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Googleのスマホ決済、PayPay・楽天ペイの脅威に・・・・日経ニュース

2021-07-09 16:00:00 | 経済プレミア


Googleのスマホ決済、PayPay・楽天ペイの脅威に




米グーグルが日本のスマートフォン決済市場に本格参入することで、国内の勢力図が大きく変わる可能性がある。「PayPay(ペイペイ)」など大手は顧客獲得を優先した還元競争により依然として赤字だ。競争が激しくなれば収益化が遅れることになる。金融と異業種の垣根が一段と低くなるなか、大手金融機関も戦略の再考を迫られる。

グーグルは、決済代行のメタップスや、みずほ銀行などpring(プリン、東京・港)の既存株主から全株式を取得する方針を固めた。買収額は総額200億~300億円規模とみられる。

グーグルが日本で展開するスマホ決済「グーグルペイ」は単体での決済機能はなく、他社のクレジットカードや電子マネーなどを登録する必要がある。国内の利用者数は非開示だが、4000万人超が登録するペイペイなど主要サービスに比べ存在感が小さい。銀行以外で送金サービスを提供する資金移動業者のプリンを取り込むことで、銀行口座との連携が広がり独自の送金・決済サービスの足がかりとする狙いがある。

日本のスマホ決済は18年ごろからネット・通信会社が相次ぎ参入し、市場が急拡大した。キャッシュレス推進協議会によると、20年のQRコード決済の取扱高は19年比4倍の4.2兆円と過去最多を更新。年間取扱高はクレジットカードの61兆円にはおよばないが、銀行口座から買い物代金を引き落とすデビットカード(2兆円)を上回り、電子マネー(6兆円)に迫る勢いだ。


ただし、ペイペイや楽天ペイは電子商取引(EC)や携帯通信サービスといった自社グループの経済圏の囲い込みのための手段としての側面が色濃い。同じスマホ決済内でも付与するポイントの種類が増え、特定のサービスでしか使えなかったり、すべてを現金として出金できなかったりするなどわかりにくさも出ている。 

現在も顧客獲得を優先した大型還元で体力勝負の様相を呈する。一時は20ものサービスが乱立したが、ネット通信大手を軸に再編が進む。メルカリが20年1月、経営難に陥った新興のオリガミを買収。最大手のペイペイも登録者が4000万人を超えるが、21年3月期の営業損益は726億円の赤字だ。還元競争が長引けば収益化への道が長引くことになる。

ここに日本でも数千万人規模の利用者を抱えるグーグルが参入することで、競争が一段と激しくなる。グーグルの基本ソフト(OS)「アンドロイド」を搭載した端末は世界で25億台に上り、国内だけでなくグローバルに使えるようにする計画だ。すでに米国の個人利用者はインド、シンガポールに送金できる。

プリンは既存大手の顧客基盤や知名度には及ばないが、グーグルは「オープンなサービス設計で、幅広い事業者向けに展開する独自路線を評価している」(関係者)という。特にサービス開発者からコミュニケーション手段のように使える送金のしやすさやデザインの評価が高い。

グーグルにとって決済は「既存サービスや技術との親和性も高い」(別の関係者)。米国でのグーグルペイは、利用者ごとにお薦めの商品や特典を表示する機能を備える。強みの地図サービスと連携して、最寄りの飲食店を表示したりグーグルペイ上で事前注文したりできる。日本でも既存の決済事業者にはない強みを発揮できる余地が大きい。

実際インドでは「市場を独占していた最大手のペイティーエムを脅かす存在になっている」(ベンチャーキャピタル関係者)。同国の小口決済インフラを使った取引ではグーグルペイのシェアが35%と、ペイティーエム(11%)を超える。ペイティーエムの利用者も月1億5000万人にのぼるが、20年の最終損益170億ルピー(250億円)の赤字と収益化にいたっていない。

金融サービスの接点がリアルからデジタルに移行するなか、大手金融機関も提携戦略を再考する必要が出てくる。グーグルも米国ではシティグループ、シンガポールではオーバーシー・チャイニーズ銀行(OCBC)といった大手銀と組んだ。日本でも提携関係が2社間にとどまらず複雑になるなか、機動的に対応できるかが問われる。

(駿河翼)

掲載される投稿は投稿者個人の見解であり、日本経済新聞社の見解ではありません。

  • 天野彬のアバター
    天野彬電通 電通メディアイノベーションラボ 主任研究員

    ひとこと解説

    GAFAのような生活に密着したプラットフォームが金融サービスを始めることを若い世代ほど好意的に捉えるという調査結果が知られています。特にアメリカでは、既存の金融機関への信頼度が相対的に低いので、ディスラプターとして期待されているという背景があります。 ただしスマホ決済サービスは既に多数存在するので、Google Payが使われるためには、他では満たせないユーザー便益がどれだけあるのかが重要。記事でも指摘されているように、日本でもGoogleのマップ機能は飲食店などのお店探しに使われることが増えていますし、そういうユースケースはわかりやすいですが、他にあといくつ見えてくるかが鍵を握ると思います。

  • 大岩佐和子のアバター

    ひとこと解説

    PayPayは加盟店に対し、10月以降の決済手数料の有料化を予告しています。小売店では今この話でもちきりです。有利に伴いコロナで打撃を受けている中小加盟店が離れるかのか、継続するのか、対応が注文されていました。その最中でのGoogle決済のニュース。PayPayの有料化のタイミングに少なからず影響を与えそうです。

  • 石川温のアバター

    別の視点

    PayPayや楽天Payが強いのは「汗をかく営業力」があるから。特にPayPayは全国に拠点を設け、営業担当者が決済できる店舗をゼロから開拓してきた点に他ならない。楽天に関しても、営業力が強いからこそ、日本国内でネット通販で強いという背景がある。グーグルがpringを手に入れたとしても、この営業力をつけないことにはPayPayや楽天Payには対抗できないのではないか。決済市場はネット上というよりも、リアルの現場をいかにおさえるかが、勝つためには重要といえるだろう。



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