旅とエッセイ 胡蝶の夢

ヤンゴン在住。ミラクルワールド、ミャンマーの魅力を発信します。

今は、横浜で引きこもり。

邯鄲の夢 - 第十夜

2014年12月06日 17時55分32秒 | 夢十夜
10. 名画座の想い出

 昭和30~40年代の初めまで、かなり小さな街でも映画館が一つはあり、小学校に上がる前から自分は父親やおじいちゃんに連れられて見に行ったものです。東宝のゴジラシリーズが全盛期で、併せて加山雄三の若大将をやっていました。田中邦衛が金持ちのドラ息子、青大将の役で出ていて、その当時でも老けて見えたのですが、いったい彼は今いくつなんだろう。
 大人になって東京から北海道へ行くフェリーの中で、偶々その若大将をやっていたのですが、そこに出てくる車や女の子があまりにオールドファッションなので驚きました。今時つけまつげなんて、ギャル曽根と美輪明宏くらいしかしてねーよ。洋物の特撮で、体を小さくして人体にもぐり、カプセルみたいな乗り物に入って血液の中を流れ、白血球に飲まれそうになり、悪玉菌と戦って治療する「ミクロの決死圏」なんて映画は今でもよく覚えています。映画館の前を通って次回上映作のポスターや書割を眺めるのは楽しみでした。
 大学に入ったのが昭和50年、高田馬場には名画座が2つありました。早稲田松竹とパール座で、両方共300円2本立て、パール座は洋画専門でした。よく見に行ったものです。大学へ行っても授業に出ないで、おにぎりを持って2つの映画館をハシゴした事もあります。ロードショーではないので、映画館主の趣味なのでしょうか、実に様々な映画が上映されましたよ。自分の中の名映画ベスト10の大半はこの時代に見たものです。
 早稲田松竹で高橋英樹の「けんかエレジー」と、それとセットになっていた何か、渡り鳥シリーズを見たときは、映画館の入りは1/3~1/4位でしたが、観客がセリフにしびれましてね。すがりつく美女を振り切り、「流れもんにゃあ女はいらねえ。」わー、「女といっしょじゃ行けねえんだよ。」わー、わー、拍手、拍手ってなものでしたよ。

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