残り3週間を切った、第193回通常国会ですが、昨夏の自民党衆参単独過半数で政権ペースで進んでいます。共謀罪法案も計算上は当初会期内に成立の見通し。一方、厚労省提出の水道法改正案は審議が間に合わない可能性が高まりました。
【参議院法務委員会 平成29年2017年5月30日(火)】
15分ほどずれ込んで開会。
「共謀罪法案」(193閣法64号衆修正)が審議入り。金田法相が政府案、維新の松浪健太衆議院議員が修正部分を説明しました。いきなり総理入り質疑がありました。その後、大臣への質疑。
開会にあたり、秋野公造委員長(公明党)が政府参考人として、この法案審議中ずっと、林真琴・法務省刑事局長を呼びことをはかり、自民党と公明党の賛成多数で議決しました。この委員会の委員長は、半世紀、公明党議員が独占しており、創価学会への捜査に関する情報を集めることが狙いとみられます。我が国の司法は、起訴便宜主義と公訴独占主義がG7で唯一とられています。すなわち、不起訴なら一切罪は問われません。でも、起訴猶予と、起訴されて地裁で無罪ながら、どちらがいいか分かりません。閉鎖的な国で、東京一括採用の検察官(国家公務員)は、取り調べ段階から、所轄警察署で、警察官(47県警ごとに別々に採用された地方公務員)より威張っていることも多いようです。私が東京地裁を傍聴した限りでも、検察官というのは、まるっきり世間知らずだし、そのことに気づいていません。我が国での共謀罪の導入は極めて危険であり、また、創価学会がそれを先導するというのはあり得ないことです。
総理入り質疑では、民進党の小川敏夫会長がまたまたトップバッター。シールズの重点支援で当選した小川さんですが、安倍晋三首相(自民党総裁)から、野党1期生時代に、学校法人加計学園グループで監事をつとめ、年14万円の報酬を受け取っていたことを明らかにしました。こういう不公正に感情的に激昂している人は、資産格差社会の頂点にある人の方が多いような気がします。結果の平等より、機会の平等こそ、未来への投資です。
【衆議院本会議】
5月16日(火)に委員会議了しながら、本会議で3度延期動議が出た「特区法改正案」(193閣法54号)が民共反対、自公賛成多数で可決し、参に送られました。会期内成立の見通し。討論では、民進党の宮崎岳志さん、共産党の田村貴昭さんが、ともに前川喜平さんの招致を求めながら、反対しました。
「文化芸術基本法改正案」(193衆法18号)が全会一致で可決し、参送付。施行日の規定は公布日。議員連盟のホームページはこちらです。
「北朝鮮経済制裁のための、特定船舶入港禁止措置の承認案」(192承認1号及び193承認3号)は全会一致で承認し、参へ。
「改正化審法、化学物質の審査及び製造等の規制法を改正する法律」(193閣法52号参先議)は、全会一致で可決し、成立しました。施行日は、総量規制が3年以内、経産省・厚労省の所管の交通整理規定は1年以内。
【衆議院厚生労働委員会】
「児童福祉法改正案」(193閣法48号)の参考人質疑がありました。次回は未定のまま、散会し、この後、理事会が開かれたようです。水道法改正案(193閣法49号)が今国会で成立しない公算が高まっています。
【衆議院国土交通委員会】
意外と関心が薄いようですが、「民泊新法、住宅宿泊事業法案」(193閣法61号)の審議がありました。まず、参考人質疑では、各々の立場は別として、次のような意見が出ました。(1)民泊は新しい分野だが、いずれに融合して、一つの宿泊事業になっていくだろう(2)京都下鴨神社などに富裕層向けの分譲マンションが民泊向けに建っているが、シェアリングエコノミーの概念から反対だ(3)民泊新法は、旅館業法改正案(193閣法50号=厚労委ではまだ審議入りせず=)とセットにして成立しないと意味がない(4)民泊はこれまで、机の下の話が多かったが、新法で机の上に乗せることが必要ーーとの声がありました。参考人質疑の後、与党だけの質疑があり、散会。次回はあす午前9時から。
【参議院総務委員会】
地制調答申をうけた「地方自治法改正案」(193閣法55号)。午前中は首長らから参考人質疑。午後は法案審査。慎重審査ということで、次回も審議することになりました。
