南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

私を感化した言霊たち(8)

2013-08-21 17:18:09 | ユニオン
単組書記長1年目のことです。
書記長は人事部との交渉役の要です。

家族手当の改定が逆提案されました。
配偶者手当の支給にあたり年収制限を設けるというものでした。
その制限額についてどうしても会社側と折り合いがつきません。
結局…あれこれ根回しをされて、言い含められて負けてしまいました。
組合員からはブーイングの嵐で、職場集会に出向くと針のむしろでした。

また賃金是正の際にも同様のことが起こりました。
この時には最後まで突っ張りとおしましたが、別の交渉事でしっぺ返しを受けたりもしました。
直情的な私にはどうやら書記長役は向かない模様です。
裏技や変化球を使えない私は、わずか2年の書記長経験でもうぐったりでした。
そんな書記長時代に教えられたひと言。

「ないのにあると騙されるな、あるのにないと錯覚するな」

誰が教えてくれたかは覚えていませんが、どんな交渉事でも「騙されてはいけない」「錯覚してはいけない」ということです。
交渉事は会社側だけではなく執行部や組合員などを相手とすることもあります。
だから他社の労働条件、一般常識まできちんと調査・勉強したうえで、妥協するなら納得ずくで妥協することや、組合員にもきちんと理解してもらうことが必要なんですね。

「ないのにあると騙されるな、あるのにないと錯覚するな」

よくよく考えると、含蓄のある言霊です。

やればできる!“活動モデル”

2013-08-20 17:48:45 | ユニオン
3役会でのフリートークは「各首長・市町議員の勢力拡大」についてです。
政治ごとの話ですから先の参院選から話を進めました。
民主党バッシングや政治不信のなかではありますが、投票結果を分析すると“やればできる
”ことも見えてきます。
全国平均の連合推薦候補9名の獲得率(得票数/連合組合員数)は23%でした。
静岡県では同様の獲得率は44%ですが、9名中3名は100%以上の獲得率でした。
“やればできる”んです!

県内市町別に獲得率をみると見えてくるものがあります。
町別高獲得率ベスト3は、1位:河津町90%(146票)、2位:松崎町87%(155票)、3位:西伊豆町72%(105票)でした。
市別高獲得率ベスト3は、1位:富士宮市80%(3383票)、2位:富士市65%(8774票)、3位:伊豆市59%(563票)でした。
“やればできる”んです!

大切なことは“どうやったか”の成功モデルを見つけ、その成功モデルを共有化することです。
調べてみて分かりました…やはり“やればできる”んです!


執行委員会でも組織活動で新たな挑戦を提案しました。
ひとつは「組合員20万人の賃金地図を作ろう」活動モデルです。
もうひとつは「組織拡大アプローチリストの策定」活動モデルです。
どちらも高いモチベーションとたゆまぬ持続力を求められる活動です。
しかしどちらも私たちの目指す社会をつくるために必要な、私たちを“シャキっとさせる目標”です。
これとても“やればできる”明確な活動モデルです!

こうした具体的な活動モデルが対話の中から生まれてくることに明るい未来を感じます。
“やればできる”んです!
だったらなりふり構わずやりましょうよ。
そこから労働運動も政治運動も再生してきます。

私たちの目指した2大政党制

2013-08-19 13:33:06 | ユニオン
昨日は名古屋市で「連合東海ブロック会長会議」がありました。
それぞれの地方連合が参院選で味わった苦しみの様々を報告したのち、これからのあり方についてフリー討論しました。
このことは本部で開催される中央執行委員会で提言するようになります。

政治活動についての議論も盛んに行われましたが、それ以上に労働運動の弱体化についての議論が印象的でした。
民主党が崩壊していった理由の一つに、政権を獲ったことで立ち位置に迷いが生じた点があると思います。
労働者側にいるはずの政党が、政権維持のために経営者側にすり寄っていった一面があります。
同様のことが労働組合にも言えるような気がします。
あまりに経営のことに配慮しすぎて、労働者側の立ち位置を失ってはいないでしょうか。
あの「連合評価委員会」が指摘したとおりの結果がいま生まれています。

それに比べて自民党はまったくぶれません。
早々に労働時間の規制緩和策を打ち出してきました。
あの「ホワイトカラー・エグゼンプション」はあまりの不評で成立を断念させましたが、今度は「プロフェッショナル労働制」と名付けて再挑戦をしてきました。
簡単にいうと課長級から勤務を柔軟にしようということですが、またまた労働者層の分断を狙っています。
「地域限定社員制度」もそうですが、なぜそうまでして無秩序な国にしたいのでしょうか。
それは労働者層が団結することを恐れるからです。
それが権力者の権力者たる所以です。

