南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

「少年H」と夜店市

2013-08-18 08:52:48 | 映画
見逃した「少年H」をネットで座席予約し、夫婦割引を利用して二人で出かけました。
ついでに夜店市も覗きながら盆休み最後のサービスです。

妹尾河童の少年時代を描いたこの作品は、あの忌まわしい戦争に巻き込まれた家族の日常を描きます。
真実を知らされずに多くの市民が洗脳されていく様と、敗戦と共にそれまでとは打って変わったように占領軍になびく市民の姿…。
「少年H」はその姿を見て、(海底で波間に揺れるワカメのようだ)とつぶやきます。



夜店市であれこれ覗く女房と離れて、生ビールを飲みながら大勢のお客さんが行き来する姿を見ながら思いました。
(敗戦直後とは大違い…回りのテーブル席で生ビール飲んでる女性陣…みんな何考えてるんだろう…通りにいっぱいの人たちがゾンビになって襲ってきたらどうしよう…明日から仕事…)

頭の中のワカメが行ったり来たりしてました。

今年の盆映画

2013-08-17 09:03:49 | 映画
盆休みの楽しみのひとつが映画。
一本目は私の住むところから車で15分ほどの大沢地区で撮ったドキュメンタリー映画です。
ただただ平凡な日常を映し出した映画ですが、カメラレンズを通すとこんな素敵な場所に早変わりするんですね。
改めて田舎の良さを感じました。



二本目は大迫力のゾンビ映画です。
「少年H」を見ようとしたのですが満席で見られず、その時間帯で見れる映画を探した結果「ワールド・ウォーZ」となりました。
ゾンビの大群に追いかけられるシーンなどでは背筋が涼しくなりました。
ブラビ主演の痛快アクション映画です。
映画っていいですね。


三連チャン

2013-08-05 18:41:02 | 映画
一本目は「終戦のエンペラー」
戦時中や戦後の映画はたくさんありましたが、戦争が終わった直後どのようになって、そしてどのように平和が訪れていったのか…。
映画は広島に落とされた原爆の実写シーンから始まります。
舞台はGHQ本部が置かれた東京。
ここも見渡す限りの焼け野原で、まるで東日本大震災のあの惨状を見ている思いです。
映画の主軸は天皇の処遇に関する調査です。
天皇を裁判にかけ処罰すべきという戦勝国の世論と、それをすべきではないというマッカーサー側のせめぎ合い。
そこに米国軍人と日本人女性教師のロマンスが絡み合います。
いやー映画っていいですね。

二本目は手打ちそばの「吉野」
映画館のあるセノバのすぐ近くにある蕎麦屋です。

天ぷら盛合せでまず一杯。
もり蕎麦でもう一杯。
ああ満足…。

三本目はジョニー・デップ出演の「ローン・レンジャー」
正直、見る順番を間違えました。
一本目・二本目と美味いものを味わいすぎたため、三本目を堪能できませんでした。

貴重な年休をたっぷりと楽しませていただき大満足の一日でした。

カミハテ商店

2013-01-13 17:10:11 | 映画
満席でも50名という小さな劇場へ開演45分前に到着した私の順番は33番。
あやうく入れないところでしたが、シリアスなテーマの割に人気が高くてびっくりしました。
それにしても静かな静かな映画でした。

カミハテとは「上終(かみはて)」という地名です。
この小さな港町には自殺の名所となってしまった断崖絶壁があります。
その近くにある1軒の古びた商店が舞台です。
昔、子ども時代にはどこにもあったようなお店です。

お店番をするのは高橋恵子扮する孤独な初老の女性“千代”。
千代の焼いたパンと牛乳を最後に買って自殺していく客を、千代は黙って迎え黙って送り出します。
そして翌日になると千代は、断崖の上に残されている靴と牛乳瓶を黙って持ち帰ります。
この千代には子ども時代に辛すぎるような体験がありました。
なぜ千代は死のうとする人に救いの手を差し伸べないのか、なぜ千代は黙って靴を持ち帰り隠すのか、なぜ千代はひたすらパンを焼き続けるのか…。
セリフはありませんが、それらの理由が共演者らの演技と、隠岐の自然を背景にして明らかになってきます。

自閉症の牛乳配達の青年、ほとんど何もしゃべらないバスの運転手、都会で暮らすたったひとりの弟、すべての生き方が静かに絡み合ってストーリーは展開します。
ある事件がきっかけで商店もパン焼きも止めることを決意した千代ですが、最後に向かった断崖で牛乳配達の青年の自殺を思いとどめさせます。
しかし千代のこれからの生き方も、弟や自閉症の青年の人生も、最後はどうなるのか映画は示さないまま終わります。
それは観客の想像の中にあるとでもいうような映画でした。








