南町の独り言

様々な旅人たちが、日ごと行きかふ南町。
月日は百代の過客、今日もまた旅人が…。

“聴く力”を高めよう

2012-02-09 18:15:29 | ユニオン
2月1日から3日にかけて実施された「春の労働相談ダイヤル」には159件もの相談が寄せられました。
労働時間や賃金関係の相談が46%を占めますが、3番目に多かった(17.6%)のがパワハラやセクハラ関連の相談です。
これらの相談の難しさは、法律に沿って対応すべき問題ばかりではないことです。

多方面に精通した相談員になるべく努力せねばなりませんから、来月の事務局会議では傾聴セミナーを企画しました。
このセミナーの狙いは、私たちの“聴く力”を高めることにあります。
医療専門家の間ではよく知られたアンケートがあります。
このアンケートに答えたのは、医学生、看護学生、内科医、外科医、精神科医、看護士です。

「わたしはもうだめではないでしょうか?」という患者のことばに対して、あなたならどう答えますか、という問いです。
これに対してつぎのような5つの選択肢が立てられています。
(1)「そんなこと言わないで、もっと頑張りなさいよ」と励ます。
(2)「そんなこと心配しないでいいんですよ」と答える。
(3)「どうしてそんな気持ちになるの」と聞き返す。
(4)「これだけ痛みがあると、そんな気にもなるね」と同情を示す。
(5)「もうだめなんだ……とそんな気がするんですね」と返す。
さて、あなたはどれを選択しましたか?

結果は、精神科医を除く医師と医学生のほとんどが(1)を、看護士と看護学生の多くが(3)を選んだそうです。
精神科医の多くが選んだのは(5)です。
(5)はなんの解答にもなっていないように見えますが、じつは「あなたの言葉を確かに受け止めましたよ」という応答だというのです。
“聴く”という行為は、なにもしないで耳を傾けるという単純な受動的行為にも見えるが、語る側からすれば、ことばを受け止めてもらったという確かな出来事なのです。
不安でたまらない、その得体のしれない不安を、相談員の胸を借りながら明らかにしていく、探し求めていくプロセスこそが大切なのです。
不安の正体を会話を通じて自らが突き止めた時、新しい展開が始まります。
自らの内からそれは湧き上がってきます。

精神的不安に便乗した悪徳商法も出るような世の中です。
「黒いユニオン」を駆逐するためにも、私たちは自らを高めなければなりません。
1に勉強、2に勉強、3にも勉強ですね。

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