【参議院外交防衛委員会】
まず、岸田文雄外相から「日印原子力協定の承認案」(193条約3号)の趣旨説明を聞きました。政府側はこれだけでさっそく退室し、教授らの参考人質疑があり、散会しました。
【参議院厚生労働委員会】
一般質疑の前に、厚労相が「臓器移植法の付帯決議にもとづく報告」をしました。この後、一般質疑で、自民党の三原じゅん子さんに対して、「受動喫煙禁止法案の提出は会期末ぎりぎりまで(自民党・政府内の調整を)がんばりたい」との答弁がありました。
この後、病院ホームページの誇大表現などを規制する、「医療法等包括改正法案」(193閣法57号)が趣旨説明されました。散会しました。
これに伴い、先に衆議院から受け取った「厚労省設置法を改正して医務技監を設ける法案」(193閣法16号)の審議順を飛び越しました。上述の秋野公明党議員は、医学部准教授→厚労省医官→医学部教授→参議院議員という、いわば王道ルートを通っています。「医官」という課長級ながらも、医学部教授の箔付け出向ポストの頂点として、次官級の「医務技監」を設ける法案ですが、省内でも5人位しか関心ないでしょうし、成否は確定的に言えない状況となりました。
【参議院経済産業委員会】
一般質疑の後、「信用保証法改正案」(193閣法31号)が趣旨説明されました。ところで、世耕弘成さんがクールビズでノーネクタイなのに、三つ揃えのスーツを着ていて、これはいったい何を意味するのか、なぜ自分を理知的に見せたいのか、疑問が残りました。なんかスキャンダルでも出て、失脚させたいものですが、なかなか出てきません。
【参議院国土交通委員会】
まず一般質疑で、森友学園の土地(もともとは、国交省航空局所有)の問題が出ました。これとは別に、生活の党の青木愛さんは地元の千葉県内の圏央道などを一般質疑の場で聞きました。青木愛さんの今の議席は全国比例ですが、週刊誌などの影響もあってか、青木さんを悪く言う人が多いのですが、衆でも参でも比例のギリギリで勝てる青木さんのオーソドックスな手法はお手本にしてほしい、と考えます。
この後、「港湾法改正案」(193閣法60号)が趣旨説明され、散会しました。
【参議院環境委員会】
「廃棄物処理法改正案」(193閣法62号)と「バーゼル法、特定有害廃棄物輸出入規制法改正案」(193閣法63号)と「環境省福島地方環境事務所の設置の承認案」(193承認2号)が審議入りしました。委員会の審査方法は、議長(議運)から付託された後、順番は委員長が決めることになっています。今国会ではほとんど、衆側と同じ審議順になっています。参考人質疑の手続きをして、質疑は後日にして、散会しました。
【衆議院総務委員会】
まず、一般質疑がありました。
この後、「電子委任状促進法案」(193閣法46号)が審議入りしました。次回は6月1日(木)9時から。総務省提出法案は、すべて当初会期内に成立する見通し。
【衆議院科学技術・イノベーション推進特別委員会】
野党期の公明党の要望を、当時の与党議運理事、松野頼久さんが受け止めて設置された委員会です。松野委員長が、6月6日(火)午前10時からの参考人質疑の手続きをとり、散会しました。
【衆議院議院運営委員会】
佐藤勉委員長、高木毅与党側理事、泉健太、山尾志桜里、塩川鉄也理事らが本会議の段取りを向大野新治事務総長から説明を受けながら、確認したのでしょう。
このエントリーの本文記事は以上です。
(C)2017年、宮崎信行。
[お知らせはじめ]
宮崎信行の今後の政治日程(有料版)を発行しています。
国会傍聴取材支援基金の創設とご協力のお願いをご一読ください。
このブログは以下のウェブサイトを活用しエントリー(記事)を作成しています。
衆議院インターネット審議中継(衆議院TV)
参議院インターネット審議中継
国会会議録検索システム(国立国会図書館ウェブサイト)
衆議院議案(衆議院ウェブサイト)
今国会情報(参議院ウェブサイト)
各省庁の国会提出法案(閣法、各府省庁リンク)
予算書・決算書データベース(財務省ウェブサイト)
インターネット版官報
[お知らせおわり]
Miyazaki Nobuyuki