元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

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「妄想研究所」:kipple

2008-02-05 00:40:00 | kipple小説

     「妄想研究所」


金が尽きてきたので、私は、妄想研究所に妄想を売りに行った。

午前7時に入所し、裸になって、薄暗い生暖かい塩水タンクに入った。

頭のてっぺんから、つまさきまで、千の電極を付けられて、妄想を続けた。

たくさん、妄想した。たくさん、たくさん。

私の妄想は全て、この妄想研究所から妄想加工工場に送られ、人工衛星に送信され、再び衛星から地球上に振り撒かれる。

そうして、人類は妄想循環の中で、いつまでも想像力を失わず活気を保てるのだ。

あっと言う間に終った。

今回は、ずいぶんと溜まっていたので、いつもの倍以上の妄想を大サービスで、千の電極に吸い取らせてやった。

スッキリした。

私は、けっこうな大金を手に、妄想研究所を出た。

外は夜で、見上げると天辺に青白い満月が笑っていた。

私は、思わず、つぶやいた・・・








もうそうんな時間かあ!”




                  ・・・・・ !


This novel was written by kipple
(これは小説なり。フィクションなり。妄想なり。)



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