いよいよ秋も近付いてまいりました、って感じの風が吹いております。今日は雨が降っているせいか、とても涼しいです。心底ワクワクしますよ。生まれ月が秋のせいなのか、苦手な夏が終わってせいせいするためなのか、秋が近付くと心が逸るのでございます。
秋と言えば中秋の名月。今年は10月6日だそうですよ。
子供の頃「今日はお月見よ」という母の言葉に「わー、お月見団子が食べられる~!」と大喜びした事がありました。しかしこの「お月見団子」とは、どういうものなのか。一般的には白玉だとか餅の団子のようです。
しかしながら、八宝菜を甘酢で作るようなトンチンカンな料理を出すウチです。成人して働くようになって初めて、八宝菜は甘酢ではないと知ったのです。なんと美味しい食べ物が、この世にはあったのかと!そして今まで食べてたアレは何だったのかと。ウチで食べていたアレは、いわば酢豚と同じ味のする酢野菜だったワケです。
そんな事はまだツユとも知らない、いたいけな子供だった私は、絵本に出て来るような満月のように白くて丸い団子が山の様に積まれて来るのを今か今かと待っていました。食後にお団子を食べましょうねと言われ、晩ご飯がテーブルに並べられるのをじれったく見守っていました。
すると、そこに見慣れない茶色い山があるではないですか。「ママ、これ何?」「それが月見団子よ」「えー?」山積みの茶色いもの、それは確かにお菓子でした。茶色い揚げ菓子。丸いドーナツ、沖縄で言うならサーターアンダギー。
あれから30年以上が経った今も、月見団子と言えばアンダギーを思い出す私です。
Nikolai Kapustin / Piano Quintet