
2016年10月04日 23時59分44秒 | 第193回通常国会(2017年1月から)

都市緑地法及び都市公園法改正法案提出、公園の整備・カフェを民間に開放する新自由主義、おととしの「公園内保育所特区」はわずか2年で全国恒久法に【追記有】
2017年02月10日 23時59分28秒 | 第193回通常国会(2017年1月から)

このエントリーの本文記事は以上です。

(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

[きょうの国会]衆議院新区割り2015年国勢調査反映のための平成6年政治改革法改正案が衆・倫選特で可決、今国会で成立し、第48回衆院選で適用

2017年05月31日 17時57分13秒 | 第193回通常国会(2017年1月から6月まで)学校法人森友・加計学園国会

[画像]総務大臣の高市早苗さん(左)と岩屋毅さん(右)、2017年5月31日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 意外と話題にならなかった「民泊新法」が衆・委員会で可決。減反改め農業保険法が審議入りしました。

 そして何より大事な、私は憲法と同格の最高法規だとすら思っている、平成6年政治改革4法にもとづく、2015年国勢調査を反映した、衆議院新区割り(289小選挙区+176比例代表)の法案が衆委員会を可決しました。

【衆議院政治倫理の確立及び公職選挙法改正に関する特別委員会(衆・倫選特)平成29年2017年5月31日(水)】

 倫選特を書き始めたら、長いのですが、すべてに優先して重要な委員会なのに、あまり読まれないので、逆に、「きょうの国会」まとめエントリーの冒頭にずらずら書きます。

 「2015年国勢調査を反映した、衆議院新区割りを法制化する、平成6年政治改革関連法改正案」(193閣法65号)は先週趣旨説明されていました。

 採決の結果は、共反対、自公民など賛成多数で可決しました。今国会の当初会期内に成立、7月上旬に施行し、第48回衆院選で政権交代の是非を問うルールになります。

●今も生きる平成6年政治改革4法、岩屋毅さんが高市大臣ねぎらい。

 答弁は、総務大臣である、1993年与党初当選組の高市早苗さん、与党側理事は、1990年初当選で政治改革を実現する若手議員の会で非世襲最年少だった岩屋毅さん。

●平成6年の区割りは「2・13倍」、今回の区割りは「1・956倍」。

 質疑ではまず、自民党最大派閥会長の細田博之さんが登場。「定数の不均衡は最高裁判所でも違憲判決が出やすい」とその公共性を強調。「昭和20年はは全国の人口が7000万人で、東京の人口が348万人だった」として、地方の定数が戦後の想定と異なってきていると指摘しました。細田さんは「平成6年の区割りはできた時で、2・13倍だった」とし「2倍を1倍にするのは数学的に難しい。鳥取県を1にできない」としました。高市総務相は後の質疑者への答弁で「今回の区割りは1・956倍なので、平成6年以降の区割りで最も小さい」と区割り審を評価しました。

[画像]質問する細田博之さん、2017年5月31日、衆議院インターネット審議中継からキャプチャ。
●自民党最大派閥会長が違憲状態は国会の恥!

 細田さんは「違憲状態は国会の恥だし、すべての立法行為を疑われかねない」と格差是正の必要性を説きました。細田さんは「国勢調査人口の場合、外国人も入る。日本国民の人口を選挙区ごとに出すよう、数年前からお願いしている」と明かしました。そのうえで、「衆議院小選挙区比例代表並立制は、ときに政権交代が起こるという初期の目的を達成しているが、少数政党には不利になる」と話しました。

●政治改革の父、小沢一郎先生の在職50年が近づいた予感?