レ・ミゼラブル

2013-01-05 16:48:11 | 映画
ああ、これか…と映画を見ながら少しずつ思い出します。
レ・ミゼラブル…記憶にある題名でしたが、どんなあらすじなのかはまったく思い出せないままに映画館に入りました。
仮出所した主人公ジャン・バルジャンを救ってくれた司教さん、その教会から盗みだした銀食器…そのあたりから「ああ無情」だと分かりました。

小学生の頃、読んだ本のタイトルはたしか「ああ無情」でした。
ストーリーは原作と違うと思いますが、心に残るいいミュージカル映画でした。


レ・ミゼラブル - 映画.com

三丁目の夕日”64

2012-01-22 21:38:37 | 映画
フード連合の新春の集いを終えて、楽しみにしていた映画を見に行きました。
三丁目の夕日、第3作目です。
この原作漫画も大好きですが、映画はそれ以上の出来ばえでした。
この原作の言いたいところが、最も色濃く出ていたと思います。

気持ちよく映画を見た後、セノバの中にできたお店で夕食を食べました。
あるお店に“地酒フェアー”と銘打った、2時間フリータイムコースがありました。
そのお店は自然食を売り物のお店で、料理はバイキング方式です。

映画館から合流した女房もこういった自然モノが好きですから、このお店“ぶどうの丘”に決めました。
“地酒フェアー”指定客のグリーンの腕輪をつければ、あとは好きなお酒が自由に呑めます。
まずは臥龍梅から入り、7種類の地酒を飲み較べてみました。
2種類のお酒を目の前に用意して、次々飲み較べていきます。
結局、臥龍梅と同列に並んだお酒は喜久酔と杉錦でした。

それを見ていた女房はすっかりあきれていましたが、映画の言わんとしているところはただひとつです。
「幸せってなんだろう」、ただそれだけを繰り返し話題にしている私でした。

ブラック・スワン

2011-06-19 19:42:05 | 映画
アカデミー賞主演女優賞受賞のナタリー・ポートマンの「ブラック・スワン」。

なにか女の争いのような面白くない映画だなあ…と初めは思いながら見ていました。


最後になって(おー、こう来たか!)と腹にストンと落ちました。

不思議なことにエンドロールの音楽に惹かれてか、誰一人席を立ちません。

余韻というべきか、こんな映画館の空気はあまり経験したことがありません。

映画っていいですね

八日目の蝉

2011-05-05 21:42:01 | 映画
毎朝楽しみにしているNHK連ドラ、「てっぱん」の次は「おひさま」、これも“なかなか”です。
特に主演の井上真央の演技に惹かれます。
その井上真央の名前を映画案内で見つけました。
題名は「八日目の蝉」です。

どんな演技をするのか楽しみで出かけました。
永作博美が井上真央に複雑に絡んで、そのストーリーはスピーディーかつ、切なく展開していきます。

蝉は地上に出てから7日で死にます。
主人公は(もし八日目の蝉になったら皆が死んでいて、自分だけ辛い寂しい思いをする)と考えていました。
しかし生い立ちをたどりながら旅するうちに、彼女の気持ちは徐々に変わっていきます。
八日目は自分自身でつくる道であることを…、一生懸命生きていればきっと明るい未来があることを信じよう…と、彼女は前向きに考え始めました。

クロッシング

2010-07-03 21:20:34 | 映画
こうしている現在も北朝鮮では実際に起こっている事件です。
キム・テギュン監督の衝撃の映画「クロッシング」を見ました。

北朝鮮に住んでいる3人の家族、妻が結核で倒れても薬が手に入りません。
意を決した夫は国境を越え、中国へ薬を求めて密入国します。
北に残されたのは病んだ妻と、母親を必死に守ろうとする男の子だけです。
中国に渡った父親は運命に翻弄されて脱北者として韓国に保護されます。
妻と子どもになんとかして会いたいと願う父親の姿は切なくてたまりません。
その頃、夫の帰りを待ちわびていた妻はひっそりと息を引き取ります。
ひとりぼっちになった子供は、父親を求めて国境の川を越えようとして警備兵に捕まり、強制収容所に入れられてしまいます。

韓国で秘密裏に撮影されたこの映画は、脱北者100人以上の取材と、実際の脱北者もスタッフとして加わってつくられたそうです。


知人に進められて選挙戦の合間に見た映画ですが、世界で初めて紹介された北朝鮮のリアルな日常や、強制収容所の実態にショックを受けました。
残念ながら静岡での上映は7月9日までです。
期日前投票を済ませてからの夜の部(17時30分~)がお薦めです。


映画を見てほんとうに民主主義国家でよかったと思いました。同感する方はぜひ1票を。
期日前投票に行かれた方も投票をお願いします。
      ↓
    日記@BlogRanking