もし民主党が政権を獲ったときに労働者を分断させている法律を一気に壊していたらどうなったでしょうか。
自民党はあきらかに経営者側の政党で、民主党はあきらかに労働者側の政党であり続けたはずです。
それこそ私たちの目指した2大政党制だったはずです。

民主党にも大いなる反省を求めますが、同時に我々の労働運動も大いなる反省をすべきであると、とみなで思いを共有しました。

「少年H」と夜店市

2013-08-18 08:52:48 | 映画
見逃した「少年H」をネットで座席予約し、夫婦割引を利用して二人で出かけました。
ついでに夜店市も覗きながら盆休み最後のサービスです。

妹尾河童の少年時代を描いたこの作品は、あの忌まわしい戦争に巻き込まれた家族の日常を描きます。
真実を知らされずに多くの市民が洗脳されていく様と、敗戦と共にそれまでとは打って変わったように占領軍になびく市民の姿…。
「少年H」はその姿を見て、(海底で波間に揺れるワカメのようだ)とつぶやきます。



夜店市であれこれ覗く女房と離れて、生ビールを飲みながら大勢のお客さんが行き来する姿を見ながら思いました。
(敗戦直後とは大違い…回りのテーブル席で生ビール飲んでる女性陣…みんな何考えてるんだろう…通りにいっぱいの人たちがゾンビになって襲ってきたらどうしよう…明日から仕事…)

頭の中のワカメが行ったり来たりしてました。

今年の盆映画

2013-08-17 09:03:49 | 映画
盆休みの楽しみのひとつが映画。
一本目は私の住むところから車で15分ほどの大沢地区で撮ったドキュメンタリー映画です。
ただただ平凡な日常を映し出した映画ですが、カメラレンズを通すとこんな素敵な場所に早変わりするんですね。
改めて田舎の良さを感じました。



二本目は大迫力のゾンビ映画です。
「少年H」を見ようとしたのですが満席で見られず、その時間帯で見れる映画を探した結果「ワールド・ウォーZ」となりました。
ゾンビの大群に追いかけられるシーンなどでは背筋が涼しくなりました。
ブラビ主演の痛快アクション映画です。
映画っていいですね。


私を感化した言霊たち(7)

2013-08-16 08:45:41 | ユニオン
私も人間ですから人並みに欲もありますし、妬みも生まれます。

40歳を超えると職場にいる同期の仲間もチラホラと管理職になっていきます。
職制の彼らを見ていると仕事に面白みは感じませんでしたが、正直言ってどこかで迷う気持ちも生じてきます。

賃上げ交渉で精一杯頑張っても、あるいは労使交渉で矢面に立って踏ん張っても、誰からも感謝されない時には虚しさを覚えます。

サラ金地獄に陥った社員の世話で大汗や冷や汗を幾度もかきました。
ホテルでヤクザ者に囲まれたこともありましたが、当事者に三度裏切られた時はショックで声も出ませんでした。

選挙のある年は泊まり込みや休日返上で臨みますが、何度勝とうが、いくら頑張ろうが、終わりは見えてきませんでした。
頑張れば頑張るほど深みにはまっていく感じです。

ふとした瞬間に(これでいいのかな?)と疑心暗鬼になったりもします。


「損して徳とれ!」だよ。

私の気持ちを察してか、私が尊敬する労働運動の大先輩は、自らの経験を話しながらこう語ってくれました。
「俺もどうしてこんな損な役回りを生きてきたのか、間違えたかな~と思うときもあった。
でも損した代わりに、それに倍する以上の徳を得られたと思うよ」

「損して徳とれ!」だよ。

確かにその通りです。
何かを得ようとするならば、何かを捨てなければなりません。
こうして過去を振り返ってみると、いくつもの分かれ道がありました。
“たられば”の人生はありませんが、それでも別の人生を歩んでいたとしたら…。

徳を無くしてお金を得たり、信用を捨てて快楽を得たりしていたのかもしれません。
それはそれで一つの人生ですから、いいとか悪いとかではなく、すべてを得ることは適わないということなんですね。

「損して徳とれ!」

カウンターから見える風景「ケイあんどケイ」

2013-08-15 09:04:13 | グルメ
連合事務所の近くにはたくさんの飲み屋さんがありますが、入ったことのないお店もいくつかあります。
「ケイあんどケイ」はそんなお店のひとつでした。

飲んだ日はバスで帰るのが日課。
でも田舎ですから午後8時を過ぎると1時間に一本になっちゃいます。
その晩は9時台のバスに乗り遅れてしまいました。
いつもだったら女房に迎えに来てもらうのですが、あいにくその日は都合が悪い日です。
あと1時間どうつぶすか?

