南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

私を感化した言霊たち(7)

2013-08-16 08:45:41 | ユニオン
私も人間ですから人並みに欲もありますし、妬みも生まれます。

40歳を超えると職場にいる同期の仲間もチラホラと管理職になっていきます。
職制の彼らを見ていると仕事に面白みは感じませんでしたが、正直言ってどこかで迷う気持ちも生じてきます。

賃上げ交渉で精一杯頑張っても、あるいは労使交渉で矢面に立って踏ん張っても、誰からも感謝されない時には虚しさを覚えます。

サラ金地獄に陥った社員の世話で大汗や冷や汗を幾度もかきました。
ホテルでヤクザ者に囲まれたこともありましたが、当事者に三度裏切られた時はショックで声も出ませんでした。

選挙のある年は泊まり込みや休日返上で臨みますが、何度勝とうが、いくら頑張ろうが、終わりは見えてきませんでした。
頑張れば頑張るほど深みにはまっていく感じです。

ふとした瞬間に(これでいいのかな?)と疑心暗鬼になったりもします。


「損して徳とれ!」だよ。

私の気持ちを察してか、私が尊敬する労働運動の大先輩は、自らの経験を話しながらこう語ってくれました。
「俺もどうしてこんな損な役回りを生きてきたのか、間違えたかな~と思うときもあった。
でも損した代わりに、それに倍する以上の徳を得られたと思うよ」

「損して徳とれ!」だよ。

確かにその通りです。
何かを得ようとするならば、何かを捨てなければなりません。
こうして過去を振り返ってみると、いくつもの分かれ道がありました。
“たられば”の人生はありませんが、それでも別の人生を歩んでいたとしたら…。

徳を無くしてお金を得たり、信用を捨てて快楽を得たりしていたのかもしれません。
それはそれで一つの人生ですから、いいとか悪いとかではなく、すべてを得ることは適わないということなんですね。

「損して徳とれ!」

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