木祖村 Gリポート

木曽路や木祖村の話題を報告します。木曽川源流の里の議員日記。

3月7日 木祖村3月議会/一般質問1

2008年03月07日 | 木祖村議会と議員
3月7日 木祖村平成20年3月定例議会
 各議員による一般質問が行なわれました(8議員16件)。
 星梓の一般質問および村の答弁の内容は以下のとおりです。

Q1:源流の里の川づくりについて
   ~木曽川本流河畔林の伐採について


Q(星):
 今年に入って、五反田橋から備勢橋上流域まで河畔林の伐採が行なわれた。
 私も実際にあの付近の水際を歩くが、最近では灌木やつる科の植物が密生しトゲのある低木が繁殖していていたため、下刈り・つる切り・枝打ち等の環境整備の必要性は感じていた。昨年末に整備するとの話を聞きいていたが、結果は「皆伐」であり、村民の一部からも過剰伐採・自然破壊ではないかという声が出ている。

 平成9年の改正河川法では、河川の自然環境や水辺空間に対する国民意識の高まりに応えるため、河川法第1条に「河川環境の整備と保全」がその目的と位置づけられ、「河川全体の自然の営みを視野に入れ、地域の暮らしや歴史・文化との調和にも配慮し、多様な河川景観を保全・創出する」ことが明確化され、はじめて住民の声を河川整備計画に反映させることも規定している。
 今回の整備については、何の計画性も無く行なわれたと受け取る村民も多く、また目につきやすい場所のため、本当にあれでよかったのかと疑問視している。

 ついては、伐採にいたる経緯・伐採の経過・伐採の計画内容等について説明を求めます。特に高水敷の伐採方法については、いわゆる管理伐採や択伐ではなく、皆伐を行なった根拠について。また、あの一帯に生息する魚、鳥、昆虫など自然の生態系への配慮はどのように行なわれたかについてもお願いします。

A(村長):
 木曽川の管理者は長野県で、伐採も県の予算でやるのが原則だが、予算が厳しい折、県へ地元が伐採する事を報告しながらやっている。村内でも「水の始発駅フォーラム」や各自治会で河川の環境整備をおこなっているわけで、村も資材支給事業として支出して行なっている。
 今回の件については、12月の上旬に田上議員から担当へ、備勢橋からマルオカ工業倉庫付近までのアカシアについて伐採したいという話があった。建設事務所へも連絡し、事務所からは伐採の後の始末をきちんとするようにとのことであった。
 年が明けてから伐採を行なったが、伐採後は非常に見渡しがよくなり本当にきれいになったわけであります。今後は順次後片付けが行なわれ、また焚き物にも利用するという方がおられるので、そういった形で進めさせていただければありがたいと思う。
 河川環境という意味では国も地方も住民からも関心が寄せられている。今回の河川整備については村も県にも計画的姿勢があったわけではないが、河川環境保全が必要なのは判っている。県も河川管理・環境整備に関わる経費がないなかで、どうしても地元に頼らざるを得ない。
 しかし、ご指摘のように魚への影響やどの程度の間伐が良いのかなどについて、県とも相談しながら今後は取り組んで参りたい。

Q(星):
 河川は水と緑の貴重な環境空間であり、子供達が五感を使って自然を体験し、学ぶ大切な公共空間です。一帯の河畔林そのものにはクヌギやナラなどの実生苗は少ないにも関わらず、カブトムシやカミキリムシがとれるので夏場は親子で昆虫採集ができたという。奈良井からも親子で備勢橋まで毎年とりにきていたとの話もあって、残念がる声もある。
 河畔林は魚類の採餌環境にも重要な役割を果たしており、今回伐採された一帯は、役場前から笹川までの上流域のなかでも比較的魚影が濃いとされる区間です。3月には渓流解禁になるというのに、高水敷にはまだ伐採林の撤去が完了していないし、渓流魚の餌給林といえる立ち木がへったことで夏場は釣果にも影響します。水辺に生息する昆虫や鳥類などにとっても、河畔林が大切であることも認識して欲しい。

 木曽川本流の管理者は長野県ですが、許可があれば自由に切って良いという意味ではない。近年ではできるだけそこにある岩や実生樹木を守り、自然を利用する形での伐採や保全整備が主流です。
 平成18年公表の「河川景観ガイドライン」に基づく河川区域内の樹木管理の基本方針では、「良好な河川環境の形成に寄与している樹木はできるだけ存置する。」と示されており、最近は皆伐をさけ、樹木の有する生態系の保全、環境機能を充分考慮する旨を明記している。
 今後の河川環境整備では、木祖村としても一部の村民まかせでやるのではなく、事前に伐採計画の内容を検討・調整するしくみが必要だと思う。
 村は治水と自然保護・景観育成を両立させる方向でやっていただきたい。今後の整備や維持については、時代に応じたこまめな指導と各種法令の主旨にそった情報公開を。そして源流の村ならではの生態系に配慮した川づくりを進めて欲しいと思います。


2008年2月末現在


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