“赤字"の地方銀行が30社「本業利益」ランキング | 金融業界 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
地方銀行100社の「ランキング」でわかる実力差 | 金融業界 | 東洋経済オンライン | 社会をよくする経済ニュース
利鞘ビジネスが崩壊した銀行が手数料ビジネスに傾斜している昨今
手数料のメインは投信なのか生命保険なのか
仕組み債・・・
取引一任契約を推奨しているけど
全て自己責任なので銀行は売るだけですが・・・・
仕組み債の販売リスク「地銀トップは理解してますか」
浪川攻・金融ジャーナリスト地銀でハイリスク金融商品の販売が増加している。「仕組み債」と呼ばれるもので、金融派生商品(デリバティブ)を組み合わせた商品だ。この連載でも何度か取り上げ、高いリスクに警鐘を鳴らしてきた。最悪の場合、顧客が投資元本を大きく毀損(きそん)する可能性があり、今後の状況が心配される。
仕組み債の分析を初めて記載
金融庁は6月30日に「投資信託等の販売会社による顧客本位の業務運営のモニタリング調査」を公表した。主要行、地銀、証券会社が投信など投資商品を販売する際に、顧客本位のビジネスをしているか調査したものだ。例年この時期に公表する調査だが、今年は仕組み債に関する分析を新たに記載した。
調査は仕組み債の販売の現状を、主要行、地銀、証券会社の業態ごとに比較した。2016年度の仕組み債の販売額を100として指数化したところ、主要行は20年度に105、証券会社は同106でほぼ横ばいだった。ところが地銀は218で倍増していた。有効回答数は主要行7、証券会社7、地銀が22で対象は限られているが、傾向は顕著だ。
仕組み債の預かり資産残高も、主要行84、証券会社62と減少した一方、地銀だけは144と増加した。20年度末の預かり資産残高の額は、主要行1.2兆円、証券会社0.5兆円、地銀2.5兆円だ。金融庁は地銀の場合、「実際に販売しているのは連結子会社のグループ証券会社だ」と言う。
「地銀本体では安定商品、子会社では……」
ある中堅地銀に取材したところ「銀行本体では安定的な投信を中心に販売し、証券子会社では投資に慣れている顧客向けに、多様な商品を販売している」との説明が返ってきた。「多様な商品」のなかに、仕組み債も含まれているわけだ。この中堅地銀は、証券会社との合弁で証券子会社を設立している。
仕組み債のベースとなる債券は円建て外債が多い。さまざまなオプションを組み合わせ、商品性が大きく変わっている。債券価格が市場の予想通りに推移すれば大きな収益が得られる。その一方で、予想とは逆に動くと、投資元本を大きく毀損することがある。また、あらかじめ設定した日に、あらかじめ設定した価格水準をつけると早期償還となるように設計されている。
典型的なハイリスク商品で、過去には農林系金融機関が投資して元本を毀損し経営悪化を招いたり、大学が財テク運用して大損を被ったりしたことが大きな話題にもなった。
販売する側には高い手数料
仕組み債は、販売に際し明確な手数料を示していない。仕切り販売といって、販売会社は仕入れた価格に一定額を上乗せして販売している。金融庁の調査では、主要行、地銀、証券会社のいずれも販売手数料率は2.7~2.8%だった。ただ、それより高い手数料を手にしているところがあるとの話をしばしば耳にする。
販売する会社は一般の投資信託より高い販売手数料を見込める。さらに、早期償還ルールが適用されると、大抵の場合は再び仕組み債に投資され、そこでも手数料が得られる。そうした特徴があるため、証券業界には「仕組み債の販売は高収益源」という見方が根強い。
しかし、地銀は地域の信頼という基盤で成り立っている。たとえ証券子会社が主体だとしても、ハイリスク商品を積極販売することには危うさを感じる。「仕組み債を組成し、地銀に卸販売した証券会社は、顧客に直接販売するよりはるかに高い実質手数料を手にしている」(外資系証券会社関係者)という実態もあるようだ。
金融庁が今回の調査で初めて仕組み債を取り上げたのも、そのような認識を強めているからだ。グループ内で仕組み債の販売を増やしている地銀の経営者は、大きな販売リスクを抱え込んでいることをどこまで認識できているのだろうか。
<連載「ニッポン金融ウラの裏」は原則、毎週水曜日の掲載です>
余談
そもそも「仕組債」とはどのような債券ですか?
- 「仕組債」とは、文字通り、一般的な債券にはみられないような特別な「仕組み」をもつ債券です。
この場合の「仕組み」とは、スワップ(※1)やオプション(※2)などのデリバティブ(金融派生商品)を利用することにより、投資家や発行者のニーズに合うキャッシュフローを生み出す構造を指します。こうした「仕組み」により、満期やクーポン(利子)、償還金などを、投資家や発行者のニーズに合わせて比較的自由に設定することができます。
※1 スワップとは、金利(固定金利と変動金利)や通貨(円と外貨)を交換する取引をいいます。例えば、スワップを利用することにより、金利が低下したときに受取利子が増加する(逆に金利が上昇すると受取利息が減少する)ような仕組債を作ることができます。 ※2 オプションとは、あらかじめ約束した価格で、一か月後、一年後など将来に売ったり買ったりできる権利をいいます。例えば、株価があらかじめ定められた価格を下回ったときに、この権利が行使されて、償還金が減額するような仕組債もあります。
2.「仕組債」の構造はどうなっているのですか?
- 仕組債には、仕組債の発行者のほか、アレンジャーやスワップハウスなどの主体が関係しています。主に海外で発行され、日本国内で、販売会社により「外国債券」として販売(売出しなど)されています。
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「ねだる」…甘えたり頼み込んだりして物を請い求めること。
「ゆする」…相手を脅して金品を出させること。
「たかる」…相手に金品を無性に請い求めること。
「もがる」…異議をとなえて逆らうこと。難癖をつけて金品を求めること。