きときと日記

「きときと」とは富山の方言で「ぴちぴち(新鮮な)」という意味。きときとな日々の記録を更新中。

私たちの世代は

2024-03-11 | 

今朝は氷が張って寒かったけれど、昼間は少し晴れました。今日は一日、家で仕事しました。図書館で借りて、瀬尾まいこの「私たちの世代は」を読みました。とても面白かったです。最初はいろいろな人が時代を行き来しながら登場するのでちょっととまどいますが、状況が分かるとなるほどと興味深く読み進みます。

「今でもふと思う。あの数年はなんだったんだろうかと。」で始まる物語は、コロナを経験したことで生まれた物語ですね。小学校3年生になる頃に感染症が流行り、不自由を余儀なくされた二人の少女。大好きな学校に行きたいと願った少女は、あるきっかけで引きこもりとなり、夜の仕事をする母と二人暮らしの少女はいじめに会い、育児放棄された少年と出会う。別々の場所で育った二人が、やがて大人になり、就職活動の場で出会うことになります。

つらい日々を送りながらも、SNSでつながった友達や、家庭教師の先生を通じてのかけがえのない出会いがあり、前向きに歩き出す二人。どの登場人物も丁寧にかつ分かりやすく描かれていて、思わず応援しながら読み進み、最後にはたくましく成長する姿にほっと胸をなでおろします。

「送るべきだった日常。・・・そこにあったはずの喜びや楽しみ。・・・それらを手にすることは、できなかったかもしれない。だけど、私のもとにはあの日々が連れてきてくれたものがたくさんある。」という最後の言葉に、どうかコロナ禍を過ごした子たちもそうであってほしいと願ったりして。とてもとても良い話でした。今、読んで良かった、と思います。
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