「北の山・じろう」日記

内容は主に時事問題。時々株式投資関係の記事も交じります。

ハルキウ北部とドネツク南部の戦い<ウクライナ紛争2024/08/03

2024-08-03 19:49:53 | 中立の視点で見るウクライナ紛争

(1)ハルキウ北部戦線
瞬間風速的にウクライナ軍が進撃している!とニュースになりました。その後、全く音沙汰がなくなりました。
既に何回か書いた通りロシア軍は、ウクライナ軍の兵力を出来るだけここに引き寄せるためにハルキウ北部で戦端を開きました。
ウクライナ軍のボロが丸出しになり、あっと言う間に今ロシア軍が占領しているエリアを奪われました。
当然、ウクライナ国内では軍と政府に大批判が起きました。
それを挽回するためにウクライナ軍(ほぼゼレンスキー)は、ハルキウ北部に集められるだけの部隊を集結して、ロシア軍を国境の外に追い払うことを宣言しました。

これで見栄からウクライナ軍は、この戦場から離脱できなくなりました。以後、ひたすら突撃を繰り返しています。
ウクライナ軍を引き寄せて消耗戦に巻き込むというロシア軍が意図したとおりの流れが続いています。
ウクライナ軍は、この狭いエリアに数万人の部隊と多くの火力を集中していると思います。
その分、ドネツク州のウクライナ兵が少なくなるという仕掛けです。
見栄っ張りのゼレンスキーの性格を読んで、ロシア軍はイラつかせてこのような作戦を行います。
ゼレンスキーは、ロシア軍のナイス・アシストマンです。
ゼレンスキーが何かしでかすと、それがロシア軍を助けている事が多いです。

こんな調子で戦争に勝とうというのは、おこがましいというべきでしょう。
一応記事
2024.07.12
侵攻869日目、ウクライナ軍がボルチャンスク北市内でロシア軍を押し戻す
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-869th-day-of-the-invasion-ukrainian-forces-push-back-russian-forces-in-northern-city-of-volchansk/
ボルチャンスクВовчанськ北側の市街地のロシア軍が占領した地域が戦場です。
略図を見ても狭いエリアです。もう2か月くらいウクライナ軍は攻撃を続けています。多少、ロシア軍を押し返したようですが、まだ市街地にロシア軍が残っているようです。
西のリプシLyptsiでもその北側にあるロシア軍の拠点のライボケHlybokeにウクライナ軍が突撃を繰り返していますが突破できたという話は聞いていません。

2024.07.25
ハルキウ北東部の戦い、ウクライナ軍が計6km以上もロシア軍を押し戻す
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/ukrainian-forces-push-back-russian-forces-by-more-than-6km-in-northeast-kharkiv-battle/

航空万能論の管理人は、嬉しくて「計6km以上も・・」と話を膨らませていますが、激戦になっているボルチャンスクВовчанськ北側の市街地とリプシLyptsi北側のライボケHlybokeでは、それほど変化は見られません。

その後、音沙汰がないと言うことはウクライナ軍は順調に削られていて、話題にしたくないと言うことだろうと思います。少しでもウクライナ軍有利の戦況が生まれれば、大ニュースになっているはずです。それが無いと言うことはウクライナ軍は順調ではない・と言うことだろうと思います。
<ロシア国防省の発表>
8月1日>パトリオットの発射機3基、人的損失は最大1965人
7月31日>損失は1日に最大2130人
7月30日>人的損失は最大1930人
『パトリオットの発射機3基』は、大戦果です。
ウクライナ軍の人的損失は、ハルキウ北部での戦闘が始まって以来、それ以前より+1000人のレベルをコンスタントに維持しています。
それに60日を、かけると❓
ハルキウ北部だけでウクライナ軍は無謀な突撃を繰り返して相当な人的損失を出していることになります。

あくまでロシア側の発表ですから正確とは限りませんが6月からウクライナ軍の人的損失は1か月6万人見当になります。それ以前は、ざっくり3万人と言われていました。
6月からは、それが2倍になっています。
ドネツク州中部でのウクライナ軍の崩れ方を見ると、この数字が概ね正しいのかもしれません。今年の3月ごろまでとは、ウクライナ軍の戦いぶりが、まるで違います。弱体化しました。
その理由は、相当失われているかもしれない兵力の減少にあるのかもしれません。

ハルキウ北部の戦いは、ロシア軍にとって順調に進捗しているようです。ウクライナ兵を引き寄せて、すり潰すのが目的です。

(2)ドネツク南部の戦い
ここは、ドネツク中部よりはゆっくりとロシア軍が進撃しています。ドネツク中部にロシア軍は最大兵力を投入していると思いますので、それと比較するとゆっくりになります。
2024.07.31
侵攻889日目、ロシア軍がコスティアンティニフカ~ヴフレダル方面で大きく前進
https://grandfleet.info/war-situation-in-ukraine/on-the-889th-day-of-the-invasion-russian-troops-make-great-advances-in-the-kostyantynivka-vhledar-area/

ドネツク南部の戦闘は、現在マリンカMar'inka南方面のコスティアンティニフカKostyantynivka~ウーレダーVuhledar方面で行われています。
ウーレダーVuhledarは、残っている要塞では南ドネツク最強です。普通に攻め落とすのは無理です。2023年1月~2月ごろロシア軍が攻めましたが、壊滅的敗北を喫しました。
この両拠点間を結ぶルートO-0532の制圧を目標にロシア軍が前進していました。
この記事の略図では、まだ到達していませんが、ついにロシア軍はルートO-0532まで制圧したようです。
今後、ウーレダーVuhledar方面へのウクライナ軍の補給はかなり苦しくなります。
略図を見ると分かりますがロシア軍は、ゆっくりとですが確実に西に支配地を広げています。
今、それほど多くの兵力は投入していないと思います。

ドネツク中部を優先的に攻撃しているからです。

一番下の図が、ザポリージャ戦線です。
ここもロシア軍は大した進撃していません。
確報ではありませんが、ここにロシア軍が9万人の部隊を集結させているという話もあります。
もし本当ならザポリージャ戦線でロシア軍は、北に向かって進撃を開始するかもしれません。

バフムト方面でも西部と北部に進撃しているようです。
ほぼ長い前線で戦闘が起きていない地域は、ないと言ってよいと思います。ほぼ全地域が戦場になっていてロシア軍が大兵力を投入しているのが、ドネツク州中部の戦場です。
ドネツク州中部を優先的に集中攻撃しています。

それ以外の戦場は、確実にゆっくりの方針のようです。
これに対してウクライナ軍は、対応のしようがないのが現状です。

※関連記事目次
「中立の視点で見るウクライナ紛争」の目次⑤
https://blog.goo.ne.jp/kitanoyamajirou/e/e2c67e9b59ec09731a1b86a632f91b27



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