元祖・東京きっぷる堂 (gooブログ版)

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音楽室5号 第17章

2021-07-04 07:16:35 | 音楽室5号

 


第17章

(僕の友達は、缶ジュースを飲み終えると、飲み口の二等辺三角形的な穴を“おぉ寒けがする”と言って、セロテープで、ぴっちり塞いでしまい、路上にポィッと捨てて、ニコッとします)

 向こうから今度は音楽教師が地球儀を、肩に担いでやってきました。

 キーホーは喜び、ぴょんとはねると聞いてみました。

「あの。音楽室は?。」

 音楽教師は、むっとした表情で黙って天井を指差しました。

    音楽教師

 キーホーは深々と御辞儀をし、チンチロリンと御礼を言うと、その音楽教師は、小さく頷いて、地球儀を軽やかに地平線の向こうまで蹴飛ばすと、爪先立ちになってクルクル舞いながら、つむじ風の様に去っていきました。


 キーホーの心は輝やきました。

 さっそく、キーホーはエスカレーターを逆さに駆け上がって上の階へ行きますと、音楽室を探し始めました。


 ありました。

 あった。

 ありました。


 けれども、キーホーの目には、音楽室が五つ並んでいるのが映ったのです。

 こちらから順番に、戸口に白いプラスティックボードに黒いマジックで、


音楽室一号

音楽室二号

音楽室三号

音楽室四号

音楽室五号



 と書かれておりました。


 キーホーは迷わず、一号室の板戸を、からからと開いて中に入って行きました。


 



KIPPLE



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