南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
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財テクと強欲

2011-11-19 16:08:26 | Weblog
オリンパスの不祥事件の真相が次第に明らかになってきました。

80年代のバブル全盛期には企業だけでなく、サラリーマンや主婦までが財テクに走りました。
“ど素人”たちが次から次へと株式売買に手を染めていきます。
かくいう私も同様で88年の手帳を見ましたら、10銘柄ほどの株をやりとりしていました。
37歳の若造ですから、総額60~80万程度の遊びです。
私の周りの人たちも多くが浮かれていたと記憶しています。

当時、電電公社が民営化されるということで、NTT株が話題になりました。
額面5万円の株券が120万円で売り出され、お金持ちは抽選に参加し何株も購入していました。
不思議なことだと思っていましたが、その後、NTT株の初値には160万円がつきました。
買っていた人たちは得意満面で、「この株はまだまだ上がるんだ」と豪語していました。
その通りに株価はどんどん上がっていき、なんと318万円まで上昇します。
まさにバブル絶頂期でした。
そしてバブルは破裂し、一気に株価は急降下、92年には40万円台となっていました。
安く買って高く売り抜けた人たちは少数です。
多くの人たちは儲けたお金を次から次へと再投資し、最後に婆をつかみました。
それが原因で会社を辞めていった人もありました。

オリンパスも80年代の財テクに走った口でしたが、90年代に失敗し大穴を開けてしまいます。
そのうちに日本企業にも時価会計制度を導入することとなってきました。
時価会計制度を導入すると巨額な損失が明らかになってしまうために一計を企てます。
ケイマン諸島に設立された投資ファンドなどに損失を移す「飛ばし」をしたのです。
ケイマン諸島とは、ある意味、闇の金融取引が盛んで、司法の手が入りにくい特殊な国家です。
暴力団やマフィアのお金がここを通してマネーロンダリングされています。
多額の損失を穴埋めするためにオリンパスは企業買収のからくり工作を用いました。
たとえて言えば10億しか価値のない会社を100億で買収し、90億の穴埋めに充てるというからくりです。
もちろんその会社の株主はケイマン諸島の投資ファンド会社です。
この手のからくりには必ず闇の勢力がつきまといます。
そんな報道もアメリカではされはじめている模様です。

財テクと強欲の境を見失うと大変なことになりますね。
強欲は捨てて、欲もほどほどにいたしましょう。


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