 この後、自民党で現岩手4区比例で、次は、新岩手3区から出馬するとみられる、藤原崇さんが登場。ここで「一票の格差訴訟は訟務局でなく、大臣が裁判に出てほしい」と訳の分からない提言。次の第48回衆院選で、政治改革の父、小沢一郎先生は、新・岩手3区から出馬するとみられますが、平常時から選挙区入りしています。小沢先生が当選すれば、2019年に在職50年となります。藤原さんが相手ならば、その可能性も光が見えてきた印象です。

●知事の意見は参考まで、選挙区の安定性を区割り審配慮。

 藤原さんは「知事から意見を聞くことになるが、神奈川では、知事から選挙区入れ替えの提案があったのに、区割り審は、選挙区分割を選んだ」と指摘すると、政府側は「選挙区の安定性も必要だ」と答弁しました。総務省自治行政局選挙部長が、衆議院選挙区画定審議会の事務局長の立場で答弁しました。

●東京1区議員、「東京と地方の格差がこれほど広がるとは」

 自民党の現東京1区、山田美樹さん。「戦後の地方自治で、これほどまでに東京と地方の格差が広がると想定していなかったのだろう」と指摘し、「私の選挙区では1つの町内会かが2つの選挙区に分割された」とぼやきました。ここで、1票の格差について「俺の価値は低いのか、と地元で言う人にあったことがない」と語りました。これは変な話で、2012年の輿石・樽床問題のときに、感情的に激昂していた人は東京1区で、資産格差が上の富裕層の方が、一票の格差では「1・01倍以内にしろ」と主張する、という印象が私にはあります。現東京1区は、地方議会では、逆に特例が認められた一票が重い選挙区となっています。

●「分割」自治体への執行経費基準法の予算措置しっかりとると総務省断言。

 細川・羽田内閣の「いしづえ会」のメンバーだった、公明党の佐藤茂樹さんに対して、政府側は「自治体分割が多くなったが、執行経費標準法の予算措置はしっかりとる。投票所の設置基準も柔軟にする」とし、法定委託事務にのぞむ、自治体の投票啓発・開票作業を全面的にアシストすることを宣言しました。

●「○○市の第○○選挙区以外の地域」の表現改善は総務相拒否。

 民進党の後藤祐一さんは選挙区割りの「○○市の第○○選挙区以外の地域」という表現を改めることを要求。高市総務相は「平成6年からそうだ」として、法律の書きぶりを変えることは拒みました。

●高市大臣、区割りに関する陳情はアポすら入れない、と断定。

 高市大臣は「区割りに関する議員の陳情は一切受け付けていないし、アポすら入れない」と語りました。民進党の階猛さんへの答弁。階さんが、「小選挙区の広さを1位から289位に並べてみる。そうすると、(北海道を除いて)最も広い新・岩手2区は、下から104選挙区分の広さになる」と明かすと、委員室がどよめきました。公営費用の配慮などを求めました。階さんは新・岩手1区から出馬するとみられます。

●地方への配慮を求める議員に、高市大臣「国会議員は全国民を代表し、安保に尽力しているも」と反論。

 升田世喜男さんが「青森県は定数4から3になる。新区割りは僕の状況では困るが、それは関係ない」と地方への厚みを求めると、高市大臣が「国会議員は全国民を代表している。安全保障やエネルギーの問題に尽力している議員もいる」とピシャリ。高市さんは1990年ではなく、1993年初当選ですが、平成6年政治改革法を今に生かすことで、女性総務大臣1000日の力につながっていると実感しました。

【衆議院情報監視審査会】

 インターネット中継の許可を得られて、再開されたところから。

 大島理森議長、川端達夫副議長が臨席。

 額賀福志郎会長が開会。

 金田・特定秘密保護法担当相から政府側の年次報告がありました。1年間で、3省庁の5件の秘密を解除、海上保安庁が1件の秘密の期間延長、49件の秘密指定を追加しました。これで政府が所有する秘密文書は32万6153件になりました。行政文書不存在について、金田担当相は「職員の頭の中だけの秘密指定は、今後は限定的にしていく」と語りました。30年を超えて秘密が続く文書について「今後も引き続き説明を尽くしていく」とし、秘密指定継続の必要性を強調しました。内閣府独立公文書管理監、情報保全諮問会議からも意見を受けているとしました。



