王様の耳はロバの耳

イソップ童話に「王様の耳はロバの耳」というお話があります。
有名な童話ですからみなさんも知っているかとは思いますが、こんなお話です。

「王様の耳はロバの耳でした。
王様の散髪をする床屋さんはそのことを隠すように言われていましたが、我慢しきれなくなると家の近くにある井戸に向かって「王様の耳はロバの耳だ」と大声で叫んでいました。
すると不思議なことに国のいたるところにある井戸から「王様の耳はロバの耳だ」という声が聞こえてきました。
瞬く間にそのことは全国民に知れ渡りました。…」
話はまだ続きますが、ここまでのお話でみなさんはどんな感想を持ったでしょうか。

「人の口には戸は立てられない」という諺があります。
世間のうわさや評判は止めることができないという意味ですが、最近では何事につけても隠し事はできないという意味合いでも使われます。
およそ“マル秘”とか“極秘”などという言葉は死語になってしまいました。
かえってそんなスタンプなど押してあると逆効果で、「あなただけに…」とか「見たらすぐ処分してね…」とか勿体がついて出回ります。
インターネットの普及はこれに拍車をかけました。
ウィキリークスが有名になりましたが、２チャンネルなども現代版の「ロバの耳井戸」です。

情報過多の現代、発信する側も、受信する側も、気をつけなくてはなりません。
加害者が突然被害者になることも充分ありえます。
正確な情報を読み取る力と、誰からも後ろ指さされないような行動を養いましょう。