木祖村 Gリポート

木曽路や木祖村の話題を報告します。木曽川源流の里の議員日記。

木祖村平成22年3月議会/一般質問1 葛飾北斎紛失問題

2010年03月21日 | 木祖村議会と議員
星梓の一般質問1問目。(3月16日分)

Q1:郷土館収蔵資料:葛飾北斎「今様櫛■雛形」(いまようせつきんひながた)の紛失について

Q(星):この葛飾北斎史料は、文政六年刊、柳亭種彦序文、葛飾北斎画図、江戸当時流行した櫛の図案集である。国内でもこの櫛の部を所蔵公開している施設は少なく、原本をガラス越しに実見できるのは、長野県内でも木祖村郷土館だけであったと思われる。
この史料の所在不明を私が知ったのは2003年。2007年には着任された教育長にも回収するよう直接ご相談申し上げた経緯がある。にも関わらず、依然行方不明というのはどういうことか。

①この問題について村長が教育委員会から報告を受け、紛失を知ったのはいつか。教育委員会にどう対応するよう指示したか。その後2年間に史料の所在を調査したのか。調査にあたった人数と期間は。

②当史料は180年かけて村民が伝えた遺産。村に寄贈したら30年でなくなるとは貴重な村民の財産に対する意識が欠けている。村長は史料の歴史的価値をどう考えているか。条例にある相当の評価額とはいかほどか。紛失の原因はどこにあると考えるか。
 2007年12月議会で、館内資料の閲覧・撮影・館外への貸し出し等についての具体的な規則を追加するように求めた。運営と例規の両面から見直すとの答弁だったが、運営規則や保管管理規則の見直しはしたのか。

③史料の回収だけでなく、現行の郷土館収蔵資料の点検を行い、かつ管理ルールや台帳の整備等を早急に行う必要がある。この問題の解決方法、原状回復等、具体的にどうするのか。いつまでに実行するのか。

A(村長):①本件は平成19年12月定例議会での星議員の一般質問通告書要旨に「郷土館所蔵資料の適正管理」があり、この段階で役場としても事情を知った。私としてもその時が初めてであり、教育委員会でしっかり調査をするよう話をした。

②史料の歴史的・金銭的価値は、江戸時代より薮原の名物とされているお六櫛の文献で、全3冊のうち1冊といえども相当な価値があると考えている。
損害保険の相当の評価については、昭和50年開館から全出品物への保険の手続きが取られていない実態があり、大変遺憾に思っている。

③史料の所在を明確にするには、関係者の意見を聞き、きちんと整理したいと思っている。

A(教育長):19年12月定例議会後に、前教育長・元教育長との計3名で話をしたが、紛失の認識がなかった。解決の糸口がないので、20年5月20日文化財審議会に諮った。その際、所蔵はもともと一冊で櫛の部のみ。村民センターの二階にコピー(印画紙・縮小版)がある。貸し出しはしていない。村誌編纂事業当時は原本が存在し写真を撮っている。との事だった。
 源流シンポジウムの際の郷土館クロスの張り替えやお六櫛の日の時に探そうとしたが、日程的にできなかった。それから進んでいない。内部で書類も探したが、この本の受付に関する記録がない。盗難とは考えにくいので情報が出てくるのを待っている状態である。

Q(星):郷土館収蔵品は村民の歴史的遺産の一部が寄贈されたもので、その管理をおろそかにすることは村独自の歴史や村有財産をおろそかにしていることになる。昭和50年の開館から今日まで、収蔵品の定期点検をしたことがあるのか。
 資料の散逸を防ぎ、貴重な村民の遺産を次世代に確実に残すぐために、徹底した点検と台帳等の整備を提案する。この際「木祖村郷土館が保有する収蔵品の管理状況に関する監査」を行って欲しいが。

A(村長):村内の歴史文化を守るという配慮が欠けていた。あらゆる調査や適正な管理ができるよう対策を考えたい。

C(星):今回行方不明の資料も、管理のルールがしっかりしていればなくなることもなかった。役所の仕事において、あらゆる物品の管理は基本中の基本。今後は史料に限らず物品管理を厳密に行うという視点で木祖村郷土館の適正な運営を図り、もっと多くの方が見学に訪れる施設にしていただきたい。




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