[画像]額賀福志郎・衆議院情報審査会長と、金田勝年・特定秘密保護法担当相、2017年5月31日、衆議院インターネット審議中継からスクリーンショット。

 一方、秘密文書を扱う者(おもに国家公務員)が受ける適性検査ですが、受けた全員が合格し、現在11万2300人いるそうです。こう聞くと、法務省公安調査庁の仕事づくりなのではないかとの印象も受けます。防衛省・外務省で前年9名が適性検査を辞退しました。

 次回は、6月5日(月)午後4時から、開会する、と発表されました。ネット中継は不明です。

【衆議院農林水産委員会】

●減反政策70年目の大転機

 「農業保険法改正案」(193閣法58号)が山本農相から趣旨説明されました。山本農相は「70年間続けてきたしくみを変える。農業収入全体のセーフティーネットとして、農業災害だけでなく、農業経営収入保険を設ける。農業者が保険料を積み立てて、政府が再保険する」としました。余裕のある農業者は、保険料を積み増すことができるようです。民進党政権の「農業者戸別所得補償」と考え方が変わってきますが、国庫が厳しくなると、「単年度・一般会計・一般財源」は厳しく、「複数年度・特別会計・税+保険料」ということになっていくのかもしれません。法案審議は次回で、この後は、一般質疑がありました。次回はあす9時。

【衆議院国土交通委員会】

●民泊新法が衆・委員会通過

 「民泊新法こと住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)の質疑が終わりました。討論では共産党が「日本最大の民泊媒介インターネット業者の本社は日本に無い」とも指摘しました。採決では、共反対、自公民賛成多数で可決しました。ところでたまに、「維」が入っていないことがあるのは、無視しているのではなく、衆議院の委員会の起立採決ではとっさに見て取れないことがあるからですので、ご了解ください。

【衆議院厚生労働委員会】


 「児童福祉法改正案」(193閣法48号)全会一致で可決すべきだ、と決まりました。

【参議院本会議】

 「特区法改正案」(193閣法54号)が審議入りしました。自民党の高野光二郎さんが登壇しました。この方は、2010年の野党自民党公認候補のときに、ホームページのフロントページで、和装の坂本龍馬のコスプレだったのですが、落選。2013年の与党自民党候補としての再挑戦ではコスプレが消え、私は「やはり自民党はご指導が入るのだな」と推測しましたが、そのご指導が聞いたのか、見事当選しました。4年目で初めての登壇だと思いますが、質問演説では、大いに、地元高知の英雄、坂本龍馬さんのエピソードを満開。よく存じ上げませんが、高野さんにとっては人生の大きな思い出になったのではないでしょうか。

 民進党は会期末が近づいたので、旧総評系・自治労の議員が登壇。維新は清水貴之さんで、清水さんの登壇回数は多いような気がしました。

 法案の趣旨説明と代表質問だけで散会しました。

【衆議院経済産業委員会】

 「北朝鮮経済制裁の承認案」(193承認4号)が承認されました。

【衆議院外務委員会】

 一般質疑がありました。自民党ではいつもそうですが、今第193回国会でも、閣僚経験者の質問は少ないのですが、新藤義孝元総務大臣が質問しました。

【参議院国際経済・外交に関する調査会】

 中間報告案が全会一致で決定されました。近く、本会議で報告されると思います。

【参議院国民生活・経済に関する調査会】

 中間報告案が全会一致で決定されました。

【参議院資源エネルギーに関する調査会】

 中間報告を決定。この後、原子力関係について、政府に対する質疑がありました。

【官報】

 「専門職大学を設ける改正学校教育法」が平成29年法律41号として公布されました。再来年4月1日施行。国会では議案番号56号で共産党が反対しました。

 「船舶のバラスト水規制条約」が平成29年5月31日条約12号として公布されました。国会では、3年前、平成26年の第186回国会で承認されました。船の重りとなる水による、国際的な海洋汚染を減らす多国間条約。

このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。

[お知らせはじめ]

宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。

国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。 

このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。

衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)

参議院インターネット審議中継

国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)

衆議院議案(衆議院ウェブサイト

今国会情報(参議院ウェブサイト)

各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)

予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)

インターネット版官報

[お知らせおわり]

Miyazaki Nobuyuki 

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする