幸福って・・・。

　疲れて家に帰ると、風呂上りの母が床に寝そべり、なにやら体操の道具と思われる大きなボールを足でゴロゴロ転がしている。
会話をするが、その運動を止めようとしない。

今７８歳の母は毎日のように自転車でリズムダンスやスイミングなどに通う。
少しでも具合が悪いとすぐ病院へ行くから、僕より元気なんじゃないのか・・・と。
　
聞けばダンスや水泳でも「そこに友達いるから楽しいんだ。」と答えた。
どうでもいいようなくだらない話を仲間とダラダラしながらプールを歩いていると、１時間なんてあっという間らしい。

　「贅沢はいらない。毎日ただゆっくり、そして楽しければそれでいい。」という母。
　年齢と共に価値観は大きく変わっていくんだろう。　「あれも欲しい、これも・・・。」の僕とはまるで違う。
　でも母の気持ちもよく解る。
本当の幸福って、そこに家族がいて、仲間がいて、笑顔があって・・・そんな単純なことなんだろうけど、　　だんだんと難しくなるんだよなこれが。　

　
※母（中央）と仲良しおバアチャンたち