もうじき春の山菜季節は終期に近づきますね。標高の高い地方でないと採れなくなります。
今回は、古くから愛されている山菜ツリガネニンジン(トトキ)です。ツリガネニンジンはキキョウ科ツリガネニンジン属の多年生草本で日本各地の林縁部や草原に生えています。トトキ(若芽の方言名)と言った方が分かりやすいほど一般に浸透している山菜です。
若芽を天ぷらや汁の実・おひたし・胡麻和え・油炒めなどで、根を漬け物やコーヒーにして食します。
秋に紫色で釣鐘型の花を円錐花序で咲かせること、根がチョウセンニンジンに似ていることなどから和名はツリガネニンジンですが方言ではトトキとかワカナとか呼ばれています。
個体間で葉の付き方や形に変化が多く写真でも分かるように全体的な雰囲気が違って見えます。茎などを折ると白い乳が出て多少ネバネバします。これもチョウセンニンジンと似ていますね!
長野県などの俚謡(民間のはやり歌)に「山でうまいはオケラにトトキ、里でうまいはウリ・ナスビ、嫁に食わすも惜しゅうござる」と詠われているようですが、大学時代に長野に住んでいた私は植物学実習の時には「山でうまいはオケラにトトキ」の部分だけ聞かされていたような気がします。
「嫁に食わすも惜しゅうござる」とは何とも嫁いじめ的な歌なのですが・・・一説には「オケラやトトキはアクがあり体に毒、ウリやナスビは体が冷える」から出産という大仕事がある嫁の体を心配してのことだという考え方もあるようです。・・・でも、それならば「食わすも惜しゅうござる」の一節は引っかかりますね。