旅とエッセイ 胡蝶の夢

横浜在住。世界、50ヵ国以上は行った。最近は、日本の南の島々に興味がある。

貧乏飯

2016年01月17日 08時54分27秒 | エッセイ
貧乏飯

 工夫次第で、貧乏飯もまた楽しからずや。高卒の新人で東北出身の若者は、就職して最初の一年で200万円の貯金を作った。えらいもんだ。寮費(光熱費込)は月5-6万。食費を一日千円予定していたら、200万はてんで溜まらない。
 中学生かい、と思われる小柄な体格だったから食べる量は少ない。この若者が、友達(こちらも小柄)と二人で休みの日に横浜の中華街に行ったというから、「何食べた?」と聞くと「中華饅頭」と答える。350円程度の大きめの中華饅一ヶで腹が満ちるとは効率がよい。彼は朝早く起きて、電車で3駅位を歩いて交通費を浮かし、ペットボトルに水道水を入れて飲んでいた。
 彼には、イカ釣り漁船を買うという明確な目標があったから頑張れたんだろう。ところが二年目になると、周りに感化されてパチンコ、風俗を覚えバイクを買った。それでも一度貯めた200万円はそう一気には無くならなかったようだ。もう一年いたらどうだったかな。3年目の途中で転職していった。
 自分もそこそこ稼いでいた勤め人の頃は、昼食に千円出しても惜しいとは思わなかった。六本木に通勤していた時は、昼食代で千円は出さないとまともな飯は食えなかった。安い定食屋とかが無いんだ。あっても遠い。昼休みは短い。他のサラリーマン時代の昼食はたいてい700~750円位が平均値で、800~850円では高いな、と感じる。まあ残業をして夜遅くなっても、基本的に家で晩飯を食っていたので一日一食、週5日、月に20数回の話しだ。
 今のように24時間30時間勤務となると、昼・夜・朝(+昼)と食事の回数が1度で3-4回になる。その度に700円かけたら破産だ。まあ朝は菓子パンとインスタントコーヒーで済ませれば百円。昼はカップ緬とパン1ヶなら安上がりだが、健康にはよろしくない。たまには良いが毎回はいかん。100円の冷凍食品(パスタ、ピラフ、緬類)を二つ、という手もあるが炭水化物+炭水化物にゃ違いない。健康診断で保険のお姉さんが言っていた。どうしても必要なら夜食でもおやつでも、カップ緬は止めておにぎりにしなさい、おにぎり。
 おにぎりの弱点はね、日持ちしないことなんだな。限られた休憩時間に直ぐに買いに行けないじゃんか。あとやっぱ高い。俺はおにぎりだけだと4つは食わないと駄目、3つではどうしてももの足りない。そうすると500円か、高いな。レトルトご飯とカレーなら200円。ただこれだけでは量が足りない。レトルトのご飯は5パックで406円、直ぐに無くなる。
 このレンジでチンのご飯と何を組み合わせるかがミソだ。以前の勤務地では割りと近くに魚屋があった。そこで売っている色々な焼き魚(1片or1匹、150-350円)を買うのは楽しみだったが、今は無い。あそこは古本屋が2軒あって50円の文庫本をまとめてよく買ったもんだ。今の所はスーパーが3軒(中型x1,小型x2)弁当屋が1軒、飯屋は500円のハンバーグ定食(焼き肉屋さん)と中華600円定食(質量満足)、それと遠くなるがスキ屋。後は高い。弁当屋は基本高いので使わないが、各種おかずを盛ってハカリ売りのシステムはたまに使う。しかしちょっと盛ると350円、もうちょっとで450円、安くはない。
 冷凍食品(100-160円のギョーザ、シューマイ、チキン、ポテト等)や缶詰、106円ハンバーグ、39or54円の豆腐(やっぱり絹ごし、醤油とチューブ入りの生姜が宜し)、100円の冷凍野菜や生野菜、枝豆。野菜はドレッシングをかけて食う。でも昨今のMyトレンドはもやしだ。19-25円のパックを買って洗いレンジで3分チン。カレー(缶詰orレトルト)があればそこにぶち込む。もやしにドレッシングは今一合わない。白だしを買った。なかなか良い。
 後は小物、ふりかけ、ビン入りナメコ、小袋入りの味噌汁。飲み物は水の他に、インスタントコーヒー、紅茶のティーパック(100円で25パック入り)、お茶(寿司屋で出る粉茶)を用意してある。
 本当に貧乏飯だよな。でも色々と工夫して安くてうまい組み合わせを探すのは癖になる。若い頃、印度や亜細亜諸国を旅して、毎日の宿代と食費をいかに切り詰めようか工夫していた事を思い出す。何にでも楽しみはあるものだ。

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