そこで入ったお店がここでした。

ほんとうにちっちゃなお店で、カウンター席しかありません。
席に座ると客の移動もままならないくらいの狭さです。

ジャズが流れるお店を取り仕切るのは、年季の入った母娘。
なんと32年もここで商売しているそうですから相当の年季です。
それから何回か通っていますが、お目当てはママではなく、カウンターの向こうに光るマイグラスたちです。
常連客になると切子のマイグラスをキープしてくれるとのこと。
あと何回通えばキープできるのか分かりませんが、こんな趣向にも惹かれました。

ただし難点がひとつあります。
居心地がよくて終バスに乗り遅れてしまうことですね。

私を感化した言霊たち(6)

2013-08-14 09:19:09 | ユニオン
会社では生産管理の仕事に携わった私ですが、日程管理、中・長期予測、設変対応、改善業務と一通りの経験をさせていただきました。

そして30歳で労働運動の道に飛び込み、35歳で委員長に就任すると、自分でも思ってもみなかった場違いな場面に遭遇します。
産別本部や金属労協の会議などに行くと、労働運動史に出てくるような錚々たるメンバーばかり。
東京に行くのが嫌で嫌でたまらない時もありました。
なにしろ周りのリーダーはほとんどが50代後半で、歴戦の強者ばかりです。
会議で発言を求められても萎縮してしまい言葉が出てきません。

しかも当時の私はビールを飲むことができませんでした。
それには訳がありますが、大先輩たちにビールを注がれて断るわけにはいきません。
そこで一念発起し、帰りの新幹線では缶ビールを1本買って飲む訓練です。
なんとかそんなことにも慣れた頃に連合が誕生します。

地協準備会を立ち上げそのまま事務局長に就任、あれこれ忙しくしているうちに2期目の市長選挙です。
こちらは現職でしたが、相手側は日本新党の旗を掲げて挑戦してきました。
ある意味、地域の怨念をも抱え込む嫌な選挙戦でした。
それも勝ち抜いて気がつくともう10年が経っていました。
30歳から10年間は頑張ると約束して踏み込んだ道です。
もうそろそろ職場へ帰って来いという声も聞こえてきます。
逆に「お前はここで投げ出すのか」という声も聞こえてきます。

悩んだ挙句の言霊です。

「失敗してもあと50%の道がある。心を動かせ」

悩みを相談したときの少林寺拳法の師匠の言葉です。
「大丈夫だよ、お前なら。こちらで通用するような人間なら、あちらでも大丈夫だ。
失敗してからでも遅くない。その時はあちらへ行けばいいじゃないか」
その言霊に背中を押されて11年目に突入しました。

「失敗してもあと50%の道がある。心を動かせ」

こうしている今でも小さな決断の連続です。
あの時止まっていれば今はなく、今がなければ違う人生を歩んでいたはずです。
“心を動かせ”という言葉は、どちらの選択にしろ“逃げずに決断しろ”という意味だったんでしょうね。

カウンターから見える風景「串焼きのかさい」

2013-08-13 21:05:29 | グルメ
とにかくこの店の特徴である手造り串焼きが美味しくて、何度となく通い続けています。

繁華街から離れた町にある小さなお店ですが、下戸の友人から教えてもらいました。
しかしここの親方は無類の地酒好きで、静岡の地酒はもちろんのこと、全国各地からチョイスした地酒を提供します。

料理が美味しいお店の特徴は女性客が多いことです。
ここもご多聞にもれずいつも女性客であふれていますが、今夜は酒飲み男が目立っていました。

今夜のお供は「金明」「からっ風」「臥龍梅」「英君」「磯自慢」でした。

いい友と飲む酒、美味しいツマミ、最高ですね。

カウンターから見える風景「薊(あざみ)

2013-08-12 23:19:25 | グルメ
新開拓の居酒屋「薊」です。

風の噂に喜久酔をメインにしていると聞いて探し回ったお店です。
初回は満席で入れず、2度目は予約してから行きましたが、場所が分からずまごつきました。
今日は3回目ですが、やはり迷いました。

最初は生ビールでお茶を濁しまして、次に注文したのは「喜久酔のぬる燗」でした。
これが絶品です。
なにが絶品かは言葉では言えませんが、どこか温かい絶品です。

いいですね~。
あれから何年経ったんだろう。
昔話をあれこれ、あれこれ、どこかで何かが弾けます。

そして、その向こうに見えてくるものがあります。
これからどうなるかは誰にも分かりませんが、夢があるってほんとうにいいですね。