UAE対バーレーン

2019年アジアカップの開幕戦、UAE対バーレーンの映像を見ていました。今回はアジアカップの1次リーグは残念ながら中継される試合は少ないですが、アジアのライバル国の動向がわかる機会なので可能な限り映像でチェックしたいと思います。UAEは、おなじみの元日本代表監督、イタリア人のアルベルト・ザッケローニ氏が率いていました。

もっとも、今回のUAEのチーム状態は万全とは言えません。理由はゲームメーカーのオマル・アブドゥルラフマンが負傷で今大会を欠場しているからです。UAEの勝ちパターンは、前回の最終予選から変わっておらず、オマルのパスをスピード型FWのマブフートが追いかけ、シュートはハリルが打つというものですが、オマル不在のUAEは戦い方を変えてきました。

それは4-3-3の布陣によるウイングサッカーでした。FWの中央こそマブフートですが、左ウイングにハマディ、右ウイングに23番を置いて、サイドを広く使ってバーレーンを攻め切る狙いでした。このサッカーに対し、バーレーンはミスが続出し、CBがヘディングでのクリアを内側に返す、プレスを受けたMFが何の抵抗もできずにタッチラインを割ってしまうなど、両者の力には差があるように感じました。

しかし、この試合の結果は1-1の引き分けです。そうなった要因として、UAEが序盤に決定機を逃したことがあります。ハマディのシュートは相手GKにセーブされ、ボールこそ圧倒的に支配するものの決め手がない展開が前半一杯続きます。このように、UAEがもたもたしている間に、バーレーンが自分たちのサッカーを出し始めてきました。

それは、アーリークロスをFWのロマイニに合わせる狙いです。最初のうちはオフサイドにかかるなどUAEに処理されていましたが、次第に合うようになってきて、CKを何本も取れるようになってきます。そのCKからのセカンドボールで、右からのクロスがロマイニに合い、一旦はバーに当たったもののその跳ね返りをロマイニ自身が押し込んで先制点を得ることに成功します。

最後はバーレーンのゴール前のハンドでPKになり、これを途中出場のハリルが決めて辛くも引き分けに持ち込みましたが、今回のUAEはもたついている印象を受けます。それだけ、オマル不在のハンデは大きいようだと、この日のサッカーからは